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2009年4月 4日 (土)

既存マスコミとネット

すでに御存知の方も多いかと思いますが、朝日新聞社が2chで規制を食らった件で大恥をかいています。
まずはこちらの記事から紹介してみましょう。

朝日新聞、意味不明の連続書き込みで2ちゃんねるの運営を妨害(2009年3月31日technobahn)

フリーの大型掲示版サイト「2ちゃんねる」が30日付けで朝日新聞社(asahi-np.co.jp)からの記事の書き込みに規制をかけたことが明らかとなった。

 2ちゃんねるによると朝日新聞社は今年の2月頃から2ちゃんねるの「鉄道路線・車両」板内のスレッドに対して「あぼーん、あぼーん」といった意味不明な書き込みを多数投稿し、掲示版の正常な運営を妨害する行為を行っていたとしている。

 国内企業の場合、企業内から2ちゃんねるへ書き込みを行うことを規制しているところも多く、このように2ちゃんねる側が企業名を公表して迷惑行為の排除に乗り出すということは稀

本社編集局員、差別表現をネットに投稿(2009年3月31日朝日新聞)

 朝日新聞社内のパソコンからインターネットの掲示板に不適切な内容の書き込みがされていたことが分かった。本社は31日、この文章を書いた社員を特定し、事情を聴いたところ、投稿を認めた。

 社員は東京本社編集局の校閲センター員(49)で、掲示板サイト「2ちゃんねる」に断続的に投稿していた。部落差別や精神疾患への差別を助長する内容が含まれていた。3月30日夜、外部から指摘があり本社が調査を開始した。

 このセンター員は「他の投稿者と応酬するうちにエスカレートしてしまった。悪いことをしました。釈明の余地はありません」と話している。

◆本社「厳正に処分」

 朝日新聞社広報部の話 弊社社員が2ちゃんねるの掲示板にきわめて不適切な書き込みをし、多くの皆さまに不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことをおわびします。事実関係をさらに確認した上で、厳正な処分をいたします。

これらの記事からはどこが差別表現なのかはっきりしませんが、まとめサイトから実際の内容を引用してみますとこんな感じだったようです。
他にも見れば見るほど色々なところを騒がしているらしいのですが、しかしまあ単に差別表現と言うのですかねこういうのは…

朝日新聞社 鉄道板荒らし問題まとめwikiより抜粋
問題となった差別発言

15 名前:名無し野電車区[sage] 2009/02/09(月) 14:44:57 ID:faX4BoSi0
出て行け部落民。

20 名前:名無し野電車区[sage] 2009/02/09(月) 16:02:27 ID:faX4BoSi0
つまりルルってエタヒニンだから、関西から夜逃げして来たんだね。
だから、2ちゃんでは虚飾で飾っていながら、
実際には家賃にすら窮する貧乏フリーターなわけだ。
エタヒニンが足立区や舎人ライナーを馬鹿にするのは理解できなくもない。
やっと、そんな環境から逃げて来たんだものね。

147 名前:名無し野電車区[sage] 2009/02/13(金) 04:50:12 ID:95bZ80OZ0
馬鹿ルルは、部落民であることは否定しないのな。
貧乏で何の取りえもない基地外ルル。
とっとと箕面の部落で死ねばいいのに。

176 名前:名無し野電車区[sage] 2009/02/13(金) 22:09:08 ID:95bZ80OZ0
どうしたルル?
鬱病の薬が切れて二重人格が元に戻ったのか?
ニート精神病部落民のやることは分からんな。

186 名前:名無し野電車区[sage] 2009/02/14(土) 15:20:10 ID:3kTT4Qt40
部落民が毎日出しゃばってんじゃねえよ。睡眠薬でも飲み過ぎて永眠しとけヴォケ

朝鮮人差別

12 名前: まちこさん 投稿日: 2007/02/07(水) 20:08:43 ID:ifFrVJoE [ atws03.asahi-np.co.jp ]

お囃子のこと
このごろ、お囃子も地元佐倉囃子が東京の若山社中に侵食されつつあるのはさびしいですね。
佐倉囃子の会員が自分の囃子を粗末にして若山一辺倒になるのはどうかしてるし
佐倉で演奏するなら佐倉囃子を演奏すればいいのにね。
そもそも佐倉に若山を持ってきた奴は元会員なんだけど出自が朝鮮人で頭のおかしい奴だったから
日本人の心とかしきたりなんか何もわかっちゃないからしょうがないけど。
その人還暦近いのにまだわからないよ「馬鹿」。

不二家風評被害まで…

7 名前: まちこさん 投稿日: 2007/02/18(日) 03:39:53 ID:OPED7JVM [ atws03.asahi-np.co.jp ]
それってOKストアーでしょう。あそこは安い客がたくさん来るから生鮮食料品なんか新鮮だよね。
ただ、不二家の商品をまだおいてるのは、いただけないね?まぁ買わなきゃいいけど。

アダルトスパム

件名:挿れっぱwwwww 投稿者:ばばそ 投稿日:2008/11/01(Sat) 23:31 No.68 HomePage
ちょww ユカって子ヤバイwwwww
しゃぶってもらいながら、ずっとオ ナ見てあげてたんだけど、イった後もバ イブを突っ込んだままでそのまま寝てた(^^;
いやぁ、寝てても体はヒクヒクするもんなんだなぁwwwwwwww
(業者アダルトサイトのURL)

興味深いのは朝日新聞側では件の編集局員一人の犯行ということにしておきたいようなのですが、少なくとも六人のIPが規制されているようなのですね。
同じくまとめサイトから事件の経過を見てみますと、どう見ても一人での犯行というには無理のある現象が発生しているようです。

これまでの流れ

2009/02/08~
名無しと固定ハンドル※が2ちゃんねる鉄道路線・車両板のスレッドで 差別用語を乱発し 煽り合いをしていた。

2009/03/30(月) 16:01
双方とも荒らし行為として削除要請板のスレッドに報告され、スレッド内で名無しからの投稿が「atws02.asahi-np.co.jp」や「atws03.asahi-np.co.jp」からによるものだと判明する。

2009/03/30(月) 16:42
ニュース速報板でスレッドが立ち、祭りとなる。

2009/03/30(月) 20:09:13
「\.asahi-np.co.jp」が2ちゃんねる内の全サーバで規制される。

朝日新聞社のIPが規制されたのと時を同じくして、

    * 2nnへのアクセス数が半減する
    * 突如,政治的・思想的に偏った悪質な書き込みが激減する (特にニュース・スポーツ・政治系の板で顕著)
    * 同じくかねて運営より指摘されていた「中国と民主党工作員」の活動も鎮静。(「yahooみんなの政治」等、外では活発なまま)

という現象が発生。

2009/03/31(火) 15:39   
規制との関連性があるのかという話について、
管理者FOXが 朝日新聞から工作行為と断ずる事ができるレベルでの書き込みがこれまでにあった事を 暴露 。

このあたりの事情は噂レベルのカキコやら電突レポートやらで情報が錯綜していてどこまで本当のことなのか判りにくいのは確かですが、少なくとも朝日新聞社員が日頃紙面で非難しているまさにその通りの行為をネット上で行っていたという事実は拭えないと見てよいでしょう。
特に注目すべき点は朝日新聞、毎日新聞をはじめとする既存メディアが近年ネット上での言論に対して攻撃姿勢を強めているということで、その「中傷被害」なるものの実態が自社書き込みであったと言うことであればこれはマッチポンプと言われても仕方のない糾弾されるべき行為ですよね。
ちなみにネット社会ではこうした恥ずべき行為を至ってシンプルに「お前が言うな」と評します。

天声人語(2009年2月7日朝日新聞)

 パリの裏通りを歩くと、たまにクラクションの合奏に出くわす。渋滞の源である配送車に、後続の車が遠慮がちに鳴らした一発。それがたちまち長い長い一斉射撃に転じ、荷下ろしの配達員をせかすのだ。「奏者」不詳の匿名性が、気と音を大きくする▼インターネットでの中傷被害が絶えない。匿名に乗じて、小心者が振り回す言葉の暴力だ。巨大掲示板での雑言は、例えれば公園で怒鳴り散らすのたぐい、ブログへの悪態は民家に土足で乗り込む挙だろう▼男性芸人が殺人事件に関与したというデタラメな情報をもとに、芸人のブログに「殺す」などと書き連ねた女が、脅迫の疑いで書類送検された。同じブログで中傷を重ねた17~45歳の男女18人も、名誉棄損の疑いで立件される▼住所は北海道から九州まで。互いに面識はなかろう。同じ民家で暴れた縁とはいえ、「覆面に黒装束」では男女の別すら分からない。だが書き込みの記録から発信元は割れる。警察がその気になれば、覆面は造作なくはがされる▼顔が見える集団討論でさえ、意見が次第にとんがり、結論が極端に振れることがある。匿名ゆえに責任感が薄まる場では、安易に同調し、論より情にまかせて過激さを競うような群集心理が働くという(岡崎博之『インターネット怖い話』)▼自由に発信できるネットにより、善意の輪が広がることもあれば、権力やメディアの所業が問われもする。「情」と「報」の海に紛れる悪意をどう摘むか。もはや言論の裏通りとはいえない存在だけに、交通整理の知恵がいる

朝日新聞に限らずネット上での情報収集(彼らの言葉によればネット取材というのだそうですが)はごく一般的に行われている行為であり、最近もTBSが見事に恥をさらして話題になったことも記憶に新しいところです。
少し前にはテレビ朝日が「ネット上にあふれるブログなどのウソを見破る」と銘打った番組で嘘を見破ったはずが、実はそのブログ自体が自社制作の捏造だったと言うことがバレてしまい、やはりここでもマッチポンプの工作員活動遂行中であったことが知れ渡ってしまいました。
事件自体は珊瑚KY事件をはじめ捏造がお得意の朝日系列であるだけに「またいつもの得意技発動か」という感じなのですが、むしろ彼らの反社会的活動が常時ここまで詳細に検証されていると言うことの方に驚くほどで、それだけ既存メディアというものが社会的信用を失っているということなんでしょうね。
少し前には新聞協会が報道各社に対してだけ個人情報保護法の規制を撤廃せよなどと手前勝手な事を言いだしていましたが、こうした彼らの行動を見れば社会的支持が得られるものかどうかもう一度自省してみた方がよさそうにも感じられます。

既存メディアのネットに対する姿勢というものは一方で利用すべき点は利用するという実利中心のつき合い方もあるわけですが、むしろ公的立場としてネット敵視、ネット軽視という態度をあからさまにしているように見えることも注目されます。
ネット軽視ということに関しては彼らの底なしの無知ということが最大の原因のようにも見えますが、いやしくも21世紀に生きる報道業界の人間としていかがなものかと感じているのは自分だけではなかったようです。

NHKの討論番組で驚いたネットに対する認識不足(2009年3月30日日経ネット)

 NHKの討論番組「日本の、これから テレビの、これから」に出演した。メーンゲストは民放連の会長、NHKの副会長、糸井重里氏、ジャーナリストの嶌信彦さん、そして私の5人。さらに各民放のプロデューサーや放送作家、そして視聴者代表の方々が加わった生放送の討論番組で、3月21日土曜日の午後7時半から3時間というゴールデンタイムに放映された。(夏野剛のネオ・ジャパネスク論)

 テレビの企画としてはとても意欲的なもので、この企画をNHKで通した方々に本当に敬意を表したい。いろいろ大変だったと思う。

■ゲストも視聴者も50代以上

 番組は「視聴者代表 vs 番組制作者代表」という構図で進められたので、メーンゲストの5人が中心というわけではなかったのだが、視聴者、制作者、ゲストを問わず、私が思った以上に、50代以上の参加者がネットの基礎知識をもっていないことに愕然とした。

 というか、単にインターネットを使ったことがない、というレベルだろうか。メーンゲストも私以外は糸井さんも含めて全員60歳以上、制作者の代表も半数は50歳以上。また、土曜のこの時間だと、番組の視聴者も7割ぐらいが50代以上だろうか。

 別に年代と知識は連動しないのだが、発言内容をみると、ネットのことを知らない、あるいは使ったことがないことを露呈しており、かつ、分からないが故に嫌悪しているような響きのある発言すらもあった

 そういう人たちが多数派というなかでの討論なので、話が噛み合わないと言った方が正しいだろうか。番組の進行上も、ゴールデンタイムにNHKの討論番組を見る人たちにはネットの知識なぞないという前提なので、見ている人たちに合わせた発言レベルを歓迎する。

 図らずもネット業界代表のような立場になってしまった私であるが、なにしろ生放送なので、機会を逃さないように発言するのが大変であった。
(略)
■あまりの認識不足に悲しい気持ちに

 本コラムでは、番組の本来の趣旨である「若者がテレビ離れし、ネットに流れているなか、テレビはこれからどうなるのか、どうすべきか」というテーマに関して、気になったことをまとめてみたい。

 まず、多くの参加者が「テレビ=テレビ受像機と放送」という捉え方をしていたが、実際にはパソコンでもケータイでもテレビは見られる。人気番組はDVDにもなれば、映画として上映されるものもある。つまり「テレビ」とは箱としてのテレビなのか「番組」(あるいはコンテンツ)なのかが、人や発言によってバラバラであり、曖昧だった。

 また、ネットを使ったことがないと思われる人を中心に、「テレビ=マスメディア=良識ある報道、精度の高い情報」対「インターネット=個別メディア=無責任でいい加減な情報」という構図で話したがっていた。しかし、テレビ局だって新聞社だってインターネットを使っているわけで、テレビ対インターネットという構図はまったく的外れなのだが……。

 メーンゲストですら「ネットにはいい加減な情報が……」というような発言をしていた。議論すべきなのはテレビがこれからどうネットを使うのかという点であって、ネットの中のいい加減な情報について語る場面ではない。ネットに対するあまりの認識不足に、正直悲しい気持ちになった。

■制作者の危機感も薄く

制作者の方々の現状への危機感が薄いように感じたが、ご覧になった方はどうであっただろうか。例えば、決まった時間にテレビを見るということが今後減っていくと答えたのは、制作者9人のうち、わずか1人。残りの8人は今後もタイムテーブルに合わせて視聴者が番組を見てくれると思っているようだった。

 視聴者代表のどなたかが言っていたような「昔と比べてテレビ番組の質が下がっている」という話では決してない。単にテレビの他に面白いことがたくさん出てきているのだ。テレビしか娯楽がなかった時代ではないのだから、必然的に、決まった時間にしか見られない番組は敬遠される、というか相手にされなくなる

 絶対価値が変わっていなくても比較優位性が薄れているということに、テレビの制作者たちが感づいていないことは正直ショックであった。
(略)
■「使ってない」人の集まりは本質的な議論にならず

 今回は生の討論番組で、しかもゴールデンタイムだったので、このメンバー選択はよかったと思う。結論を出すことが目的ではないので、見方の違い、もっと言うと、ネットに対する基礎知識レベルの違いが明確になって、番組企画としては成功だったと思う。

 企業名や番組名などの禁句なし、台本なし、しかも私のような人間をゲストにしてくれたこと(他のメーンゲストは全員60歳以上)に、本当に感謝したい。制作に携わった方、本当にご苦労様でした。

 が、もしこれが政府主催の研究会や懇談会、あるいは諮問委員会だったら、と思うとぞっとする。つまりネットに対する誤解や、基本的に「使ってない」人たちがメンバーになっていると話が全く違う方向にいったり、本質的な議論にならないということだ。

 よくある政府関係の集まりでは、バランスをとると称して、いろいろな立場の人をメンバーにするのが常道だが、ことネットに関する限り、使ってない人には全く分からない利便性、効能をきちんと議論する必要がある。

 特に、未来に向かって「これから」を論じるときには、今あるものを廃止したりなくしたりするわけでない限り、新しいものを理解できずに恐れている人を議論に入れるのは意味がない

 今回の番組のなかでも「パソコンの操作が分からない」「オンデマンドになったら何万のコンテンツから何を見たらいいか分からない」「高齢化が進むのでますますネットを使えない人が増える」という視聴者代表の意見が相次いだが、そういう方々は今のまま番組表に基づいてテレビを視聴し続ければいいわけだ。少なくともテレビの「これから」を議論する際に重要な要素とは思わない(もちろん配慮は必要だけれど……)。

 翌週、この番組を見ていた知人からこう言われた。

 「番組は面白かったけど、ナツノさんの言っていることよく分からなかったな。オンデマンドって何?」

一方でネット敵視ということに関してはもう少し根が深く、今回のようなメディア側の不用意な自爆がネットの反発を招き、それに対してメディア側が反感を深めるという傍目には逆恨みの逆ギレとしか思えない関係が続いていることが根本原因となっています。
以前にも何度か登場いただいた佐々木俊尚氏を初めとする方々が、ネット憎しの急先鋒・毎日新聞をテーマにこのあたりのメディア側の事情を解説しているので引用させていただきましょう。

毎日新聞「変態ニュース」事件半年 ネットに「火種残されたまま」(2008年12月29日J-CASTニュース)

   J-CASTニュースが、毎日新聞の英語版ニュースサイト「毎日デイリーニューズ」で長年にわたって、異常な性的嗜好を話題にした記事を配信していた事実を報じてから、半年が過ぎた。この事件は、「低俗すぎる」「日本を貶めた」などとしてネットユーザーの「怒り」に火をつけ、毎日新聞の広告主に抗議の電話をする「電凸(でんとつ)」が相次いだ。一時消えた広告は戻りつつあり、表面的には収まったかに見えるが、その後も掲載した記事に関連して、同社の「ネット感覚」や報道姿勢に批判が出ており、「火種は残されたまま」になっている。

「マイノリティの意見として高をくくらずに対処した方がいい」

   2008年9月25日に開かれたマスコミ倫理懇談会の分科会「ネット社会とメディアの倫理」で、この問題が取り上げられた。同会によれば、徳島新聞の記者出身で著名ブロガーの藤代裕之さんが「電凸がどんどん広がり、マスコミが攻撃を受ける事態が広がりつつある」などと指摘。ライブドア広報部長を務めた、ウェブコンサルタントの伊地知晋一さんが、既存メディアへのネットでの攻撃をマイノリティの意見として高をくくらずに対処した方がいいとアドバイスし、「2ちゃんねるを1000万人が見ていることは直視すべきだ」などと話した。

   同会では、毎日新聞社にこの分科会に参加するよう要請したが、同社からは、

    「まだ収束しておらず社としてなすべき事は山積している。現段階での出席は時期尚早で、しかるべき時に会員として経過を報告したい」

といった内容の回答が寄せられたという。

   ITジャーナリストの井上トシユキさんは、毎日新聞の「変態ニュース」事件について、ネットでよく使われる「マスコミ」と「ゴミ」の造語「マスゴミ」という言葉を使って、

    「『2ちゃんねる』などでは、もともと毎日新聞などマスコミに対して、ちゃんと情報を開示しない、偏向的な報道しかしないという理由で、『マスゴミ』という受け取られ方をしていた。今回の問題は、格好の燃料投下になり、毎日新聞=『反日』メディア、というイメージを強化してしまう結果になった。未来永劫とは言わないまでも、毎日新聞は『マスゴミ』代表としてアイコン化されてしまい、まさに(ネットユーザーが反撃する)火種は残ったままだ」

と指摘する。

   井上さんの指摘のように、毎日新聞の「ネット感覚」に変化はないようだ。08年11月19日には、元厚生事務次官宅が相次いで襲われた事件前に、インターネット上の百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」に、犯行を示唆する書き込みがあったと毎日新聞が誤って報じ、問題になった。書き込みは事件後にされたものだったため、同紙はお詫びと訂正を行った。しかし、その一方で、訂正後もこの書き込みをしたユーザーを「犯行示唆と受け取れる書き込みをしたとする人物」、書き込みについては「問題の書き込み」と表現した記事を掲載するなど、いわば「ネットへの敵意」さえ感じられる姿勢さえとっている。そして、書き込みを行ったユーザーが、毎日新聞社に抗議し、その顛末をネット上で暴露するという事態も発生した。

「ネットVS毎日」の対立構図は相当根深いもの

   前出の井上トシユキさんは、「毎日新聞の現場の記者には、ネットをツールとして有効に使おうという記者もいる。ネットと現実社会と橋渡しとなるような取材をして、イメージを覆すように期待したい」と話すが、ネット上では毎日新聞は常に批判の槍玉に上がり、「ネットVS毎日」の構図は相当根深いものになってきていることは否めない。
(略)

「変態記事」以降も毎日新聞の「ネット憎し」変わっていない(連載「新聞崩壊」第3回/ITジャーナリスト・佐々木俊尚さんに聞く)(2009年1月1日J-CASTニュース)

   毎日新聞が自社の英文サイトに「変態記事」を掲載していた、いわゆる「WaiWai事件」では、ネットユーザーが広告主に抗議の電話をする「電凸(でんとつ)」と呼ばれる行動が相次ぎ、同社の経営に大きな影響を与えた。事件後も、同社はWikipediaの記載内容を誤って報じるなど、「ネットに対する姿勢に変化がみられない」との声も根強い。「WaiWai事件」とは何だったのか。この事件を通じて見える新聞社とネットとの関係を、同社OBのITジャーナリスト、佐々木俊尚さんに聞いた。

――今回のWaiWai事件を考える時の論点はいくつかあると思いますが、その一つが、広告を狙い撃ちした「電凸」です。「電凸」を実行したのはいったい誰なのでしょうか。

    佐々木   「毎日新聞のクライアントが誰か」というのは、紙面を見ればすぐに分かりますし、実際、200社以上に抗議の電話が入ったようです。「誰かが抗議ビラをつくってPDFにしてアップロードする」といったことが組織的に行われたのは、おそらく日本では初めてのことではないでしょうか。何故あそこまで大きくなったのか、びっくりしています。

「ネット世論」は、明らかに「普通の世論」とオーバーラップ

――影響力は、実際のところどのくらいあったのでしょう。

    佐々木   毎日のウェブの広告は、ほぼ全滅しました。ただ、「毎日.jp」に出稿されている単体の広告が1つずつストップした訳ではありません。「毎日.jp」は、基本的にはヤフーの(広告配信サービスの)アドネットワークに取り込まれていて、ヤフーに対してスポンサー側から「毎日はアドネットワークから外してくれ」という要請があったようです。毎日新聞はヤフーの大事な提携パートナーですし、新聞業界では一番緊密な関係にある。ヤフー側も、かなり悩んだようです。なおかつ、1社だけ外すというのは前代未聞です。結局「クライアントの要求には応えないといけない」ということで、「毎日.jp」への広告は一斉削除、ということになりました。

――「広告ゼロ」の期間、結構長かったですね。2、3か月ぐらいでしょうか。

    佐々木   6月終わりから始まって、8月いっぱいぐらいでしょうか。ウェブだけではなくて、本体の紙の方にも影響が出ました。ウェブの広告では、「被害額は年間で数億」というレベルですが、「毎日への広告は止めてもいいんだ」という傾向が広がってしまったのが大きい。すでにナショナルクライアントからすると、「もう出したくない」という思いが強くありました。朝日などと比べて、広告効果も見込めない。そういう状況で、WaiWai事件は「これ幸い」ということで、出稿をやめる格好の口実になった面があります。

――では、何故「電凸」が起きたのでしょう。その原動力はなんでしょう。「書き込みしているのは、ほんの一部の層」という指摘する声もありますし、「あんなものは大したことない」という評論家もいます。

    佐々木   様々な論点が錯綜しているように思います。「『荒らしは無視してもいい』というブログを書くときのガイドラインが誤って普及して『ネットからの抗議行動も無視していい』と誤解されてしまったことに加え、インターネットに世論なんか存在しないと思われてしまっていることがあるでしょうね。「ネットなんてフリーターや引きこもりがやってるものだ」ぐらいの認識しかない。そこが決定的に間違っています。
       すでに2ちゃんねるの平均年齢は30~40代。2ちゃんねるがスタートしたのが99年なので、当時の利用者が30ならば、もう40代近い。当然、彼らがみな引きこもりということはあり得なくて、2ちゃんねる上で「世論」として見られるのは、おそらく「まっとうな会社員で、技術系の人」というイメージです。具体的には、「IT系企業で係長やっている30代」といった人が中心なのではないでしょうか。そう考えると、「ネット世論」は、明らかに「普通の世論」とオーバーラップしてくる。そう思いたがらない人も多いですが…。

20~30代の若手記者までネットの悪口を言っている

――今回の「電凸」も、数から言っても「一部の人でやっている」というのは考えづらいですよね。

    佐々木   WaiWai事件について、2ちゃんねるにはスレッドが230ぐらい立ちました。書き込みにして23 万ぐらい。「一部の人が書いている」というのは、根拠がなさ過ぎる。ミクシィにも波及しているし、ブログにも広がっている。その読者も含めると、相当な数にのぼります。大手メディアではほとんど報道はされませんでしたが、インターネットを頻繁に利用する人は、大半が知っています。WaiWai事件を「毎日新聞低俗記事事件」と書いたら「そうじゃない」と怒られたこともありました。「あれは日本女性に対する侮辱であって、単なる低俗な記事を書いたということではない」、と。この事件は、本当に多くの人の怒りを呼んだんです。

――「『電凸』は威力業務妨害だ」といった指摘もありますね。

    佐々木   そもそも、それを「威力業務妨害」だと発想するのが理解不能ですよ。だって、消費者運動の一種じゃないですか。実際に物を壊すとかであれば、威力業務妨害ですが、「電話をして抗議する」というのは、1970年代から消費者運動として行われてきたことです。

――2ちゃんねるの利用者層とは逆に、新聞の読者層についてはいかがですか。

    佐々木   新聞の側が、読者の年齢層を上げてしまっています。元々、新聞では「標準家庭」という言葉が以前は使われていて、これは40歳ぐらいで専業主婦の妻と子供二人のいるサラリーマン家庭をイメージしたものです。そういう人たち向けに新聞を作っていたわけですね。ところが、若い人が新聞を読まなくなって、90年代ごろから読者の高齢化に付き添うようにして、新聞の中身も老化してしまうようになった。
       その結果、中心読者層が60-70歳代になっていて、知らない内に、書く側も、それに合わせてしまっている。私は47歳ですが、(自分が毎日新聞に在籍していた時の)同期の記者に会うと、「何でそんなに老けた考えしてんの?」と、ビックリすることが多い。みんな「世の中が悪くなった」とか言いたがる。自分が理解できないモノは全部ダメなものだと考えてしまっていて、「ネットが悪い」「いまの若者はだめだ」と言いたがる。そんなもの、単なる老人史観でしかありません

――新聞社の人は、「2ちゃん・ネット=悪いやつ」というイメージを持っているんでしょうね。

    佐々木   新聞業界の人からは、「ビジネスとしてはインターネットとつきあっていかなければならないのはわかっているが、生理的にはどうしても受け入れられない」という考えが伝わってきます。

――毎日新聞は、特にその傾向が強いと思いますか?

    佐々木   不思議なのは、ネットをよくわかっていない50代の記者が「ネットはけしからん」というのならともかく、20~30代の若手記者までネットの悪口を言っていることです。WaiWai事件以降、様々な地域面のコラムでネットの悪口が書かれるようになって、明らかに社内に「空気」ができているのだと思います。どう見ても、明らかに若い記者が書いている。毎日新聞は「ネット憎し」の空気で埋まってしまっている

「うちの会社で起きたら、震え上がりますよ」

――毎日新聞側からすれば「不当に攻撃された」と思っているということですね。一方で、ネット側の毎日新聞に対するとらえ方は変わったでしょか?

    佐々木   WaiWai事件が起こったという事実から受ける印象は変わらないんですが、問題は対応の仕方です。例えばお詫びの文章のなかに、「法的措置をとる」と強面で書いてあったり、PJニュースや個人のブロガーにひどい対応をして、そのことを(各メディアに)暴露されたりとか。今回のWikipediaの誤報の件でも、訳の分からないお詫びが紙面に出て、書かれた本人がWikipediaのノートで「毎日の記者から、こんなひどいこと言われた」と暴露している。こんなことがあると、ネットの人間は「毎日は、心底我々を憎んでいるんだな」と思ってしまう。一番びっくりするのは、これまで同様なことが起きているのに、また同じ誤りを繰り返すこと。 WaiWaiの時にPJニュースとJ-CASTに(対応のずさんさを)書かれて分かっているはずなのに、それが全ての記者にいきわたっていない。毎日新聞はガバナンスが不足している会社なので、そういったことが末端まで行き渡っていないのかも知れない。

――毎日新聞以外の他の新聞社も、「電凸」を恐れているのでしょうか。

    佐々木   みんな「うちの会社で起きたら、震え上がりますよ」といいます。だから自社の紙面ではWaiWai事件を大きく報道しなかった。報道したら、自分のところに降りかかると思っています。

――現場の記者は、WaiWai事件をどう受け止めていますか。

    佐々木   私がつきあっている30代の記者はメディア担当が多いので、リテラシーの高い人ばかり。彼ら(毎日新聞の記者)からは「毎日新聞はつらい。上に何を言っても理解されない」という声も聞こえます

――具体的には、どんなところが「理解されない」のでしょう。

    佐々木   例えば、双方向性を理解していないこと。言論がフラット化していることを理解していない。「ブログは素人が書いているもの」ぐらいにしか思っていない。1990年代まではインターネットもしょせんはマス媒体をウェブ化しただけで、言論のフラット化なんて起きなかった。だからそのころまでは彼らもネットをある程度は理解していたと思うのですが、2000年代に入ってブログの登場などソーシャルメディアが台頭してくると、言論は瞬く間にフラット化された。しかしこのようなソーシャルでフラットな世界というのは、その場に身を置いている人間ではないと皮膚感覚として理解できないんです。新聞社との人間とブログの人間は、違う言語空間に生きています。ほとんどの新聞社の人間はブログなんて見ていなくて、彼らにとって、ネットとは「アサヒコム」なんです。
(略)

――今後、新聞社のネットに対する考え方は変わると思いますか?

    佐々木   何らかのターニングポイントが来るのではないでしょうか。いまだに「インターネット世論は世論ではない」と思いたがっていますが、インターネット世論が世論だと言わざるを得ない局面が来る。そうなると、韓国みたいな状況がやってくる。一時はネット世論が権力を握るというところまでいったわけですから。ただ、韓国は行き過ぎて、ネット世論が肥大化してしまい、ネットの世論がリアルの世論と直結してしまった。その結果、「ネットで誹謗中傷を書かれて自殺」みたいなケースが頻発しました。さすがに日本のインターネットはそこまでの状況は作り出さないと思いますが、しかしどのような将来が待ち受けているのかは、まだわからないですね。

――毎日新聞にも、何らかの変化が起こる可能性はありますか。

    佐々木   トップダウンでやれるところじゃないとダメだと思いますね。古い大きな組織なので、無理でしょう。山本七平の名著「『空気』の研究」じゃないですけど、社内を「空気」が支配しちゃっている。没落のスピードが速すぎて間に合わない(苦笑)心配もありますね。

注目すべきは佐々木氏の「朝日などと比べて、広告効果も見込めない。そういう状況で、WaiWai事件は「これ幸い」ということで、出稿をやめる格好の口実になった面があります。」という言葉であるように思います。
ネットとの対立を云々する以前に近年「新聞離れ」「テレビ離れ」などと言われるような既存メディアの影響力の低下が先行して存在していて、すでに彼らのスポンサーたる各企業は没落する一方の既存メディアから手を引きたがっているという事情があったわけです。
確かにネット上での不買運動や電突行動は大きな動きではあったでしょうが、何よりもその前段階として存在していた実社会での影響力低下こそが本質であって、それを認められないような脳内が化石化した人々が未だに各メディア上層部を占拠し続けていることが問題の下地としてあったわけですね。

マスコミ業界の業績悪化については以前にも取り上げたところですが、近ごろでは過剰人員となった記者達が社内失業状態であるなどとも側聞します。
これに加えてネット社会に乗り遅れているというあせりも大いにあるのでしょうが、そうした社内的な業績低迷のストレスのはけ口としてネットという攻撃対象を求めているのだとすれば、これは自分勝手なロジックと批判されても仕方がないでしょう。
仮にも社会の木鐸を自称するほどプライドだけは天井知らずに高いわけですから、せめて自らの行動規範くらいは社会に迷惑をかけない程度にはきちんとしていただきたいところです。

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