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2009年9月24日 (木)

うっかり関わると大変なことになりますよ

当「ぐり研」でも割合ちょくちょく引用させていただいている河北新報社に、先日こんな記事が載っていました。

河北新報:河北抄(2009年09月10日河北新報)

 宮城県内で初めて、新型インフルエンザに感染した疑いのある患者が、先日死亡した。90歳の男性だった。

 この方が生まれたころ、大流行していたのが「スペイン風邪」だ。世界で4千万人が死亡し20世紀最悪のインフルエンザとされる。次代を担う赤ん坊は、大事にされたはずだ。

 仙台の眼科医小田泰子さんは「当時も今も、人間のできることはそんなに変わっていない」と言う。大正期の新聞記事や記録を丹念に調べ、現代への教訓を知ろうとしている。

 当時、学校や軍隊で若者の被害が拡大したり、患者の増加で病院の対応が後手に回ったりする様子が、本紙記事からもうかがえる。

 うがいやマスクの効能、せきエチケットを的確に説く文書も。大昔から繰り返されてきた人とウイルスとの闘い。90年前も今も予防策に大した差はない。

 「軽症者は当時3日寝れば治るとされ“三日熱”と言われていた。基礎疾患のある人はしっかり自分を守るべきだが、社会の過剰反応は避けたい」と小田さんは、医師らしい落ち着いた見方をする。
 ここまで来たら、慌てず騒がずに、ということだろうか。

記事自体は特別毒にも成らなければ薬にもならないといった内容の話なのですが、素朴な疑問としてインフルエンザネタなのに何故眼科医?とは思わないでしょうか。
仙台の眼科医で小田泰子氏と言いますと、どうやらブログを開設して普段から情報発信されている小田眼科医院の院長先生なのではないかと思うのですが、この先生は眼科女性医師活性化委員会を務められたり、日本女医会会長を務められたりしているようで、それなりに熱心にお仕事をされているのは理解できるのですけれどもね。
それでも国立医療センターでの研修歴があるというだけの皮膚科医に内視鏡処置についてコメントを求めるなどと言う大技をかます某社と比べれば、ちゃんと眼科医と書いて出すところがマスコミにしてはまだ良心的なほうでしょうか。

近ごろではマスコミに登場する人間のコメントは鵜呑みにするなとも言われますが、その意味として一つには彼らと要領よくつきあえるような御用学者の類は果たして信用できるのか?と言うことがあって、例えば前述の元国立医療センター勤務医氏(笑)などのように畑違いのジャンルに頓珍漢なコメントを出して悦に入っている自称専門家が大勢いるという背景事情があります。
そしてもう一つにはマスコミに取材される過程で好き放題にコメントを切り貼りされ、いつの間にか思ってもいないことを言っていたと捏造されてしまう危険性があるということで、以前にも話題になったNHKの台湾問題捏造報道事件なども、捏造の被害にあった現地の方々まで訴訟に参加するという事態になってきているようです。

最近では彼らの技も進化していて、例の裁判員制度では発言してはいけないことをわざわざ発言させようと素人の裁判員相手にトラップを仕掛けるという高度な技?まで駆使するようになってきたそうですから、一介の市民であってもいつどこで報道被害に遭遇するか知れたものではないということですね。
このあたりの彼らの海千山千のテクニックを知る上で参考になるのが最近話題になったこちらの一件なんですが、まずは第一報から紹介してみましょう。

漫画家、唐沢なをきさんがNHK放送を中止要請 「取材が不愉快だったから」(2009年9月14日産経新聞)

 「ヌイグルメン!」などの作品で知られる漫画家の唐沢なをきさん(47)が、NHK衛星第2「マンガノゲンバ」の取材を途中で打ち切り、番組放送中止を要請したことが、14日、わかった。妻でエッセイストの唐沢よしこさんが自身のブログで明らかにした。番組では漫画家の仕事現場に密着し、作品の魅力に面白さの秘密をさぐる。ブログによると、中止を要請した理由について、「インタビューが誘導尋問的」だったと説明。「この番組の取材、ほんっっっと~~~~に不愉快だったから」とも綴られており、取材方法をめぐってトラブルがあったようだ。

これだけですと一体何の事やらわからないという話ですが、世間的にはマスコミと持ちつ持たれつの関係にあると見られているだろう漫画家というものが、敢えてメディアと決別するかのような態度に出たわけですから、よほどの事情があったのだろうとは想像されるところですよね。
一昔前であればこうした事例の背景は一切表に出ることもなく、それ故に情報流通を一手に握っているマスコミのやりたい放題が続いてきたという歴史もあるわけですが、昨今ではブログ等で自ら情報発信をするという手段もあれば、彼ら既存マスコミの対抗勢力たるネットメディアの存在もありますから、いずれ事情が流出してくるようになっているのはありがたいです。

漫画家がNHKの「ほんっと~に不愉快!」な対応に取材拒否! 真相を語る(2009年9月13日ガジェット通信)

人気漫画家の唐沢なをき先生をご存知だろうか? 『週刊アスキー』で『電脳なをさん』を連載しているので、インターネットユーザーには知られている漫画家といえよう。さらに、『コミックビーム』では『まんが極道』、『ガンダムエース』では『機動戦士ぶよガンダム』、『イブニング』では『ヌイグルメン!』を連載中で、たとえ名前は知らなくても一度や二度は絵柄を見たことはあるはずだ。

そんな唐沢なをき先生と妻でありエッセイストのよしこ先生が、NHKの人気番組『マンガノゲンバ』の取材を受けていたところ、あまりに失礼な取材だったため取材を途中で拒否。放送の中止が決定していたことが判明した。このことをよしこ先生がブログ『からまんブログ』で激白。NHK取材を拒否したことを伝える報告は以下のとおりだ。

<よしこ先生のブログコメント>
「NHK-BSで放送している『マンガノゲンバ』の取材を受けたと書きましたが、残りの取材を拒否してしまいました。つまり、放送も中止です。放送を期待してくれていた方もいらしたと思うんですが、大変申し訳ありません。また、残りの取材で協力してもらう予定だった方々にもご迷惑かけました。申し訳ありません。『ヌイグルメン!』を取り上げる予定になっていたんで、「新たにこの漫画を知ってもらえるいい機会だし、より多くの人に読んでもらえるようになるかも!」と、ガマンしようと思ったんですが、耐えられなかったです。すみません」(ブログより引用)

この文面からすると、NHKの取材班と唐沢先生との間になんらかのトラブルがあったことが予想できる。その後、新たにブログを更新して「NHKと何があったのか」詳細を語っている。

<よしこ先生のブログコメント>
「『マンガノゲンバ』の取材、放送を中止してもらった理由ですが、この番組の取材、ほんっっっと~~~~に不愉快だったからです。びっくりしました。なんというか、インタビューが誘導尋問的なんですよ。ディレクターさんがなをさんに質問し、それになをさんが作画しながら答えるというところを撮影してたんですが、なんか、このディレクターさん、勝手に頭の中で「ストーリー」を作っちゃってるんですよね。唐沢なをき像というか。なをさんは子供の頃から、ずーっと特撮の舞台裏の漫画を描くことだけ考えてた人で、ほかの漫画は全部イヤイヤ描いた漫画で、今、『ヌイグルメン!』で特撮の舞台裏が描けて幸せだあ! ってな感じの筋立てになってるようでした」(ブログより引用)

<NHKの考えと態度・唐沢夫妻の考えを要約>
・事前取材で先生の考えを勝手に解釈して番組の流れを作ってる
・ディレクターが描いた返答をしないと「いや、そういう答えじゃなくて~」とインタビューやり直し
・ディレクターの「ストーリー」に即した答えを言うまで許してくれない
・インタビューで先生が返答する内容を質問する前から想定してる(想定とずれるとやり直し)
・それでも道筋にない返答だと「あーそれじゃあですね!」と、あからさまに嫌そうに別の質問
・嫌そうな態度されると「この漫画家、使えない答えしか言わない」と思われてるようで不愉快
・「良い答えがいえない俺」という罪悪感から相手が望む返答を本意ではないのに言ってしまう
・先生はヤラセに対して否定的ではなく出演者も視聴者も楽しいヤラセのウソはアリだと考える
・仕込みやヤラセに協力させたいならば、ちゃんと漫画家に事前に協力要請するべき
・『ヌイグルメン!』のネタを夫婦で考えてると言ったら会議の様子を勝手にストーリー化された
・こんなの勝手に考えてくる前に、どういう風に会議やってるのか、なぜ聞いてこない?
・自分のストーリーに合わないことには、聞く耳持たないディレクターだった
・ネタ会議のシーンの撮影で、実際に漫画に使うネタを考えてくれとディレクターに言われた
・「撮影されつつネタ考えるなんて無理」と言っても「いや、それじゃリアルじゃないから」と拒否
・「会議撮影中に考えたネタをそのまま漫画に載せて欲しい」とディレクターから無理難題
※漫画用語では「ネーム」ですが一般的にわかりやすく「ネタ」という表現にしています

などなど、この数倍のムカツキシーンが夫妻にはあったようだが、詳細はブログ『からまんブログ』を読んでみるといいだろう。しかし、なかでもいちばん驚いたのは、『ヌイグルメン!』の漫画取材のためスーツアクター(着ぐるみを着用して演技をする俳優)の方に先生が取材をするシーンを撮影することになり、打ち合わせをしたときのディレクターの発言だ。

「このスーツアクターさんに取材したおかげで、漫画の主人公のイリヒトが成長したって感じにしたい。このスーツアクターさんの言葉が、実際に漫画に影響を与えた、という流れにしたい」と、ディレクターが夫妻に注文してきたというのだ。「したい」とはどういうことなのだろうか? 「する」のは先生なのだが、どうしてディレクターの思惑がそこに入ってくるのか理解できない。

この取材、唐沢先生がスーツアクターとしてNHKに言われるがままの演技を要求されたようなものである。そんな皮肉も言いたくなるNHKの取材、あなたはどうお思いだろうか? 最後によしこ先生は「うちの『マンガノゲンバ』の取材はかように不快なものでしたが、ほかの漫画家の先生方の取材がどんな様子だったのかはわかりません。全部が全部、ウチのケースと同様とは限らないことをお断りしておきます」とコメントしている。

当の「からまんブログ」の方も参照していただければ状況はかなり明確であるかと思える話なんですが、「「絶対に放送されたくない!」と思わせる決定的な誘導尋問がひとつあったんですが……それ、今月の『まんが極道』のネタ、というかオチに使ってしまった」んだそうで、このあたりは転んでもただでは起きないたくましさということなんでしょうか(笑)。
ブログによればその後「件のディレクター」は抜きでNHK側から謝罪を受け、一応この件については一件落着したということなんですが、こういうのは思わぬ高い授業料についたと考えるべきなんでしょうかね?

「ヤラセ」に激怒 漫画家唐沢なをき 「NHKの謝罪受けることにした」(2009年9月17日J-CASTニュース)

   NHKのディレクターが取材の際、ありえないストーリーを持ってきて、誘導尋問までしたーー漫画家の唐沢なをきさんの妻でエッセイストのよしこさんがブログでこう暴露し、その結果NHKの謝罪を受けることになった、と記している。

取材初日からNHKとトラブル

   このブログは「からまんブログ」といい、漫画家の唐沢なをきさんと妻のよしこさんが2人で綴っている。よしこさんは2009年7月9日付けで、NHK-BSで放送されている「マンガノゲンバ」の取材を夫なをきさんが受けることになった、と報告した。この番組は話題のマンガや作家を紹介するもの。そして、取材初日からNHKとのトラブルがあったとしている。まず、NHKスタッフが取材時間を間違えて伝えてきた。そして、NHKが想定している夫のイメージと実際の夫との間に違和感がある、というのだ。

   そして09年9月12日、よしこさんは「マンガノゲンバ取材中止しました」と書き、翌日にその理由を「この番組の取材、ほんっっっと~~~~に不愉快だったからです。びっくりしました」と長文で綴った。NHKのディレクターについて、まず「インタビューが誘導尋問的」。ディレクターは勝手に頭の中でストーリーを作っていて、なをきさんがインタビューに答えると「いや、そういう答えじゃなくて~」と要求し、ストーリーに合った答えを言うまで許してくれない

   また、実際にはやっていない「夫婦によるマンガ制作会議」を強要。さらに、なをきさんがある人物にインタビューするシーンを撮影。そのインタビューのおかげで、なをきさんが描くマンガの主人公が成長、「実際に漫画に影響を与えた、という流れにしたい」という要望まであったのだそうだ。

ディレクターは連れてこないで

   このブログがアップされるとネットの掲示板などでNHKを批判するカキコミが溢れた。よしこさんは09年9月15日のブログで「すごい騒ぎになってびっくりしました」。そして、励ましのメールが十数通メール来て、その半分は「自分も取材でひどい目にあったので、共感した!」という内容で、非常に興味深かった、と明かした。

   そして同日付けで、「マンガノゲンバ」スタッフが謝罪に来ることになり、今週会うと報告している。実は今回の騒動になる前に、2回ほど謝罪に伺いたいという話しが担当の編集者を通して来ていたのだという。謝罪を断っていたのは担当したNHKのディレクターに会いたくなかったことと、嫌な取材を思い出したくなかったから。しかし、これだけ騒動になってしまったため、会わないわけにはいかなくなった。会う条件は「くれぐれもディレクターさんは連れてこないでください」ということだそうだ。

今回の一件では自らブログで発信しているような作家の方だっただけにこれだけ事態が公になりましたが、世の中には当然泣き寝入りをしてきたという人々の方が多いでしょうし、実際唐沢夫妻のところには「自分も取材でひどい目にあったので、共感した!」というメールが殺到しているということです。
この件はそれなりに大騒ぎになりましたのであちこちで取り上げているブログもあるようですが、個人的に「なるほど」と思ったのはこちらの記事でしょうか。

演出? いや、そうじゃなくてー、現実改変の「お仕事」?(2009年9月17日ブログ記事)より抜粋

そういえば、ものすごく些細な話 (しかもチラ裏) だけど、友人が昔、「私の部屋」みたい
な雑誌に載ったことがあって。その子は普段、トイレのドアの向かいの壁が斜めになって
いる構造なのは使いにくいと愚痴っていた。それがなぜか雑誌掲載時には、この斜めの
壁がカッコよいから気に入っています――と、正反対の話になっていたという。

その友人は、インタビューにこたえたことと逆のことを書かれちゃったと笑っていたが、
傍でみていたこちらは記事を書く人って何でこんなことをするんだろうと思い、そして、
いまだに不思議に思っていたりする。

思想信条によるものとか、読者に受けるために面白おかしくするとかだったら、批判的な
気持ちにはなっても、理解不能な動機だとまでは思わないんだけど。でも、嘘を書いて
話が面白くなったわけでは別にないし、嘘ではない記事をつくることだって簡単 (住んで
いる人間の意見としてではなく地の文で書けばよいだけ) なのに、何でわざわざそんな
ことするんだろう、と。

だけど、広告会社勤務の別の友人にたずねてみたら、その手の違和感自体を、あまり
理解してもらえなかった。記事を書いた人は、それでよい記事になると信じて一生懸命
書いたのだからオッケーみたいな。そもそも、事実と違うことを書くのはあまりよくない、
嘘は少ないほどよい、なんて感覚を共有してもらえないというか……。

んで、今思っているのは、そういう人たちって、むしろ本当のことじゃないことを混ぜない
と、「仕事」をした気になれないのかもということ。優秀な寿司職人のやるような「仕事」
だったらともかく、刺身とかで食べたらそこそこおいしいものを、下手に料理して激マズ
料理にしてしまうってなことは、やめて欲しいと思うんだけど……でも、自分が優れた
料理人だと誤解している (または無理にでもそう信じようとしている) 人は、おいそれとは
やめてくれないんだろうなあ。あるいは、現実を改変する作業自体が、電信柱への犬の
オシッコみたいに、一種のマーキングになっていて、やめられないとか。

放っておいてもどうでもいいようなことなんだけども、ついつい一手間加えてしまうってことはどこの世界でも結構あることですよね。
全くの余談ですが、その昔スモンが問題になったころには何でもかんでもとりあえず整腸剤をついでに出すという先生が結構各地にいて、必要もないと思われる症例にもキノホルムが出されていたことがあれだけ全国的被害を招いた要因と考えられています。
その時代を知るご老人によれば「病院にいって帰ると、まず飲む薬と飲まない薬とを仕分けするのが最初の仕事だった」なんて笑い話のような状況もあったようですが、逆に現代ではEBM(根拠に基づいた医療)という考え方が滲透した結果、「この薬を出せ」「あの注射をしろ」と必要もない投薬を要求する患者とのトラブルの方が多くなってきたのは時代の流れでしょうか。

いずれにしてもどうせ一手間かけるということであれば、より美味しくなる方向で一手間かけた方が料理人もお客も幸せになれるのは道理ですから、「こんな糞まずいものが食えるか!」とお客が激怒して帰って行くような仕事をしていてはいけないということでしょうかね。
しかしそう考えると、何一つ見習うべき点がないようなどうしようもない勘違い料理人さんでも、少なくとも反面教師にはなるということなんでしょうか(苦笑)。

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