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2009年1月31日 (土)

医療行政は生かさず殺さず?

税収減に加えて大幅支出増が予想される現状では当然予想されたことですが、政府与党では社会保障費抑制方針は断固堅持するという姿勢を表明したようです。
本日まずは参院での代表質問から総理の言質を引用してみます。

社会保障抑制目標 首相「09年度以降も堅持」 参院代表質問(09年1月30日日経ネット)

 参院は30日午前の本会議で、麻生太郎首相の施政方針演説など政府4演説に関する各党代表質問に入った。首相は社会保障費の自然増を毎年2200億円抑制する政府目標について「安定財源の確保と並行してコスト削減、給付の重点化など効率化を進める」と2009年度以降も堅持する考えを表明した。

これ自体は既定の路線の踏襲ということでさして新鮮みのある話でもないのですが、昨今妙にどうなのかと疑問に思うのが一方で医療支出増を来すような政策が相次いで飛び出していることなんですね。
最近目に付いた話題の中から少しばかり拾い上げてみましょう。

社保庁所管63病院、廃止から存続へ…政府・与党方針転換(2009年1月30日03時10分  読売新聞)

 政府・与党は29日、社会保険庁が所管する厚生年金病院と社会保険病院の計63病院に関し、売却・廃止という当初方針を撤回し、買い手が確保できなかった病院についても存続させる方向で検討に入った。

 地域医療の崩壊が指摘されている現状をふまえたもので、事実上、全63病院の維持を図るものだ。

 厚生年金病院、社会保険病院は保険制度の運営効率化などのため、2004年に整理合理化方針が決定、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に移管され、譲渡・廃止が検討されていた。社保庁は29日、自民党厚労関係の幹部議員の会合で、譲渡が決まらない病院について、「地域医療に支障をきたさないよう引き続き新たな運営形態を検討する」と説明、了承された。具体的にはRFOを改組して経営主体を新たに設立する案などが浮上している。

社保管轄の浜松病院も売る売らないで最近話題になっていますが、同じ30日付の記事でさっさと売り払うことにしましたなんて記事が出ています。
売却・廃止という方針を撤回というより、売れるものならさっさと売るとの方針はそのままで、売れなかった場合にも残すというだけのことのように思えますがね。

最近では公立病院を民間に売却・譲渡というのはごく当たり前に行われるようになりましたが、民間でやっていける条件ならともかく元々採算性が怪しい立地ですと大変です。
規模の縮小や診療所への格下げも色々なしがらみがあって(苦笑)難しいとなれば、自治体にとってはもはや多額の不良債権を抱え込んでいるようなもので、こうした赤字公立病院での非効率な医療は社会保障費の増額に直結してきます。
そんなこともあってか厚労省は以前から採算性に乏しい公立病院はさっさと潰せと主張していますが、問題は上記のようにこの流れに逆らうかのような動きも一部で見られるということなんですね。
この筆頭が全国の公立病院を管轄する総務省で、まるきり空気を読まず…もとい、何かに目覚めたかのように最近相次いで公立病院支援策を打ち出しています。

公立病院の支援上積み 産科・小児科 交付税4割増(2009年1月30日東京新聞)

 公立病院の七割以上が赤字の状況を受け総務省は二十九日、病院を抱える地方自治体に対する二〇〇九年度地方交付税の財政支援の概要を決めた。医師不足が深刻な産科や小児科には、ベッド一床当たりの特別交付税を四割以上増やすことで医師の確保や待遇改善を図り、過疎地など不採算地区の病院に対する支援も広げる。

 これにより自治体の病院事業への交付税は、〇八年度の二千九百三十億円から約七百億円上積みされる。総務省は一般財源である交付税を増やすことで、財政状況が厳しい自治体でも公立病院への支援が拡充できるとしている。

 財政支援では、緊急的な財政需要に充てる特別交付税の配分額について、周産期医療は一床当たり二百四十四万円から三百五十五万円、小児医療は九十六万円から百三十五万円にそれぞれ増額する。

 不採算地区の病院は「同じ市町村内に民間も含め病院が一つしかない」などとしている支援要件を緩和。現行で一床当たり六十八万円を配分している特別交付税を(1)最も近い別の病院まで十五キロ以上離れている場合は百二十万円(2)その他の地域で人口密度が一平方キロ当たり四千人未満は八十万円-に引き上げる。

 これを受け不採算地区の対象病院数は、二百三十二から約三百二十に増える見通し。

 併せて、すべての公立病院に一床当たり四十八万円を配分している普通交付税を五十九万円に約二割増額。救急病院には、普通交付税として全国ベースで約三百億円を見積もり、配分額の算定基準は今後詰める。

 全国九百五十三カ所の公立病院のうち、〇七年度は六百八十八病院が赤字となっている。勤務条件が過酷な産科、小児科、救急医療などでは医師不足が深刻化し、一部自治体は医師の給与引き上げなどの措置を講じる一方、国に財政支援を求めていた。

金を出すのはよろしいのですが、総額として社会保障費を削減する方針が不変である一方、こうして景気よく金を出そうという部分もある。
そうすると引き替えに一体どこを大幅に削るのかということが気になってくるわけなんですが、今のところそのあたりのアナウンスははっきりしたものが流れてきません。
いずれまた診療報酬改定だとかの話も出てくると思いますが、金を出すというニュースよりもどこの金を削るかというニュースの方にこそ注目していく必要があると思いますね。

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