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2009年8月19日 (水)

国政選挙における医療政策 その一

いよいよ国政の今後を占う選挙戦が始まりまして、当然ながら各党の政策に注目が集まるところですが、今回は中でも医療政策を中心に注目してみましょう。

さて、現今の状況を反映してか国民も医療・介護をはじめとする社会保障政策には特に関心が高いようなのですが、政策そのものよりもむしろ政策を解説する各メディア等の言説の法が興味深いようにも感じられますね。
昨今の医療崩壊問題に関してはどの政党が政権を担当するよりも状況が改善するかどうかということが問題なのでしょうが、今のところ確実にと言えるようなビジョンを打ち出してきた政党はないようで、国民の間にも漠然とした不安が広がっているのではないでしょうか。
特に地方版などではこの際とばかりに地域医療の現状に立脚した恨み節混じりの声数多という感じになっているようですが、試みにいくつかを拾い上げてみましょう。

痛む・09年衆院選:暮らしと改革の今/3 地域医療崩壊 /岩手(2009年8月7日毎日新聞)

◇医師、住民我慢続く
(略)
 県立医療機関で働く勤務医の流出に歯止めがかからない。07年度末460人いた常勤医は08年度末474人に増えた。だが、今年度は6月1日現在454人まで落ち込んだ。県医療局は「過酷な勤務状況の解消が急務だ」と言う。

 「見通しが全く見えなかった」。外科医の菊池信太郎さん(55)は、04年に過酷な勤務と人が増えない状況から、山田病院を辞めた一人だ。今は、盛岡市内で開業している。

 岩手医大から山田病院に移った90年当時、既に人手不足で、5人の常勤医のうち外科医は菊池さん1人だけだった。大学病院では4人で行う手術を一人で行った。手術後は患者・家族への説明や病理検査用の標本作り。激務の果て、00年10月に出血性十二指腸潰瘍(かいよう)で倒れた。回復後も医師が増員される見込みはなく、退職を選んだ。

 菊池さんは嘆く。「問題点が長年指摘されながら、なぜ逆の(悪い)方向に向かったのか」。指摘されていたのは、医師増加に伴う医療費増加を見越して国が進めた医学部の定員減。さらに、04年に始まった自由に研修先を選べる新研修医制度が、追い打ちをかけた。研修医が都市部で好待遇の病院に集中したため、研修医不足となった大学病院が地方の派遣先から医師を引き揚げ、地方は一層状況が悪くなった。
(略)

この国のすがた:09解散・総選挙/4 医師不足 /鳥取(2009年8月7日毎日新聞)

◇「根本的な改革を」
 地方の医師不足が深刻化している。鳥取市立病院は昨年9月末、小児科の休診に追い込まれた。昨年6月から民間の医師紹介業者に登録したり、岡山大医学部などに派遣要請をしてきたが、今もめどが立っていない。

 勤務していた2人の小児科医は、同市内の県立中央病院に集約された。国は「拠点病院への集約化・重点化」の構想を描いている。医師の派遣元の鳥取大付属病院の豊島良太院長は「2人体制では負担が重く、疲弊を招く。医師の集中はやむを得ない」と判断した。

 ところが今年2月、拠点病院さえも医師不足を理由に地域医療が崩壊しかねない事態が起きた。鳥取大付属病院の救急医4人全員が辞職を表明したのだ。多すぎる当直といった過大な負担が理由だった。

 県外からも医師を集め体制強化を図って何とか救急救命機能は維持した。一方、8月からは「時間外診療特別料金」を導入して、患者の他病院への拡散を図っている。夜間などに救命救急センターで受診し、軽症で入院の必要がなかった患者には一律5250円を負担してもらう仕組み。不要な受診を抑制し、医師の負担軽減を狙っている。特別料金を知らずに受診した患者が納得せずに、現場が混乱する恐れもある。

 山間部の医師不足はより深刻だが、智頭病院では、地域一丸となって地域医療の崩壊を防ごうという取り組みが進められている。小児科の大谷恭一医師は鳥取市より東南部の公立病院では唯一の小児科医だ。多忙を極める中、大谷医師が重視しているのは、家庭でできる予防や看護の浸透。うがいの仕方、適切な水分のとり方といった基本的な予防策をちらしやホームページで伝えてきた。患者側にも“コンビニ受診”はやめようという意識が浸透しつつある。
(略)
 しかし、家庭での予防や検査抑制は病院経営にとってはマイナス。大谷医師は「経営面を考えると、真に患者と向き合う小児科医療はナンセンス。民間でなく町直轄だからできる」と言う。頼りの町財政は火の車だ。
(略)
 厚労省は5月、研修医の募集定員について人口などに応じて都道府県ごとに上限を定め、医師の少ない県に加算することを決めた。「地方の大学病院への研修医回帰を図る」としているが、上限枠は研修医の受け入れ実績が反映される。県医療政策課は「過去の実績がない地方が切り捨てられる」と危機感を募らせる。

 医師確保に奔走する鳥取市立病院の武田行雄事務局長は言う。「小手先の政策では何も変わらない。診療報酬の改善とか、根本的な改革をしてくれないと地方に医師は残らない」【宇多川はるか】

医療 争点の現場で 小児科医足りない /広島(2009年8月14日読売新聞)

(略)
 県内で、小児科医や産科医不足が解消されない。県医療政策課によると、県内の小児科医数は2006年で、15歳未満の子ども10万人当たり152・4人。隣県の岡山県(222・9人)、島根県(242・9人)だけでなく、全国平均(177・9人)も下回り、全国で36位だった。医師不足には様々な要因があるが、舟入病院の兵藤純夫副院長は「新臨床研修制度の導入が決定的だった」と指摘する。
(略)
 県は小児科医の負担を減らそうと、急病時の相談に応じる「こどもの救急電話相談」を05年度に開設したが、めざましい効果は上がっていない。県医療政策課は「県単独でできることは限られている」とし、兵藤副院長も「臨床研修制度を改め、若い医師が意欲を持って働ける環境を作らなければ」と求める。

 今年4月、JA府中総合病院(府中市)で常勤の小児科医が不在となり、医師の補充ができなかった。このため、同病院は現在、尾道市の病院から非常勤医師の派遣を受けている。

 外来はこれまで通り行っているが、入院や夜間救急には対応できず、府中市の子どもが夜間に小児科を受診するには、福山市へ出なければならない。府中総合病院の担当者はこう打ち明ける。「地域のために常勤医を確保するのが一番だけれど、今は、どこの病院も医師不足に悩んでいる。簡単にはいかない」
(略)

争点を追う:09衆院選/8止 地域医療 /奈良(2009年8月13日毎日新聞)

◇公的7病院で産科休診 慢性的な人手不足「365日、1人では無理」
 昨年2月、桜井市の済生会中和病院に県立医大から一通の通知が届いた。「産婦人科医を県立三室病院(三郷町)に異動させる。後任人事はない」という内容だった。当時、同病院の常勤産婦人科医は2人。「24時間365日呼び出される産科は、とても1人では務まらない。休診せざるを得なかった」。杉本勉・総務課長(当時)は振り返る。
(略)
 1人の医師の異動や退職が休診につながる不安定な状態。05年以降、町立大淀病院や県立五條病院など七つの公的病院で産科の休診が相次いだ。厚生労働省によると、県内の産婦人科医数は02年の99人から06年は87人に減少。人口10万人当たり6・2人で全国平均を下回る。

 県内で受け入れ可能な分べん数は昨年1万2144人で、出生数を1164人上回るため、県は「産科医が足りないわけではない」と強調する。ただ、民間の産科病院長は「公的病院には分べんだけでなく、産科の2次3次救急の役割がある。それを果たしていないことも問題だ」と指摘する。

 県は08年5月、県立医大病院(橿原市)に、高度な母子医療を提供する総合周産期母子医療センターを整備した。しかし、新生児集中治療室(NICU)の31床のうち、運用しているのは25床にとどまる。県立奈良病院(奈良市)では、今年4月から69床が休床になった。いずれも看護師不足が原因だ。慢性的な人手不足で、地域医療の現場は危機にひんしている。【阿部亮介】

政治の課題・府内の現場から:09衆院選・京都/1 医療 /京都(2009年8月11日毎日新聞)

 ◇産科医確保めど立たず 南丹圏、常勤医1人産休で分娩数制限
 ◇「国の取り組み」が不可欠

 亀岡市、南丹市、京丹波町の南丹医療圏で、中核病院「公立南丹病院」(南丹市八木町)の産婦人科が今月、常勤医1人の産休入りに伴い分娩(ぶんべん)数の制限を始めた。3人の常勤医でこなしていた月40件前後を、里帰り出産を中心に10件程度削減。年内の予約は既に埋まっている。
(略)
 同病院は常勤医の産休に備えて今冬から府立医大や府当局に補充派遣を要請してきたが、めどは立たない。このままでは、外来を止めないと緊急手術ができない。1人月10日前後だった当直は非常勤医の助けを借りても12~13回になる。「これでは残る常勤医2人ももたない」と西田勇人事務局長は言う。

 「以前は医局に頼めば良かったが、今はそこに人がいない」と、ある自治体の医療担当職員。新臨床研修制度で研修先を選べるようになったのが大きな要因だ。産科医相手の医療過誤訴訟の多さも背景にある。「現場の苦労で維持されていて、1人がやめれば崩れる所は他にも少なくない」

 西田事務局長は「訴訟を起こされても医師に負担がかからない体制も必要。医師確保は一病院では無理。国として考えてもらわないと」と話した。
(略)

いやあ、こうまで恨み節が連なるといっそ見事と言いたくなるほどですが、ここまで国の医療政策に不平不満がいっぱいという一方で、「こんなに医者が逃げていくって、ひょっとしてボクらも何か間違ったことしてたんじゃないの?」という視点が一つもなさそうなところにも注目しておきたいですね。
確かにここ数年、明らかに状況に対して後手に回っていることからも政治の無為無策(あるいは意図してのものなのでしょうか?)も問題なのは確かでしょうが、一方で崩壊する医療という現実に直面する地域住民が全くの被害者であるのかと言えばそうも言い切れないところにこの問題の根深さがあります。
医者が逃げていくと言いますが、逃げていく先にあって自分たちにないものは何なのか、一体何が嫌で逃げ出していったのかという考察がなければ、「新臨床研修制度によって地方の医者が都市部に集まり」などと今さらな結論しか出ず永久に真相にはほど遠いところを彷徨うしかないわけですよね。
そうした背景事情を考えてみるための材料として、こちらの記事などを見てみましょう。

選択:争点 ’09衆院選/4止 医療 /宮城(2009年8月16日毎日新聞)

◇欠ける医師定住の視点

 サイレンの音がやみ、救急車が登米市立佐沼病院(300床)に到着した。午前5時半。患者は目まいで自ら119番した1人暮らしの60代女性。1階の救急診察室を太陽が照らし始めた中、看護師2人が診療用ベッドを用意。当直室にいた内科医、千葉正典さん(50)が眠気をこらえながら診察を始めた。「手足はしびれませんか」

 女性は軽い自律神経失調の可能性があると診断され、目まい止めの点滴が施された。夜間の救急外来は本来、入院が必要な重症患者に対応するのが目的だ。「昼間の外来に来てほしいけれど、1人暮らしだから不安なので、すぐに救急車を呼んでしまう」と千葉さんはため息をついた。

 登米市は県内で最も厳しい医師不足にあえぐ。人口10万人当たりの医師数(06年末)は106人で仙台市の3分の1程度。市の中核病院の佐沼病院では千葉さんが赴任した04年以降、23人いた医師が開業や多忙などを理由に17人に減った。しわ寄せは残った医師に行き、当直の頻度は月2回以上に増えた。

 当直は通常勤務終了後、午後5時15分から翌日午前8時半まで。当直明けも通常通り夕方まで勤務する。この日の当直では仮眠しようとしても午後11時20分、午前0時55分、3時、5時半、6時50分と傷病者が来る度に起こされた。深夜に発熱で来院した50代の男性は前日に発熱していた。「どうして昼に来ないの。医者の身にもなってよ」と声を荒らげた。この日は当直中に診察した19人全員が入院の必要はなかった

 千葉さんは休日、最新医療技術を学ぶため仙台や東京での勉強会に出席することも多い。帰宅後も入院患者の容体が悪化すれば呼び出される。3歳の娘や妻と過ごす時間の確保に悩む日々だ。

 医師の過大な負担に支えられている地域医療だけに、医師不足は市民の生活水準まで悪化させる。佐沼病院は06年5月に小児科、07年9月に産婦人科で、いずれも入院患者受け入れと救急外来を休止した。常勤医が確保できなくなったためだ。市民は休日・夜間に危険性が高い分娩(ぶんべん)や子供の病気の場合、石巻や大崎市内の病院を利用しなければならない。

 衆院選のマニフェストでは各党とも医師数の増員でほぼ一致している。自民党は医学部の定員増、民主党も医師養成数を1・5倍にすると訴える。

 千葉さんは単に医師を増やすだけではなく、地方に定住させるためには職住環境の改善が不可欠と主張する。だが、行政側から熱意は伝わってこないという。「市の職員と地域医療について話し合ってもほとんど発言がない」。政権政党には地方行政機関を動かし、機能させる地域医療政策の推進を期待している。【比嘉洋】=おわり

住民の無節操な受診態度が医療現場の疲弊を招いているという前半と、突然行政の問題にすり替えられているように見える後半で文脈が支離滅裂という気がしないでもないんですが、うがった見方をすれば経営が厳しい毎日さんとしては間違っても購買者批判と取られかねない内容は書けないということなんでしょうか?(苦笑)
しかしこの記事、うわ~千葉先生そないきついこと言うてはったら市内におられんようになりますやん!なんて心配になってくるところですが、実はこの千葉先生はそんなヤワな先生と違います。
同市のHPには電子会議室が設置されているあたりは今どきなかなか偉いものだなと思うわけですが、病院移転の提案に端を発し「なぜ当市にはまともな総合病院もないのか!」と熱い議論を交わされている最中に登場された千葉先生、こちらでも実名で登場され熱心に主張をされているのですね。
ここでの議論自体も医療現場に対するありがちな誤解も含めて、地域医療に関する全国共通の問題としてなかなか面白いものですので、少し長くなりますが引用させていただきます。

登米市電子会議室「病院問題について」スレッドより抜粋

Re: 病院問題について ( No.4 )
名前: 一般人

    病院問題については、私もひとことお邪魔させていただきます。

    私は、現在婦人科の病気を患っています。
    お恥ずかしい話をさせていただきますが、月のものの時には、激痛どころの騒ぎではない状態です。
    それ以外でも、毎日下腹部は痛みます。
(略)
    まだ、古川だから近いじゃないか、そう思われるかもしれません。
    しかし、痛みを抱えながら家族のものがいないとき、自分で運転をしていくのは恐ろしいものがあります。

    もし、佐沼病院に常勤でお医者さんが居てくれたら・・・。
    そう思えるだけでも安心すると思います。
    たらいまわしにされた、そんな感じを受けています

    産婦人科も、小児科もないような総合病院なんて、考えられますか???
    内科だけあればいいんですか??
    もっともっと、登米市を元気にしたいのであれば、まずは医療を充実させるべきだと思います。

医療を充実させて損なことはなにもないはずです。

病院問題について ( No.5 )
名前: はっぱ

    3月に私の叔母が脳出血で急逝しました。

    佐沼で倒れて佐沼病院に救急車で運ばれ、CTを撮りここでは無理なので大崎市民病院で手術といわれました。
(略)
    そしてそこの医師に一言
    “佐沼に脳外科があれば助かったのにね・・・”といわれました。

    改めて登米市の医療問題は深刻だと感じました。

    助かるべく命が医療問題のため失われていく・・・うちの叔母だけではないと思います。

Re: 病院問題について ( No.6 )
名前: 社会人一年生

    われわれが布施市長を選んだ最大の理由は医療問題(佐沼病院を中心とする病院の連携および機能向上)と福祉介護の充実にあったはず!!だが改善されることはなく悪化する一方だ。少なくても救急医療チームの編成や、開頭手術を行える医師の常在などが必要だと思う。

Re: 病院問題について ( No.7 )
名前: ぷぅ

    そう言えば、病院の医師も、登米市には総合病院がないのが不思議だって言っていました。これだけの面積、人口があるのにないのがおかしいと。
    働くきっかけとして、勤務条件だと思うんだけど、やりがいもだけど、収入の面で合わないんじゃないのかなって思うんですよね。やっぱり、そこは人間。給料が高い病院で働きたいですよね。医師が増えないのは、給料が安すぎるのではないのかな?
    日赤に、最近入院して手術を受けたんですけど、医師と少し話をして、労働条件とか聞くと結構過酷なんですよね。土日関係なく出勤して診察とかあるんですよね。そういう面をしると、見合った報酬なのではないかと思うんですよね。でも、日赤で受けることになったのは、登米市圏内で受け入れられる病院がなく、紹介状を書いてもらったんですけどね。
    少しでも、近くで、家族や患者個人負担を軽減することを、考えたら、医師を増やしてほしいですよね。

Re: 病院問題について ( No.8 )
名前: 佐沼にいたことがあるものより

    市立病院の累積赤字をご存知ですか。平成18年度時点でで80億ですよ。いまやっている菅野美穂が主演していうる仮想のつぶれそうな公立病院の赤字がたしか43億の設定です。いまの佐沼病院には、お金をもらっても、私は医師として赴任する勇気がありません。こわくていけないのです。それに、いまの医療機器では開業医レベル以上のことはできない可能性がたかいとおもいます。医師の評判を聞いたかぎりでは、同僚として一緒にはたらける自身がありません。もちろんうわさどおりではなくいい医師もいるのでしょうが。今回病床をかなり削ったようですが、給与を上げても、医師は集まりません。最近は医師の傾向も変わって、お金で集まる傾向にはありますが、医師免許をもっていても、使えない医師を頭数だけそろえてもだめです。根本的に出直しても、医療設備がそろってないと、医師はあつまりません。もう再建は難しいように思えます。診療所にするなりして、重症、救急はは大崎や石巻、県立循環器呼吸器病センターにお願いするというのが、方法のひとつかと思います。県立循環器呼吸器病センターの医療設備は東北でも有数の医療機器がそろっているのをみなさんはご存知ですか。もう、聴診器一本で診療するなら、病院は大きな病院はいらないのです。いい医者をあつめ、ちゃんとした病院にするには、まずは、研修医があつまるような病院を目指さないとだめだとおもいます。市の開業医が毎週外来をやっていたり、入院をおかない先生がいたり、医療設備がととのってない病院に、いったいなにを期待するのですか。私は医師として、上記の状況を踏まえたときに、市民のみなさんが佐沼病院に何を期待されるのかわかりません。診療所にするなら、開業医とおなじなので、不要ということも考えられます。財政的に佐沼病院のために第2の夕張にならないことを祈ってます。

考えるヒントを少し ( No.11 )
名前: 千葉正典

 佐沼病院の内科で仕事をしている千葉です。
 初めてメールします。反響があっても時間がないのでお返事はしません。ただ一言だけ。あしからず。
 佐沼病院の中身の議論とこれまでの累積赤字の議論は分けたほうがいいと思います。
 医師不足問題は医師の人事を決める大学の事情など、いろんな要素が関わり今に至っています。
自治体ではどうしようもない部分もあります。これに関しては医療従事者と行政の連携が重要で、
今後の課題です。ただ、どんな科であれ医師一人体制では、入院患者を持つので365日仕事をしなくてはなりません。
長続きしないので複数人数の医師を呼べるかを考えてください。
 赤字について、、、たとえば市役所や各支所は何か黒字を出しているんでしょうか?市立の公園は?図書館は?
 合併で職員が増え、各課が適正な人数なのか問われず、行政や市民サービス部門の人件費が何も言われない一方で、
病院の中を走り回って市民の命を守ろうと頑張る佐沼病院が、つまり医療サービス部門だけが赤字と騒がれるのでしょうか?
 私立病院ではカットされる不採算医療部門を税金で赤字を出しながらするから、市民は安心なのでは?
夜間救急は十分不採算部門ですが全科やめられますか?もちろん、無駄をなくす努力は大切で、現在も努力中です。
 自治体の心意気を見せる様な議論をお願いしますね。
なお、私、2年前に広報とめ(カラー版)に「こちら地域医療連携室」というタイトルで文を書いているのですが
あまり利用されなかったんだなと残念に思っています。行政の単なるポーズだったんだなと。(個人的意見でした)

ん・・・ ( No.12 )
名前: はっぱ

    あの~・・・

    私は医療に関わる仕事もしているわけではないし、難しいことは分からないのですが・・・

    どうのこうのでなくて、佐沼に脳外科がないために1人の助かるべく命が助からなかったんです。

田舎だから、赤字だから仕方ないんでしょうか???
    人間の命ってそんなに簡単なものなんでしょうか?

    私は脳外科が欲しいとは一言も言ってません。助かるべく命が助からない状態では何とかすべきではないのでしょうか?と言いたかっただけです。

    赤字の自治体は助かるべく人間が医療が進んでいないために亡くなるのは仕方ないんでしょうか?

Re: 病院問題について ( No.14 )
名前: 佐沼にいたことがあるものより

    それは、仙台にいようと東京にいようと同じ事です。すぐに病院にいける人と都市部でも佐沼から古川の30分以上かかるひとも多くありません。仙台の救急隊の病院到着は全国でもワースト、、、に入るくらいです。脳外科がいたら助かっていたとどのえらい先生がいったのかわかりませんが、そんなことは言えることではありません。もしかしたら脳外科医がいて搬送がはやければたすかったかもしれない、ということではないでしょうか。仙台でも小児科、産婦人科などどんどん救急から撤退しています。それらの科が近くにあれば助かったという人も仙台でも東京でも多くいると思います。それでもいろいろな病院で救急が成り立たなくなっているのは、日本の医療制度が、破たんしかかっているのです。命は何よりも重しと奇麗事をいってもどうしようもない日本の医療の状況になってきているのを考えていただいたほうがいいと思います。あなたは救急も含めた医療がどのくらいお金がかかるか考えたことがありますか。ひとつの考えとして登米市でもっとも早急に突然の不慮の死を避けるには、突然死を起こす人の何%かの人を救う除細動器を多くすることです。学校にひとつではなく、学校のいろいろなところ、町のいろいろなところに除細動器をおけば、佐沼病院で人が足りなくて入院患者や救急を診れない医者を一人雇う1年分の給料で約80台近くの除細動器がおけるのです。これは一例ですが、医者、看護婦、その他の医療スタッフ、高度な医療機器などなど、登米市の財政でまかなって、第二の夕張になって、診療所しかなくなるよりも、除細動器や近隣の救急体制にお金をかけて、早く高度医療を受けられるようにしたほうが、登米市民のためだと思います。

Re: 病院問題について ( No.16 )
名前: 佐沼にいたことがあるものより

    千葉先生には失礼ですが登米市民の救急医療は行うには、古川、石巻へのお願いして、その分、登米市立佐沼病院を縮小したほうが多くの市民が高度医療の恩恵を受けることができ助かると思います。先生が一生懸命なさっている高度医療機器を要さない医療は、登米市の開業医の先生にお願いしても大丈夫だと思います。現に登米市立病院の外来は登米市で開業している先生がやっている科があるではありませんか。入院をもたずに、外来を市内の開業医の先生にお願いする税金はなんなのですか。患者さんは直接その開業医の先生をおとずれるのと何がちがうのですか。

Re: 病院問題について ( No.17 )
名前: 佐沼にいたことがあるものより

    赤字の自治体が、、、ということがありますが、いま、赤字ではない自治体のほうが少なくて、医療だけではなく、他の分野でも東京の一人勝ちだとおもいます。東京と地方県庁所在地の医療格差は、かなりある分野で大きいのかもしれません。東京にいれば助かったのに、仙台にいたので助からなかったという場合も多くあると思います。どのようにして、できるだけ多くの登米市民を救うかということを、考えていただければと思うのです。救命救急を要する高度医療に医者の数だけではなく、それに付随する莫大な投資が必要であるということを少し登米市の財政状況を加味して考えていただければと思うのです。
    自分の家族であれば、救急の場合、救命隊がすぐに来てくれて、30分で古川や石巻に早く搬送してもらったほうがいいと個人的に考えてしまうので、かなりきつい表現になって申し訳ありませんでした。お許しください。

Re: 病院問題について ( No.18 )
名前: 隊長

    久しぶりに掲示板を見ました。
    病院問題で皆さん真剣に考えてるなと思いながら読ませてもらいました。
    私も『佐沼にいたことあるもの』さんと同じように考えています。
    財政が破綻してはどうにもなりません。このままの病院の赤字が続けば登米市本体が倒れてしまうのではないでしょうか。
    病院も病院間競争に勝ち残らければならに時代でしょう。
    佐沼病院を仮に全ての機能を持つ総合病院にしたとしても【新たにかなりの財政負担がかかるのではないでしょうか】近隣の病院との競争には勝てないと思います。そうであれば今以上の財政負担を登米市は負わなければならない。
    そうなった場合間違いなく登米市は夕張と同じ状態になります。それだけは避けなければなりません。幸い登米市の周りにはそれなりの病院があります。そことの連携を今以上に考える実現して行くことを市当局は真剣に考えてもらいたいと思っております。

千葉先生の「自治体の心意気を見せる様な議論をお願いします」も良かったですが、ある意味でこの地域医療の問題、国レベルにおける医療政策問題と規模の差こそあれ似たような部分も多々あるわけですよね。
一方では命は金銭に換えられないといいながら、その一方で医療費は高すぎると主張し現場に対しては一方的に制約を課す、そうした構図は国と地方とを問わず全く共通ではないでしょうか。
そして行政のそうした態度を辿っていけば、結局は「最近税金高すぎるぞ!もっと行政の無駄を削れ!」と主張する有権者の声に行き着くわけですから、なんのことはない税金として出資した分に相応の医療を今になって還元されているに過ぎないとも言える話なのです。

医療に金を出さないのがケシカランだとか、新臨床研修制度なんてさっさとやめてしまえとか、確かにお上に文句を言っているだけなら楽で良いのですが、それでは地方行政は、そして地域住民は自ら称するような単なる国政の被害者であるのかと言えば、必ずしも異論無しとしない方々も多いのではないでしょうか。
現実問題として乏しい財源やマンパワーの中でも頑張って地域医療を行っている自治体病院はあるし、ど田舎にありながら研修医をはじめスタッフを集めている人気病院もあるわけで、他方では医者が働きやすいようにという住民の自主的な働きかけが実って新たに医者を集めることに成功した地域もあるわけです。
しかもそうした自治体が財政的に豊かであるとか、地域住民がお金持ちばかりであるとか、あるいは激務に見合って(苦笑)医者の給料が際だって良いとか言うわけでもないのだという事実をまず認識すべきでしょう。

同じような前提条件で出発したはずなのに勝ち組と負け組が何故生じたのかを理解した上で、まずは「じゃあ、自分たちは何故勝ち組になれなかったのか?」と問い直すところから始めなければ永久にそこから脱することなどできないでしょうね。
その点で国と比べて地方は財政規模も小さくあまり大きなことは出来ないとネガティブに捉えられがちですが、こと医療というものに関してはこれを長所に置き換えることも可能だと思います。
何故なら医者という人種は世間の平均値と比べるとお馬鹿で単純でスポ根人間が多いですから(苦笑)、幾ら激務で安月給だろうが「心意気」を見せれば頑張ってしまうという一面が未だに結構あるからです。

所帯が小さく互いの顔が見えるということはすなわち地域住民の行動が(言説ではなく)直接的に医療スタッフの心情に訴えかけることも可能であるということで、これがすなわち全国津々浦々に至るまで医師不足という時代にあって、地域の民度が医者を集めるという可能性に他なりません。
そのためには何よりも前掲の記事中に登場するような疲弊しながらも地域医療を支え続ける千葉先生はじめ諸先生方の目に、昼夜を問わず病院に押し寄せる地域住民の姿が被害者として映っているのかどうかも一度考え直してみる必要があるんじゃないかと思いますし、単なるクレクレ君でいる限り今いる医者すらいずれ逃げ出すことを覚悟しなければならないでしょうね。
医療崩壊という身近な現象に対して国や自治体が何とかしろと叫んでいるばかりではなく、自分自身の問題として考えてみるきっかけとして、例えば住民有志が交代で毎夜の自治体病院の当直につき合ってみるなんてところから始めてみるのも色々と面白い発見があるかも知れませんね(笑)。

その意味では今度の選挙も医療問題を我が事として考える上でちょうど良い機会なのかも知れませんが、余計な話でいささか長くなりましたので残りは次回以降に回すことにさせていただきます。

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