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2009年11月10日 (火)

新型インフルエンザ 病気による混乱ならまだ救いがありますが

患者への新型インフルエンザ予防接種が始まっていますが、これがまたどこもかしこも大混乱の大騒ぎという状況のようです。
準備期間も少ない、初めての経験であると幾らでも弁解の余地はあるのですが、こういうことになりますとやはり国家的規模での非常時に対する備えというものをもう少し見直した方がいいのではという気になってきますね。

県内、予約の調整つかず混乱 新型インフル一般優先接種 /徳島(2009年11月6日徳島新聞)

 新型インフルエンザワクチンの一般向け優先接種が6日から徳島県内でも始まる。県は重症化のリスクが高い基礎疾患(持病)のある人のうち、小児(20歳未満)の慢性疾患患者を対象に前倒しするため、既に118の医療機関に4800人分のワクチンを配布。しかし、急きょ決まった優先接種に、予約の日程調整がつかないなどの混乱も見られる。6日に間に合わないという医療機関は多く、開始時期にばらつきが出ている。

 徳島市民病院(北常三島町2)には10月29日、慢性疾患の小児向けに20人分のワクチンが届いたが、前倒しはしない。同病院にかかっている小児の基礎疾患患者は計200人おり、既に、ワクチン接種はほかの基礎疾患患者や妊婦らと同じ19日以降に予約済みだった。小児科医の診察の都合もあり「日程変更は不可能」といい、当初の予定通り19日からとした。

 ただ、幼い子を持つ親からは「うちの子は6日から打ってくれないのか」との問い合わせが相次いでいる。三輪俊之医事課長は「県は現場の都合を考えずに接種日程を変えるように言ってくるが、最優先すべき疾患の絞り込みも難しく困っている。数量と日程を事前に示してくれないと対応できない」と訴える。

 10日から接種を始める田山チャイルドクリニック(徳島市北矢三町3)では、ワクチンが希望の15人に対して12人分しか届かなかった。田山正伸院長は「6日から接種したかったが、日程調整が間に合わなかった。慢性疾患という線引きも難しい」と嘆く。

 えもとこどもクリニック(同市北沖洲3)は予防接種を火・木曜と決めているため、接種は10日から。しかし、ワクチンが10ミリリットル瓶(20人分)で届いたため、使用期限の24時間以内に使うには「希望者をまとめて接種せざるを得ない。予約の調整が大変だ」と頭を抱える

 6日から始める医療機関のうち、徳島市内の小児科は10月29日のワクチン配布後、一週間で予約を取った。院長(52)は「少しでも早く打ってあげたくて、対象者に1人ずつ確認の電話をかけた。県は一方的に指導するのではなく、現場の混乱ぶりを理解してもらいたい」と話した。

好意的に解釈すれば、県の方でも相応に混乱ぶりを呈しているのではないかとも思われるところですが、現場の混乱とはいささか質、量ともに異なっているのも確かでしょうね。
すでに対応し切れていなかった状況で小児向けのワクチン接種を予定より前倒ししようというのですから、これはどうしたって混乱が今以上に広がることは必至という話ですけれども、足立政務官の記者会見での答弁を聞いている限りではいささか現場の状況に疎いのではないかとも感じられる点は気がかりですかね。
いずれにしても小児相手の接種スケジュールも組むとなれば学校での集団接種にするのか、病院での個別接種にするのかとまた現場では計画を立て直さなければならないわけですが、そんな中でこんな妙に呑気な記事が出ていたことをご記憶でしょうか。

長妻さん、舛添さんに「大臣」…参院予算委(2009年11月6日読売新聞)

 「激励ありがとうございます。『舛添大臣』にお答え申し上げます」。6日午前に開かれた参院予算委員会で、長妻厚生労働相が、前厚労相の舛添要一議員(自民)から質問を受け、思わず「大臣」と呼びかける一幕があった。

 野党時代、国会論戦で厳しく厚生労働行政を追及してきた長妻厚労相。この日の予算委で、政権交代後、初の新旧大臣対決が実現し、まずは「(舛添氏の後任となり)感慨深いものがあります」と緊張した表情で切り出した。

 一方の舛添氏は、「長妻さん、私の後任で体を壊さないで」と、穏やかな口調で激励した後、新型インフルエンザ対策について質問。この答弁の中で、長妻厚労相から舛添氏への「大臣発言」が飛び出すと、他の議員からは笑いが漏れ、舛添氏も苦笑して応じていた。

いやそんなほのぼのしてるような話じゃないんですけども、肝心の新型インフルエンザ対策に関しては全く触れられていないような記事で、大臣はもとよりマスコミにもどうやらこの問題に関して危機感が希薄にも感じられるのは気がかりです。
新型インフルエンザワクチンが何故現場で取り回しが難しい10mlバイアルでの供給が主体となったのか、その「水増し」の構図につきましては以前にも取り上げたところですが、結局のところ見かけ上の出荷数が増えるという以外にはデメリットばかりなんじゃないかということがようやく世間でも騒がれるようになってきました。
この取り扱い要注意な10mlバイアルの問題点については既にあちこちで書かれていますけれども、長妻大臣も前任者に突っ込まれた結果ついついいろいろと口を滑らせてしまっているようで、上記の記事では触れられなかった部分でなかなかに興味深いコメントが飛び出しています。

10ミリバイアルはメーカーの事情 長妻厚労相(2009年11月6日ロハス・メディカル)

 長妻昭・厚生労働大臣は6日の参議院予算委員会で、国産ワクチンの供給量が上方修正される要因となった10ミリリットルバイアルの使用について、「(国内4社のうち)1社が、1ミリリットルの容器で新型のワクチンを作るとすると季節性インフルエンザワクチンの製造を中止しなければいけないという話もあって、我々としては量を確保するためにギリギリの判断をさせていただいた」と述べ、積極的に選択したわけではないことを明らかにした。(川口恭)

 舛添要一・前厚生労働大臣の質問に答えた。舛添氏は前大臣として、「私はその話を認可しなかった」「新たな薬害になりかねない」「官僚に騙されないように」などと追及。大臣の答弁は途中から首尾一貫しなくなり、鳩山由紀夫首相も加勢して何とかしのいだが、もし10ミリバイアルが原因で健康被害を生じた場合は首相の責任も免れない状況になった。

 この日の主なやりとりは以下の通り。

 舛添
「私がおった時、新型インフルエンザワクチンの培養で1800万人までしかできないということだった。私が辞めてすぐ2700万人分まで上がった。この上方修正の理由をお聞かせいただきたい」

 長妻
「当初見積もっていた時点では、ワクチンを出荷する時の容器、バイアルと言うが、容器の大きさを全て1ミリリットルで出荷しようとしていた。しかし昨今のワクチン不足ということで、容器の半分については10ミリリットル10倍大きな容器で出荷しようと、そうすると梱包とか色々な手間としてその部分が製造量が大きくできる。もう一つ、当初発表する時に間違いがあってはいけないということで予想される培養量から2割減らして発表した。実際にやってみないと分からないので予想されるものより低まっては大変なことになるので、8割の量で国民の皆さんに発表した。その後、試験を繰り返したところ実際に予想通り10割で培養量が確保できることになったので、その2つの大きな要素で上方修正した」

 舛添
「10ミリバイアルの安全性については確信を持たれているか」

 長妻
「1ミリリットルなら2回で中身が空になるので廃棄処分。10ミリリットルは、そこから何人分も注射針を刺して接種するということになるので、そこについてはきちっと消毒の徹底、打った後は冷蔵庫に保管する、24時間以内に使わない場合は廃棄するということを徹底している。海外でも10ミリリットルでの提供はなされているので、基本的に注意喚起したうえで使っていただければ問題ないと認識している」

ここで出ている「10mlバイアルは安全性に問題があるのでは」という話と関連して実際に厚労省から出ている注意喚起というのがこちららしいのですが、全量を大人用として使用しても18人分、子供が入るともっと多数に使い回すということのリスクをどの程度に考えるかですかね。
もともとワクチンの類は100%の安全性を云々といったゼロリスクの考え方とは馴染まないものですから、このあたりはあくまでリスクを承知で納得いただいた方にのみ接種するという現場での対応を徹底するのが防御策として必須ということではあるのでしょう。
むしろ興味深いのはこの後の舛添前大臣の追求の方なのですが、舛添前大臣が「10mlバイアルは危険だから許可しなかった」と言う話は自分はここで始めて聞いたことなので、そうまで認識していたのであれば在任中に公式の場でちゃんと公表しておけば、政権交代のゴタゴタに紛れて有耶無耶の内に「官僚に騙され」ることもなかっただろうにとも思われるところですけれどもね。

 舛添
「赤ちゃんは0.2ミリ。50人に打てる。50回やる時に、人間のやることだから針を換え忘れたら新たな薬害にならないか。24時間以内、ひょっとして雑菌が入る危険性もある。色々な問題がある。いつ大臣は決定したのか。私はその話を聞いた時に認可しなかった

 長妻
「そういう意味で10ミリリットルだけでなく1ミリリットル容器での提供もして、比較的ワクチンを打つ方が少ない所等々で差配をしていくということを考えている。いずれにしても広く、このワクチン接種に関しては、医療関係者、地方自治体、国民の皆さんにも中身をきちっと広報していくのは大事なので、これからもその努力を続けていきたい」

 舛添
容器の大きさを工夫をすることでワクチンの人数を増やすのは本末転倒。最初にやるべきことは安全。そこはしっかり大臣頑張って官僚に騙されないようにしないと困る。海外で10ミリは保健所のようなところで確実に50人その時にいるような時しか使ってない。10ミリ使って3人しか来なくて残りを破棄するようなことなら増えるどころか減る。どういう計算の元で生産をどうするのか考えないといけない。私は、最初は2500万人分作れると言っていたのを下方修正したのは、CDCからもらったワクチンの株の能力がなかったから。こういうことはきちんと公表している。記者会見で大臣がきちんと説明しなきゃ。お願いしますよ」

 どちらが与党か分からない雰囲気になってきたが、それは長妻大臣自身も感じていたらしい。

 長妻
「舛添大臣にお答えする。ワクチンの確保は非常に喫緊の課題。一つでも多くのワクチンを確保したいとの思いもあった。国産のワクチンを製造する会社は4社、国内にある。ところがそのうち1社については、1ミリリットルの容器で新型のワクチンを作るとすると季節性インフルエンザワクチンの製造を中止しなければいけないという話もあって、我々としては量を確保するためにギリギリの判断をさせていただいた。それらの使い方、中身については国民の皆さんにも医療関係者にも十分説明しているのでご理解いただきたい」

 舛添
その説明は初めて聞いた。大臣やった人間、前まで。インフルエンザ対策の本部、本部長は総理だ。官邸でやった時に、今のような説明をきちんと役人が、その会議でやったか」

 長妻
「舛添大臣にお答えする。あ、舛添委員にお答えする。失礼した。私も本部のメンバーなので答えると、官邸で開かれた本部でもワクチン接種の方法あるいは優先接種の方法などなどにちいてはきちっと専門家も交えて議論をしている

 舛添
「総理にお願いする」

 鳩山
「ただ今、長妻委員が答弁したとおり」

 舛添
「委員長ねえ」と言いかけたところで野党委員たちが委員長席に詰めかけ一時中断。
「官邸の対策本部が最高意思決定機関だが、随分その中にいる役人に抵抗されて苦労した、総理しっかりしないと今のようなことになる。きちんと説明をもらったか」

 鳩山
「官僚の皆さんから詳細な説明があった。長妻大臣が申した通り、この問題に関しては一方では安全性をしっかり確保しないといけない、しかし他方で安全性の意味でも多くの方にワクチンを提供しないといけない、その二つをいかにして生かしきるかが工夫ということ。ワクチンを欲しい方が全国にたくさんいる。その方々への目的を満たすために提供量を増やそうではないか、しかも色々な工夫の中で安全性の確認を徹底的に行ってやろうでないかと、そのような判断をなされたそのように理解している」

 舛添
「量の確保は相当苦労して二つの外国の会社とやった。そのために新しい法律を作らないといけないところまでやった。しかし総理、安全性第一。それから量の確保と矛盾する、その日のうちに使い切らないと無駄になって捨てるのだから。これ以上時間を取りたくないので正確な資料を出していただきたい。それからワクチン対策本部を開いてきちんと議論していただきたい」

 長妻
「資料は基本的に公表しているものなので整理して提出したい」

 鳩山
「人の命が大事というのは、ワクチンの提供を増やすのも人の命を大事にする政策だから、そこをいかに両立させるかで判断させていただいている」

 舛添
「10ミリリットルを使ったら無駄に破棄することになるから、その論理が成り立たない」

 長妻
「今、ワクチンを接種したいという希望を持っている方は多い。ワクチンを打ちたい方が来られて次が何日も来ないということではなくて、連続して来られることが想定されるので、そういう意味でもその問題も、生産量・提供量を増やすということとの兼ね合いで考えさせていただいた」

 鳩山
「破棄されてはならないと思っている。そこで色々と考えて、使い分けさせていただいて、0.5ミリが140万人、1ミリリットルが約1380万人、10ミリリットルが1180万人分、このように分けて10ミリリットルというのは一気に多くの方々に提供できることにさせていただくことにしている」

 舛添
「私の質問にきちんとお答えいただいてないので、ぜひ総理、今のような問題をきちんと話し合っていただきたい。人の命には代えられないのだから」

まあ舛添前大臣もここでゼロリスクの魔の手にはまりつつあるということなのか、あるいは野党としての政権攻撃のテクニックとして敢えて為にする議論をしているのかどうかは知りませんけれども、端数が出て無駄になるということと、10mlバイアルの物理的特性からコンタミネーションが発生しやすいということとはきちんと分けて論じるべきかなとは思いますね。
逆に言えば厚労省の言うやり方で分注の安全性が確保されると担保していただけるということであれば、前倒し予定という小児向けは基本的に10mlバイアルでの集団接種のみとするといった行政レベルの鶴の一声で在庫分程度は程よくさばけそうにも思います(これ以上の増産はやめていただいて、ですが)。

安全性に関する議論はそれとしても他方で現場、特に末端の中小医療機関ではなかなか状況は深刻で、特に送りつける行政側が発注分をなるべくまとめて10mlバイアルから先に納品しようと画策しているらしく、あちらでもこちらでも大騒ぎになっているようです。

876 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2009/11/05(木) 12:17:26 ID:Yom2n1Af0
>>856
小児に集団接種でもないのに10mlバイアルを送るのは阿呆だよな。
予約で詰めるにしても、そもそも小児は当日の体調でできないとかが
ボコボコ出てくるから、10mlなんかじゃロスが大きい。

机上の計算で10mlなら見かけの数が増やせるぜ。考えた俺、ヤッホーイ!
とか決めた奴が居るんだろうが…。

877 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2009/11/05(木) 12:44:59 ID:k5LkbkZ30
10mlバイアルも来たので納入拒否して、
1mlだけ納入したよ。

返品はできないが、納入取消はできるんだってさ。

928 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2009/11/06(金) 19:06:21 ID:a7atEWmN0
申し込む時は1週間単位なのに、納品時は2週間分。
週30人で申請したら、10mlバイアル3本納品しやがった。
どうやって、3バイアルを2週間に割り振るんだ!

946 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2009/11/07(土) 09:10:16 ID:Z2NICTsZO
新型インフルエンザのワクチン、奇数人数分頼んだら端数は切られるの?

ウチ13人分で申請したんだけど、初回に8人分、次に4人分きて
残り1人分はどうなるか分からないって…

医師会の説明会ではそんなこと言ってなかったのに…

947 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 09:45:09 ID:/rvQvo/+0
>>946
削られるも、不要の一人分押しつけられるも向こうの都合次第のようで。

しかし、ここまで行政が無能だとは・・・ わかってたつもりだったけど
それでも甘かったかも。  A/ H1N1だからこんな事言ってられるけど、
H5N1 でこの感染力だったら日本終了だな。

行政側も現場の手順まで熟知しているとも到底思えませんから、これは明らかに予想された混乱というもので、製造元なり官僚なりが数合わせで得をした分のしわ寄せが一番多忙を極めるだろう現場に回されてきたということでしょう。
こういう状況になりますと理由が何にしろ責任問題ともなりかねないような話なんですけれども、これに関して足立政務官がなかなか興味深いコメントを連発しているのが注目に値します。

「10mlバイアル認めたのは前政権」-舛添前厚労相質問に、足立政務官(2009年11月6日ロハス・メディカル)

 厚生労働省の足立信也政務官は6日、同日の参議院予算委員会での舛添要一前厚労相の質問についてコメントし、「質問の中で、前政権では(10mlバイアルの導入を)認めていなかったのに、政権が代わって認められたという内容の質問がありましたが、そこは事実と認識が違う」と述べた。(熊田梨恵)

同日の記者会見で、次のように述べた。

「本日予算委員会で、舛添前厚生労働大臣から、ワクチンの10ミリバイアルについてのご質問がございました。その中で、汚染の危険性とか、針を刺す回数が増えれば汚染の機会は増える。これは私も舛添前大臣と認識は共有しております。しかし、その質問の中で、前政権では認めていなかったのに、政権が代わって認められたという内容の質問がありましたので、そこは事実と認識が違うということがありましたから、その点だけ最初に申し上げます。

10ミリリットルのバイアルを作って、そのことによって接種する人が増えるんではないかという検討は、8月31日と9月2日に開催された専門家の意見交換会で出てきたことでございます。そして、その意見の内容を厚生労働省としてまとめ、パブリックコメントを9月6日から13日まで行いました。そのパブリックコメントの中に、『可能な限り10ミリリットルバイアルによる効率的な接種を行う計画を策定し』と書かれております。ご案内のように、パブリックコメントの時期、これは前政権下でございます。9月16日に鳩山内閣が発足いたしましたけれども、そのパブリックコメント、厚生労働省の方針を受けて、ワクチン製造企業から今年度の生産の見込みが提示されたのが9月18日、でございます。それで(年度末までに可能なワクチン確保量が)2700万人ということが明らかになってきたわけです。ですからちょうど、10ミリリットルバイアルを導入することについては前政権下ですけども、その数、生産見込み等は政権交代の時期であったという、多少混乱があったのではないかという認識にですね、という気がいたしております。それは資料として参議院厚生労働委員会の方に、提出する予定でございます」

 このコメントは、舛添前大臣が質問中に「私はその話を聞いた時に認可しなかった」と述べたことへの反論。9月に厚労省が出した新型インフルエンザワクチンの接種に関するパブリックコメントには、「可能な限り10mlバイアルによる効率的な接種を行う計画を策定し、それに応じた10mlバイアルと1mlバイアルの生産割合を決定する」と書かれている。現政権からすれば、パブコメが出された当時の厚労相ならこの方針を知っていて当然ということだ。

■「医系技官が勝手にやったこと」
 ただ、当時の厚労相周辺に話を聞くと、「医系技官から舛添大臣へのレクで10ミリバイアルの話はあったが、『国産ワクチンをどうすれば増やせるか』というベースで話をする中で、『10ミリバイアルという方法もあります』といった"ついで"程度の話があったぐらいで、まさか本当にそうするとは思えない雰囲気だった。もちろん大臣も認めたりしていないが、パブリックコメントを見たら10ミリバイアルについて書かれていて驚いた。パブコメにそんなことが書かれているとは大臣も当然知らないことで、医系技官が勝手にこっそりやってしまった」と、政権交代という"エアポケット"の時期に、厚労省の医系技官が進めた事だとしている。

足立氏の言うパブコメ云々というのは発言内容からすると、こちら9月4日に厚労省から出ている「新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)」のことだと思いますけれども、政権交代の端境期に出された官僚の作文になる下書きレベルの素案を元に「前政権が認めていた」というのはいささか無理筋な発言ではないかとは思うところです。
民主党政権としてみればいきなり妙なことに巻き込まれて迷惑という事情も判るのですが、足立氏ともあろう方がそんな道理も理解できないはずがありませんから、これはいささか足許をみられかねない蛇足であったかなという気はしますね。
どうも足立氏も頭に血が上っているということなのか、今度は返す刀でマスコミに対しても噛みついているようで、これは今まで蜜月を維持してきた民主党とメディアとの関係も思わぬところからひびが入るのか?と妙な期待もされてくるところではありますね(苦笑)。

足立政務官、マスメディアへの憤りぶちまける」(2009年11月9日ロハス・メディカル)

 昨日の『現場からの医療改革推進協議会』に登壇した足立信也厚生労働大臣政務官が、6日夜の会見に関して「これだけ重要なデータを出したのに一紙も出てない」とマスメディアに対して憤りを見せた。会見の発言内容は既にお伝え済みだが、グラフをお示ししていなかったので、ここに掲載すると共に昨日の政務官発言のうち該当する部分をご紹介する。(川口恭)

メディアの方々にちょっと私も今困っています。具体的な例が、例の1回か2回かという話になるんでしょうが、10ミリリットルの話も出ましたけど、この10 ミリリットルを決めたのも、決めたというか意見が出たのも専門家の意見交換会です。それを厚生労働省がその後判断してパブリックコメントに10ミリリットルでやるとなったわけで、今まで専門家の意見交換会で何か決まった決めたということは一度もない。なんで今回だけこういう報道になったか非常に疑問

 中には、『足立が仲のいい昔の友達を呼び集めて』というような報道もありました。私は、あの時、山形や神戸から駆けつけて下さった方々に大変感謝していますけれど、森兼先生、岩田先生とはあの時初対面です。森澤先生も、その2週間くらい前に初めて会った。どうしてメディアの人って確認しないんだろうな、と。あの場で、森兼先生に名刺を渡したのを、みんな見ているんですよ」

先週の金曜日に7時から記者会見をしまして、新型インフルエンザワクチン接種の前倒しということについて自治体あてに希望を出させていただきました。なぜ先週だったかということから申し上げたい。(中略)(先週の金曜日が3回目の出荷で)やっと600万回分になった。11月後半にようやく600万回分が現場に届く、だから前倒しが可能だろうということで、先週発表させていただいた。それで、これは厚生労働省のインフルエンザ対策本部でずっと私が検討させて作らせたものですが、こういうデータは世界にもないと思います。これは分母が人口で、分子が入院サーベランスから取ったものです。

「(中略)これが重症患者の発生率です。重症患者というのは、脳症または人工呼吸器の乗った人です。こういう分布です。金曜日に記者会見して、世界で多分初めてのデータですと言って、この後で接種前倒しのスライドも出ますけど、土曜日の朝刊はそれが全部出るだろうと私は思いましたよ。国民にとって、もの凄く大事なことだから。一社もなかったです。長妻さんが『舛添大臣と言った』というのがいっぱい出てて、このデータを出している所、それから次に出すスケジュールの前倒し、一社もないですよ。これがメディアですか。

 今これだけ国民の方から要望されていて、今このタイミングであればできると思ってやったことを誰も伝えない。これ、重要なことは、基礎疾患を持つ方が、お子さんのところも圧倒的にハイリスクなんだということですね。これをぜひ理解してもらいたい。特に14歳以下ですね。で基礎疾患のない方は5歳から9歳がやっぱり高い、この2点です。これだけのデータができたからこそ変えたのです」

しかしまあ、データがでたから変えましたというのも確かに事実なんでしょうけれども、週末お休みの厚労省でこのところ「大事なことだから金曜日に発表しましたよ」なパターンが続いているのもまた事実のような気がしますけれどもね。
これはやはりお上の言う事に対しては異議や質問はいっさい受け付けないという断固たる決意の表れと見ていいということなんでしょうかね?(苦笑)というのは冗談半分としても、反論を封じ込んだ状態で既成事実化を進めるという、すっかり官僚のペースに乗せられているのは確からしいと思えるところです。
足立氏も臨床のキャリアが長いということである意味現場感覚を持っているというのが売りになっているわけですけれども、こういうコメントが続くと妙に政治家ズレしてきたのかなと言いますか、その売りも怪しくなってくるのではないかなと懸念されるところなんですがねえ。

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