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2008年9月18日 (木)

厚労省老健局長はおピンクな夢を見るか?

まずは少し古い話ですが、9/3CBニュースから抜粋して紹介します。

介護療養型病床は財政再建の「いけにえ」か

 2006年度の国民医療費は約33兆円。厚生労働省は年々伸びている医療費を抑えるため、06年度から始まった医療制度改革の中で、「医療費適正化計画」を打ち出している。療養病床再編計画は、「メタボ健診」といわれる「特定健診・特定保健指導」などと並ぶ、この計画の重要な柱の一つだ。
 療養病床再編計画では当初、38万床(医療型25万床、介護型13万床)ある療養病床のうち、介護型は11年度末までに全廃し、医療療養病床は15万床にまで削減するとの方針を打ち出していた。しかし、実際の再編が計画通りに進んでいない現状を踏まえ、現在は医療療養病床を22万床、回復期リハビリテーション病棟を3万床残すとし、残りは転換型の介護老人保健施設(老健)である「介護療養型老健」などへの転換を勧めている。しかし、老健よりも一般病床に転換する療養病床の方が多いことを指摘する調査もあり、現場からは「転換型の老健ではスタッフが足りず、患者に合ったケアが提供できない」「転換すると採算が合わない」などの声が上がっている。

■療養病床削減は行き当たりばったり
元財務省官僚の村上正泰氏
 療養病床削減方針が打ち出された背景には、「骨太の方針06」による毎年の社会保障費2200億円削減がある。厚労省も抵抗したが、これだけ財政再建方針のプレッシャーが強いと、削減対象を見つけなければならず、06年度診療報酬改定で療養病床がターゲットになったのだろう。
 療養病床削減方針はあまりにも突然に決まった。まず、05年に出された厚労省の「医療制度構造改革試案」や、与党の「医療制度改革大綱」にも、「介護型療養病床廃止」や「15万床にまで削減」という内容は入っていなかった。これは普通の政策決定プロセスと比較すると異常な事態。例えば、税制改革の場合、まず議論された内容について合意された後、「税制改革大綱」がまとめられて法案となる。しかし療養病床削減の場合、大綱がまとまっているにもかかわらず、法案提出直前になって突然「療養病床削減計画」が出てきたため、与党の法案審査でも猛反対が出て大紛糾した。
 急にこの方針が出た背景には06年度診療報酬改定がある。同改定では、全体の改定率が過去最大のマイナス幅に決まったことを受け、療養病床に導入された「医療区分」について、「医療区分1」の患者に対する点数は採算が合わず、医療機関として経営が成り立たない水準にまで大幅に引き下げられた。その分、医療保険適用の療養病床が削減でき、そうなれば延べ入院日数も減るので、結果的に入院日数短縮も達成されることになる。この医療区分と平均在院日数短縮の目標の整合性を取るために、「医療制度改革大綱」がまとめられた後ではあったが、「療養病床削減計画」が第一期医療費適正化計画の柱として、急きょ位置付けられることになった。
 介護型療養病床の廃止についても、老健局の方から05年末になって突如その方針が出た。それまで医療と介護の役割分担の明確化についてはいわれていたが、廃止という議論は全くなかった。こうしてそれぞれで検討していた方針を掛け合わせると、「療養病床を15万床にまで削減」ということになった。このように決められた計画なので、細部ではおかしいところがたくさんある。通常は受け皿の議論をしてから廃止するかどうかを話し合うはずだが、受け皿の整備が不確かなまま、先に削減が決められた。このため、当時の国会でも追及されたが、政府は「これから地域ごとの計画を立て、患者の追い出しにならないようにする」との答弁を繰り返すだけだった。言葉の内容が可能かどうかは不確実なまま、厚労省を信じるか信じないか、という話になってしまっていた。政策の進め方の順序が明らかに逆だったと思う。
(略)
■療養病床削減、自民は「部会長一任」で了承
飯島夕雁・自民党衆院議員
 06年1月半ばに開かれた自民党の厚生労働部会で、初めて厚労省から療養病床削減計画について説明を受け、議員からは多くの異論が噴出した。部会長からの提案に続いて厚労省から説明があったが、数字などのベースは既に決まっていて、会議だけが開かれたという感じが否めない。わたしも厚労省が出した数字を見た時に医療・介護難民が出ると思った。ほとんどの議員が「現場はこんなことはない」とかみついたが、最終的に「部会長に一任を取り付けていただいたということで閉めます」として、その会合は終わった。納得がいかなかったので、部会終了後に開催された、上部組織である総務会に駆け付けた。「部会では部会長一任を勝手に取り付けたのであり、一任を了解したものではない。しっかり議論してもらわないと困る」と訴えた。しかしその席では、「療養病床再編については厚労省が言うように議論していくが、受け皿整備を約束するという条件で法改正していきたい。少子・高齢化が続く中、保険給付の見直しをしていく中で避けて通れないことだ。今後は国会議員が嫌がる、消費税の議論で自己負担を増やすかどうかなどについても議論していくので、法律を通させてくれ」というのが当時の流れだった。こうして、「削減したからには高齢者が幸せになる受け皿をつくる」という内容の付則が付き、この法案が通された。

■宮島老健局長の発言に注目
清水紘・日本慢性期医療協会副会長
 これが7月の人事で新しく就任した、今の厚労省老健局長、宮島俊彦氏の就任時記者会見の発言だ。
「療養病床の医師は1万人いるが、なぜ子どもや妊産婦を診てくれないのか」
「療養病床では病状が急変すると一般病床に送るという。それで病院なのか。病院という名前はやめてほしい」
 これを聞いてどう思うか、判断は皆さんに任せたい。
 そして、療養病床削減という重要なことがたった約1週間で決められたという事実を皆さんにはよく覚えておいてもらいたい。

これを見るとこの厚労省老健局と言うのが中心に何やら粛々と療養病床削減に動いている構図が見えてくるわけですが、老健局長宮島俊彦なる人物については2006年の神戸新聞インタビューが「新小児科医のつぶやき」などでも詳しく取り上げています。

-治療と療養を目的とする療養病床を大幅に減らす理由は何か?

    「三点ある。一つは病院ではなく、自宅などで療養したり、亡くなったりする環境を整える必要があること。約50年前までは自宅で亡くなる人が全死亡者の約八割を占めていたが、今は逆に約八割が病院や診療所でなくなっている。できるだけ終末期は自宅で療養したいという人が約六割いるという調査結果もある。二つ目は医療提供体制の変換が迫られていることだ。老人医療無料化の『副作用』として、本来、福祉で対応すべき高齢者を病院で対応してきた歴史的経緯がある。高齢者の長期療養を自宅で対応できるようにすれば、長すぎる平均入院日数を短くし、医師や看護師を人材不足が深刻な小児科や産婦人科に回すことができる。」

-三点目は?

    「調査の結果、療養病床にはほとんど医療の必要性のない患者が約8割もいることが分かった。介護施設や在宅に向かわせるべきだ。」

-増え続ける医療費の伸びを抑えることが大きな狙いでは?

    「目的のすべてではないが、保険財政上の問題もあることは確かだ。療養病床では月に四十九万円くらいの医療費がかかるが、老人保健施設なら三十四万円、在宅サービスならもっと少なくすむ。入院が長期化して亡くなる人が増えれば、(医療保険制度は)やっていけなくなる」

ま、この御仁に限らず厚労省のやることは目的と手段が逆転している気もしますが…
しかしこういうのを見ますと先ほどの「療養病床の医師は1万人いるが、なぜ子どもや妊産婦を診てくれないのか」「療養病床では病状が急変すると一般病床に送るという。それで病院なのか。病院という名前はやめてほしい」といった発言も首尾一貫して聞こえるのは確かです。
おそらくこの人の脳内においては医師と言えばどんな医師でも同じ能力を持っているし、病院と言う名がつけばどこでも同じ内容の治療が行えて当たり前だと言う認識なんでしょうかねえ。
現場を見ずして役所の中で数字だけを相手に格闘しているとこういうふうになるのかも知れませんが、この人なりに日本医療の将来を考えてしかめっ面で記者氏に語っている姿が想像できます。

いずれにしてもこれらの話は既に旧聞に属することではあるんですが、今日わざわざ取り上げたはこのしかめっ面のオッサン(想像)のさらに旧聞に属するこんなものを見てしまったからです。

ノーパンしゃぶしゃぶ「楼蘭」 顧客名簿(平成10年2月26日)

話題の ノーパンしゃぶしゃぶ「楼蘭」の顧客名簿を入手しましたので掲載いたします。
楼蘭では昭和62年から昨年末までの12年間、政界、財界、官界、等々、多方面の顧客1万人以上の名簿を FDに保存しております。
その顧客名簿の中から官界の一部をプリントアウトしたものが当方に送られてきましたので、そのまま掲載いたします。
(略)

● 厚生省
宮島 俊彦 (指導課長)

ちょww
説得力ねえよオッサンww

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コメント

ノーパンしゃぶしゃぶのお客様だったのですね。
いつも脳内でロマンティックな夢を見てる方のようでw

投稿: 元外科医 | 2008年9月18日 (木) 13時09分

ちょいとお下劣なネタなのですがあまりにツボにはまったので取り上げてしまいました(苦笑)。

投稿: 管理人nobu | 2008年9月19日 (金) 08時31分

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