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2009年9月20日 (日)

今日のぐり「花菱」

本日も前回に引き続いてブリネタを取り上げようと思います。
さて、ブリの話題を語る上で、今や国際的常識とも言われる「飯の不味さ」を抜きにするわけにはいきません。
「朝飯だけは結構イケル」だとか「あれは料理でなく自分で調理して食べるための素材」だとか諸説乱れ飛ぶ状況ですが、そもそも当のイギリス人達はこの状況をどう受けとめているのか、一例としてこちらの記事から紹介してみましょう。

「実戦配置に支障? 英兵の肥満増」(2009年8月3日東京新聞)

二日付の英オブザーバー紙は、漏えいした英国陸軍の内部メモを基に、英国陸軍に太り過ぎの兵士が増えて部隊の実戦配置に支障をきたす懸念も出ている、と報じた。AP通信によると、英国防省は報道内容についてのコメントを避けたが、否定はしなかった

内部メモは、陸軍約十万人のうち八千百九十人が病気などで配属先が限定されるほか、肥満のため三千八百六十人が実戦配置が困難だと警告している。英陸軍の身体管理担当者がまとめ、七月初旬に全師団に送った。

中には一週間に二時間という最低限の運動も実行できていない兵士がいると指摘。アフガニスタンなどの戦闘地域で困難をくぐり抜ける鋭敏さが必要だと戒める内容という。

英軍は三年前から志願兵をより多く獲得するため採用条件を緩め、体重(キロ)を身長(メートル)の二乗で割った体格指数(BMI)は32まで許容した。世界保健機関(WHO)の基準では30以上が肥満に当たる。

英軍はアフガニスタンに約九千人を配置するが、反政府武装勢力タリバンとの戦闘で七月には英兵二十二人が死亡。二〇〇一年にアフガンでの戦闘に参加して以来、月間最多の死者数となり、英社会には厭戦(えんせん)ムードも拡大している。

しかしBMI30以上で肥満って、いささか基準自体が緩すぎるような気がしないでもないですが、何にしろ事実としてしっかりアレを食べているのだなと感じられる話です。
それはともかく今日に至ってもイギリス軍のミリメシというものは国際的に決して高い評価を得ているわけでもありませんが(注:極めて控えめな表現です。ちなみに一般に評価が高いのがフランスとイタリア)、それでもやせませんかそうですか…ま、軍隊の場合食に対する受容範囲が広いというのは決して悪いことではないでしょうからね。
イギリス軍人のミリメシというものに対する認識がどういうものであるかについて、こういうジョークがありますが(まあどちらかと言えば「砂漠で戦争してる最中にもパスタを茹でてる連中」を揶揄した話でもあるのですが)、やはり昔から定評があったということなのですかね?

イギリス軍兵士がイタリア軍に捕まり、捕虜になった。

夜となり、牢獄に入れられた彼のもとに夕食が届けられたが、これが前菜から始まって、
パスタに肉料理、食後の果物にワインまで付く不自然なまでに豪華な食事。
補給が絶たれろくな食事をしていなかったパイロットは思った。
「これが俗にいう最後の晩餐、ってやつか…」

明日は銃殺されるんだ…と思ってまんじりもせずに迎えた翌朝、彼の繋がれている
牢獄の前に階級の高そうな将校が従卒を伴ってあらわれた。
こいつが銃殺を指揮するやつなのか?と思っているとその将校が何事かを彼に向って
話し始めた。連れの従卒が通訳する。

「昨日は間違って将校である貴殿に一般兵卒の食事を出してしまった。
決して捕虜虐待のつもりはない。私の顔に免じて看守を許してやってくれないか?」

まあかつての日本軍にしても地方の貧困農家の過剰人員の受け皿で、「兵隊に取られてはじめて白米なんてものを口にした」といった時代があったわけですから、時代的に見ると必ずしも他人事でもない話ではあるのですけれどもね。
しかし数十年前の戦時ということであればまだしも、現代社会の一般人が食べているものがどうであるかとなれば、これは決して他国に誇れるような状況になかったということも事実ではあるようです。
ところが一方で、近年ようやくイギリス人も食に対する保守性というものを少しばかり改めはじめている様子なのですね。

イギリスのトリビア第5回 イギリス料理は本当にまずいの?(2008年2月22日eikokutabi.com)

何かと評判の芳しくないイギリス料理。その典型的なイメージとしては、たりない塩味、茹ですぎの野菜・パスタ、彩がよくない盛り付け、などなどあげればきりがありませんでした。ほぼ伝説化していたそんな「まずいイギリス料理」に変化があらわれたのが、10年ほど前からのモダン・ブリティッシュの台頭。モダンブリティッシュは、伝統の英国料理にフレンチやほかのキュイジーヌのエッセンスを加えた新しいスタイルの料理です。

そしてここ近年、セレブ・シェフのTV番組ブームがイギリス料理の改革に大いに貢献したことは特筆すべきでしょう。悪評高かったイギリスの学校給食改善運動に乗り出して、一躍国民的ヒーローになったジェイミー・オリバー。人気料理番組で名をはせながら日本・NYにもレストラン進出し、辛辣な口調で有名なゴードン・ラムゼイ。イギリスでの知名度は抜群、実力派のギャリー・ローズ。調理中のセクシーな仕草で男性にも人気の美女シェフのナイジェラ・ローソン。イングランド南西部コーンウォールのさびれた漁村をレストラン建設によって活性化させたシーフード料理のリック・ステインズなど。これらのセレブ・シェフの活躍によって、味もプレゼンテーションも優れるレストランがロンドンや海辺の町を中心に次々に誕生しました。

このブームは、外食産業だけでなく家庭にも。セレブ・シェフが料理本をぞくぞくと出版し、彼らのレシピで作ると料理音痴でもおいしいものができると、ベストセラーに。もともと料理に対してあまりチャレンジ精神のないイギリス人の料理術に新風を吹き込みました。セレブ料理本のレシピを取り入れるのは若い世代が中心ですが、この料理本効果によって、茹ですぎ野菜と伸びきったパスタ撲滅の日が少しずつ近づいているかもしれません。

またこの国の在住者である私の持論は、きちんと手間隙をかけて愛情たっぷりでつくられたイギリスの伝統的な家庭料理は美味しい、です。おなじみのロースト料理、フィッシャーマンズパイ、地元の農場から購入した卵やお肉を使った料理、庭で収穫した小ぶりのりんごで作られたアップルパイ。いい素材を使い、時間をかけて料理されているので、素朴ながらもとても美味。旅行者や短期留学生の方にとっては、これらの家庭料理を味わう機会がなかなかないかもしれませんが、それに近いものをいただく方法があります。

地元の人々で予約がいっぱいの田舎のガストロ・パブ(料理自慢のパブ・レストラン)を目指すことです。こうしたローカルに愛される場所では、その土地でとれたものを使って丁寧に調理されているため、心をこめて作られた家庭料理に近い味を楽しむことができるでしょう。

ロンドンやそのほか観光地では、客席の回転率をあげるために作り置きを提供するレストランや、コストを押さえ利益をあげることのみに神経をついやすようなレストランであふれているのも事実。このようなレストランで食事をした結果、「やっぱりイギリス料理はまずい」という感想がでるわけで、在住者としては心が痛みます。フランチャイズのレストランは極力避けましょう。口コミが一番有効な方法ですので、ちょっと下調べに時間をかけて、イギリスの美味しいものをぜひ探してみてください。

まあわざわざイングランドではなくイギリスのと言うのであれば、今や伝説ともなったあの伝統料理も取り上げないことにはフェアではないとも思うわけですけれどもね(苦笑)。
しかし記事中にもありますが、学校給食があまりにひどすぎるのではないかという議論も状況改善が進む大きな要因の一つとなっていたようなのですね。
最近は日本でも昔と比べればずいぶんと学校給食が良くなった一方で、給食費未納問題やら残さず食べようは人権侵害だ!なんてクレームもあって、なかなか現場の人たちも苦労しているらしいのですが、イギリスの方でも給食を改善するとなるとまた一騒動あって、そのあたりもブリ流ということでしょうか。

第9回「イギリスの学校給食に革命!」(2008年2月22日eikokutabi.com)

悪評高いイギリスの学校給食の話題が、昨年あるひとりのセレブ・シェフによって、政治的関心事までにまで発展しました。その名はジェイミー・オリバー。キュートな風貌とノリの良いトークとともに、簡単かつお洒落なレシピを紹介することで、一躍人気シェフとなったジェイミー。日本でも彼の番組が紹介されたので、その名をご存知の方もいるかもしれません。いまや30代になった彼はやや中年体型になってしまいましたが、現在も人気者。そんな彼の転機となったのが、イギリスの学校給食の現状を紹介したTV番組「ジェイミーズ ・スクール・ ディナース」。

チップスと呼ばれる厚切りのポテトフライ、出来合いのピザ、ポテトチップス、チョコレート・バー。こんなものが典型的な子供達の学校給食なのですから、自らも子供をもつジェイミーがショックを受けたのも無理はありません。番組を通して、安い予算でいかにおいしく、栄養のバランスのとれた給食をつくるか、それがジェイミーに与えられた課題でした。ジャンク・フードにならされた子供達は、最初は半信半疑、強い拒否反応を見せる子供も。しかし、ジェイミーの情熱と努力、給食のおばさんの協力によって、野菜たっぷりのパスタ、ビタミン豊富なメイン、彩豊かに工夫が凝らされたサラダなど、安い材料でも栄養価の高い学校給食が受け入れられていきました。

大反響をよんだこの番組がきっかけとなり、イギリス全土で学校給食改善に注目が集まるようになります。大手新聞でも学校給食の悲惨な状況が大きく取り上げられ、署名運動が広がりました。ついに署名は30万人にも及び、ジェイミー・オリバーがトニー・ブレア首相邸を訪れるまでに。そして、今後2.8億ポンドの予算が学校給食改善(質のよい材料のための費用、設備の改善費、給食担当調理師たちの教育費)のためにあてられるという公約を取り付けたのです。

先日、そんな風潮に反発を覚えた北イングランド・ヨークシャーの親たちが、ある行動にでて世間を騒がせました。学校のフェンス越しに、油ギトギトのフィッシュ&チップスを子供たちに差し入れするという強硬手段に出たのです。こういった親たちの信じられない姿が、TVのニュースでも放送されました。栄養バランスのとれた改善後の給食代が高いという理由から、学校に給食を強制する権利はないと激怒した一部の親たちのとったこの行動は、大いに論議を醸しました。

ここでもうひとつ問題なった点は、給食の時間が短いため、子供達が給食の長蛇の列に並んでいる間に時間が終わってしまい、食べる時間がないということ。だから、温かい出来立てのフィッシュ&チップスを自分たちが運んでいるのだというのが、この親たちの主張。子供達は値段が高いうえに「ごみのような」学校給食を強制的に食べさせられている、私たちは子供達が食べたいものを与えているだけだと言い切ります。

しかし、本当に子供たちの成長のことを考えたら、このようなファーストフードではなく手作りのお弁当、野菜たっぷりの手作りサンドイッチを持参させるべきでしょう。しかし、そういう考えはこの親たちには全くないようです。こういう親たちこそ、普段からジャンク・フードを食卓に並べ、自らの子供たちの味覚を狂わせている張本人。子供がお菓子やスナックを好むのは自然な姿でしょうが、子は親の姿を見て育つもの。一部に限られたことだと信じたいのですが、まずこういった親の食生活改善教育から始める必要がありそうです。

このように、学校給食だけに限らず、家庭での栄養管理にも問題点が多く、本当の意味でのイギリスにおける子供達の食生活改革は、まだまだこれからが本番のようです。そしてこの9月、昨年大好評を得た「ジェイミーズ・スクール・ディナース」のリターン版が放映されました。一時期のブームで終わらせないためには、やはり人々に現状を伝える続ける必要があるでしょう。今後もジェイミー・オリバーの更なる改善運動に期待したいところです。

いやしかし「そんな風潮に反発を覚えた」って、そこ反感を覚えるところなんでしょうか?
まあ昨今どこの国でもこういう親は多くなっているということなんでしょうが、やはり記事中にもあるように背景として普段の家庭での食生活がどうなのかということが問題になってくるわけで、ということはやはり彼の地の食事情とはそういうこと、なんでしょうかね。
ちなみに記事中にも出てくるジェイミー・オリバーというのがなかなか興味深い人物で、アイドル的な人気を博する一方で料理ということを通じた社会活動も熱心にやっている御仁だそうですが、こういうのを見ると日本でもまたひと頃のようにレギュラー枠の人気料理系番組が増えてくると面白いのかなとも思うんですけどね。

今日のぐり「花菱」

初めて高野山に行ってきたのですが、あれはなかなか興味深い土地ですよね。
そもそも人家もない山中を延々走り続けて、突然警察消防は元より小学校から大学まで揃っている町がぽっかり出現する不思議というものがまずあります。
そこにあり得ないようなでかい多宝塔があったり、伽藍が立ち並んでる中に何故かお社があったり、酒屋の看板が般若湯であったりと、見れば見るほど不思議な光景が満載という、なかなか愉快な体験ではありました。

さて、その表通りの一角で店を構えるこちら、わざわざ「高野山料理」を名乗っていますが、実態は会席が主体のお店なんでしょうね。
ちょうど食事時ということもあってか比較的広い店内は満席状態ですが、どうやら二階にも席があるようで収容能力はそれなりに大きそうな店でした。
同行者の分とも併せてハモの御膳、にぎりずし、松華堂弁当などを頼んでみましたが、比較的小綺麗にしている店構えでトイレなどもきちんとしているのは好印象ですかね(もっとも歴史的建造物が建ち並ぶ中でいささか雰囲気的にどうよという気がしないでもないですが)。

さて、ハモの午前のメインであるハモは、少しばかり瑞々しさが薄れてヘタレ気味という感じではありますが(輸送の劣化というより調理後の保存の問題でしょうか?)、特にまずいというほどでもなく標準的でしょうか。
松花堂は刺身や天ぷらなどごくありきたりな料理が並んでいて、こちらの味も見た目通りにごく普通と言いますか、良くも悪くも土地柄や店らしい特徴がない仕上がりとしか言いようがないですね。
にぎりはシャリなどもちゃんと寿司になっていますが、ネタだけ見ていると全く高野山と縁遠いものばかりで、日本全国どこに行っても「本日の上にぎりです」と言って出されてもさほど違和感のなさそうなものです。
ちなみにこのにぎりにもハモが入っていてにぎりとしては初めて食べたのですが、スシだねとしては少し炙ってみたりしても面白いのかとも思ってみたり、これはこれで楽しめましたね。

しかしそもそも高野山料理を外した時点でメニューの選択を間違ったのかも知れませんが、どれもこれも並んでいるのは全然山とも高野とも関係ない海の幸で作られた、どこの町にもあるようなありきたりの料理ばかりなんですよね。
味は総じて悪いというわけでもなくて、値段を考えなければごく普通に食えるという程度には並みなのですが、おそらくこんな山の中で食べるより地元で食べたほうがずっと新鮮でうまいだろう料理を、しかもはるかに高い値段で食べているという現実をどう考えるかです。
まあこういうところでコストパフォーマンスがどうとか言っても仕方がないんですが、僻地輸送料で○割増、観光地割増で○割増という感じで考えれば納得できないことはないか?と思える人にとってはともかく、顧客中にそれなりに多いだろう「安くてうまくて量が多い」が当たり前と思っているナニワのオバちゃま達にとってはどうなのでしょう。
しかも肝心の高野山料理らしいものを食べようとするとずいぶんと高いものに付きそうですから、その辺の店で何か買い食いでもしていた方がよほど安価に「らしい」ものが食べられるのではと言う疑問も湧いてきます。

店員も手が足りない状況なのは判りますが、奥のカウンター前に立ちっぱなしで仕事をしているだけで自分から進んでお客の状況を確認するでもなく、用でもなければ客席側に出てこないというのはちょっとどうかなと思いますね。
値段については確かにこういう特殊な地理的環境ですから仕方がないとは思いますが、それなりに高い料金を払って食べさせられるのはともかくとして内容がこうも無個性なものばかりでは、一体この店なりの売りはどこにあるのかと言うことですよね。
場所柄リピーターというものはまず期待できないのも確かだろうとは思いますが、なまじ味自体はそう変なものでもないだけに、ちょいと豪華そうな料理が並べば満足という時代ならいざ知らず、今どきこの内容では旅先での食の楽しみもスポイルされてしまうのではと気になったところではありました。

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