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2009年3月15日 (日)

今日のぐり「kenage(けなげ)」

最近古い映画を立て続けに観る機会がありましたが、初めて観て少しばかりびっくりしたというのが「折れた矢BROKEN ARROW(1950年)」です。
19世紀後半はグラント大統領の時代、長らく続いた抗争の果てにアメリカ・インディアンと白人とが和解に至る顛末を描いた物語なんですが、第二次大戦も終わって間もないこの時代にこういう映画が作られていたというのはすごいと思いますね。

キリスト教徒というのは面白いもので「非白人に魂はあるかないか」なんてことを延々と真剣に議論してたりするんですが、インディアン=野蛮な未開人といったステロタイプがまさにこの映画が作られた時代にも脈々と受け継がれていたことは同時代の時代劇を見てみれば明らかですよね。
この映画も冒頭からしてインディアンも獣などではなく、自分たちと同じように心を持つ人間であると言うことに気付いて主人公が目から鱗というシーンが登場するのですが、現代日本に生きる我々の視点からすると「は?当たり前だろjk」な話も当時の観客からするとまさに主人公と同じ感覚こそが当たり前だったんだろうなあと想像できるわけです。
そういう点で見てみると当時の観客がこの映画を見てどういう反応をしたのかというあたりも面白そうだなと思うんですね。

映画としてはインディアンとの闘争が続き殺るか殺られるかだと殺気立っている開拓地のただ中で、前述のような経緯から主人公のトムただ一人がインディアンとも話し合いで共存できるはずだと主張し、周囲から袋だたきにされたりしながら何とか平和共存の道を探っていくと言うのが物語の中心なんですが、むしろ上記のような当時では常識破りだっただろう描写が非常に興味深いんですね。
例えば情熱と誠意にあふれた典型的なハリウッド的好人物タイプの白人青年トムに対してもう一方の主役とも言えるのが聡明な酋長コチーズなんですが、高倉健的キャラクターを愛する日本人の目からするとむしろ彼こそがこの映画の中で一番格好良く見えるキャラクターかも知れません。
ともすると古い時代の啓蒙的要素を含んだ映画というのは上から目線が鼻につくところもあるのですが、感情にかられて時に暴走しそうになる主人公に対して人間は理性と強靱な意志の力で難局を乗り越えられるはずだと諭す老成した態度は、アジア圏の映画などにしばしば登場する老師のイメージがあります。

今日のダンス・ウィズ・ウルブズを観た後の世代にとってはごく当たり前に受け入れられる話だと思いますが、当時はいろいろな意味で話題になったんじゃないかなあと思っていましたらば、脚本は赤狩りで映画界を追放された「ハリウッド・テン」のアルバート・モルツだとか。
彼らがこの件で裁判沙汰に巻き込まれたのが1947年、映画が出た1950年と言えばちょうど有罪判決によって映画業界から追放されたころだと思いますが、色々と苦労している中でこそこういう話を書いてみたくなったんでしょうかね。

今日のぐり「kenage(けなげ)」

岡山市中心部の繁華街から一本入った裏通り、少しばかり判りにくいところにあるのがこの店です。
完全個室で味わえる韓国料理店、なんだそうですが、店名からしてこの通りですし店の外観も至って無国籍風、店内に入ったところに添水(鹿威し)があったりと見た目から韓国料理店と想像することは全く不可能だと断言できますね。
しかし価格帯を考えるとそう高い店でもないわけですから、もう少しオープンな感じの店構えの方が通りかかりの一見客も入りやすいんじゃないかという気もするんですがどうなんでしょうか。

この日は飲み放題+コースというお手軽設定だったのですが、出てきたのはサラダにキムチ盛り合わせ、鍋(チゲ)に揚げ物、さらにチヂミとデザートといったあたり。
今回出た中で気に入ったのはチヂミ(一番ベーシックそうなkenageチヂミというやつでしょうか?)なんですが、かりっとした表面の香ばしさ、さくさくした食感、中に入った具材の味と風味がタレでまとめられた味はシンプルながらなかなかいい感じだと思いますね。
海老の揚げ物などもありきたりになりがちな料理ですが、ソースにちょいと工夫がしてあってそれなりに美味しくいただけたのは好印象でした。
また韓国料理屋でチゲと言えばやたらと辛く仕上げてくる店も多いんですが、ごくありきたりな材料ながら辛みと旨みがあっさりとまとめられていてごく普通の日本人でも違和感なく食べられるかなという感じです。

全体的に見てどの料理も特記するほどの素晴らしい味というわけでもないんですが、ほどほどの辛さとほどほどのうまさがほどほどに調和している、あるいはこってりというよりあっさりした引き際の良い味で食べやすいのかなと思いますね。
この手のお手頃な韓国料理屋と言うと妙に唐辛子の刺激を強調してみたり、辛みに対抗しようと妙に強い味にしてしまったりとバランスが悪い店も結構多い中、こういう一歩引いたところで味の調和を図るのが一番広く一般受けしやすいんじゃないかと言う気がします。
今回出た分に関しては素材にしても値段相応で特別すごくいいものを使っているようでもないですが、料理の価格帯から推定するにセットメニューでなく単品でオーダーしてみるともう少し違うのかも知れませんね。

隅っこに転がっていたレギュラーメニューを見てみますとやたらと酒メニューが充実している割に料理の方は結構ありきたりかなという感じで、濃い韓国成分を期待してきた向きには正直ちょっと拍子抜けかなとも思いました。
ただこれも最近韓国料理がかなりメジャーになってきたからこそ感じる不満と言うもので、価格帯や店の性格を考えると例えば同じ市内の人気店「卜傳(ぼくでん)」ほど突き詰めてしまうのもどうかなというところですかね。

本格派を期待すると言うよりも、特に韓国料理とも意識せずちょっとした宴会などで使う店なんでしょうが、そうした分には味も価格も手ごろで万人受けする店というところでしょうか。

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