« 今日のぐり「菊寿し」 | トップページ | 医療の世界には不正が沢山? »

2009年8月17日 (月)

新型インフルエンザ、国内初死亡例の報告

いずれそうした日が来るのはほぼ確実視されていた一方で、むしろ罹患者数や発生状況を考えるとずいぶんと遅かったかなという印象を与えるのが表題の件です。
ちょうど盆休み真っ盛りというタイミングでこういう症例が出てくるのも不思議な感じがしないでもないですが、とりあえず確認された国内初死亡例ということで、それなりに注目されているようですね。
終戦記念日だの何だので必ずしもトップニュース扱いとはならなかったようですが、主要各紙とも一面扱いで取り上げているようで、まずは地元紙からの第一報を取り上げてみましょう。

新インフル死者 国内初 宜野湾市の57歳男性(2009年8月16日沖縄タイムス)

 県は15日、新型インフルエンザで宜野湾市在住の男性(57)が死亡したと発表した。新型インフルエンザによる死亡が確認されたのは国内で初めて。県によると男性の周囲にインフルエンザの症状がある人はおらず、感染源は不明。男性は過去に心筋梗塞の治療歴があり、慢性腎不全で透析治療中だった。

 男性は今月9日にのどの痛みと咳の症状が出た。翌10日、通院する医療機関で透析中に37度台の発熱があったが簡易検査ではA型陰性。12日に再び透析治療中、熱が39度台まで上昇し、簡易検査でA型陽性が判明。タミフルを投薬したが全身状態の悪化で、別の医療機関に入院。入院先では14日未明に意識混濁。いったん回復したが15日午前1時半に心停止し、同午前6時54分に死亡が確認された。

 県は男性の死亡後に詳細(PCR)検査を行い同日午後4時ごろ、新型インフルエンザ陽性が確認された。

 県は同日午後5時から記者会見を開き、男性の死亡原因について「心疾患や慢性腎不全の合併の上、新型インフルエンザに罹患したため」との見解を発表した。一方、「インフルエンザは健康な人の多くにとっては一過性の病気である」とし県民の冷静な対応を呼びかけた。

新型インフル県内で死者 国内初、57歳男性(2009年8月16日琉球新報)

 県は15日、宜野湾市在住の新型インフルエンザに感染した患者の男性(57)が同日朝、入院先の中部徳洲会病院(沖縄市)で死亡したと発表した。国内では5月に初の感染者が確認されて以来、死亡者は初めて。男性は心筋梗塞(こうそく)の治療歴があり、慢性腎不全のため、中部保健所管内の透析医療機関で透析治療を受けていた。県によると男性の死因は、肺炎を引き起こしたことによる敗血症。感染源については不明。周囲にインフルエンザ症状のある人や渡航歴のある人はいないという。
 インフルエンザは健康な人には一過性の病気だが、ぜんそく、心疾患、腎疾患、糖尿病などの基礎疾患のある人や、乳幼児、妊婦では重症化することがあると言われている。
 国の指針では重症化しやすい患者の入院については保健所に報告し、優先的にPCR検査を実施するとしているが、中部徳洲会病院が県に報告したのは男性の死亡後だった。
 男性は9日からのどの痛みやせきの風邪症状があり、10日に透析を受けた際に簡易検査を実施。そのときは陰性だったが12日の透析中に体温が39度まで上昇し、簡易検査でA型陽性が判明した。全身状態がよくないため同日、中部徳洲会病院に入院し、14日に意識レベルが低下し、15日朝死亡した。
 死亡後、緊急で遺伝子を調べるPCR検査を実施し新型インフルエンザ陽性が確認された。
(略)

◆国立研で検体調査へ 舛添厚労相
 舛添要一厚生労働相は15日、新型インフルエンザに感染した宜野湾市の男性が死亡したことを受けて、那覇空港で記者会見し「患者の検体を国立感染症研究所でウイルス変異が起きていないか確認する」と述べた。
 国内初の死亡者が出たことについて、哀悼の意を表した上で「今後全国的、大規模に患者が増える可能性がある。医療態勢やワクチン整備などの対策を充実させたい」と表明、国民に冷静な対応、手洗いやうがいの励行など感染拡大防止策の徹底を呼び掛けた。舛添氏は、衆院選応援のため同日来県し、17日まで滞在する。

<死亡男性容体経緯>
 【入院前】
 9日 午後、のどの痛みとせきの症状が出るが自宅で経過観察をする。
 10日 中部の医療機関で人工透析。前日の症状に加え、37度台の熱があったためインフルエンザ簡易検査を行ったがA型陰性。解熱剤を処方。
 12日 同じ医療機関で人工透析を受けた際に食欲低下と悪心、おう吐を訴える。受診時に発熱はなかったが、透析中に39度まで上昇。簡易検査でA型陽性を示す。透析後タミフルを投薬した。胸部写真で心陰影の拡大が見られ、全身状態も良くないため同医療機関が中部徳州会病院を紹介した。
 【入院後】
 12日夕 中部徳州会病院来院時は38・8度で、強い全身けん怠感や筋肉痛、悪心、呼吸苦を認めたため入院。
 14日 未明に意識レベルが低下し、肝機能障害と血小板が減少。意識レベルは一度改善するも、夕方から呼吸苦が強くなった。胸部XP撮影でバタフライ陰影の像が見られたため、うっ血心不全を疑い透析。
 15日 循環不全となり、午前1時半に心臓が停止。心肺蘇生で一度は心拍再開するも同6時54分、死亡が確認された。
 県は緊急にPCR検査を行い、午後4時ごろ新型インフルエンザ陽性であったことを確認した。

<県の会見一問一答>
 15日に開かれた記者会見の主なやりとりは次の通り。
 ―直接的な死因は。
 「死亡診断書によると敗血症性ショック。新型インフルエンザから起因した肺炎で引き起こされたとみられる」
 ―透析をしていたが、透析医療機関での院内感染の可能性は。
 「今の時点ではそういう情報は得ていない。感染源は不明だ」
 ―同機関のA型陽性患者の有無は。
 「把握してない。見込みが甘いと指摘されればそうかもしれない」
 ―新型インフルエンザ患者ではないかと疑ったのはいつか。県に報告があったのはいつか。
 「病院側は入院時から新型インフルエンザ患者だろうと見ていた。中部保健所に報告があったのは(患者死亡後の)15日午前9時前後だ」
 ―県としてはどの時点で、男性について把握したかったか。
 「7月24日施行の感染症法で入院患者の県への報告が求められている。入院は12日夕だったので、13日には連絡を受けるべきだったと考える」
 ―連絡が不徹底だったことについて。
 「改善の必要がある。連絡を徹底するよう(各病院に)呼び掛けていく」

発症後3日目頃まで目立った発熱がない(服薬で修飾されている可能性はありますが)、初期にはむしろ消化器症状が目立つなど、ここでも新型に関してよくいわれるところの「典型的高熱を呈する症例はむしろ少ない」「1~2割の患者には消化器症状が出現」といった特徴をよく示しているようです。
記事中にも概略が掲載されていますが、参考までに沖縄県当局から厚労省経由で出されております資料から当該症例の経過を引用してみましょう。

厚生労働省 新型インフルエンザに関する報道発表資料 新型インフルエンザ患者の死亡例について(2009年8月15日沖縄県)

1 患者概要
・中部保健所管内市町村在住 50代 男性
・基礎疾患有り(過去に心筋梗塞治療歴あり。現在、慢性腎不全のため透析中)

2 感染源
 不明。周囲にインフルエンザ様症状のある人はなし。

3 経緯
【入院前の経過】
 8月9日  午後から咽頭痛と咳の症状出現。自宅で経過観察。
 8月10日  中部保健所管内透析医療機関で透析。その際に上記感冒と37度台の熱があり、簡易
       検査をしたところA型陰性。解熱剤を処方。
 8月12日  透析日。食欲低下と悪心・嘔吐の訴えあり。受診時には発熱はなかったものの、透析中
       に39度まで上昇。簡易検査でA型陽性。透析後、タミフルを投薬。胸部写真で心陰影の
       拡大がみられ、また全身状態が良くないため中部保健所管内医療機閲ヘ紹介。

【入院後の経過】
 8月12日  18:55中部保健所管内医療機関受診。来院時、38.8度の熱。全身俗怠感強く、筋肉痛、
       悪心、労作時呼吸苦を認めたため入院冶療となった。
 8月13日  著変なく経過
 8月14日  未明に意識レベルの低下がみられ、肝機能障害と血小板減少が見られた。意識レベルは
       いったん改善するが、夕方から呼吸苦の増強が見られた。胸部XP撮影したところ、バ
       タフライ陰影の像がみられたため、うっ血性心不全を疑い、透析を行った。透析後、バ
       タフライ陰影は若干よくなるも、8月15日になってから循環不全となり、午前1時半に
       心停止し、心肺蘇生で一旦は心拍再開するも6時54分死亡された。

【本日(8月15日)】
 緊急でPCR検査を行い、午後4時頃新型インフルエンザ陽性であったことが確認された。

こうして見ますと単なる腎不全ではなく心筋梗塞既往もあった患者さんで、感染を契機として心不全増悪を来したものと思われますが、8月14日以降意識レベル低下、肝機能障害、血小板減少、心不全増悪とイベントが相次いで来ているのが世にいう「新型は途中から急に重症化する」というものなのでしょうか。
確かに従来型の季節性インフルエンザでも死亡例が出ることはあるわけですが、どうもそうした症例ともいささか経過が異なっている印象を受けるのは自分だけでしょうか?(剖検を行っているかどうかははっきりしませんが)
また、現時点で治療上はさほど意味のあることではないと思われますが、新型か否か確定診断に回す決断をしたのが死亡後ということは後々外野から突っ込みを受けるのではないかなとも思われるところですね。

さて、全国紙等においてもこの件は報道されていますが、冷静な対応を呼びかけつつ今後更なる感染拡大は必至であるとも報じる一方で、早速にも病院や県当局の不手際に対して非をならす向きもあるようですね。

新型インフル国内初の死者、57歳の慢性腎不全患者(2009年8月15日読売新聞)

 厚生労働省と沖縄県は15日、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に感染した患者が、国内で初めて死亡したと発表した。
(略)
 厚労省は「ウイルスが強毒化したわけではない」とし、慢性疾患の人や妊婦、乳幼児は重症化の危険性が高いとして注意を呼びかけている。発表によると、男性の死因は肺炎による敗血症性ショック死。慢性腎不全などで免疫力が低下し、新型インフルエンザが重症化したとみられる。
(略)
 同病院は死亡後、保健所に「新型インフルエンザの可能性がある」と連絡。遺伝子検査で、同日午後4時頃、感染が確認された。男性は両親と3人暮らしで、8年前に心筋梗塞(こうそく)で手術した経験があるほか、慢性腎不全のため通院して透析を受けていた。家族の感染は確認されていないという。

 新型の国内感染者は、先月24日に5000人を超えたが、厚労省が同日、調査対象を集団感染や重症者などに絞ったため、感染者の総数は把握できていない。

新型インフル:国内初の死者 沖縄の57歳男性(2009年8月15日毎日新聞)

 沖縄県は15日、新型インフルエンザに感染した宜野湾市の男性(57)が同日朝、入院先の沖縄市内の病院で死亡したと発表した。男性は慢性腎不全で人工透析を受けており、心筋梗塞(こうそく)の治療歴もあった。死因は新型インフルエンザから肺炎を起こしたことによる敗血症性ショックだった。新型インフルエンザ患者の死亡は国内初。
(略)
 感染症法施行規則は入院患者で重症者がいる場合、保健所に連絡すると定めているが、病院が通報したのは死亡後だった。また厚生労働省の指針では、重症者や基礎疾患がある患者にはすぐにPCR(遺伝子)検査をするよう定めているが、今回は死亡後のPCR検査で感染が確認された。【三森輝久、川名壮志】

 ◇毎週全国で2万~3万人の患者発生か
(略)
 日本では、カナダの研修から帰国した高校生ら3人の感染が5月9日に初めて確認された。7月24日までに報告された感染者数は4986人。その後、国は患者数の把握をやめているが、毎週全国で2万~3万人の患者が発生しているとみられる

 ◇糖尿病やぜんそく患者など高リスク

 日本で、新型インフルエンザ患者で初めて死者が出た。亡くなった男性のように人工透析を受ける患者は国内で約26万人いる。妊婦、糖尿病やぜんそく患者も重症化しやすい。重症者の半数以上はこうした疾患を持つ患者や妊婦だ。社会全体で感染を広げない取り組みが求められる。

 多くの人は症状がなかったり軽症だが、患者が増えれば重症者が増えるのは避けられない。世界で新型と確認された患者の10%が入院している。致死率は確認例の0.45%で、毎年流行する季節性インフルエンザの0.1%未満より高い。大半の人に免疫がない新型インフルエンザは、3年以内に国民の8割が感染すると予測する専門家もいる。

 季節性インフルエンザでも、合併症を含めると年間1万人が国内で亡くなっている。季節性、新型ともインフルエンザを軽視してはならない。岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長は「重症化リスクの高い人は持病の治療をしっかり続けてほしい。一人一人が予防に取り組まなければならない」と訴える。早期発見と早期治療に加え、手洗いやワクチン接種、流行時に人込みを避けるなどの予防を徹底したい。【江口一】

【新型インフル】舛添厚労相、感染拡大防止徹底呼び掛け(2009年8月15日産経新聞)

 新型インフルエンザで国内初の死者が出たことを受けて、舛添要一厚労相は15日、那覇空港で記者会見し「今後全国的、大規模に患者が増える可能性もある。医療態勢やワクチン整備などの対策を充実させたい」と表明、国民に対しても冷静な対応や手洗いやうがいの励行など、感染拡大防止策の徹底を呼び掛けた。

 その上で「想像だが現在日本の患者数はほぼ5万人で、統計学的には5人ぐらい死者が出てもおかしくない状況にある」と指摘。「基本的な対策は変わらないが、腎臓疾患など基礎疾患を持っている人や妊婦は注意してほしい」と述べた。

 また舛添厚労相は、死亡した男性の検体を国立感染症研究所に送り、ウイルスに変異がないか検査する考えを示した。

 舛添厚労相は同日、衆院選の応援のため沖縄入りした。

新型インフル冷静対応を…強毒化なしの見解(2009年8月15日読売新聞)

 新型インフルエンザによる国内初の死亡が15日、沖縄県内で確認された。

 厚生労働省は「新型インフルエンザの病原性が強毒化したものではない」との見解を示しているが、今回の場合、感染が確認されたのは患者の死亡後で、病院と自治体などとの連絡体制には課題も残した。専門家は「これを機に危機感を新たにし、感染の拡大防止に力を入れるべきだ」と指摘している。

 慢性腎不全のため透析治療中の男性(57)が、新型インフルエンザに感染して死亡したことが確認された沖縄県。15日午後5時から那覇市の同県庁で開かれた記者会見では、全国初のケースという事態に、同県の担当者たちは一様にこわばった表情だった。

 宮里達也・保健衛生統括監は、持病を抱えた男性の抵抗力が弱まっていたことが病状を深刻にさせたとの見方を示し、「不安をあおることは好ましくない」と語った。

 男性が透析を受けていた沖縄県内の病院では、12日の段階で、男性が新型インフルエンザに感染した可能性があることを把握していたが、入院先の沖縄市内の総合病院が保健所に報告したのは、男性が15日午前6時54分に死亡してから約2時間後だった。

 厚生労働省は、新型インフルエンザが重症化する恐れがあるため、慢性疾患などを持つ患者に感染の疑いが出た場合、早めに保健所で確認の検査をするよう各地の医療機関に呼びかけている。この点について、宮里統括監は「県(保健所)に報告すれば結果が変わったわけではない」と述べ、「今後は病院との連絡の徹底を図りたい」と話した

 一方、衆院選立候補予定者の応援のため沖縄入りしていた舛添厚生労働相は15日夜、記者団に対し、「ウイルスの病原性が変化したとは考えていない」と語り、冷静な対応を呼びかけた。

国内では少なくとも数千、おそらく数万単位の患者が既に発生しているだろうと見積もられていますが、北米での報告から類推すれば舛添大臣でもありませんが「すでに何人か亡くなっていても全くおかしくない」という状況であるはずなのですね。
ところが今回の症例に至るまで数ヶ月間、相当数の患者が出ているにも関わらず死亡例の報告がなかったことは、一つには発症早期からのタミフル使用が非常に多いという日本の特殊事情も関係しているのかも知れません。
その一方でかねていわれてきたことですが、発祥地であるメキシコから離れるに従ってどうもウイルスの病原性が弱まってきているのではないか?という旧来からの疑問もまた思い出されるところではありますよね(ただしこの説に関しては今のところ科学的根拠は提示されていません)。

さて一方で、先日もお伝えしましたが、このところ新型インフルエンザの流行は勢いを増しているのは確かですが、それでもまだ本格的な流行というには程遠い状況です。
北海道などでも人工呼吸器を装着した小児の重症化症例などが出ているようで、今や全国各地で重症化例が相次ぐという状況ですし、当然ながら近い将来第二、第三の死亡例も出るでしょうが、それでもまだまだ流行というほどではないという状況なのですね。
ところが国内でも例外的に、この時期すでに流行が起こっているのではないかと思われている地域が沖縄であって、実は今回の死亡例が出る以前から沖縄という地域においては他地域に先駆けて新型流行の兆しが見えているのかな、という注目されるべき状況にあったのですね。

沖縄で季節外れのインフル流行、大半が新型(2009年8月14日CBニュース)

 季節外れのインフルエンザが沖縄で流行している。県感染症情報センターの集計によると、県内の定点当たり報告数は7月下旬から増えており、8月3-9日には20.36人と、流行開始の指標となる定点当たり報告数「1.0」を大幅に上回っている

 集計によると、3-9日に58の定点医療機関からあったインフルエンザの報告数は1181人で、定点当たり報告数は20.36人と20人を超えた。

 前週の7月27日-8月2日には684人の報告があり、定点当たり報告数は11.79人と10人を超えた。このため県は6日、インフルエンザ流行注意報 を発令。現在も注意報は継続している。7月27日-8月2日に報告があった684人の内訳は、A型500人、B型49人、不明135人で、県は「A型イン フルエンザと診断された95%以上が新型インフルエンザ」と発表している。

 県の担当者は今後の対応について、「(新型インフルは)弱毒性なので、今のところ通常と同じ体制を取っていく」としている。

インフルエンザ、流行目前=新型、夏でも感染拡大か(2009年8月15日時事ドットコム)

 インフルエンザの患者がこの夏急増しており、全国的に流行入り目前となっていることが15日までに、国立感染症研究所(感染研)のまとめで分かった。ほ とんどが今春登場した新型とみられ、季節性インフルエンザに比べて感染力が強く、夏にも感染が広がる恐れがあることが確認された格好だ。
 中でも沖縄県では感染が拡大しており、慢性腎不全を患っていた男性(57)が同日、新型インフルエンザに感染し死亡した。
 感染研によると、7月27日から8月2日までの週に約4800カ所の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者は2655人で、1カ所あたり0.56人。4週連続で増え続けており、今後1人を超えると流行入りとみなされる。
 沖縄県は11.79人と、流行の本格化が警戒されるレベルに達した。「医療機関には年末年始並みに患者が殺到している」と、同県の糸数公結核感染症班班長。「検査で判明する95%以上が新型」という。
 一般にインフルエンザウイルスは高温や湿気に弱い。夏でも患者は発生するものの、大規模な流行になることはまずなかった。沖縄では夏に流行入りした年も あったが、今回は大阪府内でも定点当たりの報告数が10人を超えた地域があるなど、全国的に流行入りする恐れがあるのが特徴だ。
 感染研のまとめでは患者は10代が約4割、5~9歳が約2割を占め、児童生徒が中心。沖縄に次いで患者が多い大阪府の担当者によると、学校が休みでも部 活やキャンプなど課外活動での集団感染がみられる。「夏の間に落ち着くことは期待できず、学校が始まった時が心配だ」と話す。

全国に先駆けての沖縄での流行、これは単に沖縄の先生方が診断に熱心なのか、あるいは実際に沖縄に他地域に先駆けての本格的な流行が起こりつつあるのか、いずれによるものなのでしょうか。
御存知のようにインフルエンザというものはやや低温の環境を好むこともあってか、原則的に暑い時期にはあまり流行せず、寒い地方から流行が始まり寒い地方に最後まで流行が残っているという状況が例年であれば一般的であるわけです。
今回新型に限って全く逆に南国沖縄から流行が起こっているということは、何かしら社会的要因に基づくものなのか、あるいは何らかのウイルスの生物学的性質の変化によるものなのか、どちらなのでしょうね。

勝手にドラマチックな空想を働かせてみれば、日本に入ってきた新型ウイルスの中から、さらに沖縄でもう一段別な変異が起こってきているという可能性も考えられなくはないかなというところでしょうか(繰り返すようですが、ウイルスの毒性が変化しているという根拠は全くありません)。
いずれにしても今後の対策のためにも、野次馬的興味の上からも(笑)、早急にウイルスに対する生物学的な検証は行っていただきたいところだと思いますね。
何にしろこういう事態になってきたわけですから、またしばらくは新型インフルエンザ関連の話題が相次いで出てきそうな気配ではあり、引き続き注意をして見守っていかなければならないところでしょう。

|

« 今日のぐり「菊寿し」 | トップページ | 医療の世界には不正が沢山? »

心と体」カテゴリの記事

コメント

いつもいい記事をありがとうございます。

記事中でも、
<腎臓疾患など基礎疾患を持っている人や妊婦は注意してほしい>とか
<早期発見>とか提言されていますが、
非常に転帰が早すぎますよね。
37度(10日時点)でタミフル投与すれば良かったのかどうか、疑問符がつきます。
(遡るとしたらその時点しかなさそうですけれど)

一体、何をどう気をつければよいのか。
タミフル投与を発熱患者全例に行うのか?
はっきり言ってちょっと難しいような気がします。

また毎日新聞記事の、
> 致死率は確認例の0.45%

一体いつのデータを用いているのでしょう?
少なくともざっとみてみると、今もっと高そうですが。。。
(国立感染症研究所の世界各国データが見づらくなってしまったので、
 死亡率がわかりにくくなってしまいましたが)
この10日間程度で死亡率が低くなったのでしょうか?
(最近、ウォッチングできていないので申し訳ないのですが。。。)

投稿: 僻地の産科医 | 2009年8月17日 (月) 20時11分

>「夏の間に落ち着くことは期待できず、学校が始まった時が心配だ」

2学期が始まって学校を中心に大流行がおこることが10日以上前から関係者はほぼ全員がわかっている状況だと思いますが、
何か手はないのでしょうか

投稿: 京都の小児科医 | 2009年8月18日 (火) 07時25分

たとえば、喘息児などリスクのある子供に対する対応とか
抗ウイルス剤の予防内服???←これは難しいかも知れませんが
具体的に提言する必要があるのでは

投稿: 京都の小児科医 | 2009年8月18日 (火) 07時34分

感染症法施行規則????

実は事実を正確に把握しているわけではないのですが。。。
新型インフルエンザ対策の達人様のHPでは
http://newinfluenza.blog62.fc2.com/blog-entry-567.html
感染症法施行規則は入院患者で重症者がいる場合、保健所に連絡すると定めていることはないとのべておられます。

投稿: 京都の小児科医 | 2009年8月18日 (火) 07時59分

恐らく新聞屋さん達がこうした通達を知っていたとも思えませんので、厚労省なり保健所なりに問い合わせるなりの過程で誰かが勘違いしたか、伝言ゲームになったんだろうと思えますね。>感染症法施行規則違反云々

若年者の集団感染ということが結構大事になりそうだと明らかになってきているわけで、こうなりますと9月以降誰からワクチンを打っていくかという議論にも影響がありそうな気がしますけれども。
ちなみに本日付の読売の記事にはこんなものが出ていましたが、0.45%云々の出所はこのあたりなのでしょうか。

致死率0・5%…新型インフルは意外に強力(2009年8月18日読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090818-00000046-yom-sci
 新型インフルエンザが流行した米国とカナダでの致死率は0・5%程度で、1957~58年に世界で100万人以上が亡くなった当時の新型インフルエンザ「アジア風邪」並みだったことが、オランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員(理論疫学)らの研究で分かった。

 新型の致死率は、これまで世界保健機関(WHO)などが今年5月の流行初期にメキシコで調べた推定値(0・4%)しかなく、医療体制の不備で高めの数字になっているという指摘もあった。医療水準の高い国でも、同様の致死率が推定されたことで、秋冬の大流行に備え、改めて注意する必要がある。米科学誌に近く発表する。

 チームは、米国とカナダで今年5、6月までに新型に感染し、遺伝子診断を受けて確定した患者数と死者数を使い、独自の手法で計算。新型の致死率は、通常の季節性インフルエンザ(0・1%)より高く、世界で100万人以上が亡くなったアジア風邪(0・5%)並みと推定された。

 国内でも15日に、新型による死者が初めて確認されたが、西浦研究員は「医療体制を充実させ、犠牲をできるだけ減らすことが大切」と話している。

投稿: 管理人nobu | 2009年8月18日 (火) 15時03分

> 米科学誌に近く発表

なので、まだ論文が出ていないのですね。
ありがとうございました!

国立感染症研究所のHP(WHOベース)では、
世界の患者数 177,457(死亡者1,462)
となっております。

単純計算ですと、0.82%なんです。

投稿: 僻地の産科医 | 2009年8月19日 (水) 22時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/519753/45952517

この記事へのトラックバック一覧です: 新型インフルエンザ、国内初死亡例の報告:

« 今日のぐり「菊寿し」 | トップページ | 医療の世界には不正が沢山? »