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2010年1月28日 (木)

ウィルコムさんピンチでアレはどうなる?

このところ微妙に関連があるようなないような話題が続いていましたけれども、今日は一転して全く無関係な話です。
さて、管理人はNTTの携帯が「9.6kの高速データ通信!」なんて謳っていた頃からのモバイラーでして、今も外出のさいにはノートと通信カードは手放しませんけれども、たまたま何気なくニュースを読んでいましたら、こんな記事が出ていました。

ウィルコム 更生法の活用も視野 再建策2月に先送り(2010年1月27日産経新聞)

 PHS最大手のウィルコムが会社更生法を活用した再建計画を検討していることが27日、分かった。金融機関や支援企業の合意を得た上で同法の適用を申請する「事前調整(プレパッケージ)型」を採用する見通し。企業再生支援機構とソフトバンクが出資を含む支援に乗り出すことを前提に、2月にも東京地裁に更生法の適用を申請する方向で調整している。法的整理と支援機構を活用することで、透明性を確保しながら早期の再建を目指す。

 ウィルコムと取引金融機関は、1000億円近い借入金の返済を巡り、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決)での手続きを進めてきた。

 今月26日には、取引金融機関への返済を2月まで先送りすることで合意したものの、肝心の再建計画がまとまらず調整が難航している。

 現在ウィルコムは、現行のPHS事業を手がける会社と、高速無線通信の次世代PHS事業を行う会社に分割する案を検討しており、この案などをもとに、金融機関に債権放棄を求めるとみられる。ただ、一部ではPHS事業の将来性を不安視する向きもあり、難航も予想される

PHS最大手って、ウィルコム以外どこもやってないやん!と素朴な突っ込みが入りますけれども、そう言えば自分も数年前に通信カードを解約して以来ウィルコムさんとの取引はありませんし、周囲でも今どきPHSを使っているという人を見かけませんよね。
そう思って記事を検索してみますと、どうやらこのところ非常に経営的にも綱渡りな状態になってきているのかと思わされるような話が結構出てきますが、長年定額通信カードでお世話になっただけに個人的には頑張ってもらいたいのですけれどもね。

【ドラマ・企業攻防】ウィルコムが大ピンチ 社長更迭も前途多難(2009年8月30日Iza)

 ピッチのウィルコムがピンチだ。国内で唯一、PHS事業を手掛けるが、契約数の減少に歯止めがかからない。26日には、筆頭株主である投資ファンドの米カーライルにより、喜久川政樹前社長が事実上解任され、経営も迷走している。来月にも開始される次世代通信サービスに賭けるが、その前途は多難だ。

 ■ピッチを愛する男

 日本の通信業界を代表する“名物”社長は静かにその職を辞した。記者会見も開かれず、短いプレスリリース一枚が発表されただけだった。喜久川氏は副会長に退き、ソニー出身の久保田幸雄氏が後任に就く。

 「PHSを心から愛する男」。業界関係者は、トレードマークのるスキンヘッド姿でウィルコムを引っ張ってきた喜久川氏のことをこう呼ぶ。

 早稲田大学卒業後、第二電電(現KDDI)に入社。その後、ウィルコムの前身であるPHS事業のDDIポケットに出向する。京セラとカーライルがDDIを買収し、ウィルコムと名を変えた後も残った。平成18年10月には、NTTや電力系事業者が相次ぎPHS事業から撤退する中、日本で唯一のPHS事業者となったウィルコムの社長に43歳の若さで就任する。

 出足は好調だった。音声・データ通信の定額プランや、17年に発売した国内初のスマートフォン(高機能携帯電話)「W-ZERO3」が好調で、社長就任から半年後の19年4月には、新規契約数から解約を引いた純増数が500万件超を記録した。

 ■携帯各社が猛攻撃

 しかし、好調は長くは続かない。ウィルコムの強みである音声とデータの定額サービスを照準に、携帯電話各社が猛烈な攻撃を仕掛けてきたことから、ウィルコムの契約件数は減少に転じる。

 攻撃の口火を切ったのはソフトバンクモバイルだ。19年1月に月額980円の安さで午前1時から午後9時まで契約者同士の通話が無料になる「ホワイトプラン」を開始。月額2900円で24時間無料で通話できるサービスを展開していたウィルコムに強烈な打撃を与えた。ソフトバンクはその後、契約純増数で首位をひた走ることになる。

 データ通信でも携帯各社の猛攻を受けた。先行するウィルコムに対し、19年後半までに携帯各社も相次ぎ月額5000円程度の定額サービスを開始。通信速度も毎秒3メガ(メガは100万)ビット超と、数百キロビットのウィルコムよりも大幅に速く、顧客の流出が加速した。

 さらに新参組のイー・モバイルが20年7月に、データ通信サービスを契約すれば小型パソコンを事実上無料でもらるキャンペーンを開始。ウィルコムもPHSの通信機能を搭載し、パソコン同レベルの機能を持つ小型携帯端末「ウィルコム D4」を発売したが、圧倒された。

 ■起死回生なるか

 ウィルコムが、起死回生を賭けるのが10月に商用サービスを開始する次世代無線通信サービス「XGP」だ。19年12月にNTTドコモやソフトバンクと競り合いの末に、総務省から事業免許を取得した。XGPは毎秒20メガビットの高速通信が可能な技術で、速度の遅さに泣き続けたウィルコムにとり待望の切り札だ。

 だが、見通しは楽観できない。同じ高速無線通信ではKDDI系のUQコミュニケーションズが7月からすでに商用サービスを開始。さらに、来年には携帯各社が、毎秒100メガビット超の高速通信サービスを始める。ウィルコムは、両者の間で埋没しかねない危険性がある。

 XGPのもう一つの狙いだった海外展開でも、最有力市場と目された中国で政府がXGPの基盤技術であるPHSではなく、携帯電話を重視する姿勢を表明する誤算に見舞われた。

 5月には喜久川社長が当時の鳩山邦夫総務相らと中国を訪問し、現地企業とXGPの共同研究を行うことで合意したが、どれだけ市場に食い込めるのか、不安は尽きない。

 ■業を煮やしたファンド

 PHS事業が先細りし、XGPの先行きも不透明となるなか、業を煮やしたカーライルの下した決断が、人事の刷新だった。

 喜久川氏の後任の久保田氏は、カーライルの強い意向で社長就任が決まった。カーライルの安達保氏自らが会長に就くことからも、そのいらだちがうかがい知れる。

 人事が公表された際、今春にも実施されると報じられていたカーライルによる増資がいまだに行われていないことも明らかになった。増資はXGPのインフラ整備に必要な資金の調達が目的とされてきた。

 「ウィルコムに追加出資するため、カーライルが米国の親会社を説得する材料として今回の人事刷新を断行した」との見方がもっぱらだ。

 ただ、ファンドであるカーライルは、投資回収のため、いずれかのタイミングでウィルコム株を売却する。「追加投資のかさむXGPサービスにどこまで本気で取り組むつもりかわからない」と、その真意をいぶかる声もある。

 ウィルコム側は今回の人事について、「XGP開始に向けた経営の強化策」と強調。副会長に退いた喜久川氏も「引き続き経営に参画する」と説明する。

 だが、XPGサービスが伸び悩めば、カーライルが早々に見切りをつけ、売却による投資回収を急ぐ可能性も否定できない。ピッチを愛した喜久川氏が心血を注いできたウィルコムは、まさに正念場を迎えている。(黒川信雄)

大多数の人にとっては今更PHSの会社が潰れようが大きな影響はないんじゃないかと感じられるかも知れませんが、何故こんなニュースが気になったのかと言えば、今や全国の医療機関で導入されている医療用PHSというものがどうなるのかということが、ふと気になったからなんですね。
そもそも医療用PHSとは普通のPHSとはどう違うのかと感じていた人もいるんじゃないかと思いますが、一応は「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」というものがありまして、基地局、端末ともに出力の制限が課され医療機器に対する安全性が確認されたものを医療用と認定していることになっています。
しかし実際のところはもともとPHSというものが医療機器への干渉はそれほど強くないということもあってか、院内の基地局側の電波は制限しているものの端末側に関してはほぼ一般向け製品そのままということが多いという噂なんですよね(実際院外ではそのまま普通にPHSとして使えるものもあります)。

ウィルコムさんではかねてこの医療分野へのPHS普及というものに並々ならぬ熱意を持っていらっしゃるようで、医療専門職を対象にしたPHS研究会の開催だの、PHS収納ポケット付き医療用ユニフォームの販売だのと色々と頑張っていらっしゃるようですけれども、正直現場で実際に使っているスタッフにどの程度アピールしているのか疑問無しとしません(極めて控えめな表現)。
最近では医療機器側の干渉対策も進んできたということなのか、むしろ各地の病院では携帯電話の院内使用を解禁していくという方向で話が進んでいるようで、それによって大きなトラブルもない上に患者側のストレス発散などにも有用(それはまあ、病院に缶詰めで誰とも話も出来なければ現代人にはストレスですよね)だと言います。
実際医療関係者を対象にした調査によれば、携帯電話を原因とするトラブルに遭遇したことのある人が2.4%であったのに対して、各自が連絡用の携帯電話を持っていれば回避できた可能性のある問題に遭遇した経験を持つ人は22%にも上るなんて話もあるようですから、今後は次第に「病院では携帯の電源OFF」というのも過去の常識になっていくのかも知れません。

この上病院顧客までPHS離れとなりますとウィルコムさんにすればますます経営的に厳しいということになりかねませんが、医療関係者とすればPHSであれ何であれ院内で安全に使えるものであるなら構わないわけですから、万一の際には同等機能の代替品があれば支障がないというのも事実でしょう。
となると、何かしら良い品がないかと気になるわけですが、医療機器への影響と言うものを目安にした場合に一番低侵襲性なのは無線LANだと言うことですから、IP内線電話であるとか最近よくある無線LAN対応型携帯などをちょっと加工すれば、規制に適合する病院用端末は十分用意出来そうですよね。
そう思ってちょっとググってみますと実際すでにあちこちの病院でその種の新型端末導入が始まっているようですから、これは今までPHSに院内回線を独占されていた他社さんにとっては大きなビジネスチャンスでもあり、ウィルコムさんにとってはますます厳しい逆風にもなりと言うことなのでしょうか。

まあ何にしろ、安全で使い勝手がよくて、ついでにコストが安ければユーザー側としては言うことはないんですが、キャリアが減っていくのは競争原理の点ではちょっとどうかとは思うだけに、ウィルコムさんにもまだまだ頑張ってもらいたいところですね。

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