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2009年9月19日 (土)

福岡市立こども病院、PFI採用を可決

本日は以前から時折取り上げておりました福岡市立こども病院の続報です。
前回は通うのに不便な人工島に移転してハイリスク分娩のみに専念するのかと思いきや、何故か正常分娩も扱うなどと言う話で一体何がしたいんだと疑問符のつく話を紹介しました同病院ですが、またぞろこんな記事が登場しているようですね。

こども病院 PFI採用 可決へ 福岡市議会 自民市議団が賛成/福岡(2009年9月17日西日本新聞)

 福岡市立こども病院の人工島移転をめぐり、施設建設などにPFI方式(民間の資金や手法の活用)を採用する議案について、市議会(定数63)の最大会派、自民党市議団(19人)は16日、賛成する方針を固めた。公明党(12人)と民主・市民クラブ(10人)、みらい福岡(7人)も賛成の意向で、議案は18日の本会議で可決される見通しとなった。

 PFIは公共施設の建設や運営を民間に委ね、行政が対価を払う仕組み。長期契約で一括発注することでコスト削減につながるとされる。しかし他都市の病院で経営悪化による契約解除などが続出したため、市は当初予定を変更し、PFIの対象を施設建設など8業務に絞り込んだ議案を9月議会に提出した。コスト削減効果は「約30年間で約85億円」から「約15年間で約17億円」に下方修正した。

 自民党市議団では、「PFIの規模が中途半端でメリットがない」「市側の説明が不十分」などと議案に反対する意見と、賛成意見が拮抗(きっこう)し、対応が注目されていた。

 同市議団は16日の会議で「人工島での新病院建設を主張している立場から、議案反対で(2014年3月の)開院が遅れることは望ましくない」として、賛成で一致することを確認。自民党が敗れた衆院選直後でもあり、会派の結束を優先させた面もあるとみられる。

しかしまあ、全国各地の公立病院で失敗失敗また失敗と、半ば結論が出た感すらあるこの期に及んでまだPFIですか(苦笑)。
福岡のような財政規模の大きな自治体が症例数を増やすのに協力していただけるというのであれば、PFI病院に対する評価をさらに確定していくためにはありがたい話だとは思いますけれどもね。
ちなみに、この一報を受けての某所での反応はこんな感じですが、まあそう考えるのが普通でしょうか。

786 名前:福岡は馬鹿[] 投稿日:2009/09/17(木) 10:29:36 ID:WdbvoknE0
>>783
またまたPFI利権話ですねw

787 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2009/09/17(木) 10:37:13 ID:fe+/OWEc0
PFI…
福岡完全にオワタ

788 名前:卵の名無しさん[] 投稿日:2009/09/17(木) 11:22:12 ID:ShDqj4eJ0
>>787
福岡は昔っから終わってますが何か?

789 名前:卵の名無しさん[sage] 投稿日:2009/09/17(木) 11:24:12 ID:zglDa62D0
今時PFIって、、、 すでにオ㍗ルな。

いつも思うのですが、PFIでうまくいった病院がないのにどうやって議会を説得しているのか、そもそも計画通りにいったことがないのに毎回バラ色の未来図を提出してくるというのは、予想の正確性としてどうなんでしょうね?
もっともこの新こども病院の場合、もともと人工島開発と言う目的が先にあっての移転計画だなどと言われていたり、相変わらずハコモノにだけは目一杯金をつぎ込む公立病院体質はしっかり温存されているようですから、PFIも含めて最初から誰かにとっての用意されたシナリオということであったのかも知れませんが。

福岡市立こども病院:市、計画通り「260床」想定 県医療審の答申超え /福岡(2009年9月17日毎日新聞)

 福岡市が14年春の開院を目指す新こども病院の病床数について、市は16日、当初計画通り「260床」を想定して整備する考えを示した。開会中の9月市議会委員会で、中山郁美委員(共産)の質問に答えた。県の医療審議会は新こども病院について「233床」が適切であると知事に答申。県は開院時に「233床」の病床数しか許可しないことも考えられるが、市は「将来的な医療環境を考えればたとえ経費(維持管理費)がかさんでも、造っておくべきだ」と説明した。

 質疑で、市立病院担当の永渕英洋部長は「医療環境はかなり早いペースで変化しており、その変化に対応し、新病院の機能を最大限発揮するには260床が必要だ」などと理由を説明。保健福祉局の井崎進局長も「過分なもの、無駄なものを造っているのではない」と理解を求めた。

 市が「260床」にこだわる背景には、市内の産科医の高齢化が進むのに伴い、将来的に産科医不足が予想されることや、ハイリスク患者の受け入れ拡大を求める現場の声が出ていることなどがある。しかし、この日、委員からは「願望に基づく数字で収支を計算することは許されない。税金をもてあそぶべきではない」との批判の声もあがった。【鈴木美穂】

どこまで言っても「こうなってくれたらいいなあ」と願望が先走っていくのは多かれ少なかれ何にでもあることですが、全国公立病院で医者集めに苦労していて、黒字化など夢のまた夢というニュースが連日のように流れている中で、逆にこうまで楽観的になれるというのはある意味賞賛に値することなのかも知れません。
たしかに民間が経営難で不採算部門からどんどん撤退していることを考えるならば、公立病院というのは公費を投入しても整備すべきという意見もありだと思いますが、それならば将来ずっと巨額の赤字補填を続ける必要があるということを市民に説明し同意を得てからにすべきであって、作ってから「赤字なのでやっぱり止めます」となったのでは意味がないですよね。
さすがに財政事情も厳しい昨今ではこうした杜撰な見積もりに厳しい目が注がれることは必須の情勢でしょうが、案の定突っ込みが入っているという状況のようです。

PFI効果 疑問の声 ―こども病院―(2009年09月17日朝日新聞)

■市、コスト削減 下方修正

 福岡市立こども病院のアイランドシティ(人工島)移転問題で、市が施設の建設や運営に採用するPFI方式(民間資金・手法の活用)の内容を見直した。開会中の市議会で関連議案を審議中だが、他県の公立病院では経営悪化を招いた例もあるだけに、16日の常任委員会では懸念の声も上がった。

 「民間万能論と決別し、自治体として責任をもってやるべきだ」。常任委では共産議員がこう主張し、PFIの撤回を求めた。

 14年3月に開院予定の新病院について、市は施設の建設と維持・管理に絞ってPFIを導入する計画だ。市はこれらの業務に必要な経費を174億円と試算。この価格を上限に、公募で選んだPFI事業者と一括で約19年間の長期契約を結び、建設と維持・管理の業務を委託する。

 174億円のうち建設費は99億円。利子返済分を除いた額の1割に当たる10億円は金融機関から、9割の86億円は市債で調達する。

 病院は来春に地方独立行政法人化するが、これらの借金は法人がすべて負担し、原則として収益の中から返していく。10億円はPFI事業者を経由する形で15年かけて金融機関に、86億円は30年かけて市に、それぞれ返済する。

 だが、この内容に落ち着くまで、市の方針は曲折をたどった。

 当初はPFI事業者に医療事務や医療機器管理、消毒滅菌など、幅広く業務を委託する計画だったが、PFIを採用した滋賀県近江八幡市と高知市の病院で経営が悪化。3月議会で「危険」との指摘が相次ぎ、福岡市は対象業務を大幅に縮小した。

 建設資金の調達方法はさらに二転三転した。当初は民間の金融機関と市で半分ずつ調達し、PFI事業が妥当かどうかを金融機関に「監視」してもらう計画だった。

 だが、業務縮小で「監視の対象」も小さくなるため、資金を借りる必要性が薄れたとして、6月議会では「全額市債で調達する方向」と説明した。ところが、9月議会では一転、金融機関を関与させる効果を認め、1割を借り入れることに

 コスト削減効果も、「30年で85億円」から、「15年で17億円、30年で41億円」に下方修正した。

 市議会では、与党会派の民主が「安定的な病院経営が期待できる」と見直しを評価したが、自民など他会派からは「コスト削減効果があまりにも少ない」「ここまで(方針が)変わると、どの手法が最良な選択肢か、全く信用できなくなる」との指摘も出た。

 ■リスク内包の長期契約

 PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)は、民間事業者が資金調達から設計、建設、管理・運営などを担う仕組み。長期間、業務を一括契約することで事業者が経営改善に努めるため、行政は安くて質の高いサービスを提供でき、民間事業者は安定した収入を得られる利点があるとされる。病院の場合は、診療報酬改定や医療設備の技術の進歩など、長期契約ゆえのリスクもある

 内閣府によると、公立病院ではこれまで4病院が導入した。このうち、近江八幡市の市立総合医療センター(06年開院)は経営難に陥り、08年度末に20億円の違約金を払って契約を解除。高知医療センター(05年開院)も、契約を解除する方針だ。

 近江八幡市が出した報告書は次のように原因を指摘した。(1)民間事業者が施設整備費の全額を銀行から借り入れたため、市の起債より金利が高く、金利負担が経営を圧迫した(2)30年契約で支払総額があらかじめ決まっていたため、経営効率化を追求する意欲が働かない仕組みになっていた ――。「PFIが病院経営の足かせになる危険性を認識すべきだ」と、報告書は警鐘を鳴らしている。

しかし「病院は来春に地方独立行政法人化するが、これらの借金は法人がすべて負担し、原則として収益の中から返していく」って、まさかこの期に及んで金利負担込みで借金を返していけるほどの利益が出るなどと考えているのではないでしょうね…
おそらく今の時代に公立病院がそこそこ大赤字にならずにやっていくには、建設費などの設備投資は全額自治体負担にでもしていただいて、ランニングコスト部分だけを診療報酬から捻出するといった方法でもない限り難しいと思うのですが、それもよほど診療の内容を吟味して赤字部門を削減した上でないと過剰な人的コスト(苦笑)の負担は困難でしょう。

福岡市では移転見直しを表明しながら実質事業を継続してきた吉田宏市長以下、民主党が与党を形成しているそうですが、面白いことにこの件では公共事業削減を叫んできた民主党のくせにこの無茶なハコモノ優先の計画は何だと、批判する声が以前から結構あったようなんですね。
ものすごくうがった見方をするならば、中央政界でちょうど政権交代がなったタイミングでこういうニュースが出てきた、民主党政権では医療費増額といったことを主張しているということから、何かしら経営状況を楽観できるような裏情報でもあるのかと勘ぐれないでもない話です。
中央とのパイプをつかってのウルトラC的解決法でもあるというのであれば話として面白いとは思いますが、こういうずさんな計画でも黒字化してしまうほど大幅な医療費支出増額なんてことがもしあるようなら、色々な意味でかなり凄いことになるんじゃないかとも思うのですけれども(苦笑)。

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