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2009年9月30日 (水)

マスコミ的な社会との関わり方

ちょうど昨日出たばかりのニュースなのですが、すでにご覧になった方も多いのではないかと思います。
既存メディアがネットにまで手を伸ばしてきたとも、経営的に厳しさを増す彼らがネットに擦り寄ったとも感じられるニュースですが、ネットをおもしろからぬ存在と見なしてきた彼らをしても無視をすることは出来ない存在になったとは言える話ではないでしょうか。

TBSとテレビ朝日 ユーチューブで番組配信(2009年9月29日産経新聞)

 TBSとテレビ朝日が、グーグルの動画投稿サイト「ユーチューブ」でニュースなどを配信することが29日、明らかになった。同日11時半より会見し、グーグルと「パートナー契約」を結ぶと発表する。

 両社はそれぞれ、ユーチューブ上で専用のコーナーを開設し、一部番組を視聴できるようにする。両社はそれぞれ、自社サイト上で一部番組の配信を行っていたが、利用者数でユーチューブなど動画投稿サイトに大きく差をつけられていた。両社は今後、ユーチューブの視聴者を取り込むことで、ネット上での番組視聴者数を拡大したい考えだ。

 テレビ局とネット企業の連携では、9月4日にフジテレビジョンと日本テレビがヤフー子会社のGyaO(ギャオ)に7%出資し、サイト上で両社の番組を閲覧できるようにすると発表していた。

こういうことになってきますと、今後次第にネット上の流出動画の類も削除が減ってくる可能性も出てきますかね?
それはともかく本日は両社のネット進出を記念して、既存メディア関連の最近の愉快な話題を幾つか拾い上げてみようかと思いますが、特にこの時期ですと折から政権交代に絡んだ政界絡みの話題には事欠きません。
まずはこちら、報道業界の高邁なる決意を示す素晴らしい講演から紹介してみましょう。

NIE:「世論を動かす調査報道重要」 西予・宇和高で毎日新聞記者が講演 /愛媛(2009年9月25日毎日新聞)

 新聞を学校教育に活用するNIE(教育に新聞を)の一環として、西予市宇和町卯之町4の県立宇和高校(松本喜一郎校長)で24日、新聞記者の派遣講演があった。毎日新聞松山支局の柳楽未来記者(29)が、同校の2年生約140人に新聞の必要性や書き方などについて話した

 柳楽記者は、アスベスト問題についての毎日新聞の記事などを示しながら「正確な情報を伝えるだけではなく、地道な取材で世論を動かす調査報道も重要な役割」と新聞の必要性について話した。同校2年生は来週に出発する修学旅行について新聞を作る予定で、柳楽記者は「現場に足を運んでしっかり話を聞くことが大切。環境や医療など関心の高い問題を身近なところから見つめ、考えてください」と話した。

 生徒たちからは「毎日どうやって記事を集めるのか」「正確に情報を提供するために努力していることは何か」などの質問が出された。

いやあ、世界中にその名を轟かせ世論を動かせた同新聞社だけに説得力があると言いますか、さぞや高校生も勉強になったんだろうと思いますが、しかし今どきの学生だけに「正確に情報を提供するために努力していることは何か」なんて質問の陰で会場からは失笑が漏れていたのかも知れませんね。
しかしここで重要なのは彼らマスコミが世論操作こそ報道の重要な役割であると公言していることではないかと思うのですが、そう考えると先日も書きました利権誘導まがいの政界との関係も納得できるものがあります。
結果として見事に彼らの思惑通りとなったわけですから笑いが止まらないとはこのことだろうと想像されるところですが、その思いが表れているかのようなこちらの社説を紹介してみましょう。

「政界の景色が変わった」(2009年09月22日紀伊民報)

 鳩山内閣がスタートして1週間。政界の景色が激変している。各閣僚が矢継ぎ早に政権公約の実現に向けた発言を繰り出し、競うように斬新な政策を打ち出しているからだ。

  ▼国交相が川辺川ダムや八ツ場ダムの建設を中止するといえば、厚労相も評判の悪かった後期高齢者医療制度の廃止を明言、障害者自立支援法も廃止するといった。財務相が「来年度予算の基準をご破算にして、一から作り直す」といえば、外相は核の密約について、期限を切って調査するように命令した。

 ▼彼らが記者会見などで発言する言葉の歯切れのよいことに驚く。役所が用意したペーパーに頼るのではなく、自分の言葉で自らの信じるところを述べているからだろう。政権が交代するとはこういうことかと、日々、目が洗われるような気がする。

 ▼長い間、政界では言葉が軽く扱われてきた。なかでも前の首相はひどかった。発言はぶれにぶれたし、記者の取材にバカにしたような言葉で応じている姿も、けんか腰で答えている姿もテレビに映し出された

 ▼質問する記者は一人でも、その背後には多くの国民がいる。そんなことさえ理解していないような政権が見捨てられたのは、ある意味で国民の健全性を証明するものだろう。

 ▼さて、歯切れのよい発言が、結局は言葉だけで終わるのか、それとも約束を実現するために頑張ってくれるのか。少なくともいまは、閣僚の発言を聞くのが楽しくてならない。 (石)

テレビに映し出されたなどと言うとまるで自然現象か何かのようにも聞こえますけれども、その行為の主体は誰であったかと考えるとなかなか興味深い一文ではあります。
没落した旧政権をどう言おうと勝手ではあるのですけれども、実のところ本当に国民から見捨てられつつあるのは誰かという話なんですけれどもね(苦笑)。
まさに彼らの言うテレビに映し出されてしまった取材現場などの状況を見聞するだけでも、ああいうお馬鹿な質問しかできない自称ジャーナリスト(笑)が国民を代表しているなんて思い上がりもたいがいにした方がいいと思うところですが、どうやら海外から見てもこうした現状はかなりお間抜けであきれ果てたものに見えているようです。

政権交代でも思考停止の日本メディア(2009年09月28日ニューズウィーク)

今週のコラムニスト:レジス・アルノー

 トイレを修理してもらうために呼んだ業者にこんなことを言われたら、どうだろう。「うーん。ちょっと待ってください。セカンドオピニオンを聞かないと」。さらに悪いことに、医者にこう言われたら?「おかしな病気ですね。医者を呼んできます!」

 8月30日の総選挙で民主党本部に詰めていたとき、私の頭に浮かんだのはこんなバカげた光景だった。日本のジャーナリスト5人に、次々と同じ質問をされたのだ。「政権交代をどう思いますか」

そういう疑問に答えるのが、ジャーナリストの役目ではないのか。そもそもそのために給料をもらっているのでは。その場に居合わせたイギリス人ジャーナリストが私に言った。「よくあんな質問に答えましたね。あんなものはジャーナリズムじゃない。日本の記者はただ騒いでいるだけ。今夜、この国が根本から変わったことを理解していない」

 総選挙を境に日本は根底から変わった──ただし、メディアをのぞいて。私は前回のコラムでも日本のジャーナリズムについて書いたが、この選挙報道を見た後では、もう一度取り上げないわけにいかない。社会に吹き荒れる歴史的変化の嵐にも、メディアだけはどこ吹く風なのだ。

■仲が悪い外国人記者と日本人記者

 岡田克也は外務大臣に就任した直後ついに、外国人やフリーランスのジャーナリストに記者会見の門戸を開いた。悲しいことに、日本人記者から排他的な記者クラブ制度の廃止を求める声が上がることはめったにない。日本人記者と外国人記者は、残念ながら仲が良くない。国内のジャーナリストが海外のジャーナリストを締め出す国など日本だけだ。だがオープンな民主党とは、外国人記者のほうが日本人記者より親しい場合もある。

 日本の主流メディア「ムダ話党」は健在だ。朝日新聞編集委員の山田厚史など独自の見解をもつ一握りのジャーナリストをのぞく主流メディアを、私はムダ話党と呼んでいる。頭を使わずただ社会の動きを記録する監視カメラのようなものだ。過去数十年間、自民党の歴代首相が君臨した官邸執務室に入る鳩山由紀夫総理の姿を撮影しながら、NHKの記者は何を思っていたのか。ひょっとしたら、政権党が民主党に変わったことも知らなかったのではないか。

 日本の報道機関はその規模と仕事熱心な姿勢で名高い。だが知性あふれる人材を多数そろえながら、ここまで非生産的なメディアも珍しい。やる気のなさは、まるで冬眠中のクマ。けれどもひとたび──めったにないことだが──獲物が現れるや、一撃で残酷に息の根を止める。

 酒井法子被告をたたきのめしたのもそうだ。テレビ局はヘリコプターまで動員し、謝罪会見に向かう酒井の車を追った。ヘリを飛ばすのに1分いくらかかると思っているのか。二酸化炭素をどれほど排出するか。それだけの価値がある情報なのか。人をリンチするのが報道なのか。

 ムダ話党の意見はその場かぎり。記憶力もない。10分しか記憶できない金魚みたいなものだ。昨日まで官僚から情報を仕入れていたというのに、一夜明ければ「国民の敵」としてよってたかってたたく。「天下り」は今や金正日(キム・ジョンイル)やオウム真理教より憎まれている。会食の席で「私は官僚です」などと自己紹介したら、新型インフルエンザの患者みたいにぞっとされるだろう。「事務次官」なら、間違いなく八つ裂きだ。

■客観性は無定見の口実にならない

 われわれが新聞に期待するのは世の中の出来事を解き明かしてくれることであって、理解の妨げになることではない。だが日本の報道機関がやっているのはまさに後者、インフルエンザ騒動がいい例だ。新政権にとって新型インフルエンザは最も憂慮すべき問題の1つだと朝日新聞は書いたが、それはちがう。多くの報道機関と同じで、朝日も危険性と感染力を混同している。新型インフルエンザはたしかに感染力がとても強い。だが致死率は通常のインフルエンザとそれほど変わらず、重病ではない。

 新聞の仕事は、今後の政治の見通しを読者に理解させること。そのためには、自らの立場を明らかにしなければならない。客観性を口実にどっちつかずの態度を取ることは許されない。八ッ場ダムの建設は中止するべきなのか。霞が関の「埋蔵金」はどこにあるのか。真に自立した外交政策は、どうしたら打ち立てられるのか。

 9月18日、イランのマフムード・アハマディネジャド大統領が、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)は作り話だと発言した。これに対し、ドイツの外相はアハマディネジャドはイランの恥だと抗議した。この件に関して、岡田外相に意見を求めた記者が1人でもいるだろうか。メディアにはこうした問題に光をあててもらわなければ困るのだ。

 総選挙の晩、私は「これで日本も普通の民主主義国家になりましたね」と、日本人記者に話しかけた。彼女は困った顔をした。「『普通』ってどういう意味ですか?」「二大政党が交互に政権を取る国家、政治家が国民に対して責任をもつ国家です。今まで日本の民主主義は異常だった」。私の言葉が飲み込めないらしく、記者はそそくさと逃げていった

まあそれは、こうまで恥を晒し続けている状況では、多少なりとも羞恥心の欠片でも残っている人間は逃げ出すしかないでしょう(苦笑)。
しかし某変態新聞に限らずこうまで海外に日本に対する誤解を広げられているということであれば、彼らメディアの役割とは何なのかと改めて考え込まざるを得ないところではありますよね。
マイク片手に何十人と並んだ知性のかけらもなさそうな連中が、判で押したように同じ事を叫んでいる光景というのも日本の報道現場においては全く日常的光景ですが、ああして誰も彼も判で押したように同じことしか言わないというのは自己判断能力の欠如が疑われるという以前に、欧米的感覚で言うなら監視の目が行き渡って言論の自由のない独裁国家のようで気持ち悪いというのもあるのでしょう。

ちなみに筆者であるレジス・アルノー氏の経歴は「1971年、フランス生まれ。仏フィガロ紙記者、在日フランス商工会議所機関誌フランス・ジャポン・エコー編集長を務めるかたわら、演劇の企画なども行」った方だそうですが、彼の言う「馬鹿げた質問」というのはどうも政治記者に限らない日本のメディアの特徴らしいですね。
野球にしろサッカーにしろ昨今外国人選手や監督は珍しくありませんが、彼らが日本に来て真っ先に苦労するのが意味不明のインタビューにどう答えていいか判らないことなんだそうで、「これで勢いに乗っていけます」と言われれば「ガンバリマスノデオウエンヨロシク」と阿吽の呼吸で答えられるようになってはじめて日本に馴染んだと言えるのだとか。
選手はまだしも監督ともなるとそうそう愛想を振りまいている人ばかりでもないらしく、サッカー前日本代表監督のオシム氏を始めとして思わず「お前は何が言いたいんだ」と切れてしまう人も結構いると言うことで、通訳の人はどう当たり障りなく「翻訳」するかと苦労が絶えないなどという話も聞くところです(やりすぎると「言ってもないことばかり新聞に載る」とまたクレームですが)。

ところで前述の記事中にも出ている八ツ場ダム問題といえば、どうもここでもマスコミに関わる怪しい影がちらついているらしいということですので、なかなか面白そうなこちらのリンクを紹介しておきますね。

【参考】ダム利権: TBSと毎日新聞が『八ツ場ダム中止』に肩入れする理由(ブログ記事)

しかし行政と擦り寄って御用メディアとしておこぼれを頂戴するというのもある意味で楽な生き方なのかも知れませんが、少なくとも民主主義国家におけるジャーナリズムの在り方からはずいぶんと遠いものという気はしますよね。
まあしかし、彼らとしても自分たちはジャーナリストなどという面倒くさいだけでうま味の乏しい存在ではなく、あくまでもエンターテイナーであるという認識なのだとすれば、確かに彼らの存在自体がこれ以上ないエンターテインメントであるという見方も出来るのかも知れませんが。

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