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2008年11月14日 (金)

注:「KY」は朝日新聞社の登録商標ではありません。

憲剛が間に合ったのはよかったんですが、一方で名波引退ですか…
あの灼熱のアジアカップは間違いなく名波の大会だったですね。
モリシも辞めたし、時代はどんどんと変わっていくわけだ…

そんな中で変わらず牟田口後継者としての王道を突き進む二階氏ですが、一応発言は撤回することにしたそうです。
しかし面白いのは、総理の原稿誤読なんてどうでもいいような話は鬼の首を取ったように報じるマスコミさん達が、こういうはるかに影響力の大きな問題はスルーしているということですね。
医療問題に強いと自負している(らしい)某読売新聞など全く報じる気配すらありませんし。

二階経産相も失言 「医者のモラルの問題」発言撤回(11月13日産経新聞)

 東京都内で脳内出血の妊婦が相次いで救急搬送を拒否された問題で、二階俊博経済産業相が「医者のモラルの問題」と発言したことから、医師などの団体から抗議が相次いだ。二階経産相は13日、謝罪した上で発言を撤回した。

 発言は10日、二階経産相が舛添要一厚生労働相とともに、病院の情報伝達システム開発を両省で強力して行うことを表明した際に飛び出した。

 二階経産相は搬送拒否の問題に触れ、「医者のモラルの問題だ。相当の決意を持ってなったのだろうから、忙しいだの、人が足りないだのということは言い訳に過ぎない」と、発言した。

 これに対し、全国医師連盟が「産科救急の問題は、基本的に人員や施設の不足に起因」とした上で、「発言でモチベーションが下がり、さらに離職する産科医が増える」と抗議声明を発表。他にも2つの市民団体から抗議の声が挙がった。

 13日の参院厚労委員会でも足立信也議員(民主)が発言の真意を質問したところ、二階経産相は「発言が医療に携わるみなさまに誤解を与えたことをおわび申し上げ、発言を撤回する」という回答を寄せた。

経産相が発言撤回し、謝罪 妊婦拒否「医者のモラル」(11月13日47NEWS)

 相次いだ妊婦受け入れ拒否をめぐり、民主党の足立信也参院議員は13日の参院厚生労働委員会で、二階俊博経済産業相が舛添要一厚生労働相との会談で「医師のモラルの問題」と発言したとして、その適否をただした。経産省幹部は二階氏が発言を撤回し「不愉快な思いをさせ、おわびする」と話していることを明らかにした。
 足立氏によると、二階氏は10日、妊婦の容体などを各病院で共有する情報伝達システム開発について、舛添氏と話し合った際「忙しい、人が足りないというのは言い訳」などとして、医師のモラルに疑問を呈した。この発言を伝え聞いた日本医師会などが強く反発しているという。
 経産省幹部は答弁で、二階氏が「今回のような悲しい出来事を二度と起こさないため、医師として専門的な立場から協力してほしいという趣旨だった」と釈明していることも伝えた。

報道によれば何をどう誤解されたのかも判らないし、医師として専門的な立場から協力を云々とどう読んだらそういう趣旨になるのかも理解不能なんですが、どうもこれ記事の筆足らずであるとかそういう話ではないようですよ。
昨日参議院の厚生労働委員会でこの二階氏発言が取り上げられたのですが、「産科医療のこれから」さんでも掲載されているように、生音声を聞いても何か何やら全く意味不明。
そもそも二階氏本人が出てこないんだから意味不明のコメントを代読させられる官僚もいい迷惑だろうと同情しますね。
誤解と聞いてふと思ったんですが、二階氏発言の真意は医師の「モラルmoral(道徳、倫理)」ではなく「モラールmorale(意欲、やる気)」だったのかもですね(思いっきり曲解)。
そうであれば確かに部分的には同意ではあるんですが、問題はなぜ現場が志気喪失に至ったかということを考えれば、当事者には全く自覚がないんだね~という話でFAでしょうか。

ところで足立議員も質問中に言及していますが、以前に紹介しました「兵庫県立柏原病院の小児科を守る会」が素早い抗議声明を出しているのですね。
今回の件では珍しく日医がさっさと抗議の声を上げているんですが(ただこれも、日医の公式見解って形でもなさそうですね)、現場に対する影響力からすればこうした市民の声の方が百万倍も大きいのではないでしょうか。
これで救急学会あたりが抗議声明でも出せばもっと面白いことになるのかなと思うのですが、医師の世界も時代にあわせてそういう動きの速い体制を構築していってもいい時期だと思いますね。

三階(産科医)を五階(誤解)させてしまった二階氏の話はこれくらいにして、こちらもうお一方話題の御仁がいらっしゃいます。
先日経過をお伝えしました阪南市立病院の医師大量辞職問題ですが、昨日お知らせしました医師8人辞表提出という事態を受けて、新たに就任した福山市長がまた日和ったことを言っているということです。
こちらの方は二階氏発言とは逆に医療業界に与える社会的影響はほとんどないと思いますが、わりあいネタになりそうな話であるせいかワイドショーなどでも結構取り上げられているようですね。

阪南市立病院問題 市特別委で新市長が一転発言 (11月13日MBSニュース)

 大阪府・阪南市立病院の医師8人が一斉に辞表を出した問題で、医師の給与引き下げを主張していた新市長が一転、13日朝の特別委員会で「引き下げるとは言っていない」と発言しました。
 12日、市長に就任したばかりの阪南市の福山敏博市長は13日朝、市議会の病院特別委員会に出席しました。

 福山市長は、市立病院の医師の給与の引き下げを主張してきましたが、その後、病院の医師8人が一斉に辞表を提出したため、内科などの診療ができなくなる恐れが出ています。
 しかし13日朝の特別委員会で、福山市長は「給与を引き下げるとは言っていない」と一転した発言を行い、給与の歩合制を無くすかわりに地域医療手当を上乗せするなどの代替案を示しました。

阪南市長が弁明 医師8人の辞任問題(11月13日KTVニュース)

大阪府の阪南市立病院で医師8人が待遇の見直し方針に反発し、一斉に辞表を提出した問題で、市長は「給与引き下げとは言っていない」と弁明しました。
阪南市議会では、13日の午前10時から市立病院関連特別委員会が開かれ、就任したばかりの福山敏博市長が答弁に臨みました。
阪南市立病院では、医師の退職が相次いだため、給与を大幅に引き上げて医師を確保していました。ところが、先月の市長選で現職を破って当選した福山市長が就任前の会見で、医師給与の見直しに言及したため、医師が反発して12日、8人が辞表を提出しました。
13日の委員会で、福山市長は市の医療体制の見直しについて語ったことの真意が伝わっていないとし、「給与引き下げとは言っていない。医師の慰留につとめている」などと弁明しました。しかし議員からは、疑問の声が相次いでいます。

往生際が悪いと言いますか、医師側も辞任の理由は給与引き下げではなくて「信用できなくなった」と言っているんですけどね。
福山市長に関しては噂レベルではいろいろとあるようですが、誰が市長をやるにしても阪南市自体が夕張化の半歩手前という状況で、病院を潰すにしても巨額退職金で財政破綻、続けるにしても慢性赤字で財政破綻と結構「詰み」になってきているようです。
こういう問題は多かれ少なかれ全国の公立病院を抱える自治体で起こっている現象ですが、民間なら黒字に出来る分野ですら赤字にしてしまうのが公立病院体質というものなのですから、いい加減最低限の公共サービス的部分以外は手を引いて縮小均衡を図るべきだと思うんですけどね。

あるいは公立病院改革の前に立ち塞がる最後の壁とは、「隣の町にもでかい総合病院があるだから、オラとこの町にもないとは許せねえだ」という地域住民のエゴであるのかも知れないです。

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