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2009年5月 7日 (木)

新型インフルエンザ関連情報、ふたたび

先日に引き続いて、今日も新型インフルエンザに関連する話題です。
米国では二人目の死者が出たということで、メキシコ内外で死亡率に顕著な差があるというより母数の違いということの方が大きいのではないかという印象が強くなってきています。
となれば、今後も感染者数が増えればそれなりの死亡者数増加もあるだろうと予想されるわけですが、幸いにも現在流行しているのは新型とはいえ病原性は際だって強いものではなく、感染者に対しては一般的なインフルエンザと同様の治療を行っていくのがよいようです。
再流行時になって強毒性を発揮したというスペイン風邪の経緯を想起するならば、あるいはここで軽症型に感染してある程度の免疫を獲得しておいた方が長い目で見て得という可能性もあるかも知れませんが、究極の選択を迫られる前にワクチンが間に合うならばそれに越したことはありませんよね。

新型インフル感染者、全世界で1200人超に(2009年5月5日読売新聞)

 【リオデジャネイロ=小寺以作】新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染者数は4日、メキシコで新たに221人が確認されたことなどで全世界の合計が1243人に達し、一気に1000人を大きく超えた。

 感染が確認された国・地域では、新たにエルサルバドル、ポルトガルが加わり、21か国・地域となった。メキシコでの死者数も7人増え26人となった。感染疑いも含め、新型インフルエンザはなお拡大を続けている。

 国・地域別の感染者は、メキシコで727人、米国で286人、カナダで101人に上っている。

 ただ、世界保健機関(WHO)は、感染者数の増加は警戒水準の引き上げに直結しないとの見解を示している。ハートル報道官は3日夕の記者会見で、警戒水準を現行の「フェーズ5」から「6」に上げる場合の判断基準は、アメリカ以外の大陸で、人から人への持続的な感染が確認されるかどうかだと指摘した。

 潘基文(パンギムン)・国連事務総長は4日、「状況が変わらない限り、WHOには警戒水準を6に上げる計画はない」と述べた。

 関係各国の当局者も、事態の悪化に歯止めがかかりつつあるとの認識を示し始めた。

 AFP通信によると、メキシコのカルデロン大統領は3日のテレビ番組で、「メキシコでの感染拡大のペースを落とすことに成功した」と述べた。同国では、今月1日から5日間、行政機関の大半を閉鎖し、緊急性のない民間企業の活動も休止させる異例の感染防止策をとってきたが、コルドバ保健相は、6日から通常に戻す意向を示した。

 ロイター通信によると、米疾病対策センター(CDC)幹部も3日、新型インフルエンザが季節性インフルエンザより危険とは言えず、「明るい兆しが出てきた」との見解を示した。

発症7日以内に治療すれば大半回復 メキシコの専門医(2009年5月5日朝日新聞)

 【サンパウロ=平山亜理】新型の豚インフルエンザが最初に発生したメキシコで、治療の最前線にいる国立呼吸器系疾患研究所付属病院(メキシコ市)の専門医、アンハラ・イゲラ感染症部長が3日、朝日新聞の電話インタビューに答え、発症後7日以内に治療を受けた人のほとんどは回復していると明らかにした。

 イゲラ部長によると、死亡例の大半は、今回の新型インフルエンザの知識がないまま、症状が重くなるまで、ただの風邪だと思い、高額の負担につながる医療機関で受診せず、市販薬で治そうとした人たち。発症後15日間を過ぎるまで治療を受けなかった人の96%が死亡している。

 今回の新型インフルエンザでは、メキシコにほとんどの死者が集中していることが最大のなぞとされてきた。専門医によるこうした証言は、低所得者層の医療へのアクセスの悪さが、特に流行初期の段階で高い死亡率につながった可能性を裏づけるものだ。

 この病院は、転院も含めて新型インフル症例を国内最多規模で扱っている。これまでに新型インフルの疑いの濃い重症者が136人入院し、うち21人が死亡した。世界保健機関(WHO)の検査で、21人のうち5人はすでに新型インフルと確認された。

 手遅れになってから受診したことによる死亡例は、メキシコ政府もまだ事態を認識していなかった3月下旬から4月上旬までが多かった。現在はインフルエンザに関する知識が広まった結果、初期症状が出てすぐ通院する人が増えたこともあり、ここ数日は死者は出ていないという。

 入院した重症者136人でみると男性が74%、女性が26%と男性が多く、年齢は15歳以上64歳未満に集中していた。タクシー運転手や美容院従業員、医師や看護師ら、人と接する機会の多い職業の人が多い。また、公共交通機関を利用する傾向も高かった。

 潜伏期間は個人差があるが、家族間などで感染時期が特定できるケースから推定すると、感染後3~7日たって発症する。39度程度の高熱とともにせきや鼻水が出て、頭痛や筋肉痛、腹痛や下痢症状を訴える。緑か黄色のたん、場合によっては血の混ざったたんが出る。発症後72時間後ごろから、肺炎を併発して重症化、特に重い場合は多臓器不全を起こして死亡に至る例が多いという。

 イゲラ部長は、発症して7日以内の抗ウイルス剤タミフル投与などの治療は明らかに有効だとした。ただし、心臓病や糖尿病など他の病気を患っている場合はタミフルが効かない例もみられたという。

 一方、こうした情報のメキシコ政府による集約は後手に回った可能性もある。米疾病対策センター(CDC)の調査報告によると、メキシコ初の発症例は3月17日。保健省の担当部局が全国の病院に警告を出し、通常見られないような重症の肺炎例の報告を求めたのは、1カ月後の4月17日のことだった。

メキシコからのレポートを見ていて思うのは、どうも感染から発症に至るまでの経過が通常のインフルエンザよりも遅く、また発症後の経過も長いんじゃないかという印象があることです。
「発症して7日以内の抗ウイルス剤タミフル投与などの治療は明らかに有効」という言葉も、通常よりも増殖スピードが遅く、そして恐らく長く続くということを想定してみれば説明できる現象なのかも知れません。
もう少し詳しいデータが揃ってみないことには何とも言えませんが、この点から通常のインフルエンザ感染症の経過と比較して類推するに、発症後ごく早期の迅速診断キットの感度が低い時期というものがあるいはもっと長くなってくる可能性も考えられるのかも知れず、そうなると拾い上げ段階で検査をかいくぐってしまう患者も多く出るかも知れませんね。
抗ウイルス薬の治療成績とともに、こうした検査感度の情報に関してもぜひ早い段階で情報を出してもらいたいものです。

さて、お隣中国では入国したメキシコ人から新型インフルエンザが確認されたということで大騒ぎになっているようですが、どうもこの件でメキシコとの関係が急に冷え込んでいるようです。

中国とメキシコ、新型インフルで“外交摩擦”(2009年5月4日産経新聞)

 【北京=野口東秀】新型インフルエンザへの対処をめぐり、中国とメキシコの間で“外交摩擦”が生じている。感染していないメキシコ人が、中国各地で隔離されていることなどにメキシコ政府が反発。感染拡大を懸念する中国政府は、今後も徹底した予防措置を講じる構えだ。

 上海経由で香港を訪れたメキシコ人男性の感染が確認されると、中国政府はメキシコ~上海直行便の受け入れを停止し、感染の兆候がない約70人のメキシコ人を隔離した。メキシコのエスピノサ外相は2日、「根拠のない差別的措置を講じている。科学的根拠もない人権侵害は正当化できない」と非難。メキシコ国民に対し中国への渡航自粛を勧告した。

 上海市当局は3日、「中国の措置は世界保健機関(WHO)の規定に基づく」と反論した。中国外務省の馬朝旭報道官も4日、談話を発表し、「隔離措置はメキシコ人を対象としたものではない。純粋に衛生検疫上の問題で、感染防止の大局に立ち、理解してほしい」と訴えた。

 中国政府関係者は「感染が拡大すれば、経済への打撃は計り知れない」としており、過剰ともいえる措置を正当化する背景に新型肺炎(SARS)が大流行した2003年の記憶があることをうかがわせた。

 両国は4日、それぞれの自国民の帰国に向けてチャーター機を派遣し合うことで合意。中国政府がメキシコ側に理解と冷静な対処を求める中、国民の間では感情論が先行し始めている。

まあ中国にしてもあの人口に感染が蔓延した場合というものを考えた場合に下手をすると国が潰れかねない話ですから、それなりに神経質になっていることは理解は出来るところですけれども、ね…

ところで一昔前から新型インフルエンザと言えば中国あたりから出現する人に感染する鳥インフルエンザになるはずだと物の本には定説のように書かれていたものでしたが、これは別に根拠無きものではありません。
インフルエンザと言うウイルスは遺伝子構造上近くにいるウイルスと遺伝子のやり取りをして新種を作り出しやすいという特性があるのですが、この地域では社会文化的背景から今も鶏や豚と人間が一緒に生活をしているという環境にあるわけですね。
そうした環境で人間のウイルスにも鶏のウイルスにも感染する豚の体内で両者のウイルスの遺伝子が混ざり合って、人間にとっては未知の新型ウイルスが誕生するというのが予想されたシナリオだったわけですが、その意味で今回メキシコ発祥というのは少なからず意外な話ではあったわけです。
そういう話を下敷きにして見た場合に今回の中国とメキシコとの間の騒動には何か宿命的なものも感じてしまうわけですが、そこに来て下記のような記事も出てくるわけですから色々と深読みも出来てしまうわけです。

中国は豚インフルエンザの発祥地か=中国問題の専門家(2009年5月2日大紀元時報)

 【大紀元日本5月2日】メキシコを中心に世界各地で猛威を振る豚インフルエンザについて、国外在住の中国問題の専門家は、様々の中国国内での実例を挙げ、今回の豚インフルエンザの発祥地は中国ではないか、との見解を示した。

 同感染症が世界各地で確認される中、中国当局は国内の緊急対応システムを発動したと発表、豚インフルエンザを国外から持ち込ませない姿勢をみせ、中国国内での感染を否認している。

 農業部は声明を発表し、福建省で発生した豚大量死は豚インフルエンザではないと強調した。メキシコの政府関係者とニューヨーク・タイムズ紙が「中国の観光客が豚インフルエンザのウイルスを北米とメキシコに持ち込んだのでは」と疑う声に、衛生部(日本の厚生省に相当)と官製メディアは非難攻勢を一斉に発している。外交部は、「現時点までに、中国では人間が豚インフルエンザを感染する事例を発見していない」と強調した。

 そのような中国当局の動きについて、国外在住の中国問題の専門家・李天笑氏は、中国国内ですでに豚インフルエンザが発生している可能性が高いと指摘、下記のいくつかの事例を挙げて説明した。

 其の一.世界保健機構(WHO)の駐中国代表・韓卓昇(ハン・ジュオション)はこのほど、中国では感染の疑いがある例が発生し、患者はインフルエンザの症状を表していると発言した。陝西省で100人以上の学生が集団でインフルエンザの症状を表していることについて、中国当局は豚インフルエンザではないとしている。それについて、韓卓昇代表は、中国衛生部は感染の学校の具体的な状況を報告していないと語り、現地政府の依頼がなければ、現地調査できないと話した。

 其の二.2005年、四川省の保健機構・衛生庁のある幹部は、省内で少なくとも17人は謎の疾病で亡くなり、死因はSARSでもなければ、鳥インフルエンザでもない、豚の間で流行するウイルスが死因、と公で発言した。それが事実であれば、中国では2005年にすでに豚インフルエンザが発生したと推測できる。

 其の三.湖北省在住の中国工程院の研究員、家畜伝染病の専門家・陳煥春氏はこのほど、豚インフルエンザのワクチンの開発に成功した、と宣言した。中国で豚インフルエンザの感染が発生していないのであれば、なぜ、そのワクチンが開発できるのか。それは大きな矛盾点である。

 李天笑氏は、「現時点において、豚インフルエンザが中国に入り込むかどうかの問題ではなく、中国当局は根底から事実を隠ぺいしている。中国で同感染症が発生したかどうか、ウイルスの発祥地は中国であるかどうか、近い将来、すべてが明らかになるはず」と述べた。

新型インフルの報道規制か  中国(2009年5月4日47ニュース)

 【台北4日共同】3日付の台湾紙、聯合報は北京と広東省広州の当局がこのほど、テレビ局や新聞社、インターネット業者などに対し、新型インフルエンザの感染拡大をめぐる報道を規制するよう命じる通達を行ったと報じた。

 北京当局は、ネット上の報道は市共産党委員会機関紙である北京日報の記事を転載することや、記事の大きさを指定。広州では感染疑い例の場合、報道を控えるよう命じられているという。

ま、一度隠蔽工作が明るみに出てしまうとこうしていつまで経っても疑われるというのもやむなしかなと思いますが、その上で更に隠蔽を指示となればどういうことになるのかですね。
この件に関してはまともなレポートなりが出てくるまでは今のところコメントは避けておきます。

さて、国内に目を転じますと、このところ急に話題になっているのが下記のニュースではないでしょうか。

発熱の診察拒否、全国調査へ 厚労省、悪質なら指導も(2009年5月5日47ニュース)

 新型インフルエンザ発生国への渡航歴がないなど感染の恐れが少ないにもかかわらず、発熱などの症状で病院を訪れた人が診察を断られるケースが相次ぎ、厚生労働省は5日「単なる診察拒否なら重大な問題だ」として、全国の実態把握に乗り出すことを決めた

 東京都はこれまでに92件を確認。厚労省は、悪質なケースで医療機関名が把握できれば、都道府県を通じた個別指導などを検討する方針。

 厚労省結核感染症課は「『感染の疑いがあれば発熱外来に誘導する』という国内発生後の対応を前倒ししているのか確認が必要」とする一方「現段階でのこうした対応は常識的に考えられない」と不快感を示している。

 東京都では、発熱相談センターに相談の電話が寄せられたことで判明。同様の例は今月2日から5日正午までで92件に上り大学病院が診察を断ったケースもあった。

 診察を拒否されたりセンターに相談するよう言われたりした人が大半だが、「成田空港に勤務」「友人が外国人」と話した途端、診察を拒まれた人も。センターの電話相談で一般病院に行くよう勧められたのに、実際に行くと、そこで拒否された例もあった。

新型インフル:発熱患者の診療拒否 厚労省が全国調査へ(2009年5月5日毎日新聞)

 新型インフルエンザへの過剰な反応から、東京都内の病院で発熱しただけの患者の診察拒否が相次いでいる問題で、厚生労働省は5日、実態把握のため各都道府県に聞き取り調査することを明らかにした。厚労省のコールセンターにも同様の相談が寄せられているという。診察拒否をしている医療機関が確認されれば、都道府県に指導を要請する方針。

 一方、東京都の発熱相談センターには4日朝~5日正午の間に、同様の相談や苦情が29件寄せられた。4日朝までの分と合わせると計92件に達し、都感染症対策課は「診察拒否の多い悪質な病院には指導も考えたい」と話す。「父親が新型インフルエンザ発症国以外から帰国したが、診てもらえない」などの声が寄せられているという。【奥山智己、江畑佳明】

厚労相「診察拒否は医師法違反」 新型インフルで(2009年5月6日東京新聞)

 舛添要一厚生労働相は6日、新型インフルエンザ発生国への渡航歴がないにもかかわらず、発熱などした人が病院で診察を断られたケースが相次いでいることについて「医師法違反だ。医者の社会的義務として対応してもらいたい」と、不快感を示した。新型インフルエンザ対策に関する厚生労働省内の会議で述べた。

 発熱などの症状を示した人への診察拒否については、東京都が5日までに92件を確認しており、厚労省も全国の実態把握に乗り出している。

これらの記事を受けて例によってあちこちで現場の声というものが吹き出していますが、例えば「天漢日乗」さんなどで詳しくネット上の声を取り上げています。
つい先日も感染疑い患者が電車で病院に来たと言う話題もありましたが、さて感染拡大防止という根本に立ち返ってみた場合に何をどう考えるかというのも一つ面白いところではあるかなと思いますね。

「マスコミたらい回し」とは?(その140)(2009年5月5日天漢日乗記事)より抜粋

845 :名無しさん@九周年:2009/05/05(火) 12:47:00 ID:YKnEnwQ9O
>>1
>自治体の発熱相談センターに「新型インフルでないから一般病院へ」と言われたのに診察拒否された

 俺はこの診察拒否をした医師の一人だが
 発熱相談センターの検査陰性の書面を患者が持ってこないんだぞ。
 これで診察するわけないだろが。
 インフルなのに公共交通機関を平気で使って病院まで来るような非常識な患者が山ほどいるのに口先だけの「インフルじゃない」を信じたら病院の患者が危ないっての。
 書面持ってきたら診察しますとつっぱねたよ。

855 :289:2009/05/05(火) 12:52:29 ID:ppOhIR3n0
(略)
 上の方にも書いたが、
 「一般病院が診察拒否」したのではなく、「発熱相談センター(保健所)が、電話だけで診察を拒否した」のが本質。そこが毎日の記者には理解できていない。

 勿論、大量の患者が発熱相談センター・保健所に押し寄せれば、これは大変なことになるよ。だからといって、スクリーニングもおろそかにして一般病院に行け、とは、全く愚劣な論。

 「頭蓋内に残った割り箸を想定してCTを取らないのは怠慢」などと言ってませんでしたっけ??
 なんで今回は「電話だけで決めつけ」してるのに、叩かないのかな?

それはともかく、厚労省は「常識的には考えられない」対応で国の方針が間違って伝わっているのではないかといい、舛添厚労相は医師法違反であり「医師の社会的義務として対応」しろといい、こうして記事で見る限りどこからどう見ても医者が悪いということになってしまいそうな話です。
さてそこで、厚労省のHPから「「新型インフルエンザ対策ガイドライン」について」を参照してみますと、こちらに新型インフルエンザが発生した場合に関係各所が何をどうするのかということをあらかじめ定めた「医療体制に関するガイドライン」というものが用意してあります。
国内患者が発生していない段階では「医療機関に対して新型インフルエンザ疑い患者はトリアージ方針に従い指定医療機関において検査・診療を行うよう指示する。」と書かれていますが、その実際について引用してみると下記のようになります。

第一段階:国外もしくは国内において新型インフルエンザ患者が発生したが、当該都道府県内にはまだ患者が発生していない段階

(1)発熱相談センターの設置

○ 都道府県・保健所を設置する市又は特別区(以下、「都道府県等」)は、保健所などに発熱を有する患者から相談を受ける体制(発熱相談センター)を整備するとともに、ポスターや広報誌等を活用して、発熱を有する患者はまず発熱相談センターへ電話等により問い合わせることを、地域住民へ周知させる。

○ 相談窓口は、患者の早期発見、患者が事前連絡せずに直接医療機関を受診することによる他の患者への感染の防止、地域住民への心理的サポート、特定の医療機関に集中しがちな負担の軽減等を目的とする。

要するに国の方針に従うならば「発熱を有する患者(渡航歴や患者接触歴には言及していません)」はまず発熱相談センターへ問い合わせることが地域住民には求められており、直接医療機関を受診することこそがルール違反であるというふうに解釈できますよね。
さて、国の方針に素直に従って「発熱の患者さんは直接その辺の病院に飛び込まずにまず発熱相談センターに連絡してね」と患者に指示することが「常識的には考えられない」対応で「医師法違反だ」と言うのであれば、一体国は医療機関に何を求めているのかという疑問が湧いてくるわけです。
さすがに厚労省も既定の方針と上記記事中のコメントとの整合性を気にし始めたのか、5月6日になってさりげなくこんな通達が各都道府県に向けて出されていますが、これがまた意図不明なアリバイ的内容なんですね。

国内未発生期における発熱外来を置かない医療機関への発熱患者の受診について

新型インフルエンザ患者の国内発生に備え、関係者との情報共有や発熱外来の設置など、医療体制の確保等について対応いただいているところですが、海外発生期(国内未発生期)における発熱外来を置かない医療機関への発熱患者の受診について、下記の通り、基本的な考え方をまとめましたので、所管の全医療機関にご周知いただきますようお願いいたします。

○ まん延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、発熱相談センターを通じずに発熱外来を置かない医療機関を受診したり、電話による相談があった場合には、まず発熱相談センターに電話で相談し、必要に応じて紹介される適切な医療機関を受診するように勧めること。

○ 発熱相談センターの指導に従って発熱者が発熱外来を置かない医療機関に受診した場合は、患者にマスク等を使用するように指導するなど、感染予防に必要な指導を行った上で、当該医療機関が診察すること。

更にこの件に関しての続報によりますと、唐突にこんな日和ったことを言い始めているようです。

医療機関に適切な対応要請  東京の診察拒否で厚労省(2009年5月7日47ニュース)

 新型インフルエンザ感染の疑いが少ないのに病院で診察を拒否されるケースが東京都内で相次いでいる問題で、厚生労働省は6日、各都道府県を通じて医療機関などに対し、適切な対応を求める通知を出した。

 発熱などを訴える患者が来た際、渡航歴や感染者との接触の有無などを確認した上で、きちんと診察したり発熱相談センターへの電話を促したりすることなどをあらためて周知する内容

 この問題をめぐっては、発熱などで病院に行った人が「勤務先は成田空港」「外国人の友人がいる」と申告した途端に診察を断られたなどとして、東京都や厚労省の電話相談に相談が寄せられたことが5日に発覚。

 同省は、新型インフルに過剰反応した不当な診察拒否の可能性もあるとして当初、全国的な状況を把握するための調査に乗り出す方針を固めた。しかし、担当者は「調査はいったん見送り、通知によってあらためて患者への対処を徹底してもらい、それでも同種事案が続くようなら再度検討する」としている。

通知はまさに既定の方針を「あらためて周知する内容」で今までの対応が間違っているわけでもなんでもないことを裏付けるような話なんですが、、「非常識」で「医師法違反」ともいう行為に対してこのヌルい対応はどういうことなんでしょうかねえ?>厚労省
それで、結局のところ今もっとも問題になっている「まん延国への渡航歴や患者との接触歴が認められ」ない発熱患者が発熱外来のない一般病院に直接来院した場合の対応には一言もなしでいいんですか?>厚労省
特別の通達を出していないということは、これもお役所的に「既定の通達通り」という解釈でよいわけですよね?>厚労省

はてさて、「不快感を表明した」という舛添厚労相が今後どういうコメントを出してくるのかも含めて、このあたりの経過も興味を持って追っていきたいと思います。

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コメント

突然のコメント失礼致します。
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/health-controller/

もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/health-controller/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
TtNMBV3H

投稿: sirube | 2009年5月 7日 (木) 08時30分


相手の女がテクニシャンすぎて即イキしちゃったわwwww
でも一回は一回だからな! キッチリ諭吉いただきましたwww
てか女も「かわいい」って笑ってたし、別に俺は悪くないよなー?

http://paipai.krieh.com/9f88VW6/

投稿: ピュワァーっっっっちゅwwww | 2009年5月 7日 (木) 16時56分

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素晴らしいネーミング!! [続きを読む]

受信: 2009年5月 7日 (木) 12時27分

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