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2008年11月11日 (火)

背後から撃つ者 ~ 牟田口の後継者達ここに在り

ここに至って政府筋からあ~らら、それを言っちゃあ(rなニュースが続きます。
う~ん、何なんでしょうねえこれは。
やはり以前から言われている通り、国を挙げて医療潰しに邁進しているわけなのでしょうか?

妊婦受け入れ拒否、夫が再発防止訴え(11月10日TBS News)

 今回のケースでは、最初に搬送を断った杏林大学病院側が「切迫感が伝わってこなかった」としているのに対し、飯野病院側は「脳障害であることは伝えており、切迫感は伝わっていた」と病院間での言い分が食い違っています。

 また先月4日、墨東病院など都内の8つの病院に搬送を断られた36歳の妊婦が死亡したケースでも、病院の間で言い分が食い違っています。

 病院同士の主張が食い違う今回の問題。舛添大臣はコミュニケーションがうまくいかない現状を、IT技術を駆使して解決できないかと、二階経済産業大臣と急遽、会談しました。

 「お医者さん同士のコミュニケーションがうまくいっていない。IT技術を活用した形で、両省で協力しながら国民のためになる仕事をしたい」(舛添要一厚労相)

「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」(二階俊博経産相)

 2人の大臣はIT技術者にアイデアを出してもらい、大学病院で実験を行うことで一致しました。

またここでも「足りぬ足りぬは(r」ですか…orz
現場のモラルの問題だの努力不足だのと言っている分には政治の責任も問われなければ金も出さなくて済むわけですから、確かに「政治の立場で申し上げるなら」そういう問題になるんでしょうけど。
で、その「忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」二階と「IT技術を活用せよ」の桝添が「それじゃ大学病院で実験してみよう!」と一致したのがこれですか(すでに敬称略w)。

妊婦受け入れ拒否 円滑搬送へモデル事業 厚労省と経産省(11月10日日経ネット)

 東京都内で脳障害を起こした妊婦が相次いで受け入れを拒否された問題で、舛添要一厚生労働相と二階俊博経済産業相が10日会談し、IT(情報技術)を活用し、患者の病状や病院の体制などを共有し、搬送を円滑にする情報伝達システムを共同で開発し、早期に国立病院などでモデル事業を行うことを決めた。

 具体的なシステムの内容は不明確で、普及にも相当のコストと時間が必要とみられ、効果を疑問視する声もある。

 この問題では、かかりつけ医と救急病院の意思疎通の不十分さや、地域の病院の空きベッド数や受け入れ可否の情報を集めたシステムが不正確だったことが課題として指摘されている。舛添厚労相は「緊急時の受け入れ要請で情報ギャップが起こらないように最先端の技術を使いたい」と経産省の協力を要請した。

またハコモノに金かよ…orz

桝添も先日の東京の一件以来、医療現場の声に真摯に耳を傾けてきたはずじゃなかったんですか?
その上で久しく前から役に立たないことだけは立証されているシロモノに今さら巨額の金とマンパワーをつぎ込むって何なんですかね?
こいつら揃いも揃ってホンモノなのか?それとも表向きの目的以外の裏の効能の方を期待しているってことなのか?

お金も手間暇も余っているんならそういう非効率な行為も文字通り「将来に備えた実験」として許されるでしょうが、今は医療も財政もそんな無駄が許容される時期じゃないはずですよ。
それでどこの誰がどれだけ懐が潤うのか知りませんが、いい加減にお馬鹿な発想で医療現場を混乱の渦に巻き込むことだけはやめてください。
貴方達の行為は単に役に立たないだけでなく、はっきり言って医療現場の迷惑であると共に納税者たる国民に対する裏切りですよ。

こういう連中は放置しておくとして、現役の財務省官僚でもある松田学氏が先日、医療と経済との関連からも含めてこんなことを言っています。
必ずしも細部に異論無しとはしませんが、何かと世間知らずな医療業界にとってはいろいろと傾聴すべき提言も含まれているようですので紹介しておきますね。

医療を語れるのは医師しかいない(2008年11月4日CBニュース)

 「医療や社会保障に財源をもっと投入しなければ、日本の経済社会全体が回らなくなるのは明らか。そのためには、医師が医療の外にある他の社会システムの人々に対して共通言語で語り掛け、今の世界情勢における日本の位置、その中での医療が抱えている問題を共有できるようにしなければならない。医療を語れるのは医師しかいない」―。こう語るのは、新刊「競争も平等も超えて―チャレンジする日本の再設計図」の著者の松田学さん。現役の財務省官僚である一方、これまで日本の政策決定に大きな影響を与えてきたといわれる「言論NPO」という非営利政策シンクタンクの理事を務めるなど、さまざまな活動を行っている。「議論を通じて合意を形成していくため、発想のヒントにしてほしい」。松田さんが著書に込めた思いを聞いた。(熊田梨恵)

■国民に判断材料が提供されていない
(略)
―医療界をどう見ていますか。
 それぞれの時代で注目を浴びるシステムというのがあります。これまでは「官」バッシングがありましたが、今は医療界に対する関心がこれまでにない高まりを見せている中で、医師がバッシングされているようにも見えます。これは医療に対する国民のニーズや期待の大きさに対し、医療が応えられないことについてのギャップが大きいために起こっているように見えます。今後の超高齢社会では、医療が立ち行かなくなってはならず、医療システムを利用するユーザーの立場から見ても、これを持続可能なものにするために何とかしなければいけません。特に、日本がこれからどういう国になるかは、社会の高齢化というものをチャンスとして生かせるかどうかに懸かっています。

■医療は日本経済最大のけん引役に

―高齢化が「チャンス」である意味を、もう少し教えてください。
 そもそも医療を「コスト」でなく「価値」としてとらえるよう、発想を転換する必要があります。医療を「バリュー」としてとらえてみれば、それは超高齢社会における「健康という価値」、バリューの創造になります。医療システムも、エンドユーザーに対する価値提供システムの一つです。そして、他国に例のない超高齢社会に入る日本でこそ、健康関連分野での消費振興が、今後の日本経済の最大のけん引役になれるはずです。現在、32兆円余りの日本の国民総医療費は、他の先進国と比べても、GDP(国内総生産)規模から見て50兆円あっても不思議ではなく、今後の超高齢社会で「健康」それ自体を価値としていけば、日本には100兆円の潜在マーケットが存在すると言っても大げさではないとされています。
(略)
■他システムを納得させるため、医療界からの発信を

―それを実現するには、国民から合意を得なければなりません。しかし、そのプロセスがなかなか進まないように見えます。
 こう言うと失礼に聞こえるかもしれませんが、医師と議論すると出てくる意見はしっかりしているし、素晴らしい理解力を示される。ただ、その内容が行政や現行システムに対する批判にとどまっていることが多いのが残念です。例えば行政というものは、政治や世論、あるいは組織の論理などの制約の下にしか動けないものです。それらを外側から突き崩すしか現実を動かす手段はありません。医療界を超えた共通認識の土台をつくり、体系性を持った収束した声へと合意形成を図ることで、政治も初めて動くことができます。しかし、国民から見るとやはり医師は強者。医療以外の他のシステムの人々が、そこに一定の資源投入を合意するところまで至るためには、彼らをも納得させられる論理を彼らと共有することが必要です。
 まず世界の中のアジアという枠組みがあり、その中で日本が将来をどう描いていけるのか。その下に日本の経済社会全体の設計があり、それと整合的に医療システムのあり方が位置付けられてくる。そうした全体の中で、なぜ医療への資源投入が必要になるのかを示さなければいけません。これを語るのは、医療界でなければできません。医療は経済学者などが分析できるほど単純なものではなく、メディアや政治なども医療を詳しく論じられる人は極めて少ない。それはプロだけが理解できる、かなりの複雑系のシステムです。問題の所在を示し、思考の材料を提供できるのも医療界だけです。つまり、医療界が医療の立場を超えた社会全体の視点に立って問題提起をしていかなければ、日本の社会は一歩も動かないということです。

―医療界自身が動いて問題提起し、議論を通じた合意形成に動くべきであると。
 医療財源を諸システムの組み合わせで再設計しなければ、医療という国民生活にとっての最重要分野の一つが持たないことを医療サイドから提起することは、日本の社会システム全体が共通に抱えている課題や、その解のあり方を示すことにもなります。この本では、「官」「民」「公」というそれぞれ異なる論理の複数のシステムを有機的に組み合わせることで、医療問題のソリューションが得られることを提示しています。実は、そうした組み立ては、日本全体の再設計に問われている課題そのものなのです。それをわたしは「日本版ニューディール」として提案しています。今の日本は、それを医療システムから始めるべき状況にあります。ですから、社会システム全体を鳥瞰(ちょうかん)する視点を医療界の人々に持っていただくことが必要なのです。

日本は土建大国だと言われて久しいですが、戦前はもちろん戦後の高度成長以前までの道路事情などを考慮すれば、当時ああいう社会的インフラ整備に金を回したことは先を見据えた見識ある行為だったと思います。
しかし今や時代は流れ、国土の隅々まで立派な舗装された道路網は整備された一方で、医療に関してはほころびが目立つようになった。
道を歩かずに生きていける人間がいないのと同様、どんな人間であれ医療に関わらずに生きていくことが限りなく不可能なこの時代に、そろそろ医療というものをもっと国民産業として持ち上げていっても良い時期なんじゃないですかね?

「国民全般に広く還元される」という論法で土建業界への公費投下が肯定されるのであれば、「国民全てが等しく関わる」という視点から医療業界への公費投下も肯定されてしかるべきだと思いますね。
医療と言えば高度の専門性を備えた特殊な業界という認識があるかも知れませんが、医療に限らずどんな業界であれ専門性の高みははるかに広大な裾野によって支えられているわけです。
例えば昨今の日本では医療と介護(非医療)を分離しようと言う話になってしまっていますが、本来この二つは密接かつ不可分に関わり合っているものであって、ほんとにその道の専門家でなければ行えないような仕事は実はそう多くはないのですね。
医療の現場では医療の専門家でなくとも出来る仕事は(熱意があれば)いくらでもあるわけで、実際にそこいらのスーパーで働いているパートのおばちゃんと同じような普通の人たちが一生懸命現場を支えている一大産業でもあるという事実をまず認識しましょう。

医療費は削るべきでないものまで必死で削って崩壊寸前にまで追い込んだ現状で約30兆円、厚労省の熱心に主張するところによれば、こうまで必死で削減しなければ今よりはるかに大きくなると言います。
では、医療費が大きくなって何が悪いんでしょう?(医療業界は天下り先としてうまみがないので厚労省はその拡大に不熱心だという噂はありますが…)
不景気でどこの業界も求人削減だ、採用内定取り消しだと大騒ぎの中で、これだけの規模でこれだけ人手不足が顕著な産業なんて他にどこかあるんですか?
そうであるなら国民みんなでもっと広く医療に関わって国民産業としてさらに大きく育てていきましょう、シャベルやツルハシを振るかわりにみんなでお爺ちゃんお婆ちゃんを抱えてみましょうってことですよ。

長くなったので今日はこのあたりまでにして、明日以降はこうした視点からもう少し医療費問題を考えてみたいと思います。

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コメント

>「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。
>忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」(二階俊博経産相)
この妄言は医療崩壊の歴史に残りそうです。個人的にはwktkです。

投稿: 元外科医 | 2008年11月11日 (火) 23時37分

医療従事者にとってはそれなりに大きな意味を持つ発言でしょうが、
むしろ楽しみなのは総理が居酒屋に行ったなんてことを喜々として報道するマスコミ各社が
それよりはるかに重大な社会的影響を持つだろうこの発言をどう扱うかですね。

投稿: 管理人nobu | 2008年11月12日 (水) 08時37分

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