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2009年4月28日 (火)

遅ればせながら時事ネタで豚インフルエンザの話題

豚インフルエンザ問題は、昨夜のうちにWHOがパンデミックインフルエンザの警戒レベルをフェーズ3(人に感染する新種のウイルスを確認したが、人から人への感染は限定的)からフェーズ4(人から人へ新しいウイルス感染が続くが、感染集団は小さい)へと引き上げました。
すでに感染者はメキシコ、アメリカに加えカナダ、ニュージーランド、スペイン、イギリスなどにも及ぶとされ、全世界的な感染の広がりが懸念されています。
久しく前から新型インフルエンザと言えば東アジアの片隅で発生というのが定説のようになっていましたから少なからず意表をつかれた印象ですが、WHOによればメキシコとアメリカのウイルスの型は同じだと言うことですから、短期間にこうまで広範囲に広がるほど相当な感染力を持ったウイルスであることは間違いなさそうです。
本日まずはこちらから、彼の地の状況を伝える記事を紹介しておきましょう。

豚インフル、依然400人入院中=在留邦人の感染報告なし-メキシコ(4月27日時事通信)

 【サンパウロ26日時事】メキシコのコルドバ保健相は26日夜、地元テレビに対し、豚インフルエンザへの感染が疑われる死者が全土で103人に達したと語った。感染が確認された犠牲者の数は精査中としている。同保健相によれば、感染の疑いでこれまでに1614人が入院したが、1000人以上の健康が既に確認され、今も入院中の患者は約400人という。
 在メキシコ日本大使館によると、メキシコの在留邦人は6000人超だが、日本人が感染したとの報告は寄せられていない。
 一方、カルデロン大統領はこの日、25日から実施している感染者の隔離などに加え、追加予防策を講じる意向を明らかにした。ドアノブや手すりの清掃、飲食店での食器類の共有禁止など日常生活に深くかかわる規制となる見通しで、感染拡大防止に向け強い決意を示した。 

豚インフルエンザ、NZでも感染疑い メキシコから帰国の25人(2009年4月26日CNN)

(CNN) ニュージーランドの保健当局は26日、メキシコでの語学学習を終えて帰国した学生22人と教員3人に、豚インフルエンザ感染の疑いがあると発表した。

25人は、オークランドにあるランギトトカレッジの教員と学生。メキシコからロサンゼルスを経由し、ニュージーランドに帰国していた。

オークランドの保健当局によると、25人中14人にインフルエンザ様の症状が出ているという。25人は全員、自宅から外に出ないよう指示を受けている。

英国、2人の豚インフルエンザ感染を確認(2009年4月28日ロイター)

 [ロンドン 27日 ロイター] 英スコットランド保険当局は27日、国内で2人が豚インフルエンザに感染したことを確認したと発表した。英国で豚インフルの感染が確認されたのは初めて。
 2人はスコットランドのグラスゴー近郊の病院に隔離され治療を受けているという。
 スタージョン・スコットランド保険相は記者団に対し「スコットランドで豚インフルエンザに感染した疑いのある2人について、検査の結果、陽性が確認された」とした上で「2人とも病院で回復に向かっている」と述べた。

豚インフルで米緊急事態宣言、メキシコの死者103人に(2009年4月27日読売新聞)

 【ワシントン=山田哲朗、リオデジャネイロ=小寺以作】豚インフルエンザ感染の世界的拡大を受けて、米政府は26日、「公衆衛生に関する緊急事態」を宣言した。

 米国では新たにオハイオ州で感染が確認され、感染者は累計で5州20人となった。

 被害が最も深刻な発生国メキシコでは、豚インフルエンザが疑われる死者は103人に達し、このうち22人の感染が確認された。

 同国は引き続き非常事態を発令している。カナダの保健当局も同日、6人の感染を確認した。この結果、感染者を出したのは計3か国となった。このほか、英国、コロンビア、ブラジルなど7か国で感染の疑いが浮上している。

 米政府の緊急事態は、ナポリターノ国土安全保障長官がホワイトハウスで宣言した。これにより、連邦政府が州、地方自治体の関連機関を統轄し、全米で柔軟に緊急事態に対処できるようになる。

 例えば、米食品医薬品局(FDA)には通常の手続きを踏まずに薬品や医療機器を使用する権限が与えられ、検査のため研究施設を優先使用できる。

 具体的には、インフルエンザ流行に備えて米政府が備蓄していた抗インフルエンザ薬のタミフル、リレンザ合計5000万人分の4分の1を、メキシコと国境を接し感染者を出したカリフォルニア、テキサス州などを中心に配布する。国防総省は、700万人分のタミフルを調達する。

 この宣言は、ハリケーンなど自然災害でしばしば出されるが、今回のように感染症で出されるのは珍しい。

 米政府は、「病気の症状がある人は外出せず、公共機関利用も控えてほしい」と呼びかけた。メキシコへの渡航禁止措置は取らないが、自粛は要請している。在メキシコの米国大使館は26日、メキシコ人や、日本人を含む外国人約5100人に対する米国行きのビザ発給を最長1週間延期すると発表した。今週の発給予定者が対象。ただ、米政府は米・メキシコ間の往来は当面制限しないとしている。

 また、米疾病対策センター(CDC)の幹部は26日の記者会見で、「感染者の報告はまだ増えると見られるが、季節性のインフルエンザでも豚インフルエンザでも、ワクチン製造には何か月もかかる」と述べた。

ちなみにこちらでは豚インフルエンザの感染拡大の様子をリアルタイムで表示していますが、これはまだまだ収束しそうにないですよね。
折からGWということで出国ラッシュの真っ盛りを迎えつつあり、これで米墨国境封鎖ということにでもなればまたパニックになりかねないと危惧されるところですが、どうもアメリカと発生元のメキシコとでは同じ型の豚インフルエンザと言ってもずいぶんと症状が違っているようなんですよね。
メキシコでは重症化していて大流行となり死者多数が出ているのに対して、アメリカではさほどの症状はなく患者も散発的で、概ね軽症で済んでいるようです。

ウイルスの場合宿主が変わるとウイルス自身の性質も変わってしまうということはままあることですから、もし今回の豚インフルエンザがヒトーヒト感染を通じて弱毒化する方向で急速に性質を変えてきたということであれば既に「感染力は相応に強いが病原性は並みの」インフルエンザとなっている可能性もあると言うことですね。
これ自体は罹患する患者にとっては朗報になるかも知れませんが、逆に言えば既に一般の感冒症状に紛れて思いがけないほど広範に広まってしまっている可能性も否定できないわけです。

さて、この状況下でどこの国も対策に大わらわだと言うことですが、日本でもさっそく既定の方針に従って政府が動き始めたようです。
実際に病原性がそうまで心配しないでも良いレベルだとしますと、不謹慎ながらこれは危機管理に対する絶好の経験値獲得のチャンスとも言えるわけですから、是非にも事前計画の不備などあらゆる面で検証しながら対策を進めていってもらいたいものですね。

「行動計画に沿ってやるだけ」=フェーズ引き上げ示唆で-厚労省(2009年4月28日時事通信)

 豚インフルエンザ問題で、世界保健機関(WHO)のスポークスマンが28日未明、警戒レベル引き上げの可能性を示唆したことを受け、厚生労働省幹部は「これまでも準備を進めてきた。政府の行動計画に沿ってきっちりやっていくだけ」と話した。
 別の男性職員も「想定の範囲内だ」と説明。冷静な表情で「豚インフルは未解明の部分が多い。WHOの正式な判断を待ちたい」と語ったが、その脇を慌ただしく出入りする職員の姿もあった。
 同スポークスマンは同日、進行中の委員会で警戒レベルが現在の「フェーズ3」から「4」か「5」に引き上げられる可能性があると示唆した。
 同省は、空港での検疫態勢を強化するため、準備を本格化させる。 

豚インフルで水際対策など4方針、冷静行動呼びかけ(2009年4月27日読売新聞)

 政府は27日午前、首相官邸で麻生首相と全閣僚が出席して豚インフルエンザ対策に関する初の関係閣僚会合を開き、ウイルスの国内侵入を防ぐための水際対策など4項目の「当面の対処方針」を決めた。

 首相は会合の冒頭、「国家の危機管理上の重要課題であるという認識の下、対策に全力を尽くされたい」と要請した。

 対処方針は〈1〉国際的な連携と情報収集、国民への情報提供〈2〉検疫・入国審査の強化など水際対策〈3〉ワクチン製造の早急な検討〈4〉国内での患者発生に備えた対策――の4項目。国内対策には、発熱相談センターの設置準備、電気・ガス・生活必需品の事業者に対する供給体制の確認などを盛り込んでいる。

 会合後、舛添厚生労働相は記者団に、世界保健機関(WHO)からの情報収集のため、担当者をジュネーブに派遣したことを明らかにした。また、石破農相は記者団に、メキシコや米国から輸入された豚肉について、「出荷段階で減菌され、さらに加熱調理するからまったく問題ない。風評被害がないようにしたい」と述べ、風評被害対策に乗り出す方針を表明した。

 河村官房長官は同日午前の記者会見で、日本国内での感染者は現時点で確認されていないとし、国民に、「落ち着いて冷静に行動してほしい」と呼びかけた。

豚インフル、警察庁が対策室設置…成田など警戒強化(2009年4月27日読売新聞)

 警察庁は26日午前9時、豚インフルエンザの対策室(室長・塩川実喜夫警備企画課長)を設置し、成田空港など国際空港の警戒を強化している。

 同庁は検疫所での混乱を想定して成田空港の警備にあたる警察官を増員するとともに、関連情報の収集に乗り出した。

同庁は昨年9月、新型インフルエンザに対する行動計画を策定しており、さらに感染が広がった場合は対策室を対策本部に格上げする方針。

<豚インフル>予防ワクチンを優先製造 舛添厚労相(2009年4月27日毎日新聞)

 政府は27日午前、メキシコを中心に世界的な広がりをみせる豚インフルエンザ問題で、全閣僚が出席して対策会合を首相官邸で開いた。検疫・入国審査の強化など「水際対策」の実施など当面の対処方針を決定した。また、舛添要一厚生労働相は27日、報道陣の取材に、豚インフルエンザの発症予防ワクチンを、今冬向けの季節性インフルエンザのワクチンより優先して製造する考えを示した。

 政府が備蓄するワクチンは、鳥インフルエンザのウイルスから製造されたもの。型が違い、今回の豚インフルエンザには効果が期待できない。発生国からウイルス株を分けてもらい、新たにワクチンを作る必要がある。ただこの時期、各メーカーは今冬に流行する型を予測して季節性インフルエンザのワクチン生産に入りつつある。

 この日、豚インフルエンザによる死者が報告されてから初めて厚労省入りした舛添氏は「季節性ワクチンの製造を一時停止してでも、早急に作る態勢を組みたい。製造ラインにも限りがあり、一気に全部はできないが、優先順位をつけて半年くらいで完成させたい」と語った。

 感染の広がるのが、想定していた鳥インフルエンザではなかったことについて舛添氏は「発生源がどうあれ、対策に変わりはない。政府の行動計画は鳥であれ豚であれ使える」と説明した。その上で「新しい情報が入れば必ず公表するので、冷静に行動してもらいたい。一般的なインフルエンザと同じように、うがいや手洗いなどを励行してほしい」と、国民に呼び掛けた。

しかし「日本国内での感染者は確認されていない」と言いますが、軽症型の症状ですと既に患者が発生してもおそらく見逃しているんじゃないかと思うんですがね。
ちなみに現在のヒトインフルエンザ迅速キットでも検出される可能性が高いながら感度など全く未確認という話ですし、そもそも人インフルエンザか豚インフルエンザかなど区別できるものではありません。
それもあってかCDCでは疑い例には検体を検査センターまで送ってリアルタイムPCR等で確認しろと言うんですが、抗ウイルス薬の有効期間を考えると疫学的意義はともかくとして臨床現場にとってはあまり実用的な方法ではなさそうですよね。
さっそく豚インフルエンザ対応のキットなども開発されているようですが、現場にしてみれば在庫も沢山あるだろう既存キットの実効性の検証をさっさとしていただいた方がありがたいかなと言う気がするんですが。

参考までにこちら、厚労省から出ている資料と、東京医大感染制御部の松永先生が和訳してくださったという一般向け説明書を紹介しておきます。

ブタインフルエンザに対する対応について(厚生労働省健康局結核感染症課)

共有資料 ブタインフルエンザの一般向け説明書 - 感染症診療の原則

しかしこちらの報道を見ると何かオバマさんも極めてきわどいタイミングと言いますか、普通だったら感染していても全くおかしくないような話なんですが…
(ちなみに続報ではインフルエンザではなかったという情報も入っているようですから大統領も一安心というところでしょうか)

メキシコ大統領が豚インフルで非常事態宣言-首都で学校閉鎖(2009年4月26日ブルームバーグ)

  4月25日(ブルームバーグ):メキシコのカルデロン大統領は25 日、同国での豚インフルエンザの発生に伴い非常事態を宣言した。これにより同大統領は検疫の実施を命じたり、公共の行事を中止することができる。
(略)
  カルデロン大統領は「政府は必要なあらゆる措置を取ることをちゅうちょしないだろう」と述べた。メキシコ政府は感染拡大を抑制するためにマスクを配布している。メキシコ市一帯では美術館や劇場など多くの市民が集まる施設が自主的に閉鎖されており、コンサートなどのイベントも取りやめとなっている。

  メキシコで最初の症例が見られたのは4月13日で、オバマ米大統領はメキシコ市を16日に訪問していた。メキシコ紙レフォルマによると、オバマ大統領はメキシコ市の人類学博物館で、著名な考古学者フィリペ・ソリス氏の歓迎を受けたが、ソリス氏は翌日インフルエンザに似た症状で死亡した。同紙はソリス氏が豚インフルに感染していたかどうかは確認していない。

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コメント

初めまして<(_ _)>
日本人は島国のためか 非常にこの話題に呑気に構えていると見受けられます。
現地では、報道されている以上に死者が出ているとの情報もあり、
また、この先恐ろしいのは ウイルスがさらに変異を続け
人間の太刀打ちできないウイルスに変化する可能性があることです。
一人一人が 予防策を真剣に考えるべきだと思います。

投稿: サプリメント管理士 | 2009年4月28日 (火) 17時36分

正確な情報を知ることが何より重要ですが、マスコミがデタラメ垂れ流していることって結構多いので、そういう面でも注意が必要ですよね(苦笑)。

投稿: 管理人nobu | 2009年4月30日 (木) 09時50分

過剰な診察拒否見直しを=新型インフルで通知-厚労省(時事通信) - Yahoo!ニュースhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090506-00000085-jij-pol

「諸君、担当医は、院長命に背き患者の診察を放棄した。受け入れ態勢がないから医療は出来んと言って患者の診察を勝手に断りよった。これが病院か。病院は受け入れ態勢がなくても受け入れをしなければならないのだ。検査キットがない、やれタミフルがない、リレンザがないなどは診察を放棄する理由にならぬ。

(中略)

担当医には応召義務があるということを忘れちゃいかん。病院は公立である。市長が守って下さる・・・」

以下、訓示は一時間以上も続いたため、当直明け通常勤務後の残業の連続で、抵抗力の落ちている医師がウイルスに罹り、病気で抵抗力の落ちた入院患者および外来患者に伝染する事態となった。

投稿: 都筑てんが | 2009年5月 7日 (木) 05時22分

今日のネタで少し取り上げてみました。

投稿: 管理人nobu | 2009年5月 7日 (木) 09時12分

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