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2009年6月17日 (水)

続・公立病院崩壊中 その先にあるものは?

以前からちょこちょこと取り上げてきました福岡市立こども病院の移転問題ですが、何やら妙な具合になってきているようです。
交通の便の悪い人工島への移転は「三次救急に特化するつもりであるならむしろ良いかも?」とも考えていたところだったのですが、どうも話が妙な方向に進んでいるようで結局何がしたいのか判らないことになってきているようにも見えるのは気のせいでしょうか。

新こども病院:福岡市が正常分娩の取り扱いも検討/病床数の確保目指す? 産科医らに反対の声も(2009年6月6日毎日新聞)

 福岡市が市立こども病院・感染症センター(中央区)を市東部の人工島に移転させた後、現在の小児医療に加え、正常分娩も扱う方向で検討を始めていることが分かった。これまでは「母体や胎児に異常があるハイリスクの患者のみを扱う」としていた。人工島が市の中心部から遠いことなどを理由に産科開業医らから反対の声が上がっており、移転を巡って根強い反対がある病院は新たな火種を抱え込むことになりそうだ。

 福岡市はこれまで移転後のこども病院について、周産期医療を追加することは説明していたが、対象を「ハイリスクの患者」として、正常分べんは対象外と説明していた。

 方針変更の理由について、市側は大病院ではなく、診療所で出産する人が約7割という福岡特有の出産事情について触れ「市内の産科医が高齢化すれば産科医が不足する恐れがあり、将来的には新病院が正常分べんも担う必要があると考えている。病院の経営安定にもにつながる」と説明する。

 ただ、背景には福岡市が移転後の病床数について「260床(うち特例病床数70)」と申請しながら、県の医療審議会が「233床(同43床)」として知事に答申した経緯もあるとされる。病床数の減少は新病院の経営計画に影響する恐れがある一方、「このままでは病床数の上積みは困難」との見方が市側にあり、これまでの方針にはない正常分べんを扱うことで病床数の確保を図りたいとの考えもあるとみられる。

 これに対し、福岡市内の産婦人科の開業医らは「市中心部から遠い人工島では、緊急搬送が間に合わない」「正常分べんを扱っても場所の遠さから患者は増えないだろうし、民業圧迫にもなる」などと批判する。

 現在、福岡市中央区にあるこども病院は、東区への移転に伴って「通院が不便になる」などと患者・家族のほか、市民の間にも根強い反対がある。市が正常分べんの取り扱いを決めた場合、新病院が担う「医療機能」を巡っても今後論議を呼びそうだ。【鈴木美穂】

ん~わざわざ町外れに移転しておいて今さら金儲けのために正常分娩もやりましょうって、ロジックとしておかしいんじゃないですかね。
どうも今までの経過を見てみても、福岡市にはまともな計画を立てられる人材がいないんじゃないかと疑ってしまうところなんですが…
移転も含めてまだ本決まりではないようですが、どうもこういう素人のいい加減な思いつきという気配が濃厚な杜撰な計画で大きなお金を浪費して残ったのは赤字と医者も消えた病院の箱だけだった、なんてことにならなければいいんですけどね。

先日は愛媛は八幡浜で当選した新市長がのっけから公約を守れず詫びを入れたという出来事がありましたが、これもなかなか面白い話ですので引用してみましょう。

「医師確保の公約守れず」 /愛媛(2009年06月02日朝日新聞)

◇八幡浜市長 会見で陳謝

  八幡浜市の大城一郎市長(44) は1日に記者会見し、初当選した4月の市長選で「直ちに医師3人を確保する」 と公約していた市立八幡浜総合病院の医師確保問題について、「現状では1人も確保できる見通しが立っていない。 この場を借りて市民におわびしたい」 と陳謝した。 医師3人の確保を公約したこと自体が「認識が甘かった」と振り返り、市民から「公約違反」 と批判する声が上がっていることについて「そう指摘されてもやむを得ない」 と述べ、公約違反を事実上認めた。 (広川一)

  大城市長は4月19日投開票の市長選で、再選をめざした現職の高橋英吾氏(68) 、元市議長の山本儀夫氏(58) の2人を破って初当選した。 市立病院の医師問題について高橋、山本の両氏は「問題の解決に向け、全力で取り組む」 としたが、大城氏は「医師3人を直ちに確保する」 と具体的に数字を示して得票につなげた

  この日の会見で大城市長は「市長になれば最低でも3人は確保できると自分で判断した。 同級生や身内を通じて話に応じてくれる医者もいたので、努力すれば確保できると考えた」 と話し、3人を確保できる見通しがはっきりしないまま、公約に掲げたことを明らかにした。

  大城市長は初登庁した後の最初の記者会見で「来年4月を確保のめどにして医師1人と交渉している」 などと話していたが、これについても「見通しは立っていない」 と述べた。

  1日の会見は、8日に開会する6月定例市議会に提案する議案を説明するためのものだった。 大城市長は記者の質問に答えて、医師問題について語った。

  今後について、大城市長は「全力を挙げてこの問題に取り組みたい」 と話した。

  医師問題を巡っては、市内で発行されている地元紙に「公約違反だ」 とする投書が続いて掲載されるなど、市民の間に批判の声が上がっていた。 ある市議は「3人の医師と話がついた上での公約だとばかり思っていた。 このままでは市民をあざむくことになる。 市長は一日も早く医師を確保すべきだ」 と話した。

医師確保問題に質問 八幡浜市長が答弁 愛媛(2009年6月12日産経新聞)

 愛媛県八幡浜市の6月定例議会で11日、一般質問が行われた。大城一郎市長(44)が公約にかかげていた「医師確保」ができなかった問題で、議員から「公約違反ではないか」との質問が相次ぎ、大城市長は「最善の努力をしていく」などと苦しい答弁を繰り返した。

 大城市長は4月に「(当選後)直ちに3人の医師を確保する」などとする公約で初当選を果たしたが、「市民の期待に現時点ではお応えできない」と理解を求めていた。

 一般質問は6人が登壇し、5人が公約についてただした。「公約違反と認識しているか」「選挙そのものが公平ではなかった」「もう一度市民の審判を仰ぐべきでは」など、市長の責任について言及した。

 大城市長は「ねばり強く交渉し、市立病院の再建に取り組んでいく」などと、これからも医師確保に取り組んでいくとする答弁に終始した。

報道によれば良く言って無知で脳天気な当事者能力の欠如、普通に言って詐欺まがいの行為かなという印象が拭えないところですが…
今の時代医師集めの能力が自治体首長の首に直結するということになってきているようですが、こうまであざやかにやられると票集めの空手形と言われても仕方のないところではありますよね。
そもそも三人を確保できるという話にしてからが全く裏付けのない単なる思いこみであったと自ら公言しているわけですから、これで反市長派が結束してリコールでも呼びかければ結構な確率で通ってしまうなんてこともあるんじゃないでしょうか?

病院問題で市長リコールと言えばその道の先達である銚子市では市長に返り咲いた元市長氏が公設民営での再開を目指すと宣言したことは以前にもお伝えしたところですが、その後の経過がまだ何とも言い難いような状況にあるようですね。

銚子市立病院、来年4月に暫定開業…新市長が方針(2009年6月9日読売新聞)

 千葉県銚子市立総合病院の休止問題で、野平匡邦市長は8日、社団法人地域医療振興協会(東京都千代田区、吉新通康理事長)と積極的に連携し、来年4月の暫定開業を目指す考えを明らかにした。

 同日開会の定例市議会の所信表明で示した。

 野平市長は議会で「今後、県と綿密な連携を図り、指導・支援を受けながら、暫定開業に向けて全力を挙げる。吉新理事長にもこの旨を強く申し入れた」と述べた。

 地域医療振興協会はへき地医療の確保と質の向上を目指すための組織で、自治医大の卒業生が中心になって1986年に設立された。

 全国40か所に直営や委託運営の医療施設などがあり、へき地医療を志す医師のネットワークを持っている。野平市長は市長就任前から同協会と交渉を続けてきたという。

 野平市長は病院再生の構想について、「情熱ある診療と冷静な経営とを分け、それぞれの管理者が明確に責任を負う構造にしたい。これが経営なき破綻(はたん)を招かないための仕組み作りだ」と説明した。

 病院再生には、必要な医師を確保できるかが最大の課題となるが、「医療法人に丸投げして達成できる課題ではない」と強調し、「専門家による再生委員会を新設するとともに、私の個人的な人脈、銚子の政治・行政を挙げての総力戦で取り組む」との決意を表明した。

 岡野俊昭・前市長が取り組んだ市立病院指定管理者選定委員会(委員長=伊藤恒敏・東北大教授)で、公募団体の審査が継続中となっており、市はまず審査を再開してもらい、その結果を踏まえて対応するとしている。

暫定開業宣言はよろしいんですが、自治医大の方でも別に人員に余裕があるようには思えませんし、そもそも市民が求めているのは僻地医療を得意とする自治の系統というより市内基幹病院としての専門医療ではなかったかと思うのですが…
どうもこのあたり、まともな医療系ブレインがいないのか「とりあえず医者の頭数さえそろえば」なんて適当な算用だけしているんじゃないかとひどく懸念されてしまうところではあります。

ところで千葉で最近非常に興味深いイベントがあったようなんですが、これが見過ごせないような面白い話なのでロハス・メディカルさんから例によって抜粋させていただきますね。

銚子市民はリスクを分かっているのか 医療構想千葉発足(2009年6月14日ロハス・メディカル)

 医療崩壊の危機に瀕している千葉県の現場から、医療再生への提言をしていこうというネットワーク的シンクタンク『医療構想・千葉』(代表・竜崇正前千葉県がんセンター長)の設立記念シンポジウムが13日、市長選投票前日の千葉市で開かれた。多彩な顔ぶれが集まり、オピニオンリーダーたちから「敵は日本医師会だ」、「千葉大病院がなければ千葉はよくなる」などと過激な意見が発せられた。(川口恭)

 会場は135席あったがほぼ満員だった。発起人である増山茂・了徳寺大学学長によると参加者は全部で132人。属性は

    県会議員・市会議員・地方政治関係者あわせて20名弱(共産党を除く与野党全部)、中核病院関係者20名ほど、企業医療や地域医療関係者も20名弱、自治体関係者20名弱、患者団体など20名弱、看護師などコメディカル関係者、製薬会社関係者、法律関係者、学生(ボランティアを含む)10名ほど、出版関係者、厚生労働省医系技官、県医師会理事

だったという。

 小松秀樹・虎の門病院泌尿器科部長が『この国に起きている医療崩壊の次のステップは何か?』、亀田信介・亀田総合病院院長が『千葉県の医療崩壊 その処方箋は?』とそれぞれ題して30分ほどずつ講演した後で会場との質疑応答になった。

具体的な出席者の顔ぶれがもう少し判るといいんですが、コメンテーターなどのメンツを眺めてみるとだいたいの方向性は判るのかなと言う気もしてきますかね。
ここで興味深いのが会場からの質疑応答の部分なんですが、一部を引用してみましょう。

〔会場〕
 香取市に住んでいる。我々の地域は不名誉なことに医療崩壊の先進地になってしまっている。銚子が閉鎖されて患者が旭中央へ押し寄せ、勤務医が本当に疲弊している。このままでは成田まで含め地域の病院が全部撤退してしまうのでないかとすら言われている。そこで亀田先生に伺いたい。先ほど、旭中央病院が社会医療法人になろうとしたのを議会が否決したと批判されたが、地元の人間からすると、公的な病院が非公務員型になると不採算部門をやらなくなるんでないかという誤解があったようだ。それから、銚子市立総合病院を民間団体に委託して再開しようとしているのだけれど、どのようにすれば再開が可能だと思うかお聞かせ願いたい。

〔亀田〕
 旭中央は本当に忙しくやっている。医師たちも限界まで働いている。それでも実質的には赤字。12億円の補助が入って最終的に3億円の黒字になっているわけだから、亀田と同じ民間になれば9億円の赤字だ。亀田の年間予算が370億円から380億円ぐらい。旭中央ぐらいの規模の病院がおかしくなれば、平気で月に数億円の赤字は出てくる。その時に旭市くらいの財政規模で持ちこたえられるか、そこを考えてほしい。

 で、不採算部門をしなくなるんじゃないかという話だが、公的病院がお金を払わない人たちをヘリでどんどん亀田に送り込んでくる。小児だけで毎年2億円の赤字だし、未払い金も毎年8千万円くらいある。ウチ位、公的医療をやっているところが他にあるか。それは設立主体の問題ではなく、病院の志の問題だ。今の旭のメンバーが運営する限り、不採算部門から撤退なんかするはずがない。ただし現に働いている人たちは非公務員型になることに激しく反対するのは間違いないので、そんなに甘い話ではない。いかに現状が危ないかを理解してもらうしかない。

 銚子は、地域医療振興財団がやるということだが、彼らは基本的にリスクを負わないはず。病院としてすぐに再開するのは不可能。それはコメディカルスタッフが全員辞めてしまっているから。そのうえで医師数人の外来からということは可能だろう。しかし、徐々に大きくするということを考えているなら、今と同じように赤字を出すことになる。その負債を抱えると分かったうえで市民が支えていくのでないと再開は不可能だろう。市からの負担は相当のものになると予測される。

〔小松〕
 自治体病院のことに詳しい伊関友伸さんという知人がいる。彼と意見の一致したことがある。自治体病院は、どんなに頑張っても自分たちだけで自立することはできない。首長と議員の資質に依存する。地方議員の中には、病院をシマだと見なして毎日出勤するようなのがいるという。しかも、その議員が病院の納入業者。こんなのでは絶対にやっていけるはずがない。

〔増山〕
 銚子を引き受ける団体は公的な大学の天下り組織と感じられる。また新たなお金の迂回路ではないのか。

おいおい、いきなりそこまで言ってしまいますか(苦笑)。
ま、公立病院、中でも地方の自治体病院が多かれ少なかれ首長や議員の票や利権に関わるものだというのは関係者周知の話だと思いますが、面白いのはそうした話が公に語られるようになった、むしろ前述の記事などのように「病院が出来たのはオラが手柄」といった話が当然の業務のように見なされてんじゃないかという気配すらあるということですよね。
このあたり、公立病院というものが大きな利権として奪い合う存在から、大きな重荷として押し付け合う存在に移り変わってきている世情を反映している部分もあるのかなとも感じたのですが、どうなんでしょうかね。

このあと患者教育やら医師会が諸悪の根源やらという話が出てくるのですが、そんな中にまたこんな面白い話が出ています。

〔会場〕
 千葉の医療再生のためにアドバイスをいただきたい。

〔小松〕
 千葉、埼玉、茨城には共通点がある。2025年の高齢者数のピークに向かって、とにかく医師が一番足りないところ。特に太平洋側は千葉、茨城、福島県の浜通りまでひどく医師が少ない。千葉県の人口は600万人だから割合から言えば医学部が4個あってよい。しかし千葉大1個しかないうえに、千葉大は西しか向いてない。しかも千葉大は他の医局から院長が来ると医師を引き揚げたりするらしい。何をやっているのか。

 千葉に必要なのは医大。千葉大が西しか向かないならそれで構わないから東と南をカバーできるように1学年200人ぐらいのメディカルスクールをつくったらどうか。千葉県単独でなく、茨城や福島と組んだって構わない。

〔亀田〕
 うちも4月に学校法人を立ち上げた。2012年に4年制の看護大学を設置して、この先は介護系にも乗り出す。メディカルスクールも法改正があれば手を上げる。いずれにせよ「IHN」をつくって集中と分散をきちんとすることだ。銚子は、旭が市立病院じゃなければ十分にサテライトでできたはず。あそこは旭がトップ、安房はウチがトップのIHNでやればいい。

 千葉大の話が出たが、あの大学病院がなければ千葉はもっとよくなる。千葉大もよくなる。アフィリエイトホスピタルとして市中病院の部長を臨床教授にして学生や研修医を送り出せばよいものを、全部抱え込もうとするからおかしくなる。ウチがもしメディカルスクールをつくったとしても亀田を大学病院にはしない。旭、松戸、君津、成田にお願いして、アフィリエイトホスピタルになってもらって、高くはないにしても教授の給料をお支払いして、全県でやっていく。それができたら、まさに千葉大包囲網になってしまう。別に敵対しようというつもりはないのだけれど、なぜウチの3分の2しか症例がないのに、5倍も研修医を集めようなどとするのか。だから研修医が集まらないのだということに早く気づいた方がよい。
(略)

〔竜〕
 このシンクタンクの中で議論してネットを通じて発信していくのも大事じゃないか。銚子だって、今度当選した元の市長が大学を誘致するのに100億円使っておいて、病院に赤字が1億円出たからといって医師の給料を下げたのがきっかけで崩壊した。やはり選挙でいい人を選ばないと無理だ。変な人を選んだら、病院なんてあっという間に潰される。基本的に政治家なんてバカなんだから、利口な人の言うことをきいてもらわないと困る。今日来てくださっている政治家の方たちのように地元に密着した人は大事。それが地域の本音。であれば一緒にできる。

 旭中央の問題に関していうと、旭市民が偉かったからあれだけの病院ができたんじゃないということは忘れないでほしい。諸橋芳夫という1人の医師が東大から寒村の小さな診療所へやってきて一所懸命地域医療をやった。その志に共鳴した医師が全国から集まってあれだけの病院になった。その旭中央病院がやりたいことをさせない旭市民とは一体何なのか。日本一有名な病院が不採算部門を切り捨てるはずなんてあるわけない。バカにしないでほしい。公立病院が働かない職員を抱えているのは事実。私も管理者をしていたからよく分かっている。そういう働かない職員をいかに働かせるかが院長の手腕でもあるのだが、そのためにもIHNを明確にして旭中央の力を発揮できるようにすることは大事だろう。

いやまあ、最近医療といえば暗い話題ばかりの中、なかなか元気があっていいんじゃないでしょうかね(苦笑)。
しかし亀田氏も以前からずいぶんとラディカルな御仁だとは承知していましたが、メディカルスクールまでにらんでいたとは存じ上げませんでしたね。
ディスカッションの中にも出ているように千葉と言うところは面白いところで、亀田や旭中央のように全国に名だたる巨大病院があり、首都圏で人口も金も結構ある方にも関わらず医大が一つ切りしかないんですから、千葉大一つに頼るなんてことをしていては到底回っていかないんだろうなとは想像できるところですけれどもね。

今の時代に医療で黒字を狙おうと思えばある程度規模も大きくしてそれを強力なリーダーシップのもと(公立病院に最も欠けている部分ですが…)効率的に運用するか、逆にとことん軽装にして儲かるところだけをチマチマとやっていくくらいしかないと思うのですが、その方向で進むと病院間格差というものはどんどん開いていっているわけですよね。
国としては以前から不採算の中小病院は潰すか縮小して人材を集約させろと主張しているところですが、診療報酬を切り詰めた結果確かにそういう方向に誘導されつつあるという点ではおそらく今後も医療費抑制政策は「予定通り」に継続されていきそうな気はしています。
そうしますと地方によくあるせいぜいが200~300床くらいまでの中小病院というのは大病院のサテライトにでもなっていくしか生き残る道はないのかとも思える状況ですが、考えてみますとこういう巨大病院ネットワークというものも組織力として全く馬鹿にならないものになってきますよね。

全医連なんて組織が医師会への対立軸として頑張っているところですが、実はこういう巨大病院ネットワークの方が医療系圧力団体としてははるかに医師会に取って代わるにふさわしい力量を備えているのかも知れませんね。
国政レベルにおいてもこのところ医師会に代表されてきた開業医から勤務医の方へと目線を移してきているという気配がありますが、そうした場においてもたびたび呼ばれている亀田氏らの言動には今後ますます注目していく必要がありそうです。
ま、しかし亀田や旭の水準が日本の標準だと思われても困るというのが大多数の現場の人間の率直なところなのかも知れませんが…

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コメント

http://www.jadecom.or.jp/jadecomhp/uwamachi/html/shinryolist/index_32.html

http://www.nara-jadecom.jp/html/shinryokamoku/

件の自治医大OB関連団体ですが市内基幹病院としての専門医療をやっている施設もありますよ。
銚子がどうなるかは存じませんが

投稿: | 2009年6月17日 (水) 17時58分

小泉改革で削減された医療費を執行部が開業医ばかりの医師会が病院に付け回しを行った為、病院の73%(公的病院の91%)が赤字に成ってしまいました。でも、公的病院は短期勤務の医師以外は自治労の年功序列の世界なので、事務職員でも給料は900万円台で退職金は5000万円の世界で、人件費だけで8割を超え民間では潰れて居ますが、年間2000億円の補助金にで生き延びて居る状態です。いずれこの付けは、住民の増税に繋がるだけです。民間病院が潰れても、マスコミは放漫経営と過剰投資と言うだけですが、公的病院が潰れると、初めて、医療崩壊の深刻さを報道します。この際、患者や入院が激減して居る公的病院の廃止、統合、民営化は急務だと思います。

投稿: k | 2009年7月10日 (金) 23時05分

おそらく民間と公立病院間で業務の再編をやったり、病院の統廃合をやってみたりでもう少し効率化は可能なんだと思いますが、限りなく最適解に近づけてもやはり現状の報酬体系では無理だろという感覚を抱いている業界関係者が多いのではと思います。
ただ今までのように単に「無理無理、もっと金出さないと無理」と連呼しているだけでは外部に向けての説得力がないのも事実なので、そろそろ「じゃあ、幾らならやれるの?」という問いかけに対する答えを根拠あるものとして出していかなければならないでしょうね。
特に政権交代絡みで社会保障費増額も予想される状況になってきているわけですから、国民から金は出してもらったが結局現場の不満は変わらなかったという馬鹿げた事態にだけはならないようにしなければと思いますね。

投稿: 管理人nobu | 2009年7月11日 (土) 08時13分

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