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2009年10月23日 (金)

日本医師会、民主党の軍門に下る

もうすでに多くの方々が御存知かと思いますが、つまりは日本医師会(以下、日医)も尻尾を巻いたということになるのでしょうか。
世間的にも関心が高い話題であったのか、各一般紙も含めて大きく報道されましたことは久しぶりに日医の存在感を示したと言うことでしょうかね?

自民支持を白紙撤回=「政権与党」でない-日本医師連盟(2009年10月20日時事ドットコム)

 日本医師会(日医)の政治団体である日本医師連盟(日医連、委員長・唐沢祥人日医会長)は20日に開いた執行委員会で、従来の自民党支持の立場を白紙撤回する方針を決めた。日医連は「政権交代により、『政権与党である自民党』の支持を掲げた活動指針と合わなくなったため」と説明しており、社会保障費削減を続けてきた小泉政権以降進んでいた日医の自民党離れが決定的となった。
 一方、来夏の参院選比例区に自民党から出馬する現職の組織内候補、西島英利氏については「医師の代表として支えていきたい」として、現時点では引き続き推薦する考え。民主党などの候補者から推薦依頼があった場合は、マニフェスト(政権公約)などをみて検討するという。 
 今後、新たに支持政党を決めるかは未定。同日了承された今後の方針では、(1)多様な価値観を認め、是々非々で行動する(2)日医による与野党との良好な協議関係の構築を支援する-としている。
 先の衆院選では、茨城県などの医師連盟が日医連から離反し、民主党候補を推薦。19日には茨城県医師会の原中勝征会長が、来春に予定される日医会長選への出馬の意向を表明した。

<日本医師連盟>自民党一党支持を白紙撤回(2009年10月20日毎日新聞)

 日本医師会(日医)の政治団体「日本医師連盟」は20日、東京都内で執行委員会を開き、従来の自民党一党支持を白紙撤回することを決めた。来年夏の参院選比例代表で自民党現職の西島英利氏を推薦する方針を当面維持するものの、与野党中立に軸足を移したことで、再起を目指す自民党には痛手になりそうだ。

 会合では、日医連の唐沢祥人委員長(日医会長)が「政権交代を重く受け止める」と述べたうえで、活動指針から「支持政党は政権与党である自民党」との条項を削除するよう提案し、ほぼ満場一致で了承された。日医が政策実現に向けて与野党と良好な協議関係を構築できるよう日医連として支援することも決めた。

 日医連には、年末の診療報酬改定を控え、民主党に接近せざるを得ない事情がある。先の衆院選で民主党候補を支援した茨城県医師会の原中勝征会長と唐沢氏が対決する来春の医師会長選挙は、日医連の参院選への対応を左右しそうだ。自民党の大島理森幹事長は20日、記者団に「議論してそういう結果になったとすれば、冷静に受け止めて、しっかり対応しなければならない」と語った。【坂口裕彦】

日本医師連盟が自民支持撤回 「自民離れ」加速(2009年10月20日47ニュース)

 日本医師会の政治団体である「日本医師連盟」(日医連、唐沢祥人委員長)は20日、執行委員会を開き、従来の自民党支持を白紙撤回することを決めた。自民党の有力支持団体では日本歯科医師連盟(日歯連)も9月、参院選の比例代表で自民党からの組織内候補擁立を撤回しており、支持団体の「自民離れ」が加速することになりそうだ

 日医連の中川俊男常任執行委員らは記者会見し、2002年9月に「支持政党は政権与党である自民党とする」とした活動指針を説明。今回の撤回理由について「自民党が与党でなくなり、空文化したから自動的に外れた」とした。

 20日の執行委員会では「与党となった民主党に日医連の政策をしっかり訴えるべきだ」との意見も続出。今後、自民党以外の政党からの推薦要請に対しては「意見交換して検討することになる」と述べた。

 ただ、来夏の参院選での支持政党など今後の対応に関しては「今日は議論していない。検討中で、これからだ」と述べるにとどめた。

 一方、日医連は今年1月、参院選で現職の西島英利参院議員を組織内候補として自民党から擁立することを決定済み。

 執行委員会では西島氏の実績を評価する意見が相次ぎ、西島氏も出馬に強い意向を示していることから現時点で擁立方針に変更はないとしている。


日医連、「政権与党である自民党」支持方針を撤回(2009年10月20日CBニュース)

 日本医師連盟(日医連、唐澤祥人委員長)は10月20日の執行委員会で、政権交代を受け、「政権与党である自民党」を支持する従来の方針を撤回することを決めた。中川俊男常任執行委員は同日の記者会見で、今後の支持政党については「まだ議論していない」と述べた

 この日の執行委員会では、唐澤委員長が先の衆院選を総括し、日医連の今後の行動の方針として、▽多様な価値観を認め、是々非々で行動する▽日本医師会(日医)が与野党との良好な協議関係を構築することを支援する▽政権与党の自民党支持を掲げた2002年策定の活動指針を見直す▽日医連と日医を組織的に明確に分離する-の4点が大筋で了承された。ただ、各都道府県の代表からさまざまな意見が寄せられたため、内田健夫常任執行委員は会見で、「ブラッシュアップを検討し、近日中にまた取りまとめてお諮りをしたい」と述べた

 日医連が02年9月に策定した活動指針では、「支持政党は政権与党である自民党」と明記していたが、中川氏は「(衆院選の結果と)そもそも合わないので、自動的に外れた」と撤回理由を説明。その上で、「支持政党を決めるか決めないかは、まだ議論していない」と述べた。来年夏の参院選までに決めるかどうかも、「これからの議論」と述べるにとどめた。

 来年夏の参院選で自民党の西島英利氏を推薦する方針について、内田氏は「(現時点で)組織内候補という位置付けは変わらない」と述べた。ただ、この日の執行委員会では、こうした方針の撤回を求める意見もあったため、今後、見直しを検討する可能性も指摘した。
 また、民主党など自民党以外の候補者が日医連の推薦を希望すれば、意見交換などを踏まえて対応を検討するとした。

しかしまあ、色々と理屈はつけているようですけれども、少なくとも次の会長選で再選を目指す唐沢さんにとっては大きな痛手になったことは明らかなんでしょうね。
当然ながらかねて日医潰しで論調を統一してきた一般紙としてもそのあたりは突いてくるわけで、このところ一気に医師会執行部は四面楚歌状態となってきている感もあります。

日本医師会:苦悩する日医 会長選「脱自民」に結論(2009年10月20日毎日新聞)

 日本医師会(日医)の政治団体「日本医師連盟」が、年末の診療報酬改定を控え、長年支持してきた自民党と、政権与党の民主党との間合いをどう計るかに苦悩している。19日には、先の衆院選で民主党候補を支援した茨城県医師会の原中勝征会長が来春の日医会長選への立候補を表明し、3選を目指す唐沢祥人現会長と対決することが固まった。選挙戦は「自民党か民主党か」が争点になる可能性もあり、来年夏の参院選にも影響しそうだ。【坂口裕彦、佐藤丈一】

 日医会長は日医連委員長を兼ねるため、会長選の行方は日医の政治路線を左右する。

 小泉内閣時代、診療報酬のうち、医師の収入に直結する治療代など「本体部分」が初めて減額された。また、「骨太の方針06」では社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制することが決まるなど、日医は「煮え湯」を飲まされた。唐沢氏は、当時の会長が小泉政権に距離を置いたのが原因として、「自民党との関係修復」を訴えて06年の会長選に出馬し、初当選した。

 しかし、麻生政権で2200億円の抑制方針こそ見送られたものの、8月の衆院選では丹羽雄哉元厚相ら有力厚生族議員が相次いで敗れた。07年参院選比例代表では、日医連推薦の自民党現職、武見敬三氏を落選させる悲哀も味わった。

 唐沢執行部も政権交代で背に腹は代えられなくなり、20日の日医連執行委員会では従来の自民党支持の見直しを議論する。族議員が減り、自民党とのパイプが細ったことも路線転換を促す一因だ。が、組織内には賛否両論ある。唐沢氏の出馬の経緯もあり、会長選前に結論を出すのは難しい状況だ。

 それでも、来年の参院選に向けては既に自民党現職の西島英利氏の推薦を決め、同党も公認済み。西島氏は「『お前は医師の代表だ』と言われている。民主党に移ることは絶対あり得ない」と語る。大島理森幹事長は19日、「(各団体が)与党・政府との付き合いをどうするかというのは、当然お考えになること」と平静を装ったが、支持団体の自民離れが進めば、参院選の勝利はおぼつかない。

 一方、民主党は日医に揺さぶりをかける。診療報酬引き上げをマニフェスト(政権公約)に掲げたものの、重視するのは日医の主力構成員の開業医ではなく、勤務医だ。厚生労働省の政務三役は、診療報酬を議論する中央社会保険医療協議会(中医協)で、任期切れを迎えた日医の委員3人を外す動きさえ見せている。

 茨城県医師連盟は衆院選全7小選挙区で民主党候補を支援した。小沢一郎幹事長は5日、原中氏と会い、謝意を伝えている。18日には、横浜市内で記者団に「(各団体の)構成員の民主党政権への期待が大きくなってきた。自民党の旧来の支持基盤は根底から崩れている」と語った。

こうして見ていただければ判る通りなのですが、長年自民党政権を支持してきた日医として何か良いことがあったのかと問われれば、医師団体代表として国の政策議論の場で末席を汚していたくらいで、それも何ら自分たちの主張が通るわけでもなく、「はいはい日医さんの御主張はそれとして」と無視される悲哀を味わってきただけという気もするところです(苦笑)。
しかしどうなんでしょう、医師会としては一応別団体である日医連が頭を下げた格好で手打ちにしたい腹づもりなんでしょうが、「各地方の医師会ごとに旗色を明確にしない限り自民支持とみなす」なんてことを言っている志操堅固な民主党に「みっ民主党に乗り換えたんじゃないんだからっ!与党を支持してるだけなんだから勘違いしないでよねっ!」なんて今風な?腹芸が通用するかどうか。
むしろ敢えて教条主義的解釈をされて「日医連はそうなのね。でも日医は違うんでしょ?詫びを入れてから来てねはいはいワロスワロス」なんて適当にあしらわれるのが落ちなんじゃないかという気もしないでもないんですが、このあたりは日医が戦略的に行動するつもりなら民主党と厚労省ら官僚がもう少しぶつかってからの方が高く売れたんじゃないかとも思うんですけれどもね。

例えば今話題の新型インフルエンザワクチンを巡る騒動など、ちょっと煽れば政治家と官僚の全面対決に移行しそうなくらいの火種が幾らでも転がっているのですが、当の接種実施主体に近い存在として本来大きな発言力があるはずであるのに、あまり日医が議論に割って入ったという話も聞かないのはどうなんでしょうね。
このあたり一昔前と違って日医もすっかり政治音痴になってしまったのか、あるいは日本人の悪癖で少し叩かれると縮こまってしまっているのかは判りませんが、馬鹿げた事ばかり言う割にそうした肝心のことも言わない執行部のやり方があるからこそ、末端会員からも非医師会所属の医師からもそっぽを向かれているという現状があることを知るべきだと思います。

すでにあちこちで報道されているように、現場の医師達は医師会が何と言おうととっくの昔に民主党支持へと鞍替えしてきた経緯もありますし、医師会内部においても民主党に鞍替えした茨城県医師会会長が次期会長選の有力候補などと言われるくらいで、到底「医師会が一枚板となって政治力を発揮する」などと言う状況にはありませんでした。
こういう状況になってきますと黙っていても唐沢氏ら旧執行部の一人コケで決着しそうな気配なんですが、そうなりますと今後日医全体が大きく民主党寄りへと舵を切ってくる可能性もありそうですから、解離していた現場医師の意識と日医執行部の意向を一致させる大きなチャンスではあるはずなんですけれどもね。

さて、民主党からは「自己批判し反省しろ」とまで言われた医師会という組織ですけれども、それではここで民主党支持に転んだとして日医に何かしらのうま味があるものでしょうか?
自民党政権末期に医師会が冷遇されたのも、一つには自前の候補すら落選させてしまうほどに集票力のない日医に愛想を尽かされたからという背景があったわけですが、現場医師が多く民主党支持となっている状況で日医自身も同じく民主党へ鞍替えするとなりますと、単純に考えても今までよりも医師達の意見を代弁するという体裁は整う形になりますよね。

民主党がどこまで本気で日医潰しにかかっているのかは判りませんが、医療行政の関与から外されようと医師を代弁する団体という顔を続けたいなら最低限、今後民主党が独自ルートで入手していくだろう現場の声と大きな解離を来さないような主張を行っていく必要はあるでしょうし、そうなって初めて日医という団体が現場の支持を受けられる存在になってくるでしょう。
平たく言えば組織の民主化が外圧に抗して組織が存続する必須の条件であると同時に、外圧による民主化によって組織がさらに発展するチャンスであるとも言えるわけで、この機会に民主主義をかかげる先進国の団体らしく組織改革を行っていけるということであれば、日医という終わっている団体にももう少し余命を長らえる機会があるかも知れませんね。

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