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2009年11月 3日 (火)

今日のぐり:「三崎漁師物語」

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられるイグ・ノーベル賞というものがありますが、本年は日本人が受賞したというニュースが先頃流れたのは御存知のところかと思います。

日本人研究者が獲得=ふんで生ごみ減量-イグ・ノーベル賞(2009年10月2日時事通信)

 【ニューヨーク時事】奇想天外で人をうならせる研究を表彰するイグ・ノーベル賞の授賞式が1日、米マサチューセッツ州のハーバード大で行われ、パンダのふんから取り出した菌を使って生ごみの大幅な減量に成功した田口文章北里大名誉教授が「生物学賞」を受賞した。日本人が賞を獲得するのは3年連続。
 米メディアによると、田口氏はパンダのふんの中に分解能力の高い菌がいることを発見。家庭生ゴミの90%以上を水と二酸化炭素に分解する技術を確立した。田口氏は中国人研究者2人と共に受賞。
 イグ・ノーベル賞は10部門で構成。思わず笑ってしまう要素も持ちながら、科学や医学に対する興味をそそる秀逸な研究に対し、1991年から賞を贈っている。 

多少詳しい紹介記事がこちらなんですが、どこからどう見ても間違いなく有用かつ真っ当な研究であるのは確かだとしても、どうしてもひっかかるのが受賞の理由でもあるだろう「何故にパンダのふんなのか?」という部分でしょうかね?
田口氏いわく「あんなに消化の悪そうな笹を食べて暮らす動物ですから、腸に笹を分解するなにか特別な菌がいるのではないかと最初に考えた」そうですが、言われてみると確かにそういう考え方もあるかと納得できそうな話ではあるものの、恐らく実用化に至るまでには周囲の無理解にずいぶんと悩まされることもあったのではないかと思います。
本日はそんな「後になってみるとすごいことだったと言われるかも知れないが、どうにも変に見える話」というのを幾つか紹介してみますが、まずはこちら、あからさまに怪しすぎる話題からはじめさせていただきましょう。

【米国】形を変えるスライムのような新型ロボット「ケムボット」、米軍の資金提供で開発される(2009年10月16日Sun)

ただの不格好なスライムではない。この小さな物体ケムボッ<ChemBot>は、最新のロボットテクノロジーだ。
スライムが膨れたり縮んだりしながら床の上を動く様は、凶悪な地球外生命体のようにも見える。

開発したのは技術系企業のiロボット<iRobot>社。ロボットはあらゆる隙間や割れ目に侵入する能力を持つ。
楽しいギミックというだけではない。実はこのスライムの開発には軍が資金提供している。この手のひらサイズのロボットをわずかな空間に入り込めるよう形状を変えさせ、偵察、探索、救助といったミッションを支援させようというものだ。
ロボットの動作の秘密は、「ジャミング<jamming>」と呼ばれる、物質が半流体の状態になったり固体になったりするのを密度の変化によりとらえる手法だ。

ケムボットはケミカル・ロボットを縮めた言葉。物体の外殻は、多数の部分(小室)に分かれており、空気と微粒子が詰められたフレキシブルなシリコン樹脂だ。
空気がなくなると圧力が下がり、空気のあった空間に微粒子がわずかに移動し、小室の固さが変化する。

外殻の下(物体内部)には、液体(圧縮しても密度が変わらない)と、体積を変えられるアクチュエータがある。開発はまだ初期段階だが、宇宙探査、軍事作戦、人体内で動作する医療機器といった分野で応用が期待されている。また地下や海面下の鉱道や洞穴といった厳しい環境での救助ミッションでも役立つと考えられている。

開発プロジェクトには330万ドルの資金が米陸軍研究所及びDARPAから提供されている。

文字にすると何やら意味不明なのですが、これが写真を見るともっと意味不明で、果たしてこれはロボットなのか?と素朴な疑問が湧いてくる話ではあります。
これが動画の方を見ていただきますとさらに疑問がいや増すというものなのですが、最大の疑問は洞窟なりに閉じこめられた時にこんな「救助ロボット」がやってきたとして、果たしてこれを助けだと認識できる人間がどれほどいるのかということではないかという気がしますね(たぶんマイクやカメラの運び役にでもするのでしょうが)。

こちらもものすごく壮大な計画に基づいた非常に素晴らしい実験なんだろうと思うのですが、何故か妙に笑えてしまうのは自分だけでしょうか?

「急募!火星へ行く資質を持つ被験者」、欧州宇宙機関(2009年10月21日AFP)

見ず知らずの人と17か月間、狭いカプセルの中に閉じこめられることを、「快適な時間の過ごし方」と感じられるような人ならば、欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)が好条件の仕事を提供してくれる可能性がある。

 ESAは、20年後に実施されるかもしれない火星探査ミッションに向けて、地球上でシミュレーション実験を行う。その実験に参加する健康な男女4人を探しているというのだ。

 条件は身長185センチメートル以下で20-50歳、ロシア語か英語を話すことができて、そして狭い空間に長期間監禁されることを興味深い挑戦だと感じられるような人であること。医学や生物学、工学の博士号を持っていればなお良い。現在候補者を募集中だという。ESAが20日、発表した。

 来年にはモスクワ(Moscow)の施設で520日間の予行演習が開始する。すでに同施設で今年、6人を対象として実験が実施されたが、こちらは105日間で終了した。

 550立方メートルのモジュールは、火星への有人宇宙飛行の状態を再現することがねらい。火星の地表への着陸もシミュレートされるという。また、通話の遅延は最大で20分。緊急事態の状況も再現される。

 前回の実験は2年前に募集があり、6人の枠に対し5600人以上が応募した。

 ESAが20日に発表した「求人」によると、追加要員で2人、病気や事故の際の交代要員として2人の計4人を募集する。選抜は、「教育、専門的経験、医学的な適性、社会的習性などに」基づいて実施され、候補者の選抜過程は「本物の宇宙飛行士を選抜する際に用いられるのと同様のものになる」という。

 その時の地球と火星の位置関係にもよるが、火星への有人探査ミッションが実施された場合、往復に約490日間かかり、火星には1か月滞在することになる。

もちろん不愉快で苦痛だけれども我慢は出来るというよりは快適で興味深い挑戦だと感じられるくらいの人の方が適性はあるんだろうと思うのですが、こういう言われ方をすると何かしら変○さんの我慢大会のように聞こえてくるのは気のせいでしょうかね?
やはりそうなのだろうと思えるのは、17ヶ月と言いながらすでに行われた6人での実験が105日間で終了しているということで、やはり相当なストレスになるということなんでしょうか(まあ当然そうなのでしょうけれども)。
こういう話は昔からSFなどでは非常にありふれたネタですから、案外まじめな科学者などよりは引きこもり気味なSFヲタ(失礼)みたいな人の方が「僕はディスプレイさえ眺めていれば何年でも!」って感じの人材が多そうな気もしますけれどもね。

お次はむしろ日本人などがやってもよさそうなことを、はるか欧州で先を越されてしまいそうだという話です。

世界最高層70mの木造ビル計画 オーストリア、20階建て(2009年10月6日47ニュース)

【ウィーン共同】オーストリアの建設会社が20階建て、高さ約70メートルの木造“高層ビル”の建設を計画している。会社側によると、世界で最も高い木造ビルで、同国の工科大学と共同考案した。事前加工した木材を使うプレハブ工法で、工期を大幅に縮めた上、軽さと耐久性を両立できるという。同社は来年にも着工したいと意気込んでいる。

 木造の高層建築では、ロシアや南米ガイアナに高さ40メートルを超す住宅や教会があり、ノルウェーでも16~17階建ての木造ビルが計画されている。

 オーストリアの建設会社「ロームベルク・バウ」によると、鉄鋼など建材価格が高騰する中、価格が安定した木材に着目した。20階建てビルは商業用、住宅用などさまざまな用途を想定。1~2階部分は従来の鉄筋建築だが、上階の本体構造に工場で加工した木材を用いる。

 建物の外枠をロの字形に組み、各階をブロックのように積み重ねていく工法で、耐久性を確保。工期は従来のビルの半分に短縮できるという。

日本の木造建築などを見慣れた目からするといささか残念にも思うのですが、予想写真を見る限りこれはどこまでいっても「ビル」ですよね。
ちなみに木造高層建築といえば、古代の出雲大社本殿は現在の倍の16丈(48m)もの高さがあったとも言われていて、近年それを裏付けるような伝承通りの巨大な柱などの発掘が相次ぎ話題になりましたけれども、一説には大昔にはさらに倍の32丈(およそ96m)の高さがあったとも言います。
出雲大社の方は高すぎて何度も倒壊したと伝えられていて、その結果次第に今のような常識的な高さになっていったとも考えられますけれども、この計画も実現性もさることながら思わぬ蟻の一穴ならぬシロアリのひと囓りから倒壊…なんて不吉なことにはならないようにしていただきたいですね。

さて、最後はブリからのネタを紹介しておきましょう。

全身「丸見え」のスキャナー、英空港で試験運用開始(2009年10月14日AFP)

英イングランド北西部マンチェスター(Manchester)の空港で、セキュリティーチェック用のX線写真撮影装置の試験運用が開始された。体中を触る「わずらわしい」検査を免れる代わりに、性器やボディーピアスのほか、胸に埋め込まれた豊胸バッグまで「丸見え」になってしまうという。同空港当局者が13日明らかにした。

 装置は白黒写真を撮影し、セキュリティー担当者1人がチェックした後、画像は消去される。旅行者はコートや靴を脱いだりベルトをはずす必要がなく、大幅な時間短縮が図れるという。

 新装置に賛成できない旅行者は、従来通りのボディーチェックを選択することができる。

 同空港の顧客担当責任者サラ・バレット(Sarah Barrett)氏は、旅行者の大半は従来の体中を触る検査を「わずらわしい」ものとして好ましくないと感じているとした上で、新装置は着衣をとる面倒もない上に、画像も「いやらしい」とか「ポルノっぽい」ということもなく、「決して画像が保存されることもない」と新装置の利点を強調した。

 同装置は武器や爆発物の機内持ち込みを防ぐために開発されたもので、米国の多数の空港ですでに導入されている。

これに関してはどういう状況であるのかリンク先の画像を参照いただくのが一番判りやすいかと思うのですが…いやまあ、確かにこの画像に関しましては「いやらしい」とか「ポルノっぽい」ということは決してないですけれどもね、ええ…
テロの本場アメリカではすでにかなり導入されているということなんですけれども、もともとこのあたりの危機管理意識の乏しい日本あたりでこういう装置を導入するなんて話になりますとどういう騒ぎになるかと思うような素敵な…いやいや、画期的なハイテク装備ですよね。
ところでこのモデルの方、おそらく不審物を隠し持ってるという設定の被検者なんだと思いますけれども、単なる偶然にしてはあまりに似合いすぎな配役がブリ流のこだわりということなんですかねえ?

今日のぐり:「三崎漁師物語」

道の左右両側は断崖絶壁の彼方に海が広がっているという不思議、そしてどこまでも続く巨大な風車の列、列、列…佐田岬半島と言えば全長50kmにも及ぶという日本で最も長い半島なんだそうですが、その最先端に位置するこちらのお店は、あるいは日本でもっとも「端っこ」に近い飲食店かも知れません(?)
なんとも垢抜けない店構えも、いきなり伊勢エビの大群がお出迎えしてくれる店内も、いかにも観光地に良くあるお食事とおみやげの店という感じのセンスなんですが、三崎漁協直営と聞けばそのセンスにも納得出来るものがあります(かね?)。
正直もう少し見た目にも今風の感性を働かせてもらってもいいかなとも考えないでもないのですが、そういうことを愚痴愚痴言うのも漁師らしくない気もしますし、逆にこういう飾らない方が一般のお客には入りやすいという考え方もありますよね。

こちら一番の売りらしいあわびなどのグリル焼きをメインに据えたセットメニューも色々とあるようなのですが、漁師らしく豪快なのは確かだとしても料理のバリエーション的に今ひとつ訴えなかったので、適当にアラカルトで頼んでみました。
刺身の盛り合わせで一方の主役っぽいのがあわびなんですが、ちゃんと食感とのバランスを考えて薄造りにしてあるのは漁師料理らしくないですかね(苦笑)。
中華料理でアワビと言えば文句なしでうまい!という最高の食材の一つなんですが、あれは手間暇をかけてうま味を引き出した干しあわびだからこそというものなのでしょうか、正直こうして生で食べてもひたすらこりこりした食感があるだけで特別うまいとも何とも…という印象を、残念ながらこの日もぬぐい去ることは出来ませんでした。
個人的に生牡蠣が食べられないというくらいに生の貝類の潮の風味が苦手という人間ですから、このあたりの味の評価は割り引いて考えていただければとも思うのですが、世間ではあわびのお造りと言えば豪華でうまい料理として通っているわけですから、一度ちゃんとしたうまいお造りというのを食べてみたいとは思うところですね(刺身向きのあわびは種類が違うとも聞きますが)。
伊勢エビの方はあわび以上にぷりぷりした食感です、以上という感じで、これだったら別に高い伊勢エビでなくとも…とついつい貧乏性な事を考えてしまいますが、残念ながら伊勢エビとは見た目の豪華さの割に料理するには帯に短したすきに長しな食材なのかなという印象を持ってしまいます。

最初にやや辛口の評価をしましたのはいささか申し訳ないんですが、個人的に今日のお楽しみはこちらのサバ、アジのお造りでして、最近でこそかなりあちらこちらで食べられるようになったサバの刺身ですが、ここ佐田岬突端と言えばちょうど対岸の九州側は関サバ、関アジという天下に名だたるブランドものの産地なんですよね。
何しろ元々海峡部で潮の流れが速い、しかも海底地形が複雑で水流が荒れるからプランクトンが豊富で好漁場になる、ついでに根掛かりしやすいから網でごっそり根こそぎに獲れず地道に釣り上げるしかないと、資源乱獲が言われる中で商業的に漁業をするには不向きな環境であったからこそ良い魚が沢山生き残っているという言い方も出来そうに思います。
となれば同じ場所で魚を釣ってくるこちらも不味いはずがない道理ですが、近ごろではこちらで水揚げした魚も岬(はな)さばなんて名前で売り出し中なんだそうで、これはお試しになりたい向きには高騰する前にお早めにとあらかじめお伝えしておかなければならないでしょうね。
実際に食べてみますともちろんうまいのもうまいんですが、それ以上にとにかく嫌な雑身が全くない純粋なうま味というものはこういうものかと非常に印象的な一品で、生魚は嫌いという人もこの自然にすっと消えていく後味なら文句の付けようがないんじゃないでしょうか?(そんな奴に食わせるものじゃねえ!というお叱りを受けそうですが)
刺身でうまい青魚として有名な魚にサワラがありますけれども、こういうのを食べるとサバとサワラは確かに近縁の魚なんだなと感じますが、ともするとひたすら過剰なほどうま味を押し付けてくるサワラよりも、どこまでも嫌みのないうま味だけが後に残るこちらの方が食べやすい気もします(ま、いささかサワラには飽きているというのもありますけれどもね)。

一方で刺身の定番と言いますか、アジがうまいのは当たり前というくらいに普通に食べているアジの刺身ですが、もちろんこれも文句のつかないアジなんですけれども、こうしてサバと食べ比べてみるといつもうまいうまいと食っているこちらの方がどこか下卑た味にも感じられてくるから不思議ですよね(苦笑)。
それだけサバのインパクトが強かったということなんでしょうが、これはもう素材の勝利というしかないような産地だからこその味ですね。
ついでに主食として産地の定番とも言うべきうに丼を食べてみましたが、さすがに北海道あたりで見るそれと比べるとウニの盛り具合は控えめな感じなんですが、しかしウニの味、タレの味とご飯とのバランスは悪くないですし、実際他のおかずと合わせていただくにはちょうど良い具合でした。
つけあわせに伊勢エビの味噌汁なんですが、汁の味は確かにうまいんですけれども好みから言うと少し味噌が甘口で、そのせいかやや散漫な味になったかなという気がしないでもないですかね?
ちなみにこのエビの身は少し火が通りすぎで硬くなったかなという感じなんですが、伊勢エビってやはり実際に食べる前が一番幸せな食材なのかなという印象をここでも受けたところではありました。

味以外の面でいささかケチを付けさせていただけば、スタッフ不足も確かにあるんでしょうけれども、それを込みで考えてもフロア係はあまりに目の前のことしか見ていないと言うのでしょうか、もうトレイをテーブルに運ぶというその一事しか見えていないような状況なのは少し困りものですね(こういう立地ですとあまり人材セレクションの余地もなさそうですが)。
またあわびなどの焼き物が売りなのも判るのですが、テーブルの上の邪魔なグリルはなんなんだと、豪快に網焼き!が売りならちゃんとテーブル埋め込みのものを用意しておけば済むことなのに、「お前はベルリンの高射砲塔か!」というくらいに異常にかさ高で邪魔なグリルをテーブルの真ん中に載せてるものですから、向こうの人の顔も見えません(ちょっと誇張入ってます)。
とはいえ、こういう場所で外食チェーン店のようなマニュアル通りの接客というのも味気ないものですし、他では食べられないここだけの味という売り物があるのだったら、食べ物屋として大抵のことは許せるかなという気がしないでもないんですけどね(苦笑)。
何にしろ訪問するなら他のお客さんの少ない日程と時間帯で、景色と料理とを合わせてゆったりと楽しまれることをおすすめしておきます。

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