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2009年2月23日 (月)

産科医ゲットだぜ!と喜んでばかりもいられないような…

既に絶滅危惧種とも言われて久しい産科医ですが、この時代にあって公立病院(しかも福島の!)がいきなり複数の産科医確保に成功するとこれだけのニュースになるという話題。

公立相馬総合病院:産婦人科が来月再開、県外から2医師着任 /福島(2009年2月21日毎日新聞)

 相馬市新沼の「公立相馬総合病院」で、昨年11月から休診していた産婦人科に、県外から医師2人が着任することになった。3月2日から同科の診療を再開する。県内では産科医不足が深刻化しており、県医療看護課は「一度休診した産婦人科が再開できたのは、ここ数年聞いたことがない」と驚いている。

 着任するのは、ともにいわき市出身で県立医大卒の、坂本陽吉医師(62)と木村憲三医師(59)。坂本医師は東京都の地域周産期母子医療センターなどを経て、静岡県伊豆市の民間病院に勤務。木村医師は婦人がん検診の専門家で、大阪府堺市内の民間病院からの転勤となる。2人とも県内に移住した。

 相馬総合病院は相馬市と新地町が運営し、産婦人科の外来患者は年間約3600人(07年度)。相双地区唯一の新生児集中治療室(NICU)を備え、男性医師1人が勤務していたが、昨年10月末で退職していた。

 病院側は当初、県立医大や東北大医学部に医師派遣を要請したが決まらず、県外で後任を探していた。熊佳伸院長が同窓生の坂本医師を勧誘したところ、快諾を得た。坂本医師が「産科はチーム医療が大事」と木村医師を迎え、2人の勤務が決まった。

 相馬市役所で会見した坂本医師は「産科は形を変えた救急医療。2人で力を合わせて診療にあたりたい」と語り、木村医師は「年をとってふるさとに帰りたい気持ちもあった。微力だが地域医療に力を尽くしたい」と抱負を述べた。

 県によると、昨年1年間で産婦人科を休診した病院は、相馬総合病院を含め3病院あるが、他の2病院(県立南会津病院、坂下厚生総合病院)は再開のめどが立っていない。県は「県の『ドクターバンク』もまだあっせん例がなく、医師確保は難航している。2人同時に確保できたのは極めて珍しい」と話した。

この医師不足、特に産科医不足の最中に二人同時にゲットとは何とも珍しい話だなと思うところですが、よく見てみれば年齢が62と59…
とはいえ、どちらも地元出身者ということですからそれなりに腹は据わっていると見るべきなんでしょうか、いずれにしても地域のためにも末永く頑張ってもらいたいものです。

さて、こういう極めて珍しい話ともなりますと、当事者お二人が記者会見までしちゃうんですね(苦笑)。

公立相馬病院、来月2日産科再開 2勤務医会見(2009年02月21日河北新報)

 公立相馬総合病院(相馬市)を運営する相馬方部衛生組合は20日、担当医師不在で昨年11月から休診していた産婦人科の診療を3月2日から再開すると発表した。産婦人科に勤務することになった医師2人も記者会見に同席し、抱負などを語った。

 3月1日付で着任するのは静岡県の病院に勤務していた坂本陽吉さん(62)と大阪府の医院に勤めていた木村憲三さん(59)。坂本医師は周産期医療、木村医師は子宮がん検診を専門としている。

 坂本医師は「これまでの経験を相馬地方のために生かせると思う」、木村医師は「できる限り頑張りたい」と話し、相双地方唯一の新生児集中治療室(NICU)を生かしたチーム医療の実現に意欲を見せた。

 2人ともいわき市出身、福島県立医大卒で、35年以上の経験を持つベテラン。相馬総合病院の熊佳伸院長とは同窓で、病院側の働き掛けに古里での勤務を承諾した。

2人体制での診療再開に合わせ、同病院は4月1日から里帰り出産の受け入れを始める方針も明らかにした。

しかし、いきなり里帰り出産も再開ですか…せっかくゲットした産科医がすぐに逃げ出すようなことにならなければいいんですが。
ところでちょうど今から一年前、「伊関友伸のブログ」さんによるとこんな話もあったんですね。

4月以降も産科継続 伊豆赤十字病院 休診の回避(2008年2月23日静岡新聞・「伊関友伸のブログ」より抜粋)

医師不足で4月以降の産科休診を予定していた伊豆市の伊豆赤十字病院に新たな産婦人科医が22日までに赴任し、4月以降の診療継続が可能になったことが分かった。
 赴任したのは坂本陽吉医師(61)。第2産婦人科部長に就き、12日から分べんを含めた診療を行っている。

福島県出身の坂本医師は福島赤十字病院や葛飾赤十字産院(東京都)で産婦人科部長を歴任。伊豆赤十字病院が産科休診の危機にあることを知り、1月中旬ごろ、葛飾産院を通じ赴任の意思を同病院に伝えたという。

 これまで産科診療にあたっていた男性医は本年度末で退職する。坂本医師は「1人でやるのはハードだが、外科医もいて救急にも対処できるし、自分の実力も十分発揮できる。地域のために役立てればうれしい」と話している。

 同病院は一昨年、医師不足で一時産科を休診した後、男性医が赴任して診療を再開したが「十分な体制ではない」などとして4月以降の休診を患者や市に報告した上で医師を募集していた。石上和義事務部長は「地域の声に応えることができてひとまずほっとした」と述べた。医療体制の充実を目指し産科医や助産師の募集は継続する。

坂本医師が福島に移ったことと関連があるのかどうかは不明ですが、くだんの伊豆赤十字病院HPによれば「平成21年2月以降診療は当分の間休診いたします。」とのことで、今現在も産科医募集の涙ぐましい努力が続けられているようです。
年齢的には坂本医師もちょうど定年直後の時期ですから、たまたま定年後の再就職と福島からの勧誘が重なってこうした複雑な状況を呈しただけなのかも知れません。
しかしながらこうして見ていきますと、以前にも書きましたように限りある医療資源を巡って自治体間・病院間での奪い合いということが次第に現実のものとなりつつある印象をぬぐい去ることが出来ません。

医療は医師がいなければ始まりませんが、だからと言って何でもかんでも医師にやらせろ、高給取りなんだから給料分働かせろと酷使すれば早晩逃散といった結果を招くのはようやく世間にも知られはじめてきているように思います。
限りある医療資源を少しでも長く大事に使って子孫の代まで残していこうという気持ちがあるのでしたら、くれぐれも「ご利用は計画的に」の精神を忘れないようにしなければならないのでしょうね。

ところで「ニコイチ」という言葉の元になったとも言われる共食い整備ですが、旧日本軍に限らず革命後のイランや現代の北朝鮮など、まともな補給を受けられなくなった末期状況ではしばしば行われる手法です。

当然ながらこういうことが始まってしまうといずれは全面的な破局が待っているわけなんですが…

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