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2009年8月24日 (月)

新型インフルエンザ、夏なのに流行期入り宣言

なんだそうですが、総選挙前でネタも多いこの時期にあっという間に各新聞の一面に復帰してしまいましたね(まだトップとまではいかないようですが)。
おかげさまでネタが豊富になっていいとも言えるのですが、どうも例によって未だ迷走中の部分も少なからずあるようで、ちょうど総選挙の結果次第で省庁トップを始め大幅な異動もありかねないという状況でこれは運用面でも大丈夫なのかと心配になってくるところではあります。
さらにこの時期に政府としてはあまりあって欲しくない(だろう)決断も迫られそうな勢いなんですが、ともあれ、まずは表題の件について記事を引用してみましょう。

新型インフル、1週間で11万人感染 感染研推計、「流行期」入り(2009年8月21日日経ネット)

 国立感染症研究所は21日、10~16日までの1週間で新たにインフルエンザに感染して医療機関を受診した患者数が全国で約11万人に達したとする推計を発表した。ほとんどが新型に感染しているとみている。約5千の定点観測の医療機関を受診した患者数は1医療機関当たり1.69人(患者数は計7750 人)で前週の0.99人から増加、流行期レベル(1.00人)を超えた。

インフルエンザ流行入り=夏に異例の感染拡大(2009年8月21日時事ドットコム)

 厚生労働省は21日、新型インフルエンザが全国的に流行入りしたと発表した。先週1週間で約11万人が感染したとみられ、夏休み後に学校が再開すればさらに広がる恐れがあるという。インフルエンザが夏に流行するのは、調査を始めた1981年以降初めて。
 同省は「大半の患者は軽症で済むが、持病のある人や妊婦は一部重篤化する可能性がある」とし、重症化リスクの高い人は早期に医療機関を受診するよう呼び掛けた。
 国立感染症研究所によると、インフルエンザ感染者は7月上旬から6週連続で増加。10日から16日までの1週間に、国に患者数を報告する全国約5000カ所の定点医療機関を受診した感染者は7750人で、ほとんどが新型とみられる。
 1カ所当たりでは前週の0.99人から1.69人に増加し、流行入りと判断される1人を超えた。
 季節性インフルエンザは例年11~12月に流行入りし、翌年1~2月に患者数が最大に達する。感染者は1シーズンで1000万人程度とみられており、ピーク時の1定点当たりの報告数(1週間)は少ない年で10人、多い年で50人程度となる。今回の報告数は例年の冬のピーク時よりは少ないが、今後さらに増加するとみられている。
 都道府県別では沖縄(29.60人)、奈良(2.96人)、滋賀(2.48人)、福島(2.45人)、東京(2.14人)、大阪(2.14人)、茨城(2.11人)、高知(2.10人)、埼玉(1.91人)、長野(1.83人)で感染が広がっている。

まだまだ暑さ厳しいこの時期の流行というものがどういう結果をもたらすのかはまだ判りかねるところがありますが、今のところ最大流行時よりは控えめということでもあり、現場のキャパシティーは何とかなっているという気配なのでしょうか。
しかし一方では院内感染の話題もあちこちから出てきていますが、もう少し感染リスクに対して医療従事者も慎重になっていかなければならないでしょうね。

新型インフル、医師ら10人集団感染 国立京都医療センター/京都(2009年8月22日京都新聞)

 京都市は22日、国立病院機構京都医療センター(伏見区)の医師と看護師、事務職員の計10人が新型インフルエンザに集団感染したと発表した。

 市によると、感染したのは21~45歳の医師8人、看護師1人、事務職員1人。全員快方に向かっている。14日にインフルエンザ患者を診察した医師2名のうち1名がPCR(詳細)検査で感染が確定し、21日までに10人の感染が分かった。
 センターには約560人が入院している。感染した場合、重症化の可能性がある一部の患者には予防のためタミフルを投与した。患者に感染症状はないという。

まあしかし、普通に考えてスタッフだけ選んで感染するというのも考えにくいところではあるんですが、実際にスタッフだけ感染していたということであればこれは感染経路がどういうことになっているのかには興味がありますよね。
患者を前にする診療の場では用心しているような人でも医局や詰め所、控え室では無防備になっているということは結構ありそうですから、一人が医局でゴホゴホやりはじめるとあっという間にスタッフ全滅ということにもなりかねません。
先行して院内感染を発症した施設においても独自の対策をとっているようですが、一口に疑わしきは隔離、休業と言ってもどこも余裕のない運用をしているわけですから、より多くのスタッフが一斉に罹患した場合にも同様の処置がとれるのかどうかは考えておかなければならないように思います。

集団インフルの大田原日赤 沈静化へ早期発見徹底 /栃木(2009年8月21日下野新聞)

 外科の看護師を中心に計11人が新型インフルエンザを発症した大田原赤十字病院(宮原保之院長)。感染拡大防止策が奏功し、発生から12日間で事態は終息した。発症した職員の早期発見や基礎疾患を持つ患者への対応など、新たな新型インフルエンザ対策の必要性が浮き彫りとなった。

 同院外科病棟では7日から11日にかけ、医師や患者ら計11人に感染が疑われる症状が表れた。遺伝子検査で2人の感染を確認。発症者のうち8人が外科の看護師だったため、ナースステーションで感染が広がった可能性が高いとみられている。

 同院によると、職員が不調を訴えたのは症状を感じてから2、3時間後。院内感染対策委員長の阿久津郁夫副院長は、「(感染拡大リスクを減らすため)症状を感じた職員がすぐ訴え出るよう周知すべきだった」と悔やむ。沈静化後、各科に早期発見を周知した。

 同院は発生後にさまざまな感染拡大防止策を講じた。立案の中心を担ったのは感染症対策の専門医ら。外科病棟の入転院を禁止し、発症した職員を1週間の就業停止に。発症者との濃厚接触者には抗インフルエンザ薬を予防投与した。

 感染拡大防止策が奏功し、18日には発症者が全員回復。外科病棟での規制を解除した。阿久津副院長は「専門医の存在や昨年策定した対応マニュアルが役立った」と分析する一方、外科病棟での緊急性が低い手術の延期措置などは「新たにマニュアルに加える必要がある」とした。

 県内ではこれまで重症感染者が出ていないが、沖縄県や愛知県で感染者の死亡例が出ている。死者はいずれも腎臓や血液に基礎疾患(持病等)を抱えていた。阿久津副院長は「幸い軽症者だけだったが、基礎疾患を抱える患者がいたら、と考えると怖い」と打ち明ける。

 同院は重症化しやすい傾向がある基礎疾患患者への対応も視野に入れ始めた。病状が安定している透析患者や呼吸器疾患患者らには薬を長期間処方し、通院回数を減らす診療体制を検討している。

 院内集団感染が疑われる事態で同院は外科病棟を事実上閉鎖する状況に陥った。だが阿久津副院長は「今後の対策に役立った部分も大きい」と振り返る。「飛沫感染するインフルエンザには、手の消毒やうがいなど基本対策が大切。対策を立てる上で役立った専門医の育成は、どこの医療機関でもできること」と総括した。

さて、例によってマスコミからは「動きが遅い!どうなっているんだ!」とお叱りを受けてばかりの(笑)政府厚労省ですが、対策を講じる上で現時点でも既に幾つかの問題点が明らかになってきています。

まず一つには先年来危ないの危なくないのと言いながら結局はっきりした結論が出ていない小児への抗ウイルス薬投与と異常行動の問題に絡む話ですが、特に新型の場合若年者に感染リスクが高いなんてことを言われている現状で、果たしてどうなんだということですよね。
先日以来小児のインフルエンザ脳症の症例が相次いで報告されるようになってきている一方、新型は最初軽症に見えても途中から急に増悪してしまうと言われるくらいですから、はたして抗ウイルス薬を積極投与すべきなのかどうかは判断に迷う臨床家の先生方も多いのではないかと思います。

小児科領域ではやはり危険性に目が行くということなのか、新型侮るべからずという論調からいずれ使用しましょうという流れになりそうですが、使うにしても既に耐性株出現が確認されているタミフルがいいのか、それともタミフル以上に異常行動が出るとも噂されるリレンザがいいのか、はたまた他剤を用いるべきなのか迷わしいところですよね。
その場合にもある程度学会なりが指針を出しておかないと、また後になって勝手な判断でこんな危ない薬を使ってと訴訟沙汰になりかねません時代ではありますから、早いところこのあたりの見解もまとめて公表していただく必要があると思います。
参考までに静岡県薬剤師会のHPからのリンクを張っておきますが、抗ウイルス薬を使用せずとも一定確率で異常行動は起こるわけですから、若年罹患者は全例要注意と考えて対応しておくという必要はあるでしょうね。

(参考)新型インフル、10歳代へのタミフル処方---現状では最も有効な治療法 自宅療養時は一人にさせない(静岡県薬剤師会HP)

インフル脳症の注意呼び掛けを―小児科学会が厚労省に要望(2009年8月20日CBニュース)

 日本小児科学会(横田俊平会長)はこのほど、厚生労働省にインフルエンザ脳症に関する要望書を提出した。新型インフルエンザによる小児のインフルエンザ脳症が報告されたことに関連して、秋や冬に脳症の発症数の増加が危惧されることや、解熱剤は必ずかかりつけ医に相談して用いることを国民に呼び掛けるよう求めている。

 国民への呼び掛けを要望したのは、▽「新型インフルエンザは軽症」との認識が拡がっているが、脳症重症例が国内で発生した▽夏にもかかわらず、小児の脳症例の報告が続いている▽秋・冬にかけて、幼児を中心に脳症の発症数の増加が危惧される▽意味不明の言動がみられるなどインフルエンザ脳症の早期症状を確認したら、医療機関を受診する▽ボルタレンなどの強い解熱剤は脳症の予後を悪化させるため、解熱剤は必ずかかりつけ医に相談して用いる―ことの5項目。

 また、臨床医に対し、「インフルエンザ脳症は、5類全数届出疾患『急性脳炎』に含まれるものとして届け出を行うこと」を再喚起することも求めた。

さてもう一つ、先日来お伝えしているように基礎疾患のある人間や、とりわけ妊婦がハイリスクであるという話や、海外からはメタボの人がヤバいんじゃないかなんて何とも身につまされる話も出てきている一方で、人から鳥への感染も確認されたと言うことですからまたぞろ強毒株出現の懸念も出てくるわけですよね。
国内でも早ければこの9月からワクチン供給開始という話が出ていますが、早くも流行入りということになりますと自前の生産分だけでは足りず、国外からの輸入も検討されているということです。
当然製法もロットも異なるわけですから効果が同じという保証はありませんし、副作用も違いが出てくる可能性があるわけですから、結局仕入れるにしろ放出するにしろ膨大な数に上るワクチンを質的にも量的にも誰がどうやって管理するのかという議論が必要になってきます。

まず入ってくる側の問題ですが、これは国が一度全量を管理して配布するという形になりそうですが、そうなりますとタミフル出荷のようにまたぞろ何か不手際でも起こって遅れでも出るんじゃないかと考えてしまうのは毒されすぎなんでしょうか(苦笑)。

<新型インフル>国がワクチンを一括買い上げへ(2009年8月21日毎日新聞)

 厚生労働省は21日、ワクチンメーカーから新型インフルエンザワクチンを一括購入する方針を固めた。

 国は現在、新型のワクチンは、妊婦など重症化の恐れが高い人への優先接種を検討している。年内に確保できるのは最大1700万人分で不足の恐れがある。このため、リスクの高い人に確実に接種するには国による管理が必要と判断した。一括購入の財源や、接種時に国民が負担するかどうかは今後詰める。

 毎年流行する季節性インフルエンザのワクチンは、医療機関が購入している。【江口一】

新型ワクチン輸入、「製造業者と交渉中」―厚労省(2009年8月21日CBニュース)

 民主党は8月21日、東京都内の党本部で「新型インフルエンザ対策本部」の第10回会合を開き、感染状況や政府の対応について、内閣官房、厚生労働省、文部科学省の各担当者からヒアリングを行った。この中で、厚労省側はワクチンの輸入について、「海外の製造業者と交渉中」としたが、確保できる数量の見通しなどは明らかにしなかった。また、購入の際の「国の一括購入」の可能性にも言及した。

 ワクチンの供給量について、舛添要一厚労相は約5300万人を接種対象者にしたい考えを示しており、当初、国内で約2500万人分を製造できると試算していた。しかし、新型ワクチンの増殖性が想定よりも低かったため、12月末まで製造しても生産量は1300-1700万人分になると下方修正した。このため、大部分を海外からの輸入に頼らざるを得ない状況となっている。ただ、ワクチンを輸入する場合、▽国内品との有効・安全性が異なる可能性がある▽国内品より供給時期が遅れる―などの問題がある。
 厚労省の担当者は製造業者について、「海外で承認が取れていない状況だが、日本に輸出するための量をある程度確保しつつ、承認を取得する努力をしている」と述べ、舛添厚労相の方針に基づいた量を確保するため、「現在、交渉中」とした。

 一方、インフルエンザの感染で高齢者が併発しやすい肺炎を予防する肺炎球菌ワクチンとの併用について、厚労省結核感染症課の福島靖正課長は、「肺炎球菌ワクチンについては、国内で承認されているものは非常に副作用が強い。患者の重症化や死亡のリスクを比較、考慮した上で、もう少し検討したい」と述べた。

ちなみに記事中にも出ております肺炎球菌ワクチンとの併用云々の話につきましては先日も京都の小児科医さんよりご紹介いただきましたこちら中日新聞の記事をご参照いただければと思います。

(参考)肺炎球菌ワクチン接種を 『死亡や重症化を抑制』/静岡(2009年8月20日中日新聞)

しかし素朴な疑問として福島課長の言う「肺炎球菌ワクチンについては、国内で承認されているものは非常に副作用が強い」とはどういうことでしょうかね?
すでに接種した人間にもう一度やると副反応が強く出るといった話はともかくとして、格別臨床的に副作用が強いワクチンという噂も聞きませんが、わざわざ「非常に強い」と釘を刺すようなコメントを入れているあたり、発言の裏に何かしらの意図が隠されているということなのでしょうか。
もともと国内では一生に一回だけとひどく制限の強い形でしぶしぶ使用を認めたような経緯があるだけに、厚労省としても本音の部分ではこれを契機に肺炎球菌ワクチンの使用量激増!なんてことになったら何かしら困るということなのか…なんてことは考えすぎでしょうかね。

さて、出す方の話題として相変わらず議論がまとまっていないのが、結局足りそうもないワクチンをまず誰に使うのがよいかということです。
ひと頃の強毒型を想定した新型インフルエンザの議論においては「まず医療関係者や警察、消防といった、不可欠な社会的インフラを担う人々から」という結論でまとまっていたように記憶するのですが、どうも毒性が想像していたよりだいぶ異なると言うことで話がまた迷走しているようなんですね。

新型インフルワクチン不足 大流行の時期に間に合わず?(2009年8月21日J-CASTニュース)

 これから秋冬にかけて、新型インフルエンザの大流行が心配されている中で、ワクチン不足が心配されている。日本で広く出回るのは11~12月になりそうだが、このころ新型インフルは流行の最中だと考えられ、予防には間に合いそうにない。さらに、ワクチンの数が足りないとなると今度は、誰にワクチンを接種するかも問題になってきた。

■ワクチンの数が足りず、接種の優先順位が問題に
(略)
 ワクチンの数が現実的に足りないとなると今度は、誰にワクチンを接種するかも問題となる。厚労省では8月20日、意見交換会を開き、ワクチン接種の優先順位について検討した。意見交換会に出席した専門家らの間では、医療従事者や持病のある人、妊婦、幼児への優先を求める声が多かったという。

 これに対して、新型インフルエンザに詳しい、けいゆう病院(神奈川県横浜市)の菅谷憲夫小児科部長は、「(ワクチンは)世界的にいっても十分な数は間に合わないだろう」と指摘する。メーカーの生産能力の上限もあるが、安全性や有効性において万能というわけではない。頼りすぎるのもよくないだろう、とする。輸入するにしても、世界中で必要としているため、日本だけが買うわけにもいかない事情もある。

 くわえて、ワクチンが増産され、日本で広く出回るのは11~12月になりそうだ、とする。その頃には、新型インフルエンザは流行の最中だと考えられ、予防には少し遅い。
(略)

新型インフルワクチンの優先接種、誰を対象に?―厚労省が意見交換会(2009年8月20日CBニュース)

 厚生労働省は8月20日、「新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会」を開いた。新型インフルエンザワクチンの生産量が限られている中、誰に優先的に接種するかなどについて意見交換を行うことが目的。重症者や死者を減らすため、基礎疾患のあるハイリスク者や医療従事者などを優先接種の対象とすべきとの意見が出たが、患者数の多い若年者への接種の重要性を強調する参加者もいた。また、ワクチンの同時接種を積極的に進めるべきとの意見が相次いだ。

 上田博三健康局長は冒頭のあいさつで、国内の新型インフルの状況について、患者数の伸びが流行レベルに迫っており、重症者や死者も出ていると指摘。既に国内外のメーカーでワクチンの生産が進められているが、生産量には限りがあるため、「誰から接種していくかが大きな課題」と語った。
 その上で、政府の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会や予防接種に関する検討会の委員、病院関係者、医療倫理の専門家、患者団体の代表者などに意見を求めた。

■「ハイリスク者や医療従事者をターゲットに」
 医療倫理の専門家である東大医学系研究科の赤林朗教授は、「現時点では、接種目的を重症化予防と死者を減らすこととするのが最も妥当ではないか」と述べた。さらに、この目的を達成するためには、抵抗力の低い人と、こうした人に接触する機会の多い一部の医療従事者への優先接種が必要との考えを示した。
 政府の専門家諮問委員会の委員長である自治医科大の尾身茂教授も、「個人的には、死亡者をなるべく減らすことを最優先にすべきだと思う」と述べ、▽糖尿病患者などのハイリスク者▽重症化した人のケアにかかわる医療従事者▽ハイリスク者への接触機会が多い人―を優先接種のターゲットにすべきと語った。
 上田局長も、厚労省が6月19日に出した新型インフルエンザ対策の指針で、重症化防止を目標に掲げていると述べた。
 一方、日本患者会情報センターの栗山真理子代表は、ハイリスク者自身が、必ずしも「一番に接種をと願っているわけではない」と指摘。ハイリスク者の多くが不安を抱えているが、優先接種を強く主張するつもりはないと語った。ただ、「どこに正しい情報があり、それをどう使えばいいか。どうやって身を守っていけばいいか情報がほしい」と述べた。

 このほか赤林教授は、今回の新型インフルは当初想定されていた強毒型の鳥インフルエンザとは異なるため、「次世代の社会の継続」を目的として接種対象を設定するのは不適切との見方を示し、社会の継続を理由に子どもを優先接種のターゲットとするのは妥当ではないとした。また上田局長は、鳥インフルを想定した対策では「社会機能の維持」を重視していたが、今回の新型インフルの重症度は「季節性インフルエンザと同等程度」だとし、「社会機能の維持」は、接種の対象を検討する指標にはならないとした。

■「若年者への接種を」「感染拡大防止も重要」
 国立病院機構東京病院の永井英明・外来診療部長は、新型インフルの患者に占める若年者の割合が「圧倒的に多い」と強調し、優先的に接種すべきとの考えを示した。さらに、季節性インフルワクチンの接種が小学校で任意接種になってから「高齢者の死亡が増えた」と述べ、若年者への接種により感染拡大を減らすことが重要だと指摘。若年者の間で感染が拡大すると、若年者の入院でベッドが埋まり、重症化したハイリスク者が病院に入れなくなる可能性もあるとした。大阪市立大の廣田良夫教授も、重症化だけでなく、感染拡大の防止についても「考えておいたほうがいい」と指摘した。

 一方、国立感染症研究所感染症情報センターの多屋馨子室長は、「日本では、基礎疾患のある人や健康な小児などで重症例が出ていると聞いている」と述べ、妊婦や基礎疾患のある人、生後6か月から小学生以下の小児への接種が重要だと指摘。こうした患者を救う役割を果たす「最前線の医療従事者」も対象とすべきとの見方を示した。

■「ワクチンの同時接種を」
 季節性と新型インフルエンザのワクチンの同時接種を積極的に進めるべきとの意見も相次いだ。永井部長は、季節性と新型インフルの予防接種をそれぞれ2 回、別の日に行う場合、患者は医療機関に4回も足を運ぶことになり、現場の混乱にもつながると指摘。「同時接種が可能かどうかの議論も必要」と訴えた。
 多屋室長も、「日本では法律上、同時接種は可能だが、現実的にはあまり行われていないのが実情。状況を考えると、これはむしろ積極的に進めるべき」と述べた。また、優先順位を設定して接種を進める場合、「現在のような任意接種の枠組みでできるのか、疑問に思う」とも指摘した。

 意見交換会は8月27日にも開催される。学会の関係者などが参加する予定。厚労省では2回分の意見を資料にまとめ、ワクチン接種の在り方の検討材料にする方針だ。

<新型インフル>糖尿病患者らワクチン優先接種へ 厚労省(2009年8月20日毎日新聞)

 新型インフルエンザのワクチン接種を巡り、厚生労働省は20日、専門家らとの意見交換会を開き、妊婦や乳幼児、基礎疾患(ぜんそく、糖尿病、腎機能障害など)のある患者など重症化しやすい人に優先接種することで大筋合意した。患者を診る医療従事者も接種対象とする。関係学会などからも意見を聞いたうえで、政府が9月中に対象と優先順位を決め、10月下旬にも接種が始まる。

 ワクチンの接種対象について、政府は08年9月、警察や消防など社会機能の維持などに携わる97業種の従事者を5段階に分ける案を示していた。しかし、当時想定していたのは高病原性の鳥インフルエンザ由来だったため、現状に合った方針を改めて考えることになった。

 臨床の医師や患者代表らが参加した意見交換会では、ワクチン接種の第一の目的を、重症化や死亡の防止とすることで一致。そのため、重症化するリスクが高い層と、感染者と接触する医療従事者が、優先的な接種対象に挙がった。重症化しやすい基礎疾患の範囲は、27日に学会などが加わって議論する。

 一方、見解が割れたのが、現在入院患者の約6割を占める未成年者(乳幼児を除く)の扱い。「感染拡大防止が目的ではないので、感染しても数日で回復する人には必要ない」との意見の一方で、「未成年者の入院が相次げば医療機関がパンクする」との懸念も出た。また、子供と接触する機会が多い親や学校関係者、季節性ワクチンの接種を勧奨している65歳以上などに、配慮を求める声もあった。

 また、ワクチン接種の法令上の位置付けについて、厚労省の上田博三健康局長は、行政が勧奨しない任意接種が適当だとする考えを示した。
(略)

メディアによって微妙に報道のニュアンスも異なっているように感じられるのも興味深いんですが、CBニュースから意見交換会の状況を想像してみるに、予想されたものより軽症と言うだけにまだ何となく譲り合い精神を発揮する余裕もあるのかなという印象を受けるのは不幸中の幸いというところなんでしょうか。
しかし一方で重症化阻止、死亡者数を最小にといいながら、いくらか免疫が期待されるとはいえ罹患するとそれなりにヤバいことになるだろう高齢者の話が全く出てこないことには、何かしら関係者一同に暗黙の了解でもあるのかということなんでしょうかね。

このあたり一応アメリカのCDCからは勧告が出ていまして、まず妊婦・子供を最優先にということになっているのですが、実際問題として最もハイリスクかつ二人分の命に関わる妊婦と、脳症の危険もあり抗ウイルス薬使用もためらわれる部分がある小児とを優先するというのは間違った話ではないと思われます。
一方でさすがアメリカと言いますか、高齢者はばっさり切ってしまっているあたりは何とも言いかねるところではありますが、映画などでも見る通り向こうではこういった場合「女子供が先、年寄りは後」ということに一定の社会的コンセンサスがあるということなんでしょうか。

新型インフル予防接種、まず妊婦・子供…米勧告(2009年7月30日読売新聞)

 【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)=山田哲朗】米疾病対策センター(CDC)は29日、新型インフルエンザの予防接種に関する専門家会合を開き、妊婦や子供など5分類した高リスク集団に優先して接種する方針を米政府に勧告した。

 接種対象となるのは、〈1〉妊婦〈2〉6か月未満の乳児がいる家庭〈3〉医療従事者〈4〉6か月から24歳までの若年層〈5〉持病のある25~64歳の成人。接種対象者を合計すると、全米人口の約半分に当たる1億5900万人になる。

 妊婦は感染すると重症化しやすいことが分かり優先対象となった。乳児は直接、予防接種を打てないため、親など周囲に接種して本人への感染を防ぐ。高齢者は新型インフルに対して過去の免疫があると考えられるため後回しとなった。

日本ではおそらくワクチン入手量はとても全人口の半分なんてところまでいかないでしょうから、アメリカ以上にシビアに切り捨てられる人々が出てくるのでしょうね(その不満対策の意味もあって全量政府管理などと言いだしたのかも知れませんが)。
そうなりますと27日にも各学会で議論されるという「基礎疾患のある者」という範疇がどのようなところまで含まれるのかに興味がうつってくるわけですが、この場合数も多い(当然票も沢山持っている)高齢者に対する扱いをどうするのかといったあたりが、純医学的側面のみならず社会的な面からも最大の議論になりそうな気がするのですけれどもね。
まさか30日の投票日直前とも言うこの時期に政府としても「お年寄りはもともと新型にかかりにくいみたいだからワクチンなしで頑張ってね」なんて高齢者切り捨てとも取られかねないような結論を出されたくはないだろうと言うのも、正直なところなんじゃないかと思うのですが…

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