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2009年12月12日 (土)

マスメディアに要求されるモラルとは

その昔は「世の中を知るために新聞を読みなさい」などと親・教師から勧められた時代もありましたが、これからの時代は「将来馬鹿や変態と呼ばれたくなければマスメディアには近寄るな」と指導される時代になるのでしょうか。

なにしろ先日はTBS特集(?)をお送りしたつもりでしたけれども、ネット上ではあのカート暴走事故を評して「またTBSか」の文言が飛び交っていたのだそうで、もはや「あそこならその程度の反社会的行為は当然」という認識が定着しているということなのでしょう。
在庫を一掃したつもりでもまた幾らでもネタが出てくるあたりがさすがに天下のTBSということなのでしょうか、今度はこんなニュースが出ていましたけれども、自ら犯罪行為に手を染めるのみならず他人の手助けまでしているということですか?

TBS警察呼ばず、犯人国外逃亡 「ブラック紙幣」詐欺番組で論議(2009年12月7日J-CASTニュース)

   黒く塗られた紙幣「ブラックマネー」による国際的詐欺事件について特集したTBSの番組が、論議を呼んでいる。警察に通報しなかったため、犯人を国外に逃走させてしまったとブログなどで異論が相次いでいるのだ。TBSでは、「取材の過程については、お答えできません」とだけコメントしている。

   アメリカ軍将校を名乗る黒人の男が、黒く塗られた「1万円札」にボトルの中の「薬品」を注ぐ。すると、1分もしないうちに、1万円札の模様がくっきり現れた。お札には、本物を示す透かしもあった。

イラク戦争当時、政府が石油利権を得るため裏金用意

   TBS系で2009年12月5日夕放送の「報道特集NEXT」で紹介された詐欺事件の手口だ。

   番組では、被害にあった東海地方に住む60代の元会社社長Aさんに半年も密着して、犯罪の手口を浮き彫りにした。それによると、Aさんは07年12月、黒人の男から突然、50億円を山分けしようと取引を持ちかけられた。

   この大金は、イラク戦争当時、日本政府が石油利権を得るために裏金を用意し、輸送を担当した米CIAが防犯上の理由で黒く染めたというのだ。そして、男は、お札を元に戻すには高価な薬品が必要だとして、前出のような実験をし、Aさんを説得して、30万ドル、日本円でなんと約3000万円も支払わせた。

   男が09年6月に再び接触してくるようになって、TBSも取材を始め、その結果、男はナイジェリア人で、将校の肩書きもなく偽名を使っていることが分かった。また、民間の偽造通貨対策研究所に聞くと、同研究所が「ブラックノート」と呼んでいる国際的詐欺である可能性が濃厚になった。

   取引日の9月10日、TBSは、Aさんの了解を得て、スタッフが男と接触し、実験した1万円札が見せ金で、あとは黒い紙切れであることを暴いてみせた。ところが、犯人はそのまま走って逃げてしまい、11月には、自宅におらず、すでに国外に逃亡していたというのだ。その後、Aさんが被害相談した警察が、男の行方を追っている。

「ヤフー知恵袋」やミクシィでも、番組が話題に

   なぜTBSは、詐欺に気づいた時点で警察に通報しなかったのか――。

   番組放送後、ブログなどでは、犯罪手口を詳細に明かしたその内容に驚く声とともに、こんな疑問が噴出している。

   埼玉県の男性は、自らのブログ「医療報道を斬る」で、「詐欺の手口は出来るだけ多くの人に広めた方が被害を防げると思う気持ちもありますが、ちょっとTBSのやり方に納得できない」と漏らした。「犯人の住居も分かっているのに、逃亡の機会をたっぷりと与えています。手助けしているとしか思えません」と疑問を呈している。

   また、Q&Aサイト「ヤフー知恵袋」やミクシィでも、番組が話題になっており、知恵袋では、「TBSは何を考えてるのか?警察に言ってたら捕まってたでしょ(怒)」といった質問が出され、論議になっている。

   こうした指摘に対し、TBSの広報部では、「取材の過程については、お答えできません」とのみコメントした。その理由について聞いても、取材手法に問題がなかったのかを聞いても、回答できないとのことだった。

   なお、ブラックマネーの手口は、アフリカで始まったともされ、1980年代から各国で米ドル紙幣などを使った犯行が多数報告されている。新聞報道によると、日本では、2000、03年に逮捕例が出ており、最近は、東南アジアでも日本人の被害が報じられている。偽造通貨対策研究所によると、日本円の1万円札を使った犯行は、08年末ごろから出始めているという。

   ブラックマネーは、紙幣をでんぷん液に浸し、ヨウ素液を加えると黒くなることで作ることができる。それにビタミンCが入った水の「薬品」に浸すと、もとの白い紙幣に戻るカラクリだ。

今回はこういうふうに話題になっていますけれども、見ていますと程度の差こそあれ結構類似の行為というのは多いことはないですかね?
犯罪行為に手を貸すということであればこれは何であれ反社会的行為と言われても仕方ありませんけれども、一方で嘘をさも真のように垂れ流すということはむろん大いに糾弾されるべき行為であって、ことに真実を報道することを(少なくとも表向きには)使命とする報道機関においてあってはならないことですよね。
先日は経営危機が叫ばれる毎日新聞がとうとう共同通信に加盟するか?!という話題を取り上げましたけれども、どうもその件をめぐっても面白いことになっているようです。

毎日・共同「包括提携」、地方紙反発で訂正(2009年12月4日読売新聞)

 社団法人共同通信社の石川聡社長は4日、東京都内で緊急の記者会見を開き、同社と加盟地方紙が、全国紙の毎日新聞社と「包括提携」を行うとした公式発表に誤りがあったと異例の発表を行った

 「包括提携」は11月26日に、毎日の朝比奈豊社長、石川社長と共同通信社理事会長の多田昭重西日本新聞社会長の3者が共同で記者会見して発表した。毎日が2010年4月に地方紙の連合体である共同に58年ぶりに再加盟するとともに、共同だけでなく、共同加盟の地方紙からも、行政の発表情報などの配信を受けるのが柱だった。発表資料のタイトルにも、会見のひな壇後ろにも「包括提携」が大きくうたわれていた。

 ところが、会見後、加盟地方紙からは、「毎日の加盟は承認したが、提携は考えられない」「包括提携とは聞かされていない」など反発の声が相次ぎ、核心部分の修正に追い込まれた

 石川社長は会見で、「(提携については)毎日と加盟社の一部が個別に協議を進めている。全加盟社が提携合意したとの印象を与えたのは説明不足だった」と「包括提携」を訂正した上で、「(発表内容がどう受け取られるかについて)、社団法人という性格を踏まえて点検が必要だったが、怠ってしまった」と陳謝した。

 これに対し毎日新聞社は「指摘の点は共同通信社と加盟社との手続きの問題と受け止めている。毎日は共同に加盟し、共同加盟の地方紙の一部から地域面の記事配信を受けることなどを柱とした提携を今後も進める」とコメントしている。

毎日新聞との提携、加盟社が個々に判断 共同通信が釈明(2009年12月4日朝日新聞)

 共同通信社の石川聡社長は4日、記者会見を開き、「毎日新聞社と共同通信社、同社加盟社による包括提携」と題する11月26日の発表について、「誤解を与える不適切な表現があった」と述べた。加盟社の地方紙から「包括提携に合意した覚えはない」という反発が相次いだため、石川社長は「毎日との提携は義務付けられておらず、個々の加盟社が独自に判断する問題」と改めて説明した。

 共同通信社の発表によると、毎日と加盟社(56社)の一部が個別協議を進めているが、来年4月の毎日の共同通信への再加盟で個別協議がさらに進むと見ている。しかし、資料表現の不十分さと共同側の説明不足で、26日の発表で全加盟社が「毎日と提携合意した」との印象を与えてしまった、と釈明した。

 26日の共同通信社理事会では毎日の再加盟が承認されただけだった。同日にあった記者会見の質疑応答では「三者の合意は加盟社56社が包括提携ということか」との質問に、石川社長は「その通り。56社が了解した」と答えていた。

 石川社長は「発表文の内容、表現について十分な点検が必要であったのに怠り、反省している。会見に同席した加盟社の理事会長も気づかなかった、と言っている。質疑応答では私が質問の意味を取り違え、答えとして適切でなかった」と陳謝した。

 包括提携については、今後、様々な分野で毎日と共同、加盟社間の協力・提携関係が進展する環境になったことを意味すると説明し、「包括提携がないとは考えていない」と語った。

 再度の会見について、毎日新聞社社長室広報担当は「共同通信社と加盟社の手続きの問題と受け止めている」と話している。

要するに毎日が共同に仲間に入れてもらうという話になり、加盟している地方の各新聞社もその件「だけ」については了承していた、ところが毎日側では共同加盟によって地方紙が発する情報を毎日が使えるものと考えていたけれども、地方紙の側ではそんなことまで同意した覚えはないということですよね。
毎日側ではすっかり「後は共同側の仕事」という顔をしていますけれども、これは当然ながら毎日側が変態…もとい、弊社にも御社の記事を使わせていただきたいと一社一社頭を下げて回るべき話ではないかと思いますけれどもね。
同じ話を当の毎日新聞も掲載していますけれどもずいぶんとあっさりしたもので、「共同通信社:3者提携発表の発言は説明不足…社長が陳謝」というタイトルの付け方からしても、ひたすら共同の社長が悪うございましたと平謝りしているかのように見えるのは面白いですが、一番の大迷惑は勝手に毎日などと手を組まされるような話を広められた地方紙各紙ではないでしょうか。

毎日と言えば先日もちょっと面白い話が出ていまして、こうして二つの記事を並べて見ますと毎日さんの記者達は皆さん全く同じような認識を持っているのだなと、改めてその取材対象に対する勉強ぶりに驚かされます。

患者塾:医療の疑問にやさしく答える 大学病院のかかり方/上 /福岡(2009年12月1日毎日新聞)

(中略)
◇記者の一言
 大学病院と言えば、財前助教授でしょう。そう、小説「白い巨塔」の主人公だ。ここに描かれている人間模様は、なかなかえげつなく、
興味深いものだった。そして改めて調べてみて4度もテレビ放送されていることに驚いた(個人的には田宮二郎がベスト)。
それだけ日本人の琴線に触れる内容だったのだろう。ただ出世争いや不祥事もみ消しなどはどんな組織でもあるのに、
大学病院に対するある種のイメージを生み出した罪作りな側面もある
。それだけ我が社の大先輩、山崎豊子さんの取材力、
筆力がすごいということか。【御手洗恭二】

患者塾:医療の疑問にやさしく答える 大学病院のかかり方/中 /福岡(2009年12月8日毎日新聞)
(中略)
◇記者の一言
 大学病院と言えば小説「白い巨塔」の財前助教授……と書こうと考えていたら先輩が先に当欄に。担当が
2人とも同じことを書こうと思ったほどに、大学病院のことを知らないし、知られていない

 無知は勝手なイメージを生み出す。検察担当の時には、重要人物が入院したとなると「○○大学病院らしい」
との根も葉もないうわさが飛び交った。

毎日新聞と言えばかの青木絵美氏を始めとして医療問題には一言なかるべからずという強面の方々がそろっていらっしゃる新聞社というイメージがありますけれども、彼らの医療に対する認識というものはかれこれ半世紀も前のフィクションの世界から一歩も進んでいなかったのだと考えれば、確かに納得できるところが多々ありそうではありますよね。
そういえばかの小説の作者氏も毎日さんのOBでしたが、ネット上ではこの一件をめぐって「毎日らしい」という意見が多いようですね。

596 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2009/12/01(火) 19:53:59 ID:9WgiS6Ev0
山崎豊子って捏造やらパチリで訴えられてたと思うんだけれどw
まさしくヘンタイ!

597 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2009/12/01(火) 20:07:59 ID:acMURlax0
>>595
それで減退は産婦人科医を叩くのか  なんか納得w

598 名前:庶民の王はカルト集団認定byフランス@FREE TIBET[sage] 投稿日:2009/12/01(火) 20:38:08 ID:lp8PV57t0
これだなw

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E8%B1%8A%E5%AD%90

「日本のバルザック」と呼ぶファンがいる一方、盗作疑惑が何度も指摘されている
参考とした資料をほとんど脚色せず作品に反映させたため、盗作との指摘を資料の執筆者から何度も指摘を受けている。よって盗作問題については、「資料の引用」とするか、「盗作」と取るか意見が分かれる所である。

フィクションに実話を織り込む手法は激しい批判を浴び、また『大地の子』をめぐって遠藤誉・筑波大学教授から自著「?子(チャーズ)―出口なき大地―」に酷似しているとして訴えられる
(遠藤誉『?子の検証』明石書店を参照、なお訴訟自体は遠藤の敗訴が確定した)など、盗作疑惑がしばしば取りざたされた。
1968年、『婦人公論』に連載中だった長篇小説『花宴』の一部分がレマルクの『凱旋門』に酷似していることを指摘された事件もその一つである。
山崎は、秘書が資料を集めた際に起った手違いであると弁明したが、その後さらに芹沢光治良『巴里夫人』や中河与一『天の夕顔』からの盗用も判明したため日本文芸家協会から脱退した(1969年に再入会)[4]。
1973年には『サンデー毎日』連載中の『不毛地帯』で、今井源治『シベリアの歌』からの盗用があるとして問題となった。

599 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2009/12/02(水) 02:36:39 ID:MZ1hJ3Ju0
松本清張が山崎を毛嫌いして「筆を折るべき人物」
って新聞紙上でコメントを出していた
よ。

しかし件の大先輩の件は置くとしても、仮にも大学病院の記事を書いておいて、自ら何も知らないと公言するような人たちがどんな記事を書けるというのか、いやむしろ無知であるからこそ書けるものも多々あると考えるべきなのか、いずれにしても報道に携わる者の資質としてどうなのかと思わされるような話ではありますね。

話は変わりますが、先日は記者クラブ制度をめぐるこういう記事がありまして、その中になかなか面白い話がありましたので少し引用してみます。

なぜ朝日新聞の記者は、高い給料をもらう“権利”があるのか? (7)(2009年12月4日Business Media 誠)

(中略)
朝日新聞に就職して、一番驚いたこと

ジャーナリストの上杉隆氏土肥 窪田さんは雑誌記者から朝日新聞に移られたわけですけど、朝日新聞に入って一番驚いたことは何ですか?

窪田 僕は朝日新聞に30歳で入社したのですが、最初に給与の説明がありました。提示された金額を見て「ものすごくたくさんもらえるんだ」と思ったのですが、しばらくして労働組合の人からこのようなことを言われました。「我々の給与は安すぎる!」と。これを聞いて、僕は「この人たちは頭がおかしいな」と思いましたね(笑)。

 給料以外にもガソリン代や住宅手当などもたくさんもらっていて、非常にいい生活を送ることができるんですよ。でも労働組合の人は「ケシカラン」というわけなんです。

 で、上司に相談したところ、このように言われました。「なぜ我々が、高収入なのか考えてごらん。我々は権力を監視しないといけない。権力を監視している人間は、いろいろな誘惑に乗らないように、ある程度の生活保障が必要なんだ」と。

 ということは給料の安い雑誌記者は、権力に迎合するということですかね、と聞いてみた。すると「そうとはいわないけど、我々は朝日新聞の記者。なのでそれ相応の報酬をもらわなければいけない。自分はもらいすぎだと思っていない」などと言ってました。

モラルを担保するために高待遇を保証するというのは例えば銀行などでも行われていることで、貧した挙句に思いがけない犯罪行為の誘惑に負けてしまうということがないようにという意味ではそれなりに正しいことなんだと思います。
しかし逆にいえばテレビや新聞といった大手メディアの人々は高待遇に見合ったモラルを身につけ、そして実践することを期待されているということですから、世間並以上に平素から襟を正す姿勢が要求されることもまた当然だという話ですよね。
さて、昨今のテレビを眺め、新聞を見るに及んで、そこに期待されるようなモラルを感じ取れるものなのかどうか、そのあたりの判断は視聴者である我々に課された義務でもあるのでしょうが、果たして満足いくような内容だと思いますかどうか…彼ら大手メディアの低迷する業績などにも、そのあたりの世間の評価の一端が反映されているようにも思えるのですけれどもね。

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コメント

確かにその昔「世の中を知るために新聞を読め」と言って奨励していましたねえ。
受験には「天声人語を読め」と言うのも聞いたことありますねえ。
今思えば抱腹絶倒ですねえ。

マスメディアには「言論の自由」と言う自由だけ与えた片側通行で、そのマスメディアが世間に対して「権利の講師」によって与える被害については「責任を取れ」と唱えている… 世間に対して「自浄能力に欠ける」とか鬼の首でも獲ったように報じる割には、自らには免罪符を持ってるかの如き振る舞い。 これが我々が有する「社会の木鐸」の偽らざる姿でしょうか。

確かに子供には反面教師、社会が分かるようになるでしょう…インターネットの時代であると言うことが。

投稿: ポン太 | 2009年12月18日 (金) 13時15分

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