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2009年5月22日 (金)

新型インフルエンザ、関東にも存在することがようやく確定

というわけで、首都圏でもようやく患者発見の声が聞こえてくるようになりました。
既に多くの報道で御存知のことですから個別の事例に対する詳細は控えますが、「調べなければ見つかるはずもない」とは多くの人間の感じていたところです。
一つだけ、この件に関してネットでちょっとした話題になっている面白い書き込みを紹介しておきますが、あくまで「便所の落書き」であることにご注意ください(苦笑)。

124 名無しさん@九周年 2009/05/16(土) 13:55:17 AQjsJ7F0
東京の感染発表は早くて20日の午後以降になると予想。なぜか。
東京都の石原都知事が環境会議で韓国のソウルに20日まで旅行中。
インフルエンザ対策でこれだけ大阪の橋下知事がメディアに露出している中、
 東京で感染を発表したら当然石原都知事に注目が集まる。
 そのときに 「石原都知事は韓国に旅行中です」では、管理責任が問われて一斉に叩かれるのは必至。
だから都はなんとしても感染発表を石原都知事の帰国後に引き延ばすはず。
おそらく19日くらいになって「都も今後は海外渡航者以外のA型患者の
DNA検査を検討します」みたいな発表があるんじゃないか。
ただし集団感染限定とかおかしな制限をつけて。
実施はもちろん石原都知事が帰国する20日以降。
東京初の感染者は海外渡航歴または関西旅行歴のある高校生。

一応御存知のない方のために申し添えておきますと、ネットでこの種の流言飛語めいた発言というものは全く脈絡も何もなく始終飛び交っており、世の多くの予言なるものと同様にその大多数は黙殺されて終わるものです。
およそ考えられるだけのバリエーションが存在する中でたまたまどこかに真相めいた書き込みがあったとして、その真実性を安易に判断してしまうことはネットの陥穽にはまる第一歩とも言い、「ネタをネタと見抜けぬ奴は(ry」などと揶揄されてしまう結果となりますから重ね重ねご用心ください。

いずれにしてもこうして「東京でも新型インフルエンザが見つかりましたが、外部から来た症例だけです。感染源も判らないようなまん延などありません」という公式のスタンスが確定された形となったわけです。
一方で舛添大臣はこのようなコメントを出していますが、これもこのタイミングでこの内容と考えると色々と深読みは出来るような話ではありますよね。

閣議後記者会見概要(2009年5月19日厚生労働省広報室)より抜粋

(記者)
 昨日大臣がおっしゃった水際対策の縮小というのは、やはりメキシコ便とかアメリカ便でやっている
 機内検疫を縮小していくとかやめるとかそいういう方向でよろしいですか。

(大臣)
 最終的には、今、何が必要かというと、関西ですでに159名見つかっているわけですから、当然国内にもうウイルスが蔓延しているというのを想定していいと思います。関西だけではなくて、おそらく。新幹線に乗って、そういうウイルスを持っている方が東京に来られれば、東京にも当然蔓延している可能性があります。そうすると、そこに人的資源を割かないといけない。

「都と川崎市の対応適切」厚労相が評価 新型インフル(2009年5月21日朝日新聞)

 舛添厚生労働相は21日の参院予算委員会で、新型の豚インフルエンザの感染が東京都八王子市と川崎市に住む高校生2人から確認されたことに関連し、「(国内で人から人に感染した)関西と違い、ニューヨークからということだし、しかも学校に行っていない。東京都と川崎市の教育委員会は適切な対応をとっていると思う」と述べ、現段階で学校の休校措置などを不要とした都と市の対応を評価した。民主党の大塚耕平氏の質問に答えた。

しかし先日は厚労省絡みの陰謀論めいたことも書きましたが、こうもあちこちから面白そうな話が聞こえてくるというのもネタとしては面白いなと思いながら見ているところです(これで重症型であったなら洒落にならないところですが…)。

それはともかく、首都圏に限らずとっくに全国に新型が広がっているのではないか?とする声は既にあちこちから上がっていたのも事実で、それが今まで発見が遅れたのは、単に確定診断に回すのが海外渡航者に限られていたからに過ぎないという声も根強くあります。
たとえばインフルエンザの発生状況に関してはこういうデータもありますが、東京都や神奈川では「海外渡航歴がなければ新型を疑うに及ばず」の姿勢を墨守してきましたから新型であるともないとも言えないというわけです。

09年4月19日~4月25日 インフルエンザ発生件数(厚生労働省HPより)

東京 学年閉鎖:1 学級閉鎖:11 患者数:190
神奈川 学年閉鎖:2 学級閉鎖:05 患者数:134
 大阪 学年閉鎖:0 学級閉鎖:02 患者数: 28 
 兵庫 学年閉鎖:2 学級閉鎖: 0 患者数: 24

更に言えば現在の臨床現場ではインフルエンザA型と迅速診断キットで判定されなければ新型の確定検査に回されることはまずないと思われますが、御存知のように発症初期の迅速キットの感度というものは非常に低いですから(メーカーは「正しく行えば」約半数は検出可能と言っていますが…)そもそもスクリーニングの時点で見逃しが多発している可能性が多いと思いますね。
たまたま関西では全くの偶然から新型の患者が発見され積極的に確定診断をつけるようになりましたが、そうでなければこうまで大勢の患者が見つかることもなかったわけで、海外渡航者にしか確定診断を行っていなかった東京ではこれだけインフルエンザ患者が出ていると噂になっているのにも関わらずようやく第一例が発見されたばかりというのもある意味当然の結果ではあるわけです。
このあたりは(患者を積極的に見つけたいのだとすれば、ですが)そもそも国の方針自体がおかしいんじゃないかとは以前から各方面で指摘されてきたところですが、ひと頃のパニックを過ぎてようやく当たり前の話が当たり前に報道されるようになったという記事を幾つか取り上げてみましょう。

全国的にA型インフルエンザの感染例増加 新型が潜在的に混じっていると指摘する声も(2009年5月20日FNNニュース)

新型インフルエンザの感染者増加を受け、対策の国内シフトが進んでいる。こうした中、全国的にA型インフルエンザの感染例が増加しており、新型が潜在的に混じっていることを指摘する声もある。
舛添厚労相は「当然、国内にもうウイルスがまん延しているというのを想定していいですね」と述べた。
感染拡大への懸念。こうした中、気になる現象が現れている。
それは、季節性インフルエンザの流行。
東京・江戸川区にある「みやのこどもクリニック」の宮野孝一院長は「5月は(インフルエンザ患者が)ほとんどいなかったはずです、去年は。先週が12~13人ですね、1週間に。新規のインフルエンザ」と話した。
季節性インフルエンザの流行期間は、例年12月から4月ごろまでだが、2009年はなぜか、流行が長引いているという。
宮野院長は「4月の上旬、中旬ごろから、徐々にまた増えてきているというのが現状で、ほとんどがA型というのが特徴です。非常に不気味な感じはします」と語った。
新型インフルエンザと同じA型の流行。
国立感染症研究所が全国5,000カ所の定点医療機関を対象に行っている集計でも、4月下旬の発生件数は、過去5年間の平均値を上回っている。
これは、いったい何を意味するのか。
東京医科大学の松本哲哉主任教授は「検査なしでは新型なのか、いわゆる季節性のものなのか、判別は難しいと。精密検査されてませんから、そういうことは確定はできませんけど、そういう人が中に紛れ込んでたとしても、それはもう全然おかしくない」と指摘した。
当初、海外渡航歴のある患者に対して行われていた遺伝子レベルでの検査。
一方、初めての国内感染は、渡航歴のない高校生を診察した開業医が、検体を兵庫・神戸市に提出したことで判明した。
開業医が季節性インフルエンザと思って検体を提出しなければ、発見が遅れた可能性もある。
松本主任教授は「新型インフルエンザが都内に現時点で持ち込まれている可能性は、かなり高いと思います。気づかないまま、やっぱり同じようなことが東京でも繰り返されるかもしれないし。今の時点でA型がもし出たとしたら、それはやはり積極的に疑って、検査をやられる方がいいと思いますよね」と語った。
水面下でまん延しているかもしれない新型インフルエンザ。
冷静かつ十分な注意が必要となる。

新型インフル:専門家から意見聴取 方針転換の声が相次ぐ(2009年5月20日毎日新聞)

 新型インフルエンザの国内対策切り替えに向け、舛添要一厚生労働相は19日、感染症の専門家4人から意見聴取した。感染症法上の扱いを季節性インフルエンザと同じにすることや、機内検疫の即時中止など、根本的な方針転換を迫る声が相次いだ。

 4人は厚労相のアドバイザーの立場。新型インフルエンザ患者の治療にあたっている神戸大大学院の岩田健太郎教授は「軽症であれば、インフルエンザは自然に治る病気。重症度を無視して一律の医療サービスを提供するのは理にかなっていない」と、現在の対策の問題点を指摘。その上で「循環器科などの協力を得て全力で取り組んでいるが、自然に治る病気に入れ込み、命にかかわる心筋梗塞(こうそく)などの治療がおざなりになるのは本末転倒。重症度に応じた治療にするべきだ」と訴えた。

 自治医大病院の森澤雄司・感染制御部長は「一日も早く感染症法上の『新型インフルエンザ』の類型指定から外して季節性と同じ扱いにし、サーベイランスを強化して社会的なインパクトを見極め、行動計画を新しく作っていくことが必要」と指摘した。

 森兼啓太・国立感染症研究所主任研究官は、段階的に縮小される機内検疫について「国内で広がっている中では意味がない。神戸では医療従事者が寝ずに働いており、医療現場に医師を戻すべきだ」と、機内検疫の即時中止を訴えた。【奥山智己】

通常この時期は季節性インフルエンザと言えば大多数がB型でそれも収束に向かっているはずなのに何故か今年は流行が続いている、そしてこれも何故かある時期からA型が増加してきたという事実をもって「検査をすれば新型はもっと見つかるはず」と誰しも思っていたところです。
しかし目の前のインフルエンザ患者が新型であると確定したところで何かしら特別な治療があるわけでもない、そして新型確定となれば目の前の患者は当分軟禁状態となり自身もお上から当面営業停止にされるともなれば、全国の末端医療機関が敢えて火中の栗を踏むのも躊躇するのも仕方がないという側面もあるでしょう。

逆に考えれば、ある段階まで「新型の検査は海外渡航者のみ行う」という方針を固守する一方で、いざ患者が見つかれば医療機関には「見つけなければよかった」と思わせるほどに過剰なまでの対応を強いる、そして「これだけまん延しているのだから一々全患者について調べるのは無理だし無意味だよね」という方向に話を持っていくというのであれば、それは本気で患者を見つけ出すための最善の方法からは程遠いどころか真逆なやり方であるという言い方も出来るかも知れませんね。
もちろん新型であると確定診断をつけることのメリット、デメリットとは別な次元の問題ですが、当初の疑い症例が見つかっただけでも大騒ぎしていた舛添大臣らの姿を知っている者としては何か釈然としないものを感じてしまうところです。
このあたり今週内にも舛添大臣が今後の検査態勢について大きく変えるような方針を口にしているようですから、どのように変えるつもりなのかといったあたりを興味を持って見守っていきたいと思います。

さて話は変わって、この段階になりますともう少し現実的な対応というものも考えてみなければならない時期です。
海外ではすでに軽症者は通常の対症的治療のみで十分という考えたかが主流になりつつあるようですが、おそらく長年続いてきた日本の医療環境の状況を考えてみた場合に、今後新型がどれほどまん延して診断確定の意味が乏しくなろうが「心配だから検査して」という患者の求めに応じて白黒つけざるを得ない状況は続くのではないかと考えられます。
ただ国際的には過剰診療とも取られたとしても「今までそうしてやってきたのに、今回だけ急に検査もしなくなっていいの?」という答えが医療従事者にとってもなかなか明確でなかったのは事実なのであって、このあたりは記事中にも登場している神戸大の岩田健太郎教授がブログで自戒を込めて言っているのが興味深いですよね。

専門家チームでのコメント(2009年5月19日ブログ「楽園はこちら側」記事)より抜粋

インフルエンザは、ほかの病気同様、重症なものと軽症なものがあります。重症なインフルエンザは由々しき事態で全力をでの医療が必要になります。軽症者は自宅で安静にしていれば自然に治ります。本来、インフルエンザは自然に治る病気なのです。

したがって、新型インフルエンザに対して、その重症度を無視して、一律の医療サービスを提供するのはいかにも理にかなっていないことです。無限の泉から医者や看護師が湧き出てくるなら話は別ですが、この日本はずっと前から医療崩壊に片足を突っ込んでいたのです。

神戸大学病院では循環器など他科の先生もご協力いただき、全力でこの問題に取り組んでいます。しかし、鼻水、のどいただけで自然に治る病気に入れ込み、命にかかわる心筋梗塞の治療がおざなりになるのは、本末転倒です。

インフルエンザとは本来、病人/患者からアプローチすべきものです。世界の専門家はすでに気道感染症として病原体から切らないまっとうなアプローチをしています。RSウイルスもコロナウイルスもインフルエンザウイルスも原則的なアプローチは同じなのです。

日本は古来病原体からのみ感染症を扱っていました。感染症法がその象徴です。しかし、同じ病原体でも患者によってアプローチは異なるのです。患者中心の医療とはそういうことなのです。「患者中心」とは、単なるスローガンではないのです。

我々日本の医療者も、すぐに病原体探し、まずは検査という病原体中心の医療を行ってきました。それを真摯に反省しなくてはなりません。行政だけがけしからん、と主張したいのではないのです。しかし、この危機を乗り越えるとき、指定感染症の規制が現場を苦しめていることもまた事実です。

前述の記事中にも「感染症法上の扱いを季節性インフルエンザと同じにすること」と言う一文がありますが、ここでは岩田教授の「この危機を乗り越えるとき、指定感染症の規制が現場を苦しめていることもまた事実」という記述にご注目ください。
実はちょうど一年前の平成20年5月に「感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する法律(感染症法)」が改正されたことをご記憶の方もあるかと思いますが、この改正作業の時点では今後登場する新型インフルエンザと言えば強毒型であろうというのが半ば常識的に語られていたわけですね。
そこで鳥インフルエンザに加えて「新型インフルエンザ等」というものを定義して対策を講じているのですが、この対象疾患の定義なるものがこの通り病原性の強さなどは全く考慮していない極めて広範なものとなっているのです。

第六条七 この法律において「新型インフルエンザ等感染症」とは、次に掲(新設)げる感染性の疾病をいう。

一新型インフルエンザ(新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に国民が当該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。

この結果どういうことになったかと言うと、全ての新型インフルエンザなるものは強毒型を想定してエボラ出血熱(あの映画などでさんざん登場したエボラですよ!)など一類感染症に準じた措置を取らなければならないということになってしまったわけなんですね。
面白いことに本来の警戒対象であるべき強毒型の鳥インフルエンザ(H5N1型)はこれより格下の二類感染症(SARS等と同等)扱いになっているということですが、このあたりどういう思惑でそういうことになってしまっているのか事情を御存知の方いらっしゃるでしょうか?
ついでに興味深いこととして、この法律上は新型インフルエンザと診断された場合には色々と公費負担の義務というものが出てくるわけですが、どれだけインフルエンザの流行が大規模になろうが新型であると確定診断さえ行わなければ当然全ての費用は患者らの自己負担になるわけで、このあたり国にしろ自治体にしろ財政状況厳しい折にありがたい話ではないかなと思いますね。
法律に明記されている以上は天下の舛添厚労相としてもいきなり無視してことを運ぶというわけにもいきませんから、今後も「限りなくグレーゾーンのまま対応」といういかにも日本的解決法が横行しそうな気配を感じているのは自分だけでしょうか。

国や自治体の思惑はともかくとして、医療現場はどうすればよいかという問題も切実です。
こうして感染蔓延が追認されつつある以上は現場は来た患者には対応するしかないと思いますが、軽症者は自宅療養というのは現実問題早急にやらざるを得ないとしても、一番議論の余地がありそうなのが抗ウイルス薬の処方の是非ではないでしょうか。

元々日本はタミフル大国だなどと揶揄されてきた経緯がありますが、新型インフルエンザに全例タミフルを使う、さらに周囲の濃厚接触者にも10日間の予防投与まで行うということになれば、3000万人分は確保しているとも言う国内備蓄分でも安閑としていられないということになりかねません。
ましてそれだけ広範に抗ウイルス薬を使用したとなれば、この秋以降にでも万一強毒型に転じた時には耐性ウイルスばかりで治療の方法もなければ薬もないということにもなりかねません。
すでに一部医療機関では検査キットも薬も底を突いたという声がある一方、市場では怪しげな薬が高値で売買されているなどという話もあるようですが、どこまで確定診断に回すのかといった件も含めて国は早急に診断、治療の基準についても全国に広報していくべきなのではないかと思うのですが…

タミフル"争奪戦" 一般医療機関「備蓄放出を」 大阪や兵庫「市場で足りる」(2009年5月20日産経新聞)

 新型インフルエンザの感染が広がる大阪府や兵庫県では、一般医療機関から、両府県の備蓄する抗インフルエンザ薬タミフルを市場に放出するよう要望が強まっている。政府が「蔓延(まんえん)期」と認めれば、一般医療機関が患者を診療するが、通常の季節性インフルエンザ流行期を過ぎているため、タミフルの手持ちがない医療機関が多いからだ。しかし、両府県とも「現時点は市場流通分だけで足りる」と備蓄投入には慎重。両者で〝タミフル争奪〟をめぐり綱引きが続いている。

 政府の行動計画では、現在の「国内発生早期」段階では、軽症者も含めて患者全員の入院を定めている。しかし、患者の多い大阪府では、府内の発熱外来や入院先施設の受け入れはほぼ限界。このため、厚生労働省も「蔓延期」以降しか認めていない一般医療機関での診療やタミフル処方も認める方針にしている。

 これを見越して、府内の医療機関から「蔓延期になってから、タミフルが入手困難になっては困る。事前に一定量は必要」とする声が強まっている。実際に、府医師会のアンケートでは、162人の医師のうち、59人(36%)がタミフルの保有数を「1人分以下」、56人(35%)が「5人分以下」と回答。同医師会は18日、府などに対し、備蓄分放出など「早期の安定供給」を申し入れた。

 ところが、大阪府や兵庫県の見解は違う。府は現在、72万人分のタミフルを備蓄。あくまで患者が急増しタミフルが不足した場合、備蓄分を卸業者を通じて投入する予定にしている。府は海外で感染が急拡大した4月28日以降、タミフルを扱う主要卸業者の在庫数の確認をしているが、5月19日時点では計5万7000人分あり、「放出の必要はない」としている。

 ではなぜ、医療機関側に〝危機感〟が募るのか。府の担当者は「極端に言えば、医療機関にはタミフルを患者1人に使うたびに、1人分のタミフルを〝小出し〟するよう卸業者に指導している」という。その理由を「一部の医療機関による必要以上の抱えこみを最も警戒している。偏在すれば患者が迷惑する」と慎重な姿勢を崩さない。

 医療機関と自治体の間で板挟みとなっているのが卸業者だ。ある卸業者は、患者の多い府北部を中心に、タミフルの注文が殺到。医療機関からは「薬の必要性は患者1人だけではない。家族全員に広がる可能性も高く、もっとタミフルを出せないのか」などと詰め寄られることもあるという。卸業者は「タミフルで事態に備えたい医師の気持ちも分かるが、行政の指導にも逆らえない」と困惑している。

タミフル、ネットで高値売買…薬価の4~5倍(2009年5月20日読売新聞)

厚労省「ニセ薬の可能性も」
 新型インフルエンザの感染が広がる中、治療薬タミフルがインターネット上で薬価の4~5倍の高値で取引されるケースが続出している。多くは個人輸入の代行業者を装っているが、薬事法で禁止されている未承認薬の販売行為に該当する可能性もあり、厚生労働省は「ニセ薬の可能性もあるので飲まないで」と呼びかけている。

 あるサイトでは、薬価(1カプセル309・1円)の約4倍にあたる10カプセル1万2000円で販売されていた。サイト運営会社では「日本からの注文が増えている。世界的に品薄になるとの憶測から買いだめしているのでは」とする。別の業者は、今月に入って、ほかの業者と共同で香港に保管していた数百ケースを売りに出したところ、すぐに完売、現在は在庫ゼロの状態だという。

 厚労省によると、日本では中外製薬だけが輸入販売元として指定されており、それ以外は未承認薬とみなされる。また、タミフルは医師の処方せんがないと購入できない。薬事法では、未承認薬の広告を出すことが禁じられているほか、輸入代行業者が未承認薬を発送することは同法で禁止されている「販売行為」に該当する可能性があるという。

 業者は、「個人輸入の代行をしているだけで、違法性はない」としており、実際は輸入代行か販売かの線引きが難しいケースも多い。同省では「問題の業者には個別に警告メールを出すなどしている」とするが、多くの業者が海外に拠点を置くなどしており、摘発は難しいという。

薬の高騰もさることながら、マスクなども昨今では完全に品切れ状態でネットでは10倍の値がついて売られているなどという話があるようで、日本では花粉症などで「街中でマスク」というのがある程度市民権を得ていたのが悪い方向に影響したのかなとも思っています。
これも本来は感染者が周囲にうつさない目的で使用するもので、多数の患者と濃厚接触する医療従事者などが例外的に予防的に用いるというのが筋ですが、予防的側面が強調された挙げ句に本来用いるべき人々に回らないということになっては本末転倒ですよね。
もちろんマスクにある程度感染予防効果があることは確かですが、薬であれマスクであれ利用できる資源として有限である以上は最も用いるべき人々から優先的に回していくというのが常識的な対応というものであって、「自分さえよければ」という考え方はいたずらにパニックを煽るものだと思いますね。
厚労省はようやく過剰なマスクの乱用に対してコメントを出したようですが、検査やタミフルの件などとも併せてこういう方面でこそ強力な指導力を発揮していくべきでしょう。

「屋外でのマスク着用は不要」=他人への感染防止が目的-厚労省(2009年5月21日時事ドットコム)

 新型インフルエンザの感染拡大で品切れ状態になっているマスクについて、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進室の難波吉雄室長が21日、記者会見し、本来の使用目的は予防ではなく、他人にうつさないことだとした上で、「人込みの少ない屋外などで着用する必要はない」と述べた。
 難波室長は「マスクは感染者のウイルス飛散を防ぐためのもの。せきが出るようだったら使用してほしい」と強調。予防目的の購入に注意を促した。


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