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2009年11月13日 (金)

耳障りの良い話ばかりではない時代になってきましたが

少し前にこんなシンポジウムがありました。

地域医療再生へ「自分たちの目で見直しを」―日病・山本会長

 日本農村医学会は11月2、3日の両日、横浜市で第58回学術総会を開いた。3日の「地域医療再生に向かって」をテーマとしたシンポジウムで、日本病院会の山本修三会長は、「7対1入院基本料」や臨床研修制度などについて個々の制度の意義は認めたものの、「一つ一つの要素が全体に与える予測できない効果がある」と指摘し、地域医療を自分たちの目で見直すことが必要だと主張した。

 山本氏は、「地域医療再生への途」と題して講演。医師の臨床研修制度を「良い制度」と考えて導入したものの、「地域や賃金の差などにより、医師が移動してしまうことは予想できていなかった」などとした上で、臨床研修制度や「7対1入院基本料」の看護配置などについて、「一つ一つの要素を小手先でいじっただけでも、全体像はかなり変化してしまう」と指摘。「結果的に医療機関の中で競争を起こすような施設基準は有害無益と考えている。この辺のことは医療の現場に任せてほしい」とした。さらに、「本当の意味で地域医療を自分たちの目で見直すことが大切」と訴えた。

 また、パネルディスカッションでは、診療報酬や臨床研修制度について意見が交わされた。
 茨城西南医療センター病院の鈴木宏昌氏は、救急医の立場から、一般外来の診療が1日のうち8時間なのに対し、残りの16時間を救急医療が受け持っていることを挙げ、「救急医療に係る診療報酬は別に考える必要がある」と指摘。また、岩手医科大の若林剛氏は、臨床研修制度について「病院によっては、マンパワーとして後期研修を募集する所がある」と指摘。消化器外科専門医がほとんどいないにもかかわらず、消化器外科専門医を募集している医療機関などについて、「どのようにキャリアパスを提示できるのかと思うことがある」と懸念した。

こういう話を拝見しますと、どこの職場でもあるように現場の皆さんはそれぞれに言いたいことがあるのでしょうが、改革をパイの奪い合いという構図に落とし込んでしまうのはデメリットが大きいと思いますね。
資金的にも人材的にも厳しい総量規制を課してきた国の医療政策もあって、近年「病院vs診療所」「勤務医vs開業医」といった対立の構図の中での奪い合いというものがあからさまになってきているところがありますが、こうした分断統治が誰を利するのかということを考えてみれば、逆境の中にある医療現場の人間もおいそれと他人のシナリオに乗るべきではありません。
そうした中で、いささかそれは人の道としてどうよ?と思われるような話が先頃出ておりましたのはどうなんでしょうね。

榛原病院医師に勧誘の手紙 焼津市長、14人へ /静岡(2009年11月7日静岡新聞)

 焼津市の清水泰市長は7日までに、牧之原市の榛原総合病院の一部医師に焼津市立総合病院への勤務を要請する手紙を送付した。榛原病院は経営悪化に直面し、民営化による再建と常勤医確保に努めている最中。手紙は焼津病院の医師誘致の熱意の表れだが、榛原病院関係者の反発を招く可能性もある。
 清水市長によると、手紙は太田信隆焼津病院長との連名。榛原病院に在籍する県外大学出身の医師14人に2日付で発送した。焼津病院の医師不足の現況を伝え、「焼津市および志太榛原地域の地域医療維持のためにぜひ当院に常勤医として赴任していただきたい」と求めた。7日までに榛原病院医師からの連絡はないという。
 志太榛原地域は両病院を含む公立4病院の連携を軸に地域医療を維持してきた。協力関係にある病院からの医師引き抜きとの指摘に対し、清水市長は「民営化で当地域から去る可能性がある先生に絞って送付した。榛原病院側にも事前に説明済みで、引き抜きの意思はない」と述べた。
 焼津病院は循環器科が外来休診中で、麻酔科は常勤医が不在。全般的に医師が不足している内科系は開業医からの紹介患者のみを診る完全紹介制を導入している。

榛原病院医師焼津市が勧誘 牧之原市長「再建図っている時に」/静岡(2009年11月7日読売新聞)

牧之原市長「再建図っている時に」

 経営悪化に伴い公設民営化の方針を打ち出している榛原総合病院(牧之原市)の一部の医師に対し、焼津市の清水泰市長と同市立総合病院の太田信隆院長が連名で、同病院で勤務するよう呼びかける文書を送っていたことが6日、わかった。榛原総合病院の公設民営化を巡る関係者間の折衝が大詰めを迎えているなかでの動きについて、同病院の管理者である西原茂樹・牧之原市長は「病院の再建を図っている時にこうした行為があったのは残念」と不快感を示しており、今後波紋を呼ぶ可能性もある。

 清水市長が同日の記者会見で明らかにした。焼津市によると、文書は11月2日付で、榛原総合病院に勤務する医師のうち、民営化された際に退職する可能性が高いとみられる14人の医師に個別に送った。「焼津市や志太榛原地域の公立病院による地域医療維持のためにも、当院へ常勤医師として赴任していただきたい」との内容。

 清水市長は「医師を引き抜くつもりはないが、もし榛原病院を辞めるのであれば焼津に赴任して志太榛原地域に残ってほしい」と話している。6日現在、医師からの返答はないという。

勤務医16人を「ヘッドハンティング」!?/静岡(2009年11月07日朝日新聞)

 医師不足などで経営難に陥っている榛原総合病院(牧之原市)の勤務医師16人に、同じ医師不足に悩む焼津市立総合病院から勧誘の手紙が送られていたことが、6日わかった。同市の清水泰市長が定例会見で明らかにした。榛原総合病院組合管理者の西原茂樹・牧之原市長は「引き抜き行為で非常に残念だ」と不快感をあらわにしている。

 清水市長によると、手紙は太田信隆・市立総合病院長と連名で2日に郵送。榛原総合病院の経営は医療法人「徳洲会」に委ねられる方針だが、徳洲会が受託条件としていた茂庭将彦院長の辞意撤回が10月30日に実現したことから、「病院存続が明らかになったため行動に移した」という。

 手紙は茂庭院長を派遣する浜松医大出身の医師を除いて出され、「退職する場合は喜んでお迎えする」としている。清水市長は「双方の院長が了解している。決して引き抜きではない」と述べた。

 榛原総合病院の民営化移行をめぐっては、医師や看護師の流出が続いており、西原市長が慰留に努めている。同病院によると、4月に41人いた医師は12月には30人、来年1月には23人まで減る見通し。医師不足で、整形外科は12月に外来診療を中止、呼吸器科は11月中に新規の入院・外来受け付けを終えるなど規模縮小を余儀なくされている。

榛原総合病院:医師大量退職 争奪戦に? 焼津市長が16人に勧誘の手紙 /静岡(2009年11月7日毎日新聞)

 ◇焼津市立総合病院に勧誘 牧之原市長は不快感

 民営化で揺れる榛原総合病院(牧之原市細江)の医師の大量退職問題をめぐり、焼津市の清水泰市長は6日の記者会見で、同病院の医師16人に焼津市立総合病院に勧誘する内容の手紙を送ったことを明らかにした。榛原総合病院の管理者である牧之原市の西原茂樹市長は取材に「私に事前に話はなかった。手紙が送られたことは非常に残念」と不快感をにじませ、医師不足問題の深刻さを浮き彫りにする事態となっている。

 経営危機に直面している榛原総合病院は、指定管理者制度の導入に向け医療法人「徳洲会」と交渉している。牧之原市によると医師数は1日現在33人だが、このうち指定管理者制度の導入に反発する医師7人は来年1月までに退職する意向を示している。

 清水市長によると、勧誘の手紙は2日付で、焼津市立総合病院の太田信隆院長との連名で送った。榛原総合病院の茂庭将彦院長の了解を得て送付したといい、清水市長は「地域医療全体を考え、焼津市に来てもらうことで引き続き地域の患者が診てもらえると考えた」と説明している。【浜中慎哉】

各紙面によって微妙にニュアンスは異なりますけれども、とりあえず気分を害しているという主体は引き抜かれる側の牧之原市の市長一人であるということでよろしいんですかね。
いずれにしても他の自治体の市長と院長の連名という言ってみれば公式の文書が、トップである自分を通さずいきなり現場に送られてきたわけですから、無視された牧ノ原の市長は驚きもするし不愉快でもあるでしょうね。
それは勤務先が天下に名高い徳洲会傘下に移管されるともなれば離脱を図る医師・スタッフも一人や二人と言うことはないでしょうから、「どうせ辞めるのであればうちへ」というのも正直なところなのでしょうが、こういう交渉は個別にひっそりとやるのが一般的だと思っていましたが、先方にいきなり勧誘の手紙を送りつけるというのは変わってるなあとは感じます。

昨今では自治体も医者の確保に四苦八苦していますから、首長が自ら音頭を取って知らずに常識に外れたことをやってしまったのかも知れませんが、文書に名を連ねているという焼津市立総合病院の院長がそのあたりに対して何らコメントもしなかったと言うのであれば、これは病院間の今後の関係を考えてもいささか不親切であったかなとは思われるところです。
一方で先方の病院には話を通しているということですから、医師や病院間ではすでにある程度の意思疎通が出来ていて、一人牧之原市市長だけが蚊帳の外だったということになれば、これは何やら市と病院との関係を示唆するような話になってしまいます。

徳洲会と言えば先日も奈良・生駒市の新病院の件で取り上げた経緯がありますけれども、あちらでも反発する地元医師会が市の協議の場である「病院事業推進委員会」から委員を引き上げるなんて騒ぎがあって、結局医師会側の意見にも配慮するとする形でようやく元の鞘に収まったという一件がありました。
あの団体も非常にポリシーがはっきりしていますから敵は敵、味方は味方と白黒つきやすいのも確かなんでしょうが、どうも昨今のように医療業界の人心穏やかならずといった状況下では、いささか望まずともトラブルメーカーになっているところもあるようですね。
何にしろさすがにこういう引き抜き合戦ばかりやっていますと病診・病病連携も何もないと言う話になってしまいますから、もう少し穏やかに問題解決を図っている地域も多いのだと思いますが、問題なのはその解決法の実効性というものですよね。

県境越え医療提携(2009年11月08日朝日新聞)

 医師不足に悩む新潟を含む「東北7県」の病院がそれぞれの得意分野の情報を共有し、県境を越えて医療連携を進めようという実務者の協議会が発足し7日、仙台市で初会合を開いた。各県の計9病院の担当者が地域連携の現状を報告。定期的に研修会などを開き、情報や課題を共有していくことを決めた。

 国は都道府県に対し、がんや脳卒中、急性心筋梗塞(こう・そく)、糖尿病について、地域の病院の役割分担を明確にする医療計画の策定を求めている。急性期に高度・専門的な治療をした病院と、退院後にリハビリや後遺症のケアをする病院・施設とで患者情報をスムーズに引き継ぎ、切れ間のない医療を提供するのが目的だ。

 しかし、病院の廃止・統合や診療科閉鎖などで医師不足が深刻になっている東北では、行政区域ごとの医療計画が立てにくい。そこで、東北厚生年金病院(仙台市)と鶴岡協立病院(山形県鶴岡市)、済生会新潟第二病院(新潟市)で地域医療連携を担当する職員が中心になり、協議会設置を呼びかけた。

 この日の会合には7県のほか関東、九州地方から約230人が参加した。都道府県単位の連携組織は全国で41あるが、県境を越えた組織は初めてという。代表世話人の一人、東北厚生年金病院医療連携センターの作間宏教課長は「道路網などを考えれば、他県の病院とともに治療方針を立てるほうが患者さんのためになる例も多い」という。

いやまあ、「それぞれの得意分野の情報を共有し、県境を越えて医療連携を進めよう」とは理屈の上ではその通りなんですが、東北各県で協力と言っても実際問題として患者が行き来するには広すぎませんか?
またぞろこれで道路建設だのドクターヘリ導入だのと、何かしらの余録を期待しているということであればまた理解できない話でもないのですが、まじめに患者のことを思って推進している計画であるというのであれば各自治体に是非ともお願いしたいのは、広域医療連携の利益とともに問題点についてもきちんと住民に説明し同意を得ておいていただきたいということです。

先頃にも東北大で脳梗塞患者の脳梗塞の診断が遅れたと民事訴訟沙汰になっていましたが、地方の高齢者に多いこうした疾患も昨今では例の3時間ルールなどで時間要件が厳しくなっていますし、今後はますます「得られる医療のレベルとそこに至る距離や時間を比較検討した病院選択」と言ったことも大きな課題となってくると思います。
不謹慎なようですが、最善の医療を求めて数時間がかりで搬送したらすでに患者は不幸なことになってしまっていただとか、なまじ遠くの病院という選択肢が増えたばかりに後々トラブルを抱え込むことになったとあっては目も当てられませんし、最終的にはそのあたりの選択は住民自身の価値観に基づいて決めてもらうしかないところだと言う気がするのですけれどもね。

さて、もう少し現実的?な計画というのはこちら、最近研修医絡みで何かと話題にのぼることも多い某地方にもあるようです。

取材ノート09:医師不足 研修医の流出阻止に懸命 /鹿児島(2009年11月8日朝日新聞)

 ◇14病院が連携し学生にPR

 県内で研修を受ける“医師の卵”が減っている。04年から臨床研修制度が変わり、県外に出る鹿児島大卒業生が増えたためだ。研修医が減ると、既に慢性的な医師不足に悩む地域医療が将来、さらに危機的状況に陥るおそれがある。そこで病院がタッグを組んで学生への働き掛けを強めたり、県医師会が基金制度を設けるなど、研修医の流出阻止に懸命だ。【福岡静哉】

 10月17日、鹿児島市の鹿大医学部。県内14の臨床研修病院がブースを構え、医師らが並んだ。「小児科の研修内容を知りたい」。医学部生が尋ねると、研修医が「いつでも見学に来て」と応じ、パンフレットを手に詳しい説明を始めた。

 臨床研修を実施する全14病院が5月に発足させた「県初期臨床研修連絡協議会」が初めて企画した説明会。来夏から研修先選びが本格化する5年を中心に60人が集まった。「循環器系に強い」「症例数が多く幅広く学べる」。各ブースでPRの言葉が飛び交う。

 5年の毛利翔悟さん(22)は「多くの病院の医師や研修医と話せて、具体的なイメージができた」と話す。

  ×   ×

 協議会発足は、県内の研修医激減が背景にある。04年の制度改定で研修先を選びやすくなり、症例が多い▽最先端医療▽研修プログラムの充実--などを理由に、鹿大医学部(定員95人)卒業生の一部が福岡など都市部に流出。04年に105人いた研修医は09年は54人と半減した。

 人口10万人あたり医師数(06年調査)で、鹿児島市以外はすべて全国平均未満と、県内の医師不足は深刻だ。

 県立北薩病院(伊佐市)の常勤医は4年前から5人減り、14人。鹿大からの非常勤医師5人が穴埋めする。脳出血など緊急手術が多い脳神経外科は昨秋に医師不在となり、熊本県人吉市の人吉総合病院に搬送している。南裕介事務長は「宿直や夜間呼び出しもあり医師は疲弊している。今でもギリギリの状況」と訴える。

 地域医療を支えているのは鹿大病院からの派遣医だが、研修医の県外流出が増えれば、県の医療体制が崩壊しかねないという。

  ×   ×

 危機感を抱いた県医師会は4月、研修医らへの生活費支援を目的とした基金を設立。来春からの運用と年1億円の積み立てを目指し、9月中旬で約6800万円が集まったという。

 一方、協議会は鹿大での説明会を今後、毎年春と秋に開催する。県外の鹿児島出身者らにも働き掛けるため年3回、東京や福岡で開かれる合同説明会にも参加する。7月の東京での説明会では14人と面談したという。

 一連の取り組みが早くも奏功したのか、来年4月に始まる研修の県内希望者は83人と、4年ぶりに80人を超えた。例年、国家試験不合格で1~2割減るが、増加に転じることはほぼ確実。

 だが、協議会長を務める中村一彦・鹿児島医療センター名誉院長の表情は厳しい。「将来の鹿児島の医療を維持するには最低でも研修医が100人必要で、これからが正念場」。研修プログラムの充実や、より効果的な学生へのPRなど、課題は多いという。

あまり本筋とは関係ないですが、「例年、国家試験不合格で1~2割減る」って国立にしてはずいぶんと多いなと思っておりましたら、結構有名だったんですね…
それはともかく、理屈の上では中小病院がそれぞれの得意分野を生かしてタッグを組んで研修医を呼び集めるというのは、やる気のある研修医に対するアピールという上でも本筋であると思うのですが、この場合県内医療ヒエラルキーのトップに腰を据える桜島…もとい、大学病院の求心力というものもやはり問われるところではないかとも思いますけれどもね。

しかしこういう記事を見ていてやはり思うのは、地域医療の崩壊などと言えばその原因にしろ対策にしろいろいろと言われますけれども、最終的にはあくまで患者ではなく医者の問題であるということなのかなと言うことです。
早い話がろくに人も住んでいないようなど田舎の僻地であっても亀田総合病院のように医療は成立しますが、どんなに医療需要が多かろうが医者がいなければ医療は成立しないわけで、まずその点を勘違いした?対策というのは結局うまくいかないのではないかなと言う気がしますね。
需要側に偏った医療体制が今まで現場に無理を強いたりモチベーション低下の原因となってきた、そして結果として地域から医療そのものを失わせてきた経緯を考えると、遠回りなようですが今はまず供給側の論理優先で無理のないシステムを組み上げるべきだと思いますが、当然ながら一番問題となるのは抵抗勢力の存在(苦笑)でしょう。

その意味では先日も取り上げましたけれども、「公立病院は赤字でも補填してもらえるなどと甘えていてもらっては困る」だとか「医療に犠牲と奉仕ばかり求めるシステムは駄目だ」だとか、今までであればネットの片隅の本音トーク(笑)でこっそり語られていたような言葉がある程度公の場所で出てくるようになった、その意味は決して小さくないのかなという気がします。
これは「医療僻地の住民=保護されるべき医療弱者」といった従来のステロタイプな構図からするとずいぶんとぶっ飛んだ話で、世が世であれば弱者の味方を自称する良識的なマスコミの皆さんから「何たる暴言!弱者の切り捨てだ!」とバッシングされかねない話なんですけれども(苦笑)、見たところそういう論点からの批判記事もあまりないようですよね。
うがった見方をすれば、近い将来確実視される医療費増額に伴う国民の負担増に対する不満をあらかじめ押さえつける意図もあるのかなとも思えるのですが、いずれにしても「国民も際限無しにただ医療を求め続けるだけではいけない」という社会的コンセンサスが出来つつある、あるいはそうした世論を形成していこうという動きが出てきているということなんでしょうか。

厚労省・木下経済課長 医療再生に向け「国民の理解と参加が必要」(2009年10月20日ミクスonline)

厚生労働省医政局経済課の木下賢志課長は10月20日、東京都内で開かれたIMSジャパンヘルスケア・シンポジウム2009で基調講演し、民主党政権が掲げる医療崩壊の是正に向けて、「(医療への)国民の理解と参加が必要だ」と強調した。医療従事者の過酷な労働環境などに対する国民の理解や評価が進むことで、医療従事者のモチベーションの向上や医療資源の有効活用につながるとの見方を示し、「どう火をつけるかだ」と語った。厚労省で医療政策を担当する足立信也政務官も10月10日に大分県で行った講演とその後の囲み取材で、医療に対する国民の理解向上を課題のひとつに挙げた。現政権の医療政策では、「国民の理解」がキーワードのひとつとなりそうだ

また、木下課長は、「これからの医療は製薬企業、医薬品卸を含めた関係者が医療との関わりをどうやって地域に作り、どうやって関わりを高めていくかだ」とも強調。医療再生のプレーヤーに製薬企業や卸も挙げ、地域医療支援などの役割に期待を寄せた。

一方、現政権が掲げる医療費の引き上げについて木下課長は、医療費が公費(税)、保険料、患者窓口負担で構成されていることから、「負担とのバランスをどうとるかは新政権でも悩むところ」と指摘。特に「保険料負担増が出てくる。ここをどう議論するかが課題になる」と見通した。民主党はこれまでに、10年4月の診療報酬改定で本体部分のプラス改定を行う方向とともに、入院の診療報酬を増額する方針を示している。木下課長は10年度政府予算の概算要求で、「入院の診療報酬の増額を要求した」と話した。

また、入院医療に関連して、入院患者の希望が「完治まで入院したい」から「(ある程度で退院して)自宅から通院しながら治療・療養したい」に変化していることから、「この患者の気持ちにメーカーがどう対応するのか。対応が求められる」と語った。がんや精神疾患系に入院患者が多いことを紹介しながら、革新的新薬によって在宅生活にスムーズな移行ができるようになることに期待感を示した。
(略)

もちろん厚労省などの考え方が今になって急に変わったというわけでもなく、今までの水面下からの流れがあっての話なんでしょうが、弱者としての国民の味方 として売ってきた民主党政権になってこういう動きが顕在化してきたということは、なかなか逆説的で面白いかなと思いますね。
しかしまあ、お役人さんというのは相変わらず見てきたかのように国民の声なき声を代弁してくださいますねえ(苦笑)。

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