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2009年7月29日 (水)

そろそろ選挙向けに政策発表もされてきていますが

表題の件とも関連して今日はまず、最近海の向こうでやたらと大騒ぎになっているという例の件からご紹介してみましょう。

〔焦点〕オバマ米大統領、医療保険改革の国民からの支持獲得に苦戦(2009年7月24日ロイター)

 [ワシントン 23日 ロイター] オバマ大統領は、無保険者の解消を目指す医療保険改革を最優先課題と位置づけているが、巨額の費用がかかることなどがネックとなり、国民からの支持を得ることに苦戦している。

 政府はこれまで、7870億ドルの景気刺激策や、銀行・自動車業界への多額の支援を実現させてきた。ただオバマ大統領は23日、医療保険改革法案について、8月の議会休会入り前の可決は難しいと認めた。

 医療保険改革は、オバマ氏の大統領選の目玉だった。それがクリントン元大統領のように失敗すれば、求心力の低下にもつながりかねない。

 オバマ大統領は22日夜の記者会見で、医療保険改革への抵抗感が強い原因として、景気対策につぎ込まれている資金について国民は「当然のことながら、不安に感じている」と分析。「数兆ドルがここそこに使われている。リセッション(景気後退)のなか国民は消費を減らしているのに、政府だけが支出を増やしている、との不満がある」と述べた。

 世論調査会社ゾグビーのジョン・ゾグビー氏は、国民は「犠牲疲れ」を起こしていると指摘。国民の間では、税金が景気対策に使われているが、その効果が感じられない、との不満が広がっている、としている。

 同氏は「大統領が改革を追求するのは正しいが、ほかの案件も多いなかで、改革を国民に納得させるのは、非常に厳しいだろう」と述べた。

 オバマ大統領は、改革により最終的には財政赤字が縮小し、多くの国民にとっても医療保険が改善する、と訴えている。最大の焦点は、10年間で1兆ドル程度かかるとみられている医療保険改革の財源問題だ。

 <費用は誰が負担するのか>

 オバマ大統領は22日に初めて、富裕層への増税に言及した。しかし、改革のコストは、増税や経費削減を上回る、との懸念が出ている。

 共和党は、医療保険改革について、財政赤字拡大につながると批判。

 上院のマコネル共和党院内総務(ケンタッキー州選出)は「民主党案では国民の負担が大幅に増し、状況はますます悪くなる」としている。

 改革について国民は、国民全員が費用を負担して現在無保険の4600万人に保険を提供するものだと考えている、とアナリストは指摘する。バージニア大学の政治科学教授、ラリー・サバト氏は「根本的な問題は、大半の国民が、現在の自分の医療保険に満足していることだ。今の保険に満足ならば、どうして現状を変える必要があろうか」と述べた。

 サバト氏は、大統領は改革の縮小を迫られる可能性があると述べた。

 クリントン大統領(当時)以来17年にわたり、民主党は医療保険改革を訴える根拠として、無保険者に保険を提供することを主張してきた。

 しかし世論調査では国民の多くが改革に懐疑的という結果が出るなか、オバマ大統領は最近では論調を変え、医療保険改革が国民1人1人にどのような恩恵を及ぼすか、という点を強調するようになっている。

 大統領はオハイオ州での演説で「あなたが既に医療保険に入っているならば、われわれが提案している改革で、あなたは一段の安心を得ることになる。医療保険に関するあなたの決定に政府が介入することはない。現在の保険に満足なら、それを維持することもできる」と述べた。

 シンクタンク「サード・ウェイ」の経済プログラムディレクター、アン・キム氏は、オバマ大統領の論調の変化が持つ意味は大きい、と指摘する。既往病があっても保険加入を拒否されることがない点など、医療保険改革の利点を国民に納得させることができる、との見方を示した。

 同氏は「国民の多くは医療保険改革について、無保険者に保険を提供するだけのこと、と考えている。実際はこれだけではない」と述べた。
 (Steve Holland記者;翻訳 吉川彩;編集 村山 圭一郎)

民主党政権といえばヒラリーを筆頭にかねて医療保険制度改革をやるぞやるぞと言ってきたところですが、実際にやるとなるとこれまた一筋縄ではいかないというのも現実でしょうかね。
面白いのは現地の邦人などには必ずしも評判の良くない(苦笑)米国流の医療システムについて、当事者である米国民の大部分は満足しているという記述があることです。
このあたりは元々自己責任という考え方の強い人々だけに日本人とは医療に対する考え方も違うという背景事情もあるのでしょうが、皆保険制度というものが当たり前の前提になっている一般的日本人には逆に感覚的に理解しがたい部分でもあるのかも知れません。

しかしこういう騒ぎを見るにつけ、諸外国から日本の国民皆保険制度が奇跡であったなどと言われるのも、実際の運用面は元よりああいうものを導入できた事自体にも大きな要因があるのだろうなと言う気がします。
そうした中で海の向こうからは日本の医療政策はこう見えているんだなという面白い記事がありましたのであわせて紹介しておきましょう。

「日本の医療・介護政策は官僚制度の成果」(2009年7月23日CBニュース)

 日本の官僚制度はうまく機能してきた―。日本における政策決定の過程などを研究している米ミシガン大名誉教授で、東大高齢社会総合研究機構客員研究員を務めるジョン・C・キャンベル氏は7月22日、国際文化会館が主催したアイハウス・アカデミーで、「日本の政府と高齢化社会」と題して講演した。

 キャンベル氏は高齢者の医療制度について、1973年に高齢者の医療費無料化が政治主導で行われたが、病気ではない高齢者も病院へ行くなどの弊害が生じたと指摘。そこで、旧厚生省の官僚が省内外で制度に関するコンセンサスをつくった上で微調整を図ることなどにより、老人保健法という制度改革を実現したと述べた。
 一方で、2008年から実施されている「後期高齢者医療制度」については、準備や説明が不十分なまま導入されたために、国民の嘲笑(ちょうしょう)や怒りの的になっていると指摘した上で、現状は手直しの方法が分からず、廃止するのも難しい「悲惨な状況」にあると分析した。

 また、介護保険制度は、新しく大規模な取り組みであり、世界的にもリーダーとしてのポジションにあると評価した。制度改革に伴う06年の「介護予防」導入についても、受給者の範囲拡大を抑えることができたと述べた。

 さらに、日本の官僚制度を批判し、米国のような政治主導で政策形成が行われている制度を評価する考え方を紹介した上で、米国では官僚の持つ政策立案機能がなくなってしまったと指摘。こうした考え方に疑問を呈し、専門家である官僚が詳細を詰める日本の制度を評価した。

 続いて行われた質疑応答では、日本の官僚制度が批判にさらされているが、本来、官僚のせいではないことまで官僚が悪いとされている現状があると指摘。その上で、官僚制度をつぶせば問題を解決できるというわけではないと強調した。

ま、どんな制度だろうが何事にも出来ることと出来ないことがありますから、最善の結果を達成するために最も合理的な方法論というものを選んでいくということは何であれ大事なことであるとは思われるところですよね。
その点では医療政策に限らず非現実的な耳障りの良いことばかり言っているのも問題であるし、地に足がついているのは良いが何も状況を改善できない堅実さだけでも問題であるし、恐らくはその中間に程々に落ち着くべきところがあるのでしょうが、残念ながらそういう中庸というものは案外世間受けはしないものなのかも知れません。
さて、海のこちら側でも政権交代などと選挙の準備で大騒ぎの最中ですが、次の選挙の争点は何かということでこんな調査結果が出ています。

衆院選で重視する政策、「年金・医療」55% 日経世論調査(2009年7月23日日経ネット)

 日本経済新聞社の世論調査で、次期衆院選の投票の際に重視する政策を複数回答で聞くと、最も多かったのは「年金・医療」で、7月上旬の前回から9ポイント上昇して55%だった。前回は1位だった「景気対策」が1ポイント上昇の49%で続き、3位は前回と同じ「雇用対策」で3ポイント低下の42%だった。「8月30日投開票」の日程が決定し、より身近な社会保障政策に関心が集まっていると言えそうだ。

 年齢別に見ると20歳代では「景気対策」が49%、「雇用対策」が47%で「年金・医療」は37%の3位だった。60歳代では「年金・医療」が66%で、2位の「景気対策」の46%を大きく引き離した。年金・医療が生活に切実にかかわる高齢世代の関心が高いのに比べて、支える側の若い世代の関心の低さが目立った

日本社会も今は何かと生きるに厳しいという状況ですから、特に高年齢層において身近に迫り来る医療や年金の問題ということに興味が集まるのは非常によく理解できるところですが、若い世代には先が長いだけに目先の事だけにとどまらず先を見据えた選択をしてくれればと願わずにはいられません。
特に人口構成から考えてもこれからの時代は高齢者層がますます力を持ってくるわけですから、うっかりしているとトンでもないツケを知らない間に背負い込まされていた、なんてことになりかねませんからね(昨日のデータでも最も我が儘な年代は…という話もありましたし)。
最近はひと頃よりは投票率なども改善傾向のようですが、少なくとも自分の意思を示す機会は逃さずに主張すべきところを主張していかなけれなならないでしょうね。

ところで既に次期政権与党確実とも噂されている民主党ですが、同党は以前からこの社会保障問題に関しては積極的な提言を行ってきたことが知られています(残念ながら医療事故調民主党案などの扱いにも見られるように、省庁の方では完全無視を決め込まれたりと必ずしも報われてはいなかったようですが)。
その民主党が一足先にマニフェストを公表しているのですが、これも国民の声に応える形で医療政策が大きく前面に出てきているという点には注目すべきだと思いますね。

医療再生、「医師不足対策が中心」―民主党マニフェスト(2009年7月27日CBニュース)

 民主党は7月27日、「医療・介護の再生」のために医師不足の解消や介護労働者の待遇改善などを盛り込んだ衆院選マニフェストを発表した。マニフェストは医療・介護の再生のほか、「子育て・出産の支援」「年金制度の改革」「雇用対策」などが柱で、2010-13年度に実行する政策の工程表も示した。それによると、税金の無駄遣いや天下りなどを根絶して新たな財源を生み出し、13年度には総額16.8兆円を掛けて政策を実行する。鳩山由紀夫代表は記者会見で、「わたしたちは、一人の命も粗末にしない政治を今こそつくり上げなければならない」と強調した。

 マニフェストで示した「医療・介護の再生」のための政策には、「医師不足の解消」「新型インフルエンザなどの対策」「介護労働者の待遇改善」などを掲げた

 会見では、直嶋正行政調会長が医療・介護について、「医師不足対策を中心に取り組んでいきたい」と述べた。マニフェストではそのために、医師や看護師などの増員に努める医療機関の入院による診療報酬の増額や、大学医学部定員の1.5倍拡大などを行う方針を示している。また、救急、産科、小児、外科などの医療提供体制を再建するため、地域医療計画の抜本的な見直しを行う。13年度までの4年間の所要額は、9000億円程度を見込んでいる。

 新型インフルエンザ対策では、関連法制を全面的に見直すとともに、診療や相談、治療の体制の拡充を図る。また、ワクチン接種体制を整備する。がんについては、乳がんや子宮頸がんの予防や検診を受けやすい体制を整備し、検診受診率を引き上げる。また、子宮頚がんのワクチンの任意接種を促進する。
 肝炎では、患者が受けるインターフェロン治療の自己負担額の上限を月1万円にする。治療のために休職する患者の生活や、インターフェロン以外の治療に対しては支援を行う。所要額は3000億円程度としている。

 一方、介護労働者の待遇改善のため、認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる。また、介護サービスの不足を軽減するために、「療養病床削減計画」を当面凍結し、必要な病床数を確保する。所要額は8000億円程度。

■中医協改革「取りまとめていない」
 会見後には、直嶋政調会長らが記者団に対し、23日に発表した政策集について説明。直嶋政調会長は、「政策集は党としての政策の考え方を示したもので、マニフェストのように当面の選挙の考え方を示したものではない」と述べた。政策集に盛り込まれた中医協改革については、「一部報道であったように、国会で(中医協についての議論を)形成するなど、具体的なところまで議論として取りまとめているわけではない」と強調。また、「医療については、診療報酬も含めてもう少し税金を投入する必要はあるだろう。薬価などについても、その中で議論をしていきたい」との考えを示した。

どのような形になるにせよ医療・介護制度というものが現状そのままではどうもこれはよろしくないだろうというのは今や与野党共通の認識となっているとは感じるところで、それに対して積極的な提言を競うように出してきている点は評価に値するとは思うのですが、個別に見てみますと少しばかり「?」な話も散見されるようですね。
まずは某掲示板界隈では賛否両論、というより非難の声轟々(苦笑)という気配すらあるこちらの話題から取り上げてみましょう。

民主公約「医学部定員5割増」明記へ 時期や道筋は未定(2009年7月23日朝日新聞)

 民主党は医師不足解消策の一環として、衆院選マニフェスト(政権公約)に、大学医学部の定員を5割増やす目標を明記する方針を決めた。医師不足が特に深刻な救急や産科、小児科、外科の充実に向け、地域の医療機関の連携強化や、国公立病院の医師定数増員も明記する。

 政府は80年代後半から定員削減策をとってきたが、医師不足の拡大を受けて08年に方針転換した。しかし、民主党の鳩山代表はまだ不十分だとして、6月の党首討論で「政府・与党との政策の違いの一つが医療問題」と医学部定員5割増を明言。公約にも明記することになった。

 公約では、従来政府がとってきた年間2200億円の社会保障費抑制方針は採らず、医療再建のため十分な予算を確保するとしている。当面の目標として医師数を人口1千人あたり現行の2.1人から、主に先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の平均である3.1人まで増やす方針を掲げる。

 さらに、地域医療機関の連携や、「医療従事者等確保支援センター」設置、看護師なども含む医療従事者の確保やあっせん、休職者の復職支援も盛り込む。ただ、目標達成年次はあいまいで、具体的な道筋ははっきりしていない。(秋山訓子)

医師不足だと言いながら、実は当事者である医師の間で「それじゃ医師をバンバン増やそうじゃないか」で一枚板に固まっているかと言えば実のところそんなことは全くありませんし、むしろ根強い反対論も目立つくらいです(いわゆる抵抗勢力、ですか?)。
一般市民は元より医療従事者の間でもこのあたりは立場による見解の相違というのは当然ながらあるところで、例えば一部では御高名なる本田大先生の御見解丸写しじゃねえか!などと言う意見もあるようですが、逆に言えば「とにかく医者を増やせ」という主張をする医師ももちろんそれなりにいて、それがさらに反対派の警戒感を呼んでいるところもあるのでしょうね。
それはともかく反対派の例として某所における非難の集中している部分としては、概ね以下の諸点に集約されるのではないかと思いますね。

1.急に医学部定員大幅増となれば、医学部に入ってくる学生のレベルが大幅に低下し将来的に医師のレベル低下につながる。

2.新卒医師を幾ら増やしたところで指導医がいなければまともな医師教育が出来ず、やはり低レベルの医師が増えるだけである。

3.医療費総額は増やすとも言っていないのに人員だけ大幅に増やしたところで、待っているのは歯科医と同様のワープア化である。

いずれもそれなりに根拠のある話で、特に3.については既に歯科や司法の大量増産で辿った道だけに説得力があるのですが、更によく見ますとマニフェストにおいても医師らを集めた病院などに金を出すと言っているだけで、医療費総額を増やすと言うわけではない点にも注意しなければならないでしょう。
しかし逆に言えば医師数は増やさなくて良いのか?と言う話に対して全く増やさなくて良いと言う意見も恐らくは少数派であって、要はその方法論の問題という言い方が出来るかと思います。
ただ医学部定員に限らず一般論として質的に大きな差が出ないというのはせいぜい1~2割増くらいのもので、一度に大幅増ということになりますとやはり人材の質は変わってくるのではないかという懸念は濃厚ですから、民主党がそうした政策を行うというのであれば最低限国民に医師量産のネガティブ面の説明と同意を取り付けていただく必要はあるでしょうね。

医師らの待遇に関しては今の極端な高止まりもその背後にある労働環境も含めて問題なのですが、何しろ現場が一杯一杯の状況だけに迂闊にバランスを崩した瞬間に一気に全部が崩壊するリスクということも考えないではいられません。
その意味では今の現場を支えている中堅層に更に大量の研修医指導という重責を担わせた場合、現場がどういうことになるのかは…ま、実際のところはやってみないと判らないところではありますけれども、失敗した場合のリスクというものも考え国民への説明と同意を得た上でやってもらいたいとは思うところですよね。
ただし過去の行きがかり上もあってか、この段階に至っても医師配置の強制化などといった政策を表に出してきていないのはそれなりに評価出来るところかと思いますね(逆に言えば短期的な実効性の程は不明でもあると言えますが)。

一方で介護の領域でこんな政策も発表しているのですが、こちらも記事から紹介しておきます。

介護型療養病床の削減を中止 民主政策集、施設増設は3倍速に(2009年7月25日中日新聞)

 民主党は25日までに、政府が2011年度末までの廃止を決めている介護型療養病床について、行き場のない介護難民を生まないよう削減を中止し、必要な病床数を確保することを、衆院選マニフェスト(政権公約)の基になる政策集に盛り込んだ。

 併せて約40万人とされる介護施設の入所待機者の解消に向け、グループホームや特別養護老人ホームなどを、地方自治体の整備計画の約3倍のスピードで増設する。

 ただ、療養病床の維持や介護施設整備に必要な予算規模や具体的な財源は明示しておらず、与党が「現実的な裏付けがない」などと批判を強めることは必至だ。

 療養病床は慢性疾患の高齢者らが長期入院する病床。政府は医療制度改革の一環として、医療保険が適用される医療型と介護保険適用の介護型の計35万床(06年度時点)を、12年度末までに医療型のみの22万床に削減する計画。コストがより低い介護施設などへの転換を進め、社会保障費の抑制につなげたい考え。

 だが、主な転換先とされる「介護療養型老人保健施設」(新型老健)については、病院関係者から「療養病床並みのサービスは提供できない」との声が上がっていた。

 このほか政策集は、介護現場の人手不足解消策として、事業者に支払われる介護報酬を7%アップし、介護職の賃金を月4万円程度引き上げることを掲げた。「利用者の自己負担増や保険料上昇につながらない方法で行う」としたものの、財源措置には言及していない

 介護の必要度を評価する要介護認定については、4月から実施された新たな基準で「実際より軽く認定されるのではないかという不安が高まっている」と指摘。生活実態やニーズが適切に反映されるよう見直す。

3倍速ってまさか赤のことを言っているのか!?30周年だけにあやかって赤なのか?!(笑)
まあそれはそもかく、さすがに状況を理解していない人でも「これはちょっとどうよ?」と思わざるを得ないくらいに非現実的な話だとは感じないでしょうか?
そもそも厚労省も長年療養病床の老健への転換を進めていながら未だに達成されていないわけですが、何故そうなっているのかといった辺りを検証している気配がないのは気になるところですよね。

介護スタッフの待遇改善ということに関してももちろん非常に重要なことなのですが、与党にしろ改善しなくていいと言っているわけではなく財源がどうかというところが争点になっている状況で、肝心の金の出所は判りませんでは何かしら議論をはぐらかされたような印象を拭えません。
いやさすがにこういうあからさまに実現性に乏しい話を公の約束事であるかのように発表することの是非もさることながら、そうした事を本気で目指していくというのであれば現場との率直な意見交換というものがもう少しあってもよいのではないかなと思うのですが如何でしょうか?

現状では正直申し上げて「市長になれば医者くらい確保できるだろうと考えていた」という素敵な言葉を残された某市長さんと同じで、「政権与党になればこれくらい出来るだろうと思っていた」と言ったレベルの絵空事としか言いようがないという気がするところです。
こうなりますと実際にこれを実現させるために政権獲得後何をどうするのかという話の方がむしろ気になってくるところで、これを文字通りそのままにというのは恐らくあり得ないだけに、実施段階でどのように形が変わっていくか、その程度によってはまたぞろ「公約違反だ!」なんて声も挙がってくることになるのかも知れませんね。

しかし民主側がこう言うことだとなりますと自民党側では非現実的政策の羅列といったことを政策対立軸を演出するキーワードに据えているようなのですから、それならば今後出てくるであろう同党のマニフェストが民主党案と比べてどれくらい手堅いものなのかと言う点にも注目していかなければならないのでしょうね。
おそらくは政策としての実現性が高ければ現実の問題としての医療崩壊に対処できない可能性が高いでしょうし、実効性が高いとなれば政策としての実現性がどうかという話にもなりかねないでしょうから、いずれにしても「これが正解」というような単純な答えがそうそう用意出来るとも思いがたいところではあるのですが。

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コメント

厚労省が長年療養病床の特養への転換を進めているという事実はありません。
認められているのはあくまで老健への転換で特養転換は案が出たところで既存の特養運営団体の反対で立ち消えとなっているはずです。

医療法人への特養解禁撤回 厚労省、関係団体の反対で
http://www.47news.jp/CN/200711/CN2007111001000303.html

投稿: 事実誤認 | 2009年7月29日 (水) 15時02分

ご指摘ありがとうございます。「特養」→「老健」へと訂正させていただきました。

投稿: 管理人nobu | 2009年7月29日 (水) 16時14分

うちの准教授に聞いた話ですと、医学部学生増員に関しては、すでに医学教育学会ですら、「現状の大学の状況では無理」という結論にほぼ達しているようですね。
少なくとも、大学補助金の大幅な増額と、人員の大幅増をせずに学生だけを増やしても。画餅どころか大学教育そして、臨床研修教育は間違いなく崩壊するだろう、という予測を立てているようです。そして、医学部の教員・臨床指導は医師でないとほとんど役に立たないので、今の「大学から医師をひきはがす」方針である以上、「不可能」という結論しか出ないね、とむなしく笑ってました(^_^;)

投稿: Seisan | 2009年8月 1日 (土) 00時03分

結果論として言うと、ひと頃の定員削減がずいぶんと余計なことになりましたかね。
ただこの機にいっそ大学病院を教育の場から切り離すという選択肢もあっていいかも知れないと思ってます。

投稿: 管理人nobu | 2009年8月 3日 (月) 12時49分

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