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2009年7月 2日 (木)

新型インフルエンザ、なぜか夏とともに再加速の兆し?

前回に引き続いて、今日も新型インフルエンザ絡みの新しい話題をみていきますが、結論から言いますとどうやら誰もが「何かおかしいぞ?」と感じ始めているようですね。

さて、既に実数把握も困難となっている新型インフルエンザですが、順調に患者数は増加している中で予想通りという事態が次々と報告されています。
まずはこちら、いずれどこでもそうなるという話からご紹介しましょう。

【新型インフル】看護師5人が院内感染か 市立川崎病院(2009年6月26日産経新聞)

 川崎市は26日、市立川崎病院の看護師5人が新型インフルエンザに感染したと発表した。5人は同じ集中治療室(ICU)病棟に勤務しており、院内感染とみられる

 市は、濃厚接触者に当たる同僚の医師や看護師らのほか、治療を受けた患者の検査をしているが、ほかに症状が出ている人はいない。

 市によると、同病院は新型インフルエンザ患者を治療する感染症指定医療機関だが、5人は感染症病棟に出入りしていない。ICUではマスクや感染防護服などをして患者に接するため、患者からの感染や患者への感染の可能性は低いとしている。

【新型インフル】タミフル耐性を初確認 デンマークの感染者(2009年6月30日産経新聞)

 世界保健機関(WHO)は29日、デンマークの新型インフルエンザ感染者の中から、抗ウイルス剤タミフルに耐性を持つ初のウイルス検体が確認されたことを明らかにした。

 タミフル投与はワクチンが完成していない現在、新型インフルエンザの治療で最も有効な手段だが、タミフルが効かないウイルスの感染が拡大すれば、対策の練り直しを迫られる恐れもある。

 WHO当局者によると、耐性ウイルスはデンマークの軽症患者1人から確認された。患者は既に回復して元気になっている。ウイルスは同じH1N1型が突然変異したものだが、今のところ耐性ウイルスが拡大する兆しはみられないという。

 WHOは加盟国間を結ぶ情報網を通じて耐性ウイルスの確認を伝達。拡大しないかどうかを注視する方針。(共同)

ICUと言えば感染症患者の吸引等は当然にしているでしょうから、感染防御に対するマスクの効能ということを考えた場合に常時N95マスクでも正しく装着しているとか言うのでなければ必ずしも患者からの感染を否定できないような気もするのですが…
それはともかくとして、一度こういうことになってきますと後は広がっていくばかりと思われますから、まもなくニュースバリューもないほどに珍しくもない話になっていくのは確実なのでしょう。
気になるのはこうした院内感染や耐性ウイルスといったものによって、以前に他の感染症で経験されたが如く新たな訴訟リスクが高まることも十二分にあり得るのかなと懸念されるところです。
民事訴訟は訴える自由は保障されているとはいえ、一度そういうことになりましたなら現状ですら損ばかり被っている各地の医療機関が一斉に手を引き始める可能性すら無しとはしませんよね。

一方で、発熱外来であるとか隔離病棟であるとかコストが高い割に、診療報酬上は従来型インフルエンザと同じということで病院にとっては持ち出し確実な新型インフルエンザの診療ですが、そろそろ経営的な実態が表に出てきたようです。
特に患者が集中する施設ですと既に大変な目にあっているらしいというニュースをこちらから引用してみましょう。

新型インフルによる減収で財政支援など要望-全自病(2009年6月25日CBニュース)

 全国自治体病院協議会(邉見公雄会長)は6月25日の記者会見で、新型インフルエンザ対策に関する要望書を舛添要一厚生労働相に提出することを明らかにした。要望書では、自治体病院などの医療機関で、緊急対応のための病床確保や外来患者の減少によって減収となっていることから、補助支援などの体制構築を要望する。

 具体的には、▽施設設備費▽設備整備費▽運営経費(間接的経費を含む)―のほか、診療を行う医療従事者に対する補償制度と医療物資の供給確保を求める。

 邉見会長は自治体病院への新型インフルエンザの影響について、奈良県のある病院が発熱外来を設置したために、救急外来に対応し切れなくなった結果、病床稼働率が90%から60%になってしまい、収入が1億円近く減少としたという例などを挙げた。その上で、「公立病院の使命なので仕方がない」としながらも、会員病院からの悲痛な訴えを受け、同日開かれた常務理事会で要望書の提出を決めたという。

このあたりは折から選挙も近づいているところではありますから、世論を巻き込んでうまいことアピールすればそれなりに面白い話が引き出せるのかも知れないところなんですが、果たして医療関係者の中にそういう策士がいるかという話ですよね(苦笑)。
凋落著しい医師会の政治力なんてものを見ているだけでも既に業界圧力団体としてすら機能していないということが丸わかりなんですが、せっかくですから新設の全医連あたりがここらで一つ強烈なアピールで男を上げてみるというのもいいんじゃないでしょうか?

それはともかく、夏がくれば流行は終息するなどと言う話が何処に行ったのかと今や世界的に話題になってきているようです。
最近になってようやく実数データが出てきていることもあって、日本国内でもいつまで経っても終息の気配が見えないことがようやく騒がれてきているところですが、実は日本に限らず海外でも同じような傾向であるようですね。
もともとインフルエンザというウイルスは実験室レベルでも体温よりやや低い33~34℃くらいで良く増えるということが知られていますが、あるいはこれは温度感受性の変化といった新型ウイルスの持つ何らかの生物学的特性によるものやも知れませんね。

新型インフル、感染第3の山突入か(2009年6月25日読売新聞)

 国内における新型インフルエンザ感染者は、世界保健機関(WHO)が4月27日に初めて警戒レベルを引き上げてから約2か月で1000人を超えた。

 感染は今も収まる兆しを見せておらず、政府の新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会の尾身茂委員長は「今後も感染が急拡大する南半球からのウイルス流入は避けられず、夏場も今のような状況が続くだろう」と指摘している。

 発症日ごとの流行状況をまとめた厚生労働省の集計によると、国内の感染者は兵庫県と大阪府の高校で集団感染があった5月17日に67人とピークを迎えたが、休校措置の効果が出て下火になった。しかし6月上旬に福岡市の小中学校などで新たな感染が確認されると、同月10日に42人が発症し、2度目のピークを記録。その後も東京都内の高校などで感染が相次いだほか、海外からの帰国者の発症も増えている。同省が集計を週1回に切り替えた19日以降も感染者は1日40~50人ほど確認されており、流行は第3の「山」に入っている可能性がある。

 同省によると、感染者の約7割は10代以下の若い世代。これまで重症化の報告はない。同省の担当者は「海外渡航歴などもなく、感染源が全く分からない感染者が一定の割合で出てきているのは確か」と徐々に感染が広がっていることは認める一方、「感染者の7~8割はすでに完治し、患者が急増しているわけではない」と強調する。

 政府は当面、行動計画を現在の第2段階(国内発生早期)から第3段階(まんえん期など)に引き上げず、流行の第2波が予想される秋以降に向け、妊婦や持病がある人など重症化する恐れがある患者の治療を最優先する医療体制の整備などを急ぐ方針。

 WHOの発表(24日現在)によると、世界の累計感染者数は5万5000人を超え、最も多いのは米国の2万1449人。冬場に入る南半球でチリが4315人、オーストラリアが2857人などと急増中で、死者も世界全体で238人出ている。

新型インフル、不気味な拡大(2009年6月30日読売新聞)

米CDC「真夏に消滅」撤回

 新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染者が、世界で増え続けている。世界保健機関(WHO)がウイルスの警戒水準を「フェーズ6」に引き上げ、世界的大流行を宣言してから半月余り。

 ウイルスが活発化する冬に入った南半球だけでなく、夏を迎える北半球でもウイルスは依然、広がっており、病原性を増すようなウイルスの変化にも警戒を怠れない。(ワシントン 山田哲朗、バンコク 田原徳容、ジャカルタ 林英彰、ジュネーブ 平本秀樹)

南半球で急増

 新型インフルエンザが最初に発生したメキシコのリゾート地カンクンで7月1~3日、WHOのマーガレット・チャン事務局長や日本の厚生労働省幹部も参加して、国際会議が開かれる。新型インフルエンザ対策を練り直すのが狙いだ。

 メキシコと共に最初に感染が広がった米国は、感染が確認された人が2万人を超えており、今も世界最大の感染国だ。米疾病対策センター(CDC)による25日の集計では、感染者は1週間前より6000人以上増え、感染の勢いは加速している。

 CDCは当初、「北半球でウイルスは、真夏になれば消える」と予測したが、秋冬の流行シーズンまでじりじりと感染が続くとの見通しに改めた。CDCは26日、受診していない軽症患者を入れると全米の感染者はすでに100万人以上に上るとの推計を示した。

 南半球では、感染拡大の勢いはさらに著しい。WHOによると、豪州と南米アルゼンチン、チリの3か国の感染者の合計は、26日までの1週間で3600人増えて、9800人を超えた。人口当たりだと、米国の2倍以上のテンポだ。
(略)
 国内では、関西での新型インフルエンザの感染が一時のピークを過ぎた後も、各地で感染者が相次いで見つかっている。厚生労働省などによると、感染者数は29日午前11時現在で42都道府県1214人(検疫、在日米軍基地を含む)に達した。世界的にみても9番目(26日現在)に多いという。

 6月に入って気温が上昇しても感染が続き、20歳代以下が感染者の8割を占めるなど、季節性インフルエンザと異なる傾向を示す。ただ、現時点で重症化した症例はなく、約7割はすでに治癒している。

 岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長は「感染経路がはっきり分からないケースが増えている。地域的にもばらけており、感染がくすぶっている」として、今後も断続的に感染が広がると予想する。政府の諮問委員会委員長の尾身茂・自治医大教授も「秋冬に、感染が大きく広がる可能性が高い。長期戦の覚悟をした方がよい」と注意を呼びかける。

 政府は秋以降の第2波に備え、感染者は原則、全医療機関で受診し、重症者以外は自宅療養とする方針を示した。新型向けのワクチンは、国内4メーカーが来月にも製造に着手する方針だ。(科学部 高田真之)

いずれにしてもここまでくるともはや一朝一夕で片付く問題でもないことは当然なのですが、ひと頃のパニック的状況が通り過ぎた後となって、面白いのは国民の反応なんですよね。
最近はマスコミ報道などもすっかり下火であることからも判るように、すでに国民の関心は新型インフルエンザから離れているんじゃないかとも取れる節があります。
秋以降順次新型対応のワクチンが出荷できるようになってくるとされていますが、その一方でこういう報道を目にするにつけ、たくましいと捉えるべきか熱しやすく冷めやすい国民性の表れと見るべきか判断に迷うところなんですけれども(苦笑)。

ワクチン接種希望、新型が季節性を下回る(2009年 6月24日CBニュース)

今秋以降の再流行が懸念される新型インフルエンザのワクチンの接種を希望する人の割合は51.3%で、季節性インフルエンザワクチンの接種を希望する人の53.1%をわずかに下回っていることが、三菱総合研究所の調査で明らかになった。

調査は、20歳以上の男女を対象に、6月9、10日に実施。1032人から回答を得た。

それによると、今後開発が進められる新型インフルエンザワクチンを「接種したいと思うか」と聞いたところ、「接種したい」と答えた人は51.3%。「分からない」は27.5%、「接種したくない」は21.2%だった。
また、季節性インフルエンザワクチンの接種については、「接種したい」が53.1%で、新型インフルエンザワクチンよりも接種を希望する人がやや多かった。

■勤務先や学校、過半数が「通常通り」
新型インフルエンザへの感染を防ぐため、自身や家族がどのような行動を取ったかを聞いた質問では、「新聞やテレビで情報を収集した」が75.9%で最も多く、以下は「手洗いや手指消毒を励行した」(74.3%)、「マスクを購入、備蓄した」(48.1%)、「外出時にマスクを着用した」(39.1%)と続いた。

また、勤務先や学校で取られた措置について聞いたところ、「通常通りだった」が57.6%で半数を超えた。以下は、「会社や学校の入り口やトイレ等に消毒液が設置された」(17.9%)、「通勤や通学時のマスク着用を求められた」(16.3%)、「会社や学校の建物に入る際の手洗いを求められた」(14.2%)だった。

■患者未発生で休校、約半数が「厳し過ぎた」
国や自治体の対策の中で「厳し過ぎた」(「やや厳し過ぎた」「非常に厳し過ぎた/実施すべきではなかった」)との声が最も多かったのは「患者が発生していない学校の休校」で、45.2%に上った。
一方、「厳しくするべきだった」(「もっと厳しくするべきだった」「もう少し厳しくするべきだった」)とされたのは、「国際空港等での水際対策」が最も多く、38.7%だった。

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