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2008年12月18日 (木)

祝!読売新聞社が日本鬼畜訴訟大賞最極悪賞を受賞

なかなかに傑作な話がありましたので、今日はまずこちらのニュースから紹介してみます。

第一回「日本鬼畜訴訟大賞」最極悪賞に読売新聞社(2008年12月11日MyNewsJapan)

 12月8日、2008年「日本鬼畜訴訟大賞」の選考会が東京・月島で開かれ、審査委員による議論と投票の結果、最極悪賞に、言論媒体であるにもかかわらずジャーナリスト個人狙い撃ちで“口封じ訴訟”を連発した読売新聞西部本社が選ばれた。(略)
 企業や権力者が裁判制度を悪用して高額訴訟を吹っかけ、個人の口封じ・嫌がらせを図る事例が頻発している。そのような人間の風上にも置けぬ「鬼畜」による訴訟の防止と対策を図るため、ジャーナリズムメディアであるMyNewsJapanは、このほど鬼畜訴訟防止委員会(鬼防委)を結成。手始めの活動として、今年の「鬼畜訴訟大賞」を選出・発表し、“嫌がらせ口封じ訴訟”を仕掛ける組織名を世に広く知らしめることにした。
(略)
◇「最極悪賞」は読売新聞社、次点に新銀行東京
 グランプリにあたる「最極悪賞」は、極悪な訴訟のなかでも、さらに最も悪意が感じられる訴訟で、裁判制度の悪用、つまり国民の税金無駄遣いも甚だしい訴訟を起こした最悪の企業・団体に贈られる。2008年の、不名誉ある最極悪賞には、計11点を獲得した読売新聞西部本社が輝いた。江崎法務室長名による訴訟も含め、2008年は黒薮氏に対する訴訟を連発した。

概要:
    読売新聞西部本社(江崎法務室長含む)
    1:読売新聞社が販売店との商取引を中止した経緯を、ジャーナリストの黒薮哲哉氏が自身のウェブサイトに掲載したところ、その一部が、読売新聞西部本社および社員3人(江崎法務室長、長脇担当、池本担当)に対する社会的評価を低下させたとして、2008年3月11日、黒薮氏に対して2230万円の損害賠償を請求。読売側が問題にしたのは、以下の記述だった。
 「その上で明日の朝刊に折り込む予定になっていたチラシ類を持ち去った。これは窃盗に該当し、刑事告訴の対象になる」。黒薮氏に対して削除・訂正の要請すら行わず、突然、裁判を起こした。

2:読売新聞西部本社法務室長・江崎氏の催告書を黒薮氏のウェブサイトに掲載したところ、催告書は江崎氏個人の著作物だとして公表権を主張、2007年12月28日、催告書を削除せよと仮処分申請、2008年4月、本裁判開始。

読売と言えばモンスターペイシェントの典型例としてしばしば引用される、かの「新聞社で医療を担当している」と緊急手術を強要したという伝説の渡辺勝敏医療情報部次長を擁するほど医療には強いことを以て自認している新聞社ですが、強いのは医療に対してだけではなかったということですね(苦笑)。
読売新聞の偉業達成はともかくとして、去る11月に京都大学で行われた上杉隆氏の講演がなかなかに興味ぶかかったので、一部だけですが抜粋してみます(是非全文を一読されることをおすすめします)。
マスコミ業界の感覚と言うものは例えばTBS社長の井上弘氏の過去発言などを見てみればある程度おわかりになるかと思いますが、この業界も特に上の方に居座っている方々はずいぶんと浮世離れしているところがありそうですね。

11月祭講演会録 「記者になりますか?それともジャーナリストになりますか?」(2008年12月01日京都大学新聞社)

外部の記者を阻み、メンバーすらも雁字搦めにする記者クラブ制度をはじめ、様々なシステム的問題を抱える日本のメディア。日本型の会社員的な記者ではなく、本当の意味でのジャーナリストになるためにはどうすればよいのか。この国は健全なジャーナリズムを築けるのか。議員秘書、海外メディア、フリーランスと様々な角度から日本のメディアを見てきたジャーナリスト上杉隆氏に話を聞いた。
(略)
次に日本の記者クラブ制度について話します。私自身と記者クラブの関わりは、最初はNHKのスタッフとして中から、次に議員秘書という権力側から、その後ニューヨーク・タイムズというオブザーバーの立場から、最後に記者クラブから最も阻害されるフリーランス、という4つの立場からのものでした。15年ほど記者クラブという制度を見てきて、これが日本の報道がうまくいかない最たる理由ではないか、ひいては日本の社会システム全体を歪めているのではないかと思っています。
(略)
この制度がなぜ問題かというと、クラブの性質によって政治の様々なマイナス点が隠され続けてきたからなんです。最近の例をあげると後期高齢者医療制度。あれは3年ぐらい前に民主党の山井和則さんや福山哲郎さんなどの若手議員らが、とんでもない制度だといって委員会でどんどん質問をしていた。しかし記者クラブメディアはそれを一文字も取り上げない。なぜかと聞くと、野党の一議員が言ったってニュースにならないと言うんです。ところが2年経って制度の運用が始まると、今度は大騒ぎするわけですね。なぜこのことが明るみに出なかったのか、政府はこの制度を隠していたんじゃないのかと。しかし全然隠してなんかいなかった。山井さんなんか自分でビラを作って配っていました。このようなことになったのは、政治報道が権力側の発表に従う発表ジャーナリズムであることが原因なんです。政府が発表するまではニュースにならないし、逆に発表すればなんでもニュースになる。政府が発表したかどうかでニュースになるかを判断し、政策などで物事を判断しなくなってしまう。

“出入り禁止”禁止

この前、元財務省の高橋洋一さんと対談をしていて、そこで高橋さんが、マスコミは使いやすいよ、紙を1枚作っておけば、みんなヤギのように寄ってたかって取っていって、ありがたく記事にする。自分が作った中で本当のことなんて書いたことないが、それでも紙ならニュースになり、紙以外はニュースにならない。紙以外をニュースにする場合は取材が必要なわけです。権力側は、「本当に報じないといけないこと」は事実無根だと否定してくる。それを記事にするということこそ世界中のジャーナリストがやっていることなのですが、日本の場合は出しても全く得がないので出しません。これが記者クラブ制度の最大の問題点。

たとえば私が記事を出して、間違っていれば、基本的には、責任とって訂正記事を出すか、謝罪するか、再取材して改めて記事を出すか、そうしたことをすればいいだけだと思うんです。ところが日本のメディアでは1回間違えると、それがそのまま評価の対象になってしまう。そこには間違いは存在しないという前提があるんです。記者クラブの記者が、仮に間違えた場合どうなるかというと、処罰や人事に影響します。スクープをとればいいかというとそうでも無くて、場合によっては記者クラブから出入り禁止となってしまう。(略)

なぜそれを恐れるかといえば、取材された側が社内の上の方に言いつけて、お叱りをいただいて評価が下がるからです。非常に珍しいシステムです。それでもよければ記者は書き続けるのですが、当然ながら出世は見込めず、地方に飛ばされるか現場から外されるか、もしくは辞めざるを得ない状況に追い込まれる。記者も当然ながら生活をして家庭を構えているので、おとなしくせざるを得ない。それがシステムとして完成されているのが日本の記者クラブであって、そこから厳しい記事が出るはずがない。

知るべきことを知らされない国民

記者クラブは、同業者の仕事の邪魔をする不思議な制度であって、権力側からすれば大変便利だが、フリーからすると非常に邪魔。しかし一番不利益を被っているのは、本来知るべきことを知らされない日本の国民です。これを打破する動きとして、鎌倉市や長野県で記者クラブを開放したということがあったのですが、これはいつのまにかなくなってしまった。また5年以上前に民主党が岡田克也代表のとき記者クラブを開放しているのですが、不思議なことに一切これは報じられなかった。これは既得権益に絡む問題です。民主党の記者クラブ開放を報じてしまうと、雑誌とか海外メディアや私のようなフリーが入ってくる。するとこれまでの記者クラブの調和が崩れてしまい、当たり前ですが政治家に厳しい質問も出てしまう。(略)

しかし記者クラブの開放自体は時代の流れだと思います。これまで記者クラブが維持されて来たのは記者たちが、どうでもいい情報をいかにも大事であるかのように扱い、自分たちだけが持っていることで価値を高めて、報じて来たからなんですね。

ところが、そういうことができなくなって来た。その一つの原因にインターネットの普及があります。かつては委員会などの国会審議とかは記者クラブの記者以外は現場に入ってみることができなかった。傍聴してもいいけれど、毎日やっている暇はない。それがいまや完全に動画で公開されている。それを見れば一般の人でも本当のことが何なのかがわかり、記者クラブの記者がどうでもいいことを取材したフリをするなんてことがまずできなくなってきている。また秘書や役人が匿名で書くブログのようなものも増えているし、なんといっても大きいのが政治家とか官僚、つまり取材される側が本人の名前でブログで直接情報を発信していること。特に若手政治家、河野太郎さんや山本一太さんなどはかなり早い段階でブログを書いていて、官邸で首相の話を聞いて来たなんてことをその直後にはアップするわけです。そうすると政治部記者はたまったもんじゃない。翌朝の新聞に書いてあることよりも、もっと詳しい内容を当事者が全部書いてしまうわけですから、いままでのようなごまかしはきかない。そういう意味で変化の兆しはあります。

ただ根本的な部分はちょっと変わりにくい。というのはやはり記者クラブを守って来た人が、いまやメディアの経営陣となっていて、それを開放するというのは自分たちのやって来たことを全否定することになってしまう。私が記者クラブ批判を書いていても、若い記者からは好意的な反応をもらったりもするのですが、幹部の人からは例外無く嫌われている。そういう今の幹部の人がいなくなって、記者クラブに疑問を感じている人が上にいけば、メディア自身から変わっていくこともあるかもしれません。

記者クラブ制度というものに関しては以前から多方面で批判されていることは周知の通りですが、確かにジャーナリストたるを放棄してしまえばこれほど簡単便利に記事を書けるシステムもないんだろうなとは容易に想像できるところです。
ただし上杉氏の公演中にもありますように、最近ではそうしたお仕着せの報道に飽き足らない顧客層の増加が既存マスコミ離れを招いていることも事実ではあるでしょう。

それでも購読者数減少が直接の収入減となる新聞社と違ってテレビ局の場合はスポンサーさえつかんでおけば経営は万全なのでしょうが、昨今の不況下においてはこれも怪しいところ。
と言いますか、そもそも広告効果が疑わしいものを惰性で続けてきたスポンサー各社が、この不況を表向きの理由に一気に決別に走り始めたという印象すらあります。
天下のトヨタですら大騒ぎしているという時代にあって、今まで一人勝ちでやってきたマスコミ業界がどういう危機対応を見せてくるのか要注目というところでしょうか。

大手飲料メーカーが番組提供CMから撤退する? (2008年12月15日ゲンダイネット)

 民放各局は震え上がっているのではないか。これまでCMを大量に出稿していた大手飲料メーカーが番組提供から手を引くのだという。

 あるテレビ関係者がこう言う。

「この会社はこれまで各キー局の複数の番組に、満遍なくCMを出稿してきました。番組はアニメ、歌番組、バラエティーのすべてを網羅しています。でも、テレビで宣伝してもその効果がはっきりしないし、期待しているほどではないと判断し、“テレビからの撤退”を決断したというのです」

 これまで1000億円以上を出稿してきたトヨタ自動車が、来年度は広告宣伝費を30%減らすことを表明している。この会社もトヨタ並みに出稿量が巨額だけに痛手だ。キー局としてはスポットCMの収入激減に頭を痛めている時に、番組提供のCMまで減らされては死活問題だろう。

 これにはタレントも大弱り。高額の出演ギャラを期待していた連中のもくろみはパー。テレビを取り巻く環境はさらにシビアになりつつある。

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