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2010年1月30日 (土)

妙に危機感のない人達 しかし崩壊の足音はすぐそばに…?

またあの新聞社か!という話ですけれども、先日はまたまたこういう記事が出ていました。
いちいち社外での個人的ゴシップまでは取り上げるつもりはありませんけれども、こういう業務の一環として行われたこととなるとやはり見過ごしには出来ません。

小泉氏引退の記事、毎日新聞に100万円賠償命令(2010年1月27日読売新聞)

 小泉純一郎元首相の引退表明を巡る記事で名誉を傷つけられたとして、元首相秘書官の飯島勲氏が、毎日新聞社に1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。

 松並重雄裁判長は「原告の発言をまとめた取材メモから、原告が小泉元首相の引退の報道を聞いて発言したものと思いこんで記事を作成し、名誉を傷つけた」と述べ、同社に100万円の支払いを命じた。

 問題となったのは、2008年9月26日の朝刊。小泉元首相が引退を表明したことについて、飯島氏が「『次期衆院選で小泉氏が応援しても小泉チルドレンは負けるだろう』と語った」などと報じた。判決は「発言の時期、場面を十分に確認しないまま不正確に引用し、重大な過失により誤った記事を作成した」と指摘した。

 毎日新聞社社長室広報担当の話「取材が適切だったことは認定されているが、承服できない点があるので、控訴を検討する」

他人の名誉を傷つけるということに関してはさすがに業界トップランナーたる毎日新聞だけのことはあると専らの評判ですけれども、この種の発言の切り貼りというものはかなりありふれた手法であるとも言われるだけに、これを単に重大な過失と言い切ってしまってよいものかという疑問は残るところです。
本日はこちらの会社の関わるネタを取り上げてみたいと思いますが、しかしどうも見ていて思うことに、奇妙なほどに危機感がないようにも感じられるのは自分だけでしょうか?
毎日新聞という会社が世間から見放されつつあるという状況は、発行部数低下やスポンサー離れといった客観的指標から明らかであろうと思われるのに、何かしら妙に世間を下に見ているのか「取材してやっているのだからありがたく思え」とでも言いたげなところが垣間見られるのが面白いですね。
今どき毎日新聞が取材に来たなどと言えばそれだけで警戒信号発令ものですけれども、御本人たちは「また羽織りゴロが…」という世間の冷たい視線を感じていないのか、あるいは無視しているということなのでしょうか?

きび談語:「取材は断る、帰れ」。取材で訪れた… /岡山(2010年1月20日毎日新聞)

 「取材は断る、帰れ」。取材で訪れたラーメン店。店主は厳しい視線で突っぱねた。どうしたものか、ラーメンを注文して思案していると、「あんたもお客さんの一人。うちは客を大事に思って50年間、商売してきた。閉店後に話を聞くわ」と店主▲ひと安心したものの、「誰でも取材に応じると勘違いしているのでは」と問い詰められるような視線が痛かった。「取材する側とされる側」、あの視線を常に心にとどめておきたい。【坂根真理】

こちらの店主さんが誰でも取材に応じるかどうかはともかく、最近では相手によって取材になど応じないという人も増えてきているようですけれどもね(苦笑)。
というかこの坂根記者、記事から推測するにアポも取らずに飛び込みで営業時間の最中に押しかけていきなり取材させろと主張したようにしか見えないんですけれども、それは「取材する側とされる側」なんて言う以前に一体社会人としてどれだけ非常識なのかと言う話ではないかと思うのですが。
自分たちにとってさえ良ければどこにでも何にでも噛み付くというのは業界としての特質もあるのかも知れませんが、こちらではむしろ見境のない噛み付きぶりを開き直ったかに思える発言をしているようです。

論説ノート:サメと大統領=布施広(2010年1月28日毎日新聞)

 最近、四半世紀も前の「イラン・コントラ事件」をよく思い出す。米国からイランへの秘密の武器売却が絡む、スパイ小説顔負けの構図そのものではない。レーガン米大統領は、マスコミを血のにおいに狂奔するサメにたとえたという。最高権力者の関与を懸命に調べる記者たちが、ほとほと嫌になったに違いない。

 だが結果は「サメ」たちの粘り勝ちと言えようか。事件発覚の翌年(87年)、米議会の調査委員会は大統領の責任を認めた報告書をまとめる。大統領も釈明のテレビ演説に追い込まれた。当時私は米国の大学にいて国際問題の知識も英語力も貧しかったが、「弁解はしない。間違いだった」という言葉を覚えている。

 さて2010年の日本では民主党が検察の情報操作やリークの有無を調査中だ。「関係者によると」という報道も問題にされた。が、このタイミングでの調査は、検察から任意の事情聴取を受けた小沢一郎民主党幹事長への配慮を思わせるばかりで、日本がよくなるという気はしない。

 洋の東西を問わず権力者は「サメ」をうるさがるものだ。だが米紙がベトナム戦争に関する極秘報告書(ペンタゴン・ペーパーズ)を報じなければ、また「ディープスロート」の情報に基づいて「大統領の犯罪」(ウォーターゲート事件)を暴かなければ、世界はどうなっていただろう。

 米国に範を求めるまでもなく、日本にもすぐれた調査報道は多い。国家が正しくあるための自浄作用としてにじみ出す情報。リークにはそんな側面があり、マスコミは貴重な情報を正しく生かす責任がある。そのためなら、私も喜んで「サメ」と呼ばれよう

基本的に相手の隠したがるものを暴くというのがジャーナリストに求められる要件なのかも知れませんが、こういう御高説を垂れて見せるくらいなら自ら記者クラブ制度などというマヤカシを撤廃するために動いて見せないことには、「またいつもの自己正当化か」と勘ぐられるのがオチなのではないかとも思うのですが(苦笑)。
ちなみにアメリカではサメと呼ばれるのかも知れませんけれども、日本ではこういう場合の表現として昔から「ダボハゼ」という言葉がありますから、毎日新聞も喜んで「ダボハゼ」と呼ばれるよう日々精進されるのがよろしいかのではないでしょうか。
さて、今どき世間では新聞離れが盛んに言われ、毎日新聞を始めとする新聞社の経営不振の原因とも言われていますけれども、最近ではこういう活動で若い人たちを洗脳…もとい、売り込み活動に熱心なようですね。

支局長からの手紙:教育に新聞を /鳥取(2010年1月18日毎日新聞)

 NIE(教育に新聞を)実践校の一つ、三朝町本泉の同町立三朝中学校(福嶋千寿子校長)で14日、読売新聞鳥取支局倉吉通信部の三浦康男記者(59)が出前授業をしました。

 NIEはNewspaper in Educationの略称。学校や家庭などで新聞を生きた教材として活用してもらう運動で、現代社会を生きていくうえで必要となる情報能力を育ててもらうのが目的です。1930年代にアメリカでスタートし、日本を含む世界60カ国以上で実施されています。

 県内では98年に県NIE推進協議会が設立されました。毎日新聞をはじめ、県内に取材活動拠点を持つ新聞社、通信社計10社や県教委などがメンバーです。出前授業もこの運動の一環で、各社がローテーションで記者を派遣しています。

 三浦記者は5年前に赴任。倉吉市など県中部エリアを担当し、写真を撮り、記事を書いています。出前授業には1年生の2クラス42人が出席。生徒の質問に三浦記者が答える形式で進められました。

 --働いていて大変なことは。

 ◆(事件や事故などが発生し)休みの日に呼び出された時、「因果な商売だなぁ」と時々思う。

 --どのようにして情報を仕入れていますか。

 ◆役場の情報だけに頼らず、まちの一般の人と交流を深めて、何かあったら情報をもらうようにしている。

 --記事を書くうえで気を付けていることや、工夫していることは。

 ◆淡々と事実だけを書くのではなく、エピソードを織り交ぜ、分かりやすく書くようにしている。

 --記事を書くのにどのくらい時間がかかりますか。

 ◆(小さい)火災や交通事故の記事は5~10分で書くが、(大きい記事など)調べるのに時間を要する記事は1日では書けない。

 --記事を書いて良かったと思うことは。

 ◆書いた記事について、「良かった」と電話があった時、ちょっとうれしいかなぁ。

 こうした後、三浦記者は記事を書くうえで基本となる「5W1H」(When=いつ▽Where=どこで▽What=何を▽Who=誰が▽Why=なぜ▽How=どのように)の大切さを強調しました。

 インターネットで情報が氾濫(はんらん)し、新聞を巡る環境は激変しています。しかし、インターネットでは、自分が必要とする、興味を持つ情報しかアクセスしないため、偏った情報になりがちです。一方で、新聞は新聞記者が情報の裏付けを取って確認し、見出しの大きさによって記事の重要度を示すため、記事に対する責任の所在が明らかで、価値基準が一目りょう然の、しかも広範な情報に触れることのできるメディアといえます。

 このインターネットと新聞の比較は、本を購入する時に似ています。購入する本が決まっている場合、インターネットで注文すれば時間や手間が省けます。しかし、リアル(本物の)書店に行くことによって、思ってもみなかった本を見つけることができるのです。

 生活するうえで、社会の情報を共有することがいかに大切であるかを知り、もっと新聞に親しんでもらいたいと願っています。【鳥取支局長・高橋和宏】

この記事を見ていて面白いなと思ったのは、毎日の記事であるにも関わらず語っているのが読売の記者であるということなんですが、さすがの毎日も自分とこの記者にこのテーマで語らせるほどの面の皮の厚さはなかったということなんでしょうか?(苦笑)
しかしインターネットが偏った情報になると言いながら、新聞記者の恣意的なセレクションが偏っていないかのような言い方は大いに誤解を招くところですし、今どき新聞の方がネットよりも広範な情報に触れることが出来るなんて、どんな誇大妄想気味の新聞原理主義者でも口に出せないかと思うような話ですが、逆に毎日の記者さんにとってネットはそのレベルでしか活用できていないということなんでしょうかね?
ところで世の中にはインターネットの普及などもあって新聞業界の経営が不安定だ、この際国が金を出して子どもたちに新聞を配ればいいなんて愉快なことを主張される方々もいらっしゃるようですけれども、まさか国家が正しくあるための自浄作用とも自認する毎日新聞ともあろうものが、公権力に飼われるようなことを認めるはずもありませんよね(苦笑)。

いずれにしても経営不振に記者クラブ制度など、日本の新聞業界が数々の構造的問題を抱え込んでいることは今さらの話ではありませんが、最近ではこうした問題は諸外国にも知れ渡ってきているようですね。
特に海外メディアの「日本離れ」が進んでいるなどと言う話に至っては、これは日本社会全体の停滞傾向とも無関係ではありませんけれども、長年お仲間だけに都合の良いシステムを強固に築き上げ「外夷」を排除してきた閉鎖性というものがその根底にあるのではないかという気がします。
さて、このあたりにどれだけの自浄作用を発揮出来るものか、普段から他人に対してはひどく弁舌厳しい彼ら業界の威信がかかっている問題ではないかとも思うのですけれどもね。

経営不振に記者クラブ問題 海外メディア続々「日本離れ」(2010年1月10日J-CASTニュース)

   

外国メディアの「日本離れ」が加速している。米大手紙や「タイム」といったメジャーな雑誌が、続々と東京支局を「店じまい」しているのだ。この背景には、メディア業界の不振があるとは言え、「関心が中国に移っているのはもちろん、記者クラブなどの『取材のしにくさ』が一因。このままでは日本の情報発信力が低下するばかり」と危惧する声が高まっている。

   財団法人フォーリン・プレスセンター(FPC)の調べによると、日本で活動している外国メディアの記者は188機関・570人(09年10月20日現在)。一見すると多いようにも見えるが、ここ数年で東京支局を廃止する例が相次いでいる。

米タイムもニューズウィークも東京支局を閉鎖

   例えば部数では全米第4位のロサンゼルス・タイムズは08年秋、東京支局を閉鎖。日本関連で大ニュースが起きると、ソウル支局の記者が東京に出張して取材するという。ニューヨーク・タイムズやワシントンポストも、東京での取材人員を縮小している。

   ここ1~2年ほどを見ると、それ以外にもシドニー・モーニング・ヘラルド(豪)、オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー(同)、ニューズウィーク誌(米)といった報道機関が東京支局の閉鎖に踏み切っている。

   また、朝日新聞が10年1月7日に報じたところによると、国際週刊誌としてはニューズウィーク誌と同様に有名な米タイム誌も、10年1月に、東京支局を閉鎖する。

   このような現状に、日本の影響力低下を危惧する声があがっている。

   例えばニューヨーク・タイムズ東京支局での勤務経験もあるジャーナリストの上杉隆さんは、タイムの支局閉鎖に

    「タイムもですか…」

と落胆した上で、閉鎖の背景を

    「経営難に加えて、中国に比べて、各社が日本を取材するためのインセンティブが落ちている、ということがあります。加えて、日本特有の記者クラブ制度によって、会見に出られないことが多々ある。これでは、記者は記者クラブのない中国などに流れてしまいます」

と説明。

一度出て行ったメディアは戻ってこない

   つまり、(1)経営難(2)中国に関心が移っている(3)日本は取材がしにくい、といった大きく3つの理由があるとみている。さらに、「閉鎖後」についても悲観的だ。

   「支局を閉じるのは簡単ですが、開いたり復活させるのには非常に労力がかかります。一度出て行ったメディアは、まず戻ってこないと思ったほうが良いでしょう。実は自分が勤務していたニューヨーク・タイムズの東京支局では、日本以外にも韓国など周辺国をカバーしていました。相対的に韓国の情報については薄かった訳ですが、今後は逆に日本についての情報が薄くなり、日本の情報発信力が相当落ちてしまう。鳩山政権では記者会見のオープン化に向けての取り組みを進めていますが、もう手遅れなのではないでしょうか。もっとも、この責任を負うべきは、一義的には(会見を閉鎖的にしてきた)メディアの側だと思いますが…」

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