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2009年10月 7日 (水)

医師養成システムは破綻寸前?!

先日ロハス・メディカルさんに御高名なる本田大先生の講演が掲載されておりました。
内容的にはいつもの通りの「本田節」かなというところなのですが、一部を抜粋してみましょう。

政権交代、「チャンスを機に日本を良くする」 ─ 本田宏氏の講演(2009年10月3日ロハス・メディカル)より抜粋

 国は、「医師不足だ」ということに対して、「偏在だ」と言ってきました。これ(スライド)は、右は北海道、左は沖縄のグラフで、確かに地域により人口当たり医師数に差はあります。(略)
 (一番上の線は)OECD加盟国の人口当たり医師数。日本より高齢化社会が遅れているOECD加盟国の人口当たり医師数に、一番多い東京も京都も追い付いていない。これは偏在じゃないでしょ? 
 じぇったいちゅうぶちょくなんでちょ、みなちゃん? (会場、笑い) 幼稚園児でも分かるって言うんですよ、私は。 (会場、笑い)
 その幼稚園児でも分かることが、分からなかったんですね、偉すぎる人は。という話です。それで、医師を増やさなかった。

 ちなみに今の日本の医師は、日本の高齢化と経済大国並みに考えると、20万人不足しています。日本は既に26万人、医師がいます。26万人は高齢の医師も含めてですよ。国は20万人の不足を黙って、毎年3000人から4000人増えている(とした)。
 皆さん、4000人ずつ増えて20万人に追い付くのは何年かかると思いますか? 今、心の中で「5年」と思う人はちょっと......、もう1回計算してもらいたいです(会場、笑い)。
 50年かかります、50年。だから全国各地が医師不足で医療が崩壊しているわけですね。医師不足になると自治体病院がさらに赤字になる。医療が提供できませんから。

例によって例の如くお得意のOECD比較論が炸裂していますが(苦笑)、いみじくも本田氏自身が語っているように何故自治体病院は医師不足で更なる赤字がかさむのか、このご時世にあっても医師も集まって黒字の病院もある一方でと考えた場合に、これはこれで一つの偏在問題は確かに存在すると思うのですけれどもね。
本田氏は国の唱えてきた地域間偏在論は誤りであると論破する一方でこの種の施設間偏在とも言うべき問題にはあまり言及しませんが、本田氏のスタンスからは人が集まらない施設にいかに人を送り込むか、そのために手っ取り早いのは全ての施設がお腹いっぱい医者を抱え込めるくらいに医者の数を増やせばいいといった考えが見え隠れしています。
確かに20万人医者を増やせばそうした人も集まらない自治体病院にもあぶれた人材がまわってくるかも知れませんが、そうした人材が地域のニーズに合っているかはまた別の問題で、自治体病院=どこにも行き場がない医者の掃き溜めなんて評価が定着してしまうことにもなりかねません(すでにそうなりつつあるという話は抜きにしても)。

いずれにしても本田氏ら声の大きい人たちの旗振りで医師数はどんどん増やしましょうと言う話は既定の方針になってきた、そのこと自体は多くの人々が総論賛成しているところではないかと思いますが、現在の問題はどこまで、あるいはどんなペースで増やすかといった方法論に移ってきています。
未だOECD平均にも届かない歯科医が過剰を言われワープア化しているというような状況になるのはまだしばらく先の話としても、既に教育現場ではこのところ例の地域枠拡大などに代表される急激な医学部定員増に伴って深刻な問題点が多々現れてきているという状況なのですね。

医学部定員増に悲鳴 東北、教育水準低下の懸念(2009年10月05日河北新報)

 医師不足対策として文部科学省が本年度から実施している大学医学部定員増に対し、受け入れ側の東北の医大・医学部から不満の声が上がっている。各大学で学生が10人程度増えて少人数教育に支障が出始めている上、指導教員の手当ては一切なし。実験機器などが不足する所もある。国は定員増を続ける方針で、さらに人数が増える来年度以降、十分な医師養成教育ができなくなる恐れが出てきた。(編集委員・大和田雅人)

 各大学の状況は表の通り。1年が110人となった東北大では、1人の教員が5~10人に教えるグループ制の臨床実習などで人数が増えた分、細かいところに目が届きにくくなったという。

 教育担当の柴原茂樹教授は「大教室での講義と違い、実習は詰め込めば何とかなるものではない。少人数を続けようとすればグループ数を増やすほかなく、教員の負担が増す」と言う。

 一気に15人増えた岩手医大は机や顕微鏡、実験台を購入、2000万円を出費した。「医療機器は高価。これ以上、学生を増やすのは限界」(学務部)と悲鳴を上げる。

 各大学が口をそろえる問題が教員不足。教員数は大学の規模によって規定されており、各大学は増員を国に要求したが認められなかった

 医師である教員は日中、付属病院で診察しながら講義を受け持つ。柴原教授は「研究に打ち込む医師も多く、このままでは疲弊する」と訴える。

 学生は6年学んだ後、臨床研修に臨むが、研修先の病院は教育水準の低下を危ぶむ。東北大病院の加賀谷豊卒後研修センター副センター長は「先進医療が進み、覚えることは多い。大学では一人一人手を取るように教えてほしい。教員不足では、質の悪い医師を増やすだけ」と語る。

 文科省は7月、来年度も定員をさらに370人増やす計画を発表。民主党も政権公約で「医師養成数の1.5倍増」を掲げ、定員増は続くとみられる。教員不足などへの対応について文科省は「新政権が発足したばかりで何も決まっていない」(医学教育課)との立場だ。

 定員増分は、卒業後も地元に残ることを奨励する「都道府県枠」の設定が期待されたが、医師養成には10年近くかかることから東北大は3年次に選択、山形大などは枠を設けないなど対応はさまざま。

 全国医学部長病院長会議の専門委員長を務める嘉山孝正山形大医学部長は「教育環境が整わないのに、今から地域枠を設けるのは無理がある。教員増員など態勢整備が先だ」と話す。

ま、この種の光景というのは今やすっかり見慣れたものになってきましたから、押し付けられた大学はご苦労様でしたと言うしかないわけですが、さすがに毎回毎回この調子ですと単なる行政当局の無能なのか、それとも他に何かしら意図するところがあってやっているのかと疑われるところですよね。
そもそも近ごろ人気の地域枠自体も卒業後に地元に残る補償は何もないという単なる口約束などと揶揄されるところですが、そうした問題もさることながら急激かつ大幅な定員増で教育が崩壊する、こうした構図は最近どこかで聞いたことがないでしょうか?
一足早くロースクールを導入して大幅に学生数増加を図った司法の世界では教育の質の低下もさることながら、卒業したはいいが3回続けて司法試験に合格できず受験資格を喪失して授業料詐欺だ!などと騒ぎになったり、司法試験に通っても働き口が見つからずこんなはずではなかったのにと悲嘆に暮れるという姿が今や珍しいものではないようです。

多すぎた法科大学院…新司法試験、崩れた構想(2009年9月23日読売新聞)

 法科大学院の修了生を対象にした新司法試験の合格率が低迷している。

 4回目となった今年の合格者数は2043人で、初めて前年割れとなり、合格率も27・64%と3割を切った。法科大学院で充実した教育を行い、修了生の7~8割が合格できる――。そんな当初の構想は崩壊し、受験生たちからは「国による詐欺だ」との声も漏れる。なぜ、新司法試験の合格率はこれほどまでに低いのか。

 ◆受験資格◆

 「幅広い人材を法曹にとの理念はどうなったのか」

 合格発表があった今月10日。愛知県内の受験生の男性(26)は、その低い合格率に衝撃を受けた。自身も2回目の挑戦だったが、不合格。新試験は5年間で3回不合格だと受験資格を失うため、次がラストチャンスになる。

 大学で美術を学んだが、法曹界が幅広い人材を求めていると知り、受験勉強をして、法科大学院の法学部以外の出身者を受け入れるコース(未修者コース)に入った。勉強のためアルバイトはできず奨学金を受けた。今後約700万円を返さなければならない。「次の試験に失敗したら、その後、別の仕事を探せるだろうか」と不安は募る。

 中国地方の法科大学院の教授は、未修者コースを修了した30代の教え子が3回目の受験に失敗し、受験資格を失った。「不況の上、年齢も高いこともあり就職も難しい。学校も支援するが、今後同様の修了生が増えたらサポートしきれるか……」と頭を抱える。

 ◆過剰定員◆

 「法科大学院の数が多すぎて、定員数が膨れあがってしまった」。ある法務省幹部は合格率の低さの原因をそう解説する。

 法科大学院と新司法試験は、幅広い見識を持つ法曹を数多く養成するという司法制度改革の一環で生まれた。国が掲げた目標は、2010年頃までに司法試験の年間合格者数を3000人へ引き上げるというもの。新司法試験は、知識詰め込み型の勉強が必要とされた旧司法試験と比べ思考力重視の内容とし、法科大学院は修了者の7~8割が新試験に合格できるような教育を行うこととされた。

 当初、適度な学校数と考えられていたのは20~30校。ところが、実際には74校が乱立し、定員は約5800人に膨れた。今年の試験に失敗した結果、受験資格を失った人は571人。関係者からは「就職困難な人を毎年大量に生み出すのは社会問題」との声もあがる。

 ◆教育の質◆

 14日開かれた中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の法科大学院特別委員会。特に今回の試験で、法学部出身者(既修者)より未修者の合格率が約20ポイントも低かった結果を受け、「合格の基準が未修者をすくい上げるものになっていないのでは」との指摘が相次いだ。だが司法試験を所管する法務省は、「既修者と未修者で合格ラインを変えるわけにはいかない」と言う。

 一方、司法試験合格後、司法修習生となった人が法曹資格を得るために受ける卒業試験でも、不合格者数が増えている。不合格となった法科大学院出身者の答案には、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則などを理解していないものもあり、法科大学院の教育の質も問われている

 新司法試験の合格率の低さから、すでに法曹を目指す人は減り始め、半分以上の学校で入試の競争倍率が2倍を切った。各校はようやく定員削減に乗り出し、来年の入学者の総定員は4900人程度になる見通しだ。しかし、青山学院大法科大学院の宮沢節生教授は「定員削減はまだ不十分。現状を放置すれば法曹志望者は今後も減り、特に未修者が遠ざかって、多様な法曹を養成できなくなってしまう」と指摘している。(中村亜貴)

 ◆新司法試験=2004年以降に開校した法科大学院の修了生を対象とし、毎年5月に実施。法学部出身者向けの既修者コース(2年制)修了生は06年から、他学部出身者や社会人向けの未修者コース(3年制)修了生は07年から受験している。合格率が3%前後と難関だった旧司法試験も10年までは存続する。

この調子ですとあるいは近い将来「司法試験合格者の最大の就職先はロースクールのスタッフ」などという、いささか笑い事ではない業界内永久機関化が進んでしまうかも知れませんね(苦笑)。
買い手市場で数多い選択肢の中から良い人材だけをつまみ上げることが出来れば消費者利益につながるという考えももちろんあるのでしょうが、医者にしろ弁護士にしろ実際にはともかく試験に通れば法的には一人前ですから、真っ当な就職口からあぶれた人材の中にはよからぬ方面に手を染める人も出てくるかも知れないという懸念はあるでしょう。
このあたりは少数精鋭化すれば必ずしも質の担保が出来るのかと言われれば出来ないと答えるしかないところですが、歴史的に見て徒弟制度的な古くさい教育システムを維持してきた医師教育が例の新臨床研修制度で既にズタズタになってきている、そこに更にこうした学部定員大増員でとどめを刺される可能性は高いかなとは思えるところですよね。

さて、その医師教育の一方の柱である臨床研修制度ですが、古い師弟的関係に基づいてきた医師教育とは相性が悪いものの、こればかりは時代の要請ですから医師教育システムの方を徐々にでも変えていくしかないところだとは思います。
しかし他方で最近問題になっているのは地方の医師不足問題と絡めて、厚労省はこの研修制度を利用して医者の足りない地域に研修医を送り込もうと画策していることであって、これは明らかに研修医を使い勝手が良く安上がりで国がコントロールしやすい労働力として捉えているということですよね。
医者という人種はいったん一人前になってしまうと独立性が高いですし、昨今は学位や専門医で釣るのもなかなか難しくなってきていますから、「将来○○したければ言うことを聞け」と言いやすい初心な研修医ほど奴隷奉公させるのに都合の良い者はいないということなのでしょう。

新人医師の臨床研修 都道府県・病院単位で募集定員枠に上限(2009年2月19日産経新聞)

 医師不足の原因と指摘されている「臨床研修制度」の見直しを議論している厚生労働、文部科学両省の検討会は18日、都道府県や病院ごとに研修医の募集定員の上限を設けることを盛り込んだ提言をまとめた。受け入れの上限枠を設けることで、研修医の都市部への集中を緩和し、医師の地域偏在の解消を目指す

 両省は提言を省令などに反映させ、平成22年度から新制度を実施し、医師不足の解消につなげていく方針だ。医師免許の取得後、医師には2年間の臨床研修をすることが定められている。しかし、現在は研修医が自由に研修先を選べるため、比較的施設の設備環境が整い、高度な技術を持った指導医がいる都市部の民間病院に研修医が集中。地方病院の医師不足を招く結果になっている。

 提言では、人口分布、医師養成規模、地理的条件などを考慮して、都道府県ごとに研修医の募集定員の上限を設定することを提言している。さらに、都道府県単位だけの上限設定では、県庁所在地などの地方都市の大病院に研修医が集まり、地域内での医師偏在が解消されない可能性もあるため、病院単位でも募集定員枠を制限する。地域の病院ごとの定員数の合計は、都道府県の上限数を上回らないよう調整する。(略)

来年度の研修医募集定員、地方が初の6割台(2009年9月7日CBニュース)

 厚生労働省は9月4日、来年度の臨床研修の実施体制の概要を明らかにした。募集定員は前年度比765人減の1万683人(新規指定分を除く)で、新医師臨床研修制度が始まった2004年度以降、大都市部の6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)を除いた地方の定員の割合が初めて6割を超えた。地方の募集定員に占める大学病院と臨床研修病院の比率は、臨床研修病院が56.0%(前年度比0.9ポイント減)、大学病院44.0%(同0.9ポイント増)で、大学病院が初めてプラスに転じた。大都市部と地方の研修医数の格差を是正するため、来年度から新たな臨床研修制度が導入されることから、同省では「ほぼ想定通りの数字」としている。ただ、募集枠通りに研修医が選択するかどうかは不透明で、10月29日に発表されるマッチング結果が注目される。最終的な実施体制は、医道審議会の医師分科会医師臨床研修部会での審議を経て、9月下旬に決定する見通しだ。

 研修医を募集する「基幹型臨床研修病院」は、前年度比63病院減の1051病院(新規指定分を除く)で、04年度以降初のマイナスとなった。また、募集定員全体に占める大学病院と臨床研修病院の比率は、臨床研修病院53.5%(前年度比0.1ポイント増)、大学病院46.5%(同0.1ポイント減)とほぼ横ばいで、制度導入時から減少傾向にあった大学病院は下げ止まった形だ。(略)

別に都会の大病院が初期研修施設として優れているというつもりもありませんが、現場からのクチコミ情報がすぐに広まる今の時代にあって、全国から人材が殺到して高い競争率を誇っている施設と、いくら募集をかけようが誰一人やってこないような施設とでは、果たしてどちらが研修を行うのに優れているのかと言うことです。
優れた研修を行っている施設には人が集まらないよう定員を制限し、あまり教える気もないけれども取りあえず安く使える労働力は欲しいという施設に強制的に人が行くようにする、となれば医師教育のレベルはどうなるか、これは幼稚園児でも分かるって言うんですよ(笑)。
なぜ大学病院や地方公立病院が敬遠されるのかは分かりにくいところもあると思いますが、現場の状況を知る上でちょうど面白いカキコがありましたので紹介しておきましょう(全くのフィクションと思われますので、勝手ながら一部伏せ字にさせていただきました)。

桜島大学の一室にて

病院長
「今年の桜島大のマッチングはどうかね?」

マッチング担当者
「きびしいですな。相次ぐ不祥事で桜島大学病院はネガティブなイメージが定着してしまいました。
論文ねつ造で自殺者を出したのに知らんぷりしたり。親族会社に医療機器購入の利便をはかったのが
摘発されたのに居直る教授が野放しになっているわけで。そういう人たちやその弟子から研修指導を
受けるなんてナンセンスです。不祥事を曖昧にもみ消すという体質は研修医が不当な扱いを受けても
もみ消されるということですから、自分の将来を真剣に考えている学生は残りません。」

病院長
「今年から卒業をうーんと厳しくして脅しをかけているのだが、その効果が出そうかね?」

マッチング担当者
「県外に行く連中は優秀なので卒試をきびしくしても影響ありません。
卒業をきびしくすればたいていは桜島大志望の連中がひっかかるので、
数少ない桜島大の研修医がますます減る結果になると思われます。」

病院長
「アンマッチになった連中が県外に二次募集の試験を受けに行けないように今年から卒業判定を
12月までに延期して規制をかけることにした。これで桜島大に残らざるをえなくなるのでないか。」

マッチング担当者
「マッチングはあくまでも任意です。マッチングを介さなくても定員枠が残っている研修病院が採用するといえば、
そのまま正規に研修医として採用してもらえます。例年、卒業試験や国家試験が終わった1月~2月に研修病院に
個別交渉して研修医として正規採用してもらっている学生がおおぜいいます。
なかには国家試験の発表が終わってから研修病院に交渉する学生もいます。
一流の研修病院の内定者でも卒業試験や国家試験で不合格になるものは必ずいるので、
めぼしい病院にあちこち電話して欠員があれば、その枠で採用してもらうのです。この方法で思いもかけない
一流病院にマッチした学生が全国にたくさんいます。」

病院長
「それは困る。どうにかして桜島大を登録させるのだ。
希望最下位に登録しても、マッチしてしまえば、こちらのものよ。
いったんマッチしてしまえばくつがえせないのだから、これで奴隷確保じゃ。フッフッフッ...」

マッチング担当者
「最近の学生は行きたくない病院は絶対に登録しません。
まかり間違ってマッチしてしまったらくつがえせないことをよく知っているからです。
本当に行きたい病院しか登録しません。」

病院長
「だが今年は桜島大のマッチング試験はたくさん受けておったぞ。」

マッチング担当者
「あれは卒業試験で意地悪されないための対策です。
例年,試験だけは受けますが、受験者の大半は桜島大を登録しません。」

病院長
「なぜみんな母校に残ろうとしないのだ。」

マッチング担当者
「そうはおっしゃいますが、病院長も桜島大卒業したらさっさと東京に出ていったではありませんか。
母校に残ってもぱっとしないことが周知されているからで、病院長もその見本の一人です。」

病院長
「わしらの頃とは状況が違う。」

マッチング担当者
「ところでなぜ桜島大は研修医の月給がずっと15万円なのですか?
厚生労働省は最低30万円を保障できるよう予算を配分しているはずですが、
残りの15万円はどこに消えているのでしょうか?」

病院長
「失礼。所用を思い出した。中座させていただく。」

まあ桜島大学(仮称)の実態がこの通りなのかどうかは分かりませんけれども、大学病院にしろ公立病院にしろ人が集まらないのは何故か、その根本的理由を把握し改善しようとせず、他への逃げ道を塞ぐことで自分たちに奴隷が集まってくるように強いるということであれば、そんな施設にやってくるのは他に行き場もなくモチベーションも最低という人々ばかりになるのは当然ですよね。
他の業界ではこういう時にどのような方法論で事態の打開を図ろうとするのかということをしっかり学びながら、そろそろ医療業界も古いやり方にしがみついてばかりではなく教育制度を根本から改革していく必要があるのは確かでしょう。
好意的に眺めれば近い将来の医学部教育、卒後医師教育の破綻によって、そうした改革が思いがけない勢いで進んでしまう可能性もないことはないかなとは思うのですが、さてその状況で現場の志気がいかなることになっておりますかね?

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コメント

1箇所だけシカ大からの未変換がありますよ・・・・

投稿: 匿名希望 | 2009年10月 7日 (水) 16時16分

うぎゃ~っ!!!
なにも見なかったことにしてください何もっ!!!

投稿: 管理人nobu | 2009年10月 7日 (水) 18時28分

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