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2009年7月23日 (木)

いつも期待を裏切らない人たち

最近マスコミに好き放題言わせておくばかりでは駄目だという認識が滲透してきているようで、ようやく市民の健全なチェック機能がマスコミ業界にも働き始めたかと喜ばしいところです。
今日は先日報道されておりましたこちらのニュースをまず紹介してみましょう。

毎日記者ら二審も賠償命令 術後死亡めぐる記事出版(2009年7月15日47ニュース)

 東京女子医大病院で2001年、心臓手術を受けた群馬県の少女の死亡を「手術ミス」と報じた連載記事の出版は名誉棄損に当たるとして、元担当医が毎日新聞記者5人と発行元の集英社(東京)に計200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は15日、80万円の支払いを命じた一審東京地裁判決を支持、双方の控訴を棄却した。

 判決によると、集英社は毎日新聞の取材班が02年1月から連載した新聞記事をまとめた新書「医療事故がとまらない」を03年に出版。元担当医は少女の死亡で業務上過失致死罪に問われたが、無罪が確定している。

 柳田幸三裁判長は、毎日側が「ミスがあった」と報じる根拠とした病院の内部報告書について、連載終了から1年以上たった出版時点では、元担当医側の公判での主張や心臓などの関連3学会の報告書で疑問が示されていたと指摘。

 その上で「連載後も追跡取材していれば、内部報告書の結論に重大な疑いがあることを知り得た。記者らが3学会の報告書などを検討せず、内部報告書の内容を真実と信じたことに相当の理由はない」と結論付けた。

 元担当医は請求額を一審では1千万円としていたが、控訴審で200万円に減額した。

この事件、執刀医がカルテを書き直したということが大々的に報じられて以来「手術ミス」という言葉が一人歩きしていますが、裁判としての経過を見てみると非常に興味深いものがあります。
そもそも死因を確認するための剖検も何も行われていないにも関わらず、例によって院内の事故調査報告書で人工心肺装置の操作を担当した医師の過失であるかのように書かれてしまったことが同医師起訴の発端であるとも言われていますが、裁判を通じて明らかになったようにどうもこの立件自体がいささか無理筋であったということなんですね。
ところがマスコミでは事件の詳細が明らかになった後でも一方的に同医師が悪い!とバッシングを続けた訳ですから、それは毎日新聞お得意の意図的捏造と言うのでなければ根本的な取材力の欠如を指摘されても仕方がないところでしょう。

ところで報道界もう一方の雄とも言うべきNHKですが、先日も続報をお伝えしました例の台湾問題でまた新たな話題が出ていました。
こういう問題に対して地方議会レベルで動くというのはなかなか珍しいことではないかと思うのですが、それだけ日台友好を真剣に考える人間が多いということなのでしょうかね。

NHK偏向報道問題で千葉県議会が意見書採択(2009年7月8日産経新聞)

 NHKスペシャル「JAPANデビュー アジアの“一等国”」の番組内容が偏向しているとされる問題で、千葉県議会は8日、総務省などに対して、調査と行政指導を求める意見書提出案を賛成多数で可決した。意見書は「台湾統治時代の日本が台湾人を差別や弾圧ばかりしていたかのような印象を視聴者に与える報道内容」と批判し、「公正・公平・中立の観点から放送法違反の疑いも濃厚で到底容認できない」などとしている。

さらにこの事に関連してですが、台湾問題をすっぱ抜いたチャンネル桜とNHKがバトルに発展しつつある気配です。
世界に名だたるNHKが弱小メディアのチャンネル桜に逆ギレというのも何やら面白い話ですが、こちら読売新聞の記事から紹介してみましょう。

事実無根、NHKがチャンネル桜に抗議(2009年7月22日読売新聞)

 NHKは22日、「事実に反する放送を行った」として、CS専門チャンネル「日本文化チャンネル桜」に対し、訂正と謝罪を求める抗議文を同日郵送したと発表した。

 チャンネル桜は今月16日、「北京駐在のNHK職員が買春を行った」などの内部告発があったとして、「NHKに事実関係を問いただしたい」と放送した。

 これに対し、NHKは「事実無根」と反論している。

 チャンネル桜は、日本の台湾統治を取り上げたNHKの番組(4月5日放送)について、「日本が一方的に弾圧したかのような視点。悪質な印象操作がある」などと批判している。

 また、NHKは、同じ番組の中で日本統治時代の様子を証言した台湾の男性らから、「歴史解釈に間違いがある」とする抗議文を受け取っていたことを明らかにした。

しかし、当の台湾からは何にも抗議がないなんて大言壮語していた割にけっきょく抗議文は受け取っていましたって、いったいそれどんな言論抹殺かと言われかねない話だと思うんですけどね。
ちなみにこのチャンネル桜の件に対してはNHKも結構気にしているらしく、放送総局長がこのようなコメントを出しています。

NHKスペシャル「JAPANデビュー」第1回「アジアの“一等国”」について(日向総局長)

 この番組については疑問に答える説明の文章を6月17日にホームページに掲載した。分かりやすいという評価ももらったが、まだ一部には事実に基づかない批判もある。このため詳しく丁寧に説明した文章を本日付け加えた。それと、この番組内容を批判している「日本文化チャンネル桜」というCS放送局がNHKのことを取り上げた。中国にいたNHK職員が不祥事を起こして、NHKが握り潰したと伝えていた。インターネットで配信し不特定多数が見る可能性もあるので見逃すわけにはいかない。これについては事実無根で、訂正と謝罪を求める抗議文を本日発送した。

いやあ、意識してる意識してる(笑)。
前回もお伝えしましたように、NHKは突っ込み所満載の言い訳コメントを発表して台湾問題はこれで終わりということにしておきたいらしいのですが、しかしあの論法を用いるなら「社会的共通認識や事実の如何はどうあれ、こういう意見もあると放送することには何の問題もない」と言うことですから、チャンネル桜の内部告発報道に抗議する理由もないのではないでしょうか?
いやさすがはNHKだけに、こうして連日新たなネタを提供してくださるという大サービスぶりには感謝の言葉もありませんが、しかしこちらのような問題まで出てくるようですと、これは台湾問題以上に密接に国民に関わる大問題ともなりかねないような話ではあるんですけれどもね。

NHKの「皆様の受信料」がOBの年金に補填される奇怪(2009年7月21日『週刊ダイヤモンド』NHK問題取材班)

 日本放送協会(NHK)が、本来、積み立てから給付すべき退職者の企業年金の一部を、受信料収入から補填して給付していることが、関係者の話で明らかになった。

 関係者によると、その額は2007年度が約100億円、08年度が約120億円に上っているという。

 勤続年数などで企業年金の支給額は異なるが、NHKによれば平均支給額は月12万円程度と民間に比べて高い。つまり、退職者に対する高待遇を維持するため、一部とはいえ「皆様の受信料」を使って尻ぬぐいしているのだ。

 背景には、企業年金の積み立て不足がある。NHKは06年度まで、年金の積み立て必要額を算定するための利率(割引率)を4.5%という高水準で据え置いていた。

 それを07年度になってようやく見直し、市場実勢に合わせて2.5%前後まで引き下げた結果、積み立て不足は一気に前年度の2.4倍、2700億円規模にまでふくらんだのだ。

 それが、わずか1年後の08年度末には約3300億円にまで増加。現在の年金資産は3000億円程度のため、半分程度しか手当てできていないことになり、NHK内部からは、「近い将来、政府管掌の年金に移管せざるをえない状況に追い込まれるのではないか」といった声も漏れてくる。

 こうした状況にNHKでは、今後15年間かけて積み立て不足を解消する方針を掲げて償却を進めている。しかし、とうてい賄い切れるものではなく、受信料収入を充てているというわけだ。

 NHKの経営陣もさすがに焦りを感じたのか、労働組合に対して確定拠出型年金への移行、もしくは確定給付型を維持するならば現役職員に対する給付額の減額に応じるよう提案している。

 これに対し職員は、「なぜOBの優雅な生活のために現役の職員たちがツケを払わされなければならないのか」と不満を爆発させる。

 しかし、最も憤りたいのは視聴者のはず。番組制作に充てるために支払っている受信料が、違うものに使われているからだ。これに対し、NHKは、「年金制度についてさまざまな角度から検討を継続している」としている。

いやあ、さすが幾らでも金を集め放題という組織は何があっても万全ということで、世間が不景気で四苦八苦しているのに羨望を禁じ得ないですね(苦笑)。
御存知のように放送法32条(受信契約及び受信料)によって、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と受信料支払いはテレビ受像器を設置した国民の等しく負うべき法的義務という位置付けになっています。
そうであるからこそ国民はNHKの放送内容を監視し誤りがあれば是正すべき義務を負っているとも言えるわけですが、その強制的に徴収された受信料がこんなことに流用されていたとは驚きですよね。

かねてNHKの受信料に関しては、こうした強制徴収を行っている一方でその使い道が不明確であるという批判があり、二年前には給与の支給水準に関して公表を義務づけるといった話も出ていました。
以前にも受信料自体ももっと引き下げるべきだと言う声に対して会長自ら「いや無理」などと主張していましたが、よくよく見ればその理由というのが「年金の積み立て不足」なのですから、それは国民よりも職員の利益に目を向けて仕事をしていると言われても仕方がないところです。

法律で決めてまで好き勝手をやらせているその大前提として、やはり正しい用途に適正な額の支出を行っているという当たり前の経営内容が求められるわけですが、この調子では一体裏でどんな詐欺的行為をやっているのかとますます痛くもない(んだと思いますが)腹を探られることになるのではないでしょうかね?>NHKさん。

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コメント

去年、天漢日乗さんで取り上げられてましたね。

http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/05/nhk60002700_9f3e.html

投稿: はにわ | 2009年7月23日 (木) 17時19分

はやっ!さすがですね。
こういうのを見ると医療崩壊関連報道でもそうですが、既存メディアはネットから周回遅れどころか年遅れになってきているのかと痛感しますね。

投稿: 管理人nobu | 2009年7月24日 (金) 10時50分

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