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2008年8月31日 (日)

医師不足時代の医師集め

医師不足が叫ばれるようになった昨今、各地で医師を求める声が高まっています。
かつて三重県尾鷲市が年俸五千万円で産科医を募集したと話題になったことは記憶に新しいところです。
この件自体は色々とあって未だに尾鷲=聖地として語りぐさになるような事件で終わっていますが、今の時代に地元民も逃げ出す僻地に医者を呼ぶには他と同じことをやっていたのでは駄目だという認識に至った点は評価して良かったと思いますね。
実際にその後も産科医ばかりでなく各科医師の引き抜きは激化する一方で、今では高額年俸の保証などほとんどニュースにもならない日常茶飯事の話題になってしまいました。

「医師求ム」自治体に明暗…破格待遇や引き抜き合戦

 医師不足が深刻化する中で、各自治体は、手当や奨学金などの充実による医師確保に躍起になっている。経済的な支援という即効性のある方策で成功したケースがある反面、新設した制度になかなか応募がなかったり、自治体同士の〈引き抜き合戦〉につながったりしており、課題も目立ち、金銭面だけでなく、総合的な支援が必要との声もある。

 ■即効性

 大阪府阪南市立病院は、和歌山県立医大から派遣されていた医師が相次いで退職し、昨年7月に内科を休止した。今春には入院患者の受け入れもできなくなり、一時は病院廃止も検討された。市は「民間並みの勤務条件でなければ医師は相手にしてくれない」として、診療実績に応じた歩合給制度を導入。平均年収を1200万円から2000万円に引き上げた結果、4人の招へいに成功した。9月から、1年2か月ぶりに内科診療を再開する予定だ。

 麻酔科医4人が一斉退職した大阪府泉佐野市の市立泉佐野病院も今春、後任医師を年収3500万円(最高)の報酬で公募、2人を確保した。

 ■難航

 2006年に産婦人科医が不在となり、分娩(ぶんべん)の扱いを一時中止した島根県隠岐の島町の公立隠岐病院。運営する隠岐広域連合が4月から、月15万円の離島医師従事手当を創設、なかなか応募がなく関係者をやきもきさせたが、最近、ようやく1人から応募があり、交渉中。松田和久町長は「手当は、厳しい財政状況の町には大きな負担だが、医師確保は最優先」と話す。

 滋賀県は昨年度、出産や育児で医療現場から離れた女性医師への復帰奨励金の貸与を始めた。使途は医学書の購入や勉強会への参加費、通勤のための車購入などを想定、県と病院が計240万円を貸し、1年間勤務すれば返還を免除するが、まだ利用はない。

 和歌山県新宮市は今年度予算案に、医師向けに免震構造の2階建て住宅(延べ195平方メートル)5戸の建設を盛り込んだが、1戸7000万円の〈豪華住宅〉の計画に、市民から「ぜいたく」との批判が上がり、免震構造をやめるなどし、1戸3千数百万円に圧縮した。

 ■綱引き

 

兵庫県では、西隣の鳥取県の鳥取大に年間3000万円を支払い、寄付講座を開設。その見返りに、公立八鹿病院(兵庫県養父市)には昨年、鳥取大から医師2人が派遣され、研究と診療を行っている。県境を越えた大学への寄付は異例な措置で、兵庫県の担当者は「県北部と鳥取県は同一の医療圏」と強調する。

 医師を〈奪われる〉格好になる鳥取県の担当者は「兵庫県と違い、人口60万人の鳥取に財政的余裕はない。寄付講座を開ける自治体とそうでない自治体とで、医療格差が生じかねない」と心配する。

以前にも書いたことですが、医師不足だと言いながら僻地や激務であっても医師が集まり賑わっている病院もいくらでもあるわけです。
医師が集まる病院と集まらない病院の差は、ひと言で言えば医師にとってメリットがあるかないかです。
症例が多いとか指導医が優れているとかアカデミックな面であれ、給与が良いとか交替勤務制が確立されているとかいった待遇の面であれ、今の時代医師が集まる病院には必ずそれだけの理由があります。
逆に言えば医師が逃げ出す病院とは端的に言えば、医師を大事にしない病院であると言うことです。

さすがに最近はそうした事態に気がついてきたと言うことでしょうか、医師をさんざん使い捨てにしてきた各地の自治体病院ですら多少なりとも待遇面での改善を図ってきているようですが、さてどんなものでしょうか?
そもそも自治体病院はその性質上赤字部門であっても抱え込まざるを得ない上に、無闇に人件費率が高い、納入価が高い、施設コストも高いと無駄な支出があまりに多くその9割が赤字を抱えています。
加えて給与や待遇での大幅な譲歩は尾鷲の例を見るまでもなく議会や世論で叩かれますから、よほど他の面で旨味のある病院ででも無い限り今後は厳しいのではないでしょうかね?
比較的医師が集まっていると言われる東京都あたりでも近ごろでは危機感を持ったのかこんなことを言い始めているようですが、

働きやすい病院を!医師の勤務環境改善の取組を支援 … 東京都

 都では、周産期、小児、救急医療に従事する医師の離職防止と定着、復職支援を図るため、救命救急センターや周産期母子医療センターなどの病院が行う、医師の勤務環境を改善する取組を支援する補助事業「医師勤務環境改善事業」を新たに開始します。
 9月上旬より、対象病院からの申請を募っていきますが、本事業は提案型の補助事業として実施し、各病院の実情に応じた取組事例を他病院の勤務環境の改善にも役立てていきます。
1 対象病院

 救命救急センター、小児二次救急医療機関、周産期母子医療センター、多摩地域周産期医療連携強化事業の事業協力医療機関
 (※国、独立行政法人国立病院機構、都及び財団法人東京都保健医療公社が設置する病院は除く。)

いや、肝心の公立病院を除外してたんじゃ話にもなんにもならないんですが(苦笑)。
やっぱりお役人の考えることってどこかずれてんじゃないでしょうかねえ…

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